ベリアル物語   作:ヴァンパイア

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今年中に何とか一話投稿しました。こんなに遅くなったのにも関わらず今回も駄文ですが、皆さまに楽しんでいただければ光栄です。
そして、来年からやるウルトラマンゼロクロニクルと映画ウルトラマンオーブも見逃せませんね。ウルトラマンオーブ オリジンサーガはアマゾンプライムでの見方が分からない為、未だに観れずに。
後、今回でようやくメインヒロインが登場します。


エピソード3「暗雲の底」

球体からそれぞれ元の姿に戻ったベリアル達は、星々が美しく輝く夜空を飛んでいた。闇に身を入れたベリアルだが、この景色にはジャタール共々見とれていた。

 

だが、いつまでも夜空に見とれている場合ではない。夜空をじっくり堪能したベリアルは自分の真下を見下げた。

 

そこには何処までも広がっている暗雲があった。その暗雲はベリアルの闇の力ですら、遥かに凌駕している様に見えた。正確には、本当にそう見えただけでそう決まった訳ではない。

 

ただ、この暗雲は何故か自分を引きずり込もうとしている様に見えた。しかし、そんなことで怖気付いてる訳にはいかない。ちょっとでも嫌がる自分を振り切ってベリアルは暗雲の中に入ることを決めた。

 

ベリアル「おい、行くぞ。」

 

ジャタール「へ⁉︎もう少し見させて下さい!」

 

ベリアル「知るか!夜空なんざ後でこの星を支配してから好きなだけ見とけ!」

 

夜空を見たいが為に子供の様に駄々をこねているジャタールを黙らせてようやく暗雲の中に入ることになった。因みにどうやってジャタールを黙らせたのかは察しの通り。

 

そして、ベリアル達は遂に暗雲の中にと入った。暗雲の中は暗闇に包まれており、光と言えばベリアル達が発光している箇所ぐらいだ。

するとベリアルは透視光線を使い辺りを見渡した。だが、結局何も無かったのでそのまま降りる事にした。

 

ジャタール「陛下。見知らぬ場所に無闇に降りて、いいのですか?」

 

だが、時すでに遅し、ジャタールが気づいた時にはベリアルはもう降りていた。

 

ジャタール「待ってください!陛下ーーー!」

 

急いでジャタールはベリアルの後を追った。風邪を切り、猛スピードでジャタールは急降下をし、ようやくベリアルに追いついた。そして、ベリアルはジャタールが自分に追いついたのを確認し、彼に忠告をした。

 

ベリアル「おい、ジャタール。着陸の準備をしとけ。」

 

ジャタール「御意ッ!」

 

敬礼をしながら返事をしたジャタールは体勢を整えた。すると何やらいかにも人が大勢住んでいそうな都市が見えた。

 

すると、ベリアルは着地場所にあったビルに御構い無しに着地しようとした。当然ビルは6万tもあるベリアルの体重に耐えられる訳もなく、ベリアルが乗った瞬間に崩れ、崩れ落ちたビルの上に着地し、同時に崩れたビルの瓦礫がベリアルが着地した時の振動により、少しの間だけ宙に浮き、すぐさま瓦礫は落ちた。ベリアルは無言で立ち尽くし、しばらくの間静寂が訪れた。

 

そして、続く様にジャタールは土柱を上げ、膝をつきながら着地した。

一様ジャタールも派手な着地をしているのだが、ベリアルが強烈過ぎた為、幾分か地味に見えてしまう。しかし、ジャタールはベリアルのことを一に考えている為、自分よりも目立ってくれるのは(多少の不満はあるだろうが)寧ろ喜ぶことだろう。

 

早速と言うべきなのか、ジャタールはベリアルの見事な着地を必要以上に褒め始めた。

 

ジャタール「流石は陛下、見事な着地でした。正しく、全宇宙の支配者に相応しいご登場でした。」

 

本心で思っているとはいえ、手を擦っている為、媚を売っているのが分かる。だが、ベリアルはそんな事は気にせずに空を見渡し、ある事に気づいた。

 

ベリアル「おかしくねーか?」

 

