ベリアル物語   作:ヴァンパイア

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今回は戦闘短めで会話ばっかりです。


エピソード13「皇帝の悩み」

突然だが、アルカディアスペースとはまた違う宇宙にある、とある惑星の現状を教えよう。

 

草木は燃え、水は枯れ、地は真っ二つに割れて、都市部全てが焼き尽くされていた。

そんな惑星の空である者達が激闘を繰り広げていた。

 

一人は、我等のウルトラ兄弟の末っ子のおそらく最強形態の【ウルトラマンメビウス フェニックスブレイブ】(以降:メビウスFB)がメビウスブレードを構えていた。

 

もう一人は、鎧のような黒い外骨格にその溝にある金色の体が輝いており、背にはおよそ10個はある黒く金色のラインがあるアイスラッガーが羽のように浮かんでおり、マッシブな体型とその胸には金色に輝くカラータイマーがある、その名は【ウルトラダークキラー デルタ】だ。

 

デルタは、腕からメビウスFBに向けて破壊光線を発射した。

しかし、メビウスFBはメビウスブレスを光らせるとメビウスブレードを星をも凌駕する大きさの炎の剣(以降:フェニックスブレード)を生じ、それを振るいデルタを切り裂いた。

 

デルタ「グァアアアアアアア‼︎」

 

彼は苦痛のあまり叫び出した。しかし、メビウスFBはデルタにトドメを刺そうと、ブレスにフェニックスブレードを収納させ、自身の肉体をエネルギーに変換し、炎の様な姿(以降:メビュームフェニックス)になり、デルタに突撃した。

 

メビュームフェニックスはデルタの体を貫いた。そしてそのままメビウスFBは惑星から少し離れると、体を元に戻してメビュームナイトシュートを惑星に直撃させた。

 

すると、爆炎の中に包まれたデルタは一粒の涙を流した。

 

デルタ「すまない。この宇宙を守れなかった。」

 

惑星はウルトラダークキラー デルタを巻き込んで大爆発を起こし、跡形も無く消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルカディアスペース 光の国 王座

 

八つの玉座に五人のウルトラ戦士達が腰掛けていた。

 

ハヤタ「セブン兄さんどうしたんですか?その包帯www.」

 

ハヤタは挑発的な態度でセブンに質問した。

セブンは今この星で使われている、身につけている箇所の傷を癒す包帯を腕に巻いていた。

 

セブン「これは、その、新しいファッションだ。」

 

ハヤタ「アハハハハハハハハ。今の聞きました?言い訳だっさwww.それで、よくあのグリーザを口説こうとしてますねwww.」

 

ーーーーーープチンーーーーーー

 

その時、セブンの何かが切れた。

 

セブン「お前、いい度胸だな。そんなに、俺に殺されたいか。」

 

ハヤタ「嫌ですよ。貴方に殺されるぐらいでしたら、ゴキブリに殺される方が、マ・シ・ですよwww.」

 

そして、両者は立ち上がると取っ組み合いの喧嘩をしだした。

その様子を見て、エースとタロウは呆れていた。

 

エース「まったく、どれだけ仲がいいのかしら。」

 

タロウ「せめて、外でやってくれないか。」

 

すると、カラータイマーが鳴る音が王座に響き渡る。因みに、ハヤタとセブンは喧嘩に集中しているため、まったく音に気づいていない。

 

父「ほう、メビウスの奴、任務を遂行したようだな。」

 

エース「えっ?メビウスお兄様から通信が来たのですか⁉︎」

 

父が腕を振るとモニターが現れ、そこには先程戦いをしていたメビウスFBの姿が映っていた。

 

メビウスFB「父上、そして我が兄妹達よ。久しいのう。」

 

話が少し変わるが、我々が知っているメビウスは末っ子というイメージが強いため、いささか頼りない印象(あくまでもウルトラ兄弟の中で)があるかもしれないが、アルカディアスペースのメビウスはそれとは打って変わって、長男ということもあり威厳に満ち溢れていた。

 

エース「キャアアアアアア!メビウスお兄様!♡」

 

タロウ「………お久しぶりです。メビウス兄さん。」

 

父「こうやって通信を送信したということは、ちゃんと任務を遂行したのだな。」

 

メビウスFB「当然です。余にかかれば、あの様な星にいる生命体を根絶やしにすることなぞ、造作もない。」

 

父「流石はウルトラ兄弟の長男だ。では早速だが、こいつらを黙らせろ!」

 

ハヤタとセブンは今だにメビウスFBに気づかず、喧嘩をしていた。

 

メビウスFB「くだらん争いはやめい‼︎ハヤタ!セブン!」

 

彼が一喝すると、二人は喧嘩をやめて、ようやくモニターに映っているメビウスに気づいた。

 

ハヤタ・セブン「メビウス兄さん⁉︎も、申し訳ありません。」

 

コンマ数秒の間も無い程、一緒の事を言った両者はまた睨み合うとするが、今そんな事をしたら無事ではすまないと悟った両者は堪えた。

 

メビウスFB「ようやく気づいたか。まあ、特別に許してやろう。」

 

ハヤタ・セブン「ありがとうございます。」

 

父「まあ、何はともあれご苦労だった。褒美として貴様に少しだけ休暇をやろう。」

 

メビウスFB「では、ありがたく休暇を楽しませてもらうとよう。」

 

プツンッと通信を遮断すると、急にため息を吐いた。

 

メビウスFB「休暇と言っても、 余は特にする事がない。まあこの宇宙にも星々は腐る程ある。暇潰しにこの宇宙を星全てを根絶やしにしてみるか。」

 

ガッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ

 

彼は高笑いを上げ、その笑い声をこの宇宙に響き渡らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜惑星アルカディア 都市部〜

 

マリナ達は唖然としながらベリアル達が飛び去った方法を見つめていた。

 

エスナ「みんな、しっかりしなよ。」

 

突然、何食わぬ顔で背後からエスナが声を掛けて来た事に皆が驚いた。

 

エスナ「そんなビックリする事ないじゃないか。まあ取り敢えず、私はゴモラゼットンの肉片が無いか探すけど、君達はどうするんだ?」

 

彼女がそう言うと、暫しの間沈黙が続く。そして、マリナは拳を握り締めると意を決して、口を開く。

 

マリナ「エスナさん、どうして、ゼットンちゃんを殺したのですか⁉︎もしかして、さっきのウルトラ戦士かベリアルに操られていたのですか⁉︎」

 

彼女の問いにエスナは笑みを浮かべて答えた。

 

エスナ「そんな事は無いよ。あっ、さっきのウルトラ戦士、ウルトラマンネクサスは私の手助けをしてくれただけだよ。それに陛下にも、操られてはいないよ。」

 

マリナ「じゃあ、ゼットンちゃんを倒したのも貴女の本心のですか⁉︎」

 

エ「ああ、そうだ。」

 

マ「どうしてあんな事を。」

 

エスナ「私は気づいたんだ。例え、ゼットンが死んでもみんなやこの星がある限り、ゼットンは私の中で生き続けている。だから、私はゼットンからみんなを守った。それだけさ。」

 

ミヤ「マリナさん。」

 

彼女達はエスナの思いに涙を浮かべた。

 

エスナ「それに確信は持てないけど、多分陛下も同じ考えだったんだと思うよ。」

 

マリナ「えっ?」

 

エスナ「陛下ももしかしたら、みんなに嫌われてでも、みんなを守りたかったんじゃないかなって思うんだ。」

 

マベル「陛下が、俺たちを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ベリAK達は惑星アルカディアの近くを浮遊している小惑星の上にいた。

 

ジャック「まさかあの状況を使って奴等の信頼を崩してしまうとは流石っすね。ベリアルさん。」

 

ベリAK「お世辞を言ったところで何も出ないぞ。まあいちよう褒め言葉して受け取っておくがな。」

 

ジャック「アザっす。しかしDZがやられたのはかなりのまずいっすね。」

 

ベリAK「ああ、ハッキリ言うと今の俺とあいつでは、実力は明らかにあっちの方が上だ。確実に奴等に勝つためにも他の兄弟達を呼ぶのはダメなのか?」

 

ジャック「ダメに決まってんだろ‼︎」

 

先程から自分よりも目上であるベリAKにジャックなりの礼儀で対応していたが、ベリAKの言葉にジャックは荒い口調を上げ怒鳴った。

 

しばらくの間、沈黙が続いた。

 

ジャック「俺たち兄弟は自分の手柄が欲しいんですよ。ですから、兄弟達と協力するだなんて、真っ平御免っすよ。」

 