ジャタール「何がですか?」

 

すると、ベリアルはギガバトルナイザーを先程通った暗雲に向けた。

 

ベリアル「あんな暗雲があるのに、何故此処はこんな明るいんだ?」

 

ジャタール「アッ!言われてみれば、確かにそうですね。」

 

普通は暗雲の下にある所は、暗闇に包まれている筈だ。だが、此処は太陽があるかの様に辺り建物がくっきりと写っているのだ。しかし、その異様な光景は何の違和感も無い様に仕上がっている為、だいたいの者がジャタールの様に気づかないのだ。

 

この現象がどう起こっているのか、その疑問を解く為に二人は腕を組み、考え込んだ。だがその時、突然ベリアルに何かが迫って来た。しかし、すぐさまそれに気づいたベリアルは、腕組みをしている体勢のまま紙一重で避けた。

 

更にベリアルは自分に飛んで来た“物”の正体を見逃さなかった。色合いは真逆だが、それはウルトラマンジャックやウルトラ戦士達が使っている“ウルトラランス”だった。

 

⁇「今の攻撃を避けるとは、大した奴だな。」

 

突然ベリアルを称賛する声が聞こえると、飛んで来たウルトラランスは小さな丸い光となり、何処かへと飛び去った。

その光を二人は目で追うと、その持ち主の手首に戻り、金色のダイヤモンド状の飾りがついた銀の腕輪に変わった。

 

その持ち主は二人と同じぐらいの巨体を持つ巨人で、体に赤と銀の模様があり、胸部にはリベット状の突起があった。

そして、二人はその巨人の姿を見ると警戒の体勢をとった。見ず知らずの者のいきなり話し掛けたら誰だって警戒するだろうが、巨人の姿は二人が知っている人物だったからだ。

 

その巨人の姿はあの宇宙警備隊 隊長の…………………………

 

ベリアル「ゾフィー。」

 

であった。ベリアルも一度光の国で彼とは戦ってことがあり、ギガバトルナイザーを持っているベリアルに対して、多少なりとも善戦できた強者だ。

 

ゾフィー「ホォー。俺の名は知っているとは、俺も少しは有名になったな。」

 

ベリアル「俺みたいな奴でお前を知らない奴なんざいねよ。」

 

ゾフィー「それは嬉しいな。」

 

この時ベリアルは不機嫌になった。何故なら、暫く会っていないとはゾフィーはベリアルに対して、まるで初めて会った奴の様に接しているからだ。

 

ベリアル「つーかゾフィー、テメーあんだけ叩きのめしてやったのによ。まさか俺のことを忘れたとは言わせねーぞ。」

 

ゾフィー「はっ?お前の様な奴なぞ、知らんな。」

 

ベリアル「そうか、だったらもう一度俺の恐ろしさを思い出させてやるよ。」

 

ベリアルは走り出し咄嗟にギガバトルナイザーで殴り掛かる。空かさずゾフィーもブレスレットをウルトラランスに変え、ギガバトルナイザーを防ぎ、ゾフィーはベリアルを押し返しウルトラランスで突き攻撃を仕掛けた。

 

しかし、ベリアルはその攻撃を次々と交わし、右手でウルトラランスを掴みゾフィーごとウルトラランスを持ち上げ、投げ飛ばし、そのままゾフィーをビルに激突させた。 ビルはあっという間に崩れた。

ゾフィーは倒壊したビルからゆっくり立ち上がるとゾフィーは指を鳴らし、赤黒いラグビーボールの様な物と三つのカプセルを出現させた。

 

ゾフィー「面倒な奴だな。かくなる上は………………

 

ゾフィーはそれらをベリアルに向け、放り投げた。

 

出でよ!ミクラス、アギラ、ウインダム、セブンガー。」

 

怪獣達「グォォォォォォォォォォォォォォ!!!!。」

 

ゾフィーが叫ぶと瞬時に四体の巨大生物達を出現した。それらは全てウルトラ戦士達と戦う怪獣達であった。

だが、全員が血の様な真っ赤な目をしていた。

 