ベリAK「じゃあどうするんだ?奴等の信頼は今は崩れているが、いずれ和解する可能性だって無くは無い。攻めるんなら、今がチャンスな筈だ。」

 

ジャック「あんたに言われたくてもわかってますよ。」

 

ベリAK「だがもし黒い俺が来た時のことを考えると、ハッキリ言って心許ない。いったいどうするんだ?」

 

彼の言う事は一理ある事はジャックも理解しているため、ジャックは考え込んでしまう。

 

ベリAK「そんなに自分だけが天辺取りたいのか。手柄を分け合うっていうのはダメなのか?」

 

ジャック「何度も言わすな!ダメに決まってんだろ‼︎」

 

彼の態度にベリAKは呆れて大きなため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、先程ベリAKに自分のやって来た悪事をバラさられて、何処かへと去ってしまったベリアルをグリーザとジャタールは飛んで探し回っていた。

 

ジャタール「まったく、陛下は何処に行かれてしまわれたのやら。」

 

グリーザ「ジャタール。白いベリアル陛下が言ってた事って本当なの?」

 

ジャタール「(今更隠しても無駄か。)ハッキリ言ってしまうとその通りです。陛下は貴女と出会う前から我々と共に悪行を働いて来ました。」

 

彼はベリアルがこれまでしてきた事を正直に細やかに話した。

 

グリーザ「なるほど。そのゼロって奴も、一回ぐらい陛下に勝たせてあげたらいいのにね。」

 

ジャタール「まったくそうですよ。陛下がどれだけ努力しても、あいつが毎回邪魔するんですよ。本当に忌々しい奴ですよ。」

 

グリーザ「ねぇ、あなたを入れてそのダークネスファイブってどうやって出来たの?そもそもなんであなたは陛下に仕えてるの?」

 

ジャタール「少々長くなりますが、よろしいですか?」

 

グリーザ「わかった。だから早く教えてよ。」

 

ジャタール「ダークネスファイブはメフィラス星人魔導のスライああこいつの事はスライと呼んでやって下さい。陛下が提案して出来たチームです。」

 

〜回想〜

 

スライ「陛下のご命令により、これから私達五人でチームを組む事になりました。」

 

ヴィラニアス「成る程、その方が陛下をお守りするのもやりやすいかもしれんな。」

 

グロッケン「で、俺たちのチーム名とかは決まったのか?」

 

スライ「残念なことにまだ名前は決まっていませんね。」

 

グロッケン「じゃあ今決めようぜ。例えば、ベリアル親衛隊ってのはどうだ?」

 

ジャタール「随分、微妙な名前だなwww.」

 

グロッケン「うるせぇ!」

 

彼は怒鳴り声を上げると、ジャタールに向かって極低温度の息(以降:ヘルフローズンブレス)を吐いた。

 

ジャタール「ギャアアアアアア‼︎何もそこまですることないだろぉぉぉぉ!!!」

 

彼は氷漬けとなった。

 

スライ「私はそうですね。ダークキラーファイブってのはどうですか?」

 

グロッケン「ダークキラーってのは、どっかの怨念野郎と被るから却下だ。」

 

デ「ゴォォォォォォォ。」

 

デスローグは手を上げると、グロッケンの耳元でコソコソと話し始めた。

 

グロッケン「ん?何々えーとじゃあ、ダークファイブはどうだってか?」

 

デスローグ「」コクコク

 

グロッケン「悪くはねえかもしれないけど、なんかどっかの少女アニメの敵組織の幹部と被るから却下だ。」

 

ヴィラニアス「では、我輩達のそれぞれの名称を取って極暴魔氷炎ファイブってのはどうだ?」

 

ス「却下です。」

 

スライの発言にイラついたヴィラニアスはスライに向かって超高熱ビームを発射した。しかしスライが攻撃を避けてしまい、見事にジャタールに当たる。

 

ジャ「何でこうなるんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

彼は火を消そうとジタバタと暴れる。

 

ジャタール「ていうか、何気にヴィラニアスが私の名称をつけ忘れてる事には誰も突っ込まないかのか⁉︎」

 

ヴィラニアス「では、お前はどんな名を思いついたんだ?」

 

ジャタール「私の質問はガン無視かよ。まあ良い。勿論決まってるとも、その名もへルファイブだ!」

 

グロッケン「それお前がリーダーみたいな名前じゃねえかよ!」

 

ジャ「違うのか!?」

 

グ「当たり前だろ!」

 

ジャ「こりゃ、ショック。」

 

グ「んーー、ならベリアルファイブってのはどうだ?」

 

ス「陛下がメンバーの一人であるならば良いと思いますが、陛下が作り上げたとはいえ陛下はメンバーではありません。なので、その名は相応しくないかと。」

 

グロッケン「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 

??「貴様ら!何をしてる!?」

 

突然後ろから声が聞こえ、彼等は背後に振り向いた。そこにいたのはワカメのような質感の紫髪、目玉焼きのような目、両腕が鋭利なハサミ、彼等が特徴的な宇宙人であった。

 

スライ「誰かと思ったら、ネスマリ星人ですか。」

 

ジャ「驚かせおって。で、こいつの始末は誰がやるんだ?」

 

デ「ゴォォォォォォ」手を上げている。

 

グ「じゃあ、頼んだぜ。」

 

ヴィ「ん?ダークファイブ。ネスマリ星人。」

 

すると、ヴィラニアスはひらめいたとわかりやすく左手を右手にポンと叩く。

 

ヴィ「さっきデスローグが言っていたダークファイブにネスを足して“ダークネスファイブ”というのはどうだ?」

 

グ「おおそれそれ!その方がしっくり来るな!」

 

ス「では、その名前で決まりですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜回想終了〜

 

ジャタール「という事があって、ダークネスファイブはできましたね。」

 

グリーザ「なんか、あなたひどい目にあってばっかだね。」

 

ジャタール「おお、陛下の次に私を気にして下さる方がようやく出てきた。」

 

ジャタールは感動のあまり涙が出そうになるが、グリーザはそんなジャタールに遠慮無しに質問を続けた。

 

グリーザ「で、どうしたジャタールは陛下に仕えてるの?」

 

ジャタール「長くなりますがよろしいですか?」

 

彼女は頷いた。

 

 

ジャタール「実はですね。私はこう見えてもヒッポリト星では中々の名家の生まれなんですよ。タールを使わなくても相手をブロンズ像にする事が出来る革命氏とまで言われていました。

 

ですが、私はその力を使えずにいたため、父は私の事を息子とは見てくれませんでした。そのせいで私は周りからバカにされましたよ。「名家の恥」「ヒッポリトの面汚し」とまで言われましたよ。

 

そして唯一の救いが母でした。母はよく私を慰めてくれました。

 

そんなある日のことです。母は私に「私をお父さんから助けて。」と言ってきたんです。私は最愛の母の為ならばと思い、不意をついて父を殺しました。

 

その後母の元に行ったその時でした。母は私に父を殺した事は全て私の意思だという濡れ衣を着せたんです。私が連行される時に母は私が知っている限りでは本当に嬉しそうにこう言われました。

 

「ようやく、ゴミ屑から離れられるわ。」

 

結局私は母から誰にも必要とされて、いやそれ以前に生きてることすら不快に感じられていたのです。その瞬間に私は絶望し、自分はもう生きている理由なぞ無い事に気付きました。

 

私は同族を況してや親を殺したという事で私は怪獣墓場でブロンズ像にされ、永久に死ぬ事すら許されないという刑を下されました。

 

そして怪獣墓場に連れられ、タールに閉じ込められたその時、陛下と出会ったんです。

 

〜回想 怪獣墓場〜

 

ヒッポリト星人A「お前も馬鹿な奴だな。愚かな母親なんて見捨てれば助かったのによ。あ、でもお前はそうでもしないと誰の役にも立たなくて、生きててもなんの価値もない奴だからなぁ。」

 

今ヒッポリト星人達はジャタールを除いて三人おり、そのリーダー格がバカ笑いを上げると後者の二人もバカ笑いを上げた。しかし閉じ込められてるジャタールは何も言わずに黙り込む。

 

ヒッポリト星人B「じゃあ、あばよ。出来損ないwww.」

 

ジャタールは自分がブロンズ像になると覚悟したその時、突然ヒッポリト星人達の頭上から赤黒い稲妻が降り注いだ。

 

ヒッポリト星人達「ギャアアアアアア!!!」

 

彼等は断末魔を上げながら跡形も無く爆発四散した。ジャタールもこの状況に驚きを隠せなかった。すると、雷鳴が轟き、空に青い稲妻が走ると、突如目の前に禍々しい黒い鎧アーマードダークネスを纏った者が現れた。