ベリアル「数を増やしたか。」

 

ジャタール「陛下。助太刀しますぞ。」

 

ベリアル「丁度いい、こいつを早速試すか。」

 

ジャタールはベリアルの左隣に並んだ。するとベリアルはギガバトルナイザーを水平に持ち替え、叫んだ。

 

ベリアル「モンスロードーーーーーー!!!!!」

 

ギガバトルナイザーから赤い光飛び出し、赤い光はベリアルの右隣に着き、グリーザに姿を変えた。

 

グリーザ「キャッハッハッハッハッ。」

 

ゾフィー「何っ!?グリーザ、生きていたのか。」

 

ベリアル「ホォーお前グリーザつーのか。早速俺の為に働いてもらうぞ。」

 

グリーザ「ヒャッホッホッホッホッホッホッ」

 

ゾフィー「あのグリーザを従えているお前を倒したとなれば、“あの人”も俺の事を認めてくれる筈だ。さぁーお前ら死ぬ気でやれ!奴らを地獄に叩き落としてやれ!」

 

怪獣達「グォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

怪獣達の咆哮と共に雷鳴が轟き、両陣営は睨み合い、辺りは静寂に包まれた。

 

ベリアル・ゾフィー「掛かれーーーー!!!!」

 

二人の激励により、静寂は切られた。両陣営は正面衝突して戦いの火蓋が切られた。

早速とミクラスはベリアルに突進を仕掛けたが、ジャタールが押さえつけたことにより阻まれた。しかしミクラスを助けようとアギラがツノを突き刺そうと突進を仕掛けた。だが、ジャタールはミクラスを台にし、飛び退けアギラの背後に蹴りを浴びせ、更にミクラスの顔に膝蹴りを浴びせた。膝蹴りをもろに顔面に受けたミクラスは顔を押さえながらジタバタしながら、倒れ込んだ。すると額にエネルギーを溜めていたウインダムはレーザー光線をジャタールに放った。ジャタールも胸のコア部分にエネルギーを溜めて、ブレストクラッシャーを放ちレーザー光線を押し返し、額にブレストクラッシャーを食らわせウインダムは悶絶した。

その間にベリアルはゾフィーに前蹴りを浴びせ押し返し、向かった来ていたセブンガーにギガバトルナイザーを振るいセブンガーを押し返した。

するとセブンガーは、足からロケットの様に火を吹き出し、飛ぼうとしたところをグリーザがグリーザ光線を浴びせ阻止させようしたが結局セブンガーは飛び立ってしまった。グリーザも追いかける為に飛び立った。

 

セブンガーはグリーザを撃ち墜とそうミサイルを繰り出した。しかし、グリーザは身体中を歪ませ高速移動でミサイルを次々と避け、グリーザ光線を放ちセブンガーに浴びせた。セブンガーは少しだけ体勢を崩したがすぐに体勢を整え、セブンガーは後ろに振り向くと目からレーザー光線を放った。見事にレーザー光線はグリーザに直撃したが一向に止まる事無く、グリーザは迫って来た。

 

グリーザ「キャッハハハハハハハハ」

 

するとグリーザはセブンガーの首元を掴み、鐘の音の様な怪音波(グリーザアクオン)を響かせた。グリーザアクオンはその場にいる全員に被害に及ぼした。

 

セブンガー「グォォォォォ………………」

 

ミクラス・ウインダム・アギラ「グォォォォォォ」

 

ゾフィー「ガァァァァァ!耳が潰れるーーーー‼︎」

 

ジャタール「グァーーーー‼︎それやめろーーーー‼︎」

 

グリーザアクオンへの抵抗の為、その場にいる全員が戦い放置して耳を塞いでいた。仲間であるジャタールの頼み聞かずにグリーザは攻撃を止める様子が無い。

 

ベリアル「グリーザ!それ今すぐやめろ!!!!」

 

グリーザ「ヒャッヒャッヒャッヒャッ…………」

 