 

⁇「騒々しいと思ってきてみれば、ヒッポリト星人の仲間割れか。」

 

ジャタールは鎧を纏った者を凝視した。そしてその者の正体に気づいたのか、目をこすって彼を二度見した。

 

ジャタール「あんたは、ベリアル⁉︎」

 

ベリアル「やっと気づいたか。だが今の俺の名は【カイザーダークネス】だ。ところで、何故ヒッポリト星人がここにいるんだ?」

 

ジャタールはベリアルもといカイザーダークネス(以降:カイザーD)に全てを話した。

 

カイザーD「そんな事があったのか。で、お前はこの先行く宛はあるのか?」

 

ジャタール「私にはもう帰る場所は無い。それに生きてる価値すらないんだよ。」

 

カイザーD「それなら、これから俺について来い。」

 

ジャ「お前に?」

 

カイザーD「俺が全宇宙の支配を目論んでいることは聞いているだろ。」

 

ジャ「噂で聞いた事はあるな。」

 

カイザーD「そうだ。そこで俺は今優秀な部下を今集めているところなんだ。」

 

ジャ「いちよう言うが私は出来損ないだぞ。」

 

カイザーD「お前が出来損ないのかは俺が決めることだ。」

 

そう言うと彼は三つ叉の刃を両端に付いている槍ダークネストライデントをタールに突き刺し、タールを粉々にした。

 

ジャ「聞きたい事があるのだが、いいか?」

 

カイザーD「何だ?言ってみろ。」

 

ジャ「あんたはどうして全宇宙を支配しようとしてるんだ?」

 

カイザーD「俺が全宇宙を手に入れれば、あらゆる者共が俺にひれ伏す。そうなったら全宇宙は平和になるだろ。」

 

ジャ「じゃあ、あんたは平和の為に戦ってるのか?」

 

カイザーD「まあ、結果に的にそうなるな。」

 

ジャ「その考えが間違ってるとか、考えたことはないのか?」

 

そして、彼は断言した。

 

カイザーD「無いな。俺は、俺の考えが間違ってるなんて、一度も無いな。」

 

ジャタールはカイザーDから放たれる圧倒的なオーラに息を呑んだ。

 

カイザーD「そういや、お前の名前を聞いていなかったな。名はなんだ?」

 

ジャタール「ジャタール。ヒッポリト星人ジャタールだ。」

 

カイザーD「じゃあ期待してるぞ。ジャタール。」

 

私は陛下から感じたカリスマ性に惹かれ、あのお方に仕える事にしたのです。

 

グリーザ「ふーん、色々とあったんだね。ところで、さっきから陛下見かけないね。」

 

ジャタール「確かに先程から見かけませんね。」

 

グリーザ「だったら、手分けして探さない?」

 

ジャタール「では、そうしましょうか。」

 

二人は別れてベリアルを探す。

グリーザは海に浮かぶ島々を見渡す。そして、彼女は人間態になったベリアルを見つけた。

 

彼女はその島に降り立つと小走りをして、ベリアルの元へ行く。

 

グリーザ「陛下、こんな所で何やってるの?」

 

ベリアル「ん?何だ、お前か。少し考え事をしていただけだ。」

 

しかし彼の顔は悲しそうな表情を浮かべていた。

 

ベリアル「後でジャタールを見つけたら、すぐにこの星を出るぞ。」

 

グ「どうして?」

 

ベリアル「あいつらを守るだなんて、もうめんどくせえんだよ。とっととこんな所から出て行くぞ!」

 

グ「逃げちゃうんだ。」

 

ベ「ああん?」

 

彼女の言葉にベリアルはイラつき、怒りの表情を浮かべた。しかし、恐ろしい形相となっているベリアルに怯まずに喋り続ける。

 

グリーザ「何だか、今の陛下はまるでみんなから逃げてるみたいに見えたの。」

 

すると、ベリアルは右手でグリーザの首を鷲掴みにし、持ち上げた。

 

ベリアル「もう一度言ってみろ。その瞬間、お前を殺す。」

 

彼の発言は目を見れば明らかに本気なのが伺える。普通この状況なら誰もがベリアルに恐れて喋るのを止めるだろう。だがそれでも彼女は喋り続けた。

 

グリーザ「私を殺すの?私もゴモラみたいに死んじゃうの?」

 

ベリアル「そうだ。それが嫌なら、余計な口を叩くな。」

 

グリーザ「いいよ。陛下が私を殺したいのなら、それでもいいよ。」

 

ベリアルは彼女の言葉に目を見開いた。

 

グリーザ「ジャタールから聞いたよ。私達のような部下は貴方のために死ぬ事だって、聞いたよ。」

 

ベリアル「そうか。じゃあ、今すぐ殺してやるよ。」

 

グリーザ「別にいいけど、最後に聞いて欲しい事があるの。それだけで良いから言わせて。」

 

ベリアル「…いいだろ。最後の言葉ぐらい聞いてやるよ。」

 

そう言うと彼はグリーザを離した。

 

グリーザ「ありがとう。今の陛下はさっきも言ったけどまるで逃げてる様に見えるの。もしかして、マリナ達に何を言われるのかを考えたら、怖くなったの?」

 

ベリアル「……別に、そんなんじゃねえ。さっきも言った通り、もう飽きたんだ。やっぱ、俺が誰かを守るなんざ性に合わなかったんだよ。」

 

グリーザ「じゃあ、何でゼットンを殺そうとしたたの?」

 

ベリアル「そりゃ……ただ単に目障りだと思ったからだ。」

 

グリーザ「嘘つき。今言ってる事が全部本当なら、すぐに答えられるはずだよ。なのに、さっきから空いている微妙な間は何?多分考えてるから空いている間なんだろうけど、何で考えるの?私の言っている事が全部図星だから変な間が空くんでしょう?」

 

ベリアルは彼女の質問責めに黙り込んでしまう。

 

グリーザ「本当の事を言って。誰にも知られたくないのなら、誰にも話さないって約束するよ。だから、ベリアル陛下の本当の気持ちを言ってよ。」

 

ベ「……本当に誰にも言わないんだな。」

 

彼女は頷いた。

 

ベリアル「ハッキリ言っちまうと、お前の言う通りだ。俺はあいつらに何を言われるのかを考えたら、怖くなっちまったんだ。」

 

グ「何で怖くなったの?」

 

ベリアル「それはな。あいつらとのくだらねえ日常が過ごせなくなると思ったからだ。まあ、ゼットンを殺そうとした時点でもう二度とあの日常を送ることは無くなっちまったけどな。」

 

グ「どうして、もうマリナ達と一緒に暮らす事が出来ないの?」

 

ベリアル「そりゃあ、あんな事しちまって、しかも俺がこの宇宙のウルトラ戦士達と同じことをやってきた事が知られちまったんだ。流石のあいつらも俺にはもう会いたくないだろうよ。」

 

グリーザ「あいつらに悪いと思っているのなら、逃げずに目を合わせな。」

 

彼女の言葉にベリアルは見開いた。

 

グリーザ「前にベリアル陛下が私に言ってくれた事だよ。私もあの時にみんなと顔を合わせたくなかったよ。でも、ベリアル陛下が勇気付けてくれたから、私はみんなとまた目を合わせて話せるようになったよ。だから、ベリアル陛下もみんなと目を合わせようよ。」

 

ベリアル「さっきも言っただろ。流石のあいつらも今回ばかしは許してくれねよ。それに、俺はもう誰かを守れない辛さを味わうのはもうごめんなんだ。

 

結局、俺は何かを奪う事しか出来ねえんだよ!俺が誰かを守るなんざ無理なんだよ!」

 

彼がそう言うと、グリーザは首を横に振った。

 

グリーザ「そんな事ない。確かにベリアル陛下はそれこそ私から自由を奪ったけど、そのおかげで私はみんなと出会えて、今では楽しい思い出を作れてる。だから、無理なんて言わないで。 」

 

すると、彼女の言葉を聞いた影響なのか…ベリアルは笑みをこぼした。いつもとは違い、恐ろしい形相が何処か優しく見えた。

 

ベリアル「グリーザ、お前………ありがとよ。取り敢えず、マリナ達の所に行ってみるとするか。」

 

その言葉を聞いた瞬間に、グリーザも笑みを浮かべて頷いた。

 

グ「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、小惑星の上でジャックはまだどうやって勝つかを考えていた。

そしてベリAKは

大きなため息を吐いた。

 

ベリAK「悪いがもう俺は降りるぞ。じゃあな。」

 

彼はそう言うと赤い球体となり、飛び去ってしまった。

 

ジャック「ケッ、老いぼれが調子に乗りやがって。しかし本当にどうするべきなんだ。」

 

頭を抱え考え込んだ。すると、突然モニターが現れ、そこに映っていたのタロウであった。

 

タロウ「ジャックよ、手間取ってる様だな。手を貸してやろう。」

 

ジャック「やめてくれ、俺は自分の手柄が欲しいんだよ!タロウの兄貴なんざ信用できねえよ。」

 

タロウ「そう言うな、安心しろ。手柄は全部お前のものだ。」

 

ジャック「手を貸すっつっても、いったい何をするつもりだ?」

 

タロウ「黒ベリアルがここにいる目的はどうやらあの者達を守るためにいるそうだ。その守る目的は奴らとの生活らしい。なら、奴等とは二度と生活を送らないようにすれば、奴もこの星から出て行くだろう。」

 

ジャック「しかし、いったいそんなことをどうやってやるんだ?」

 

タロウ「それは、こいつを使うんだ。」

 

タロウが指をさした先には、ウルトラホーン、アイスラッガー、プロテクター、ビームランプ、カラータイマーなどウルトラ兄弟達の特徴を肥大化させた外骨格の様な体をしており、ビームランプとカラータイマーの色が紫色になっており、両腕にアイスラッガーを装着しており、眼が赤い、禍々しいウルトラマンという表現がよく似合う姿をしている。

鎖で拘束されている、第一形態のウルトラダークキラーであった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ベリアル達はマリナ達がいる都市部へと向かい、飛んでいた。

 

ベリアル「そういやジャタールを見かけないが、いったい何処に行ったんだ?」

 

グリーザ「さっきまでは一緒に居たんだけど。まあ、そのうち戻ってくるんじゃない?」

 

ベ「それもそうだな。」

 

グリーザ「それにしても、ベリアル陛下も落ち込む事があるんだね。」

 

ベ「その事は絶対に言うなよ!」

 

グリーザ「はーい。あ、それってベリアル陛下と二人同士の秘密って訳ね。何だか得した気分。」

 

ベ「そうか?」

 

グリーザ「この前、エスナを貸してもらった小説は二人同士の秘密から恋が始まったの。これを読んで時から私も二人同士の秘密とかそういうのにちょっと憧れてたの。」

 

ベリアルは彼女の意外な面を知って、少し驚いた。

 

そうこうしていると、海の向こうから先程ベリアル達が戦っていた都市部が見えた。ベリアルは都市の中心に降り、マリナ達がいないか辺りを見回した。

 

ベリアル「おーい、マリナ、エスナ、ミヤ、ダズ、マベル、いるんなら出て来い。お前らと話がしたいんだ。」

 

彼は先程共に戦った者達(ジャタールは除く)の名を叫んだ。

すると、三機の円盤と巨大化したマベル達が現れた。

 

ベリアル「よお、お前ら。さっきの件について何だがな。」

 

彼が話をしようとしたその時。突如三機の円盤からベリアルに光弾が放たれた。

 

ベリアル「イッテ!さっきの事で話があるって言ってんだろうが!話を聞け!」

 

彼がいくら呼びかけても、彼女達は何も言わずに攻撃を続けた。

更に今度はマベル達も攻撃を仕掛けるが、ベリアルは後ろへと跳び彼等との距離を遠ざけた。

 

すると、グリーザが彼女達の円盤の前に現れた。

 

グリーザ「みんなやめて。今すぐ攻撃をやめてベリアル陛下の話を聞いてよ。」

 

グリーザの言葉を聞いた瞬間、彼女達は怒りの表情を浮かべた。

 

マリナ「ゼットンちゃんを殺しただけじゃなく、グリーザちゃんまでも操るだなんて。」

 

ミヤ「何て、卑怯なの。」

 

エスナ「グリーザ、今すぐ助けてあげるよ。」

 

グリーザ「違う!そんな事はな」

 

彼女は誤解を解こうとするが、彼女達の耳には届かず、攻撃を続けようとしていた。

 

ベリアルは両手から赤黒いエネルギーの壁(以降:ベリアルウォール)を張り、彼女達からの攻撃を受け止めた。

 

ベリアル「グリーザ、取り敢えず今は何も聞いてくれそうにねえ。一旦引くぞ。」

 

彼がそう言ったその時であった。空からジャタールが土柱を上げ降り立った。

 

ベリアル「丁