流石に主人の命令には(渋々そうだが)言う事を聞いた。だが、両陣営はグリーザアクオンにより、フラフラしていた。実際今グリーザに首元を掴まれているセブンガーは、目の光は壊れたかけたテレビの様にノイズが入り、点滅しており、一言で言えば虫の息の状態だった。その有様を見て、カプセル怪獣達は悲しみを露わにした。

 

カプセル怪獣達「グォォォォォ。」

 

ゾフィー「セブンガー!貴様よくもセブンガーを……………許さん。」

 

セブンガーを苦しめられた事により、ゾフィーの怒りは絶頂に達した。

するとゾフィーはウルトラランスをブレストに戻し、カプセル怪獣達をカプセルにセブンガーをラグビーボール状にそれぞれ戻し、ブレストの宝石に仕舞った。

そしてゾフィー右手に青いエネルギーを纏い、右手を前方に伸ばした。

 

ゾフィー「散りと化せーーーー!!!!」

 

ゾフィーが叫ぶと同時に右手から必殺技のM87光線を繰り出した。

 

グリーザ「ヒャッホホホホホホホ」

 

ジャタール「陛下。ここは我々が「待て。」エ!?」

 

ベリアル「俺だけで充分だ。」

 

そう言うとベリアルはギガバトルナイザーを投げ捨て、首をゴキゴキと鳴らすと、デスシウム光線を放った。

 

ゾフィー「なめやがってーーーー!!!!絶対に許さん‼︎‼︎‼︎」

 

ベリアル・ゾフィー「ハァァァァァァァァァ!!!!」

 

ベリアルの余裕そうな態度を見て、更に苛立ったゾフィーはフルパワーを出した。

二つの光線は話ぶつかり合った。お互いフルパワーであるが更に火力を上げる為に二人は声を上げた。

 

しかし、徐々にデスシウム光線がM87光線を返し、M87光線を搔き消し、デスシウム光線がゾフィーに直撃した。

 

ゾフィー「グァァァァァ!!!!!覚えてろーーーーーー!!!!」

 

デスシウム光線が直撃したゾフィーは遥か彼方に吹き飛んでしまった。

すると勝利を確信した早速ベリアルに媚を売り始めた。

 

ジャタール「流石は陛下。見事な戦いぶりでした。よっ!宇宙一の漢。」

 

ベリアル「そいつはどうも。」

 

グリーザ「ヒャッハッハッハッハッハッハッ」

 

だが、突如グリーザが光だした。突然の出来事に二人は驚きグリーザに目を向けた。するとグリーザは徐々に縮小し、光が消えると同時にグリーザは元の姿から想像も付かない姿となって現れた。

 

妖艶で長い金髪に見ていると吸い込まれてしまいそうなハイライトの無い漆黒な瞳にぽってりとした艶やかな唇に世の男を魅了するグラビアアイドル顔負けなスタイルにグリーザの姿をモチーフにした谷間が目立つプリンセス衣装にグリーザの背中に付いている木の枝の様な突起が骨組みになっているパラソルを持つ美女となった。

 

ベリアル・ジャタール「ハァァァァァァァァァ!!!!!????」

 

突然しかも美女になったグリーザにベリアルも驚きを隠せずに間抜けな声を上げた。ベリアル達の様子を見て、グリーザはキョトンとしていた。

 

⁇「ありがとう‼︎」

 

ベリアル・ジャタール「ハッ⁉︎・エっ⁉︎」

 

突然ベリアル達にお礼を言う声が聞こえ、振り向くとそこには大きな三日月状の角に額の角にショートカットで薄めの茶髪に緑色の瞳に立派な尻尾にスクール水着の様な物を着こなしている少女がベリアル達をキラキラとした目で見つめていた。

 

少女「ありがとう!本当にありがとう!!」

 

お礼を言われる事なぞ何もしていないベリアルは唖然とした。

 

ベリアル「なっ何なんだ?いったい。」

 

 

 




今回は、戦闘シーンは自分で言うのもなんですが、あっさりしてました。何故、グリーザをメインヒロインにしたかと言うとこの二人がくっついたら面白そうというだけで選びました。
お気に入りに入れてくださった方々の為にも、これからも書き続けます。では、今更ですが良いお年を。

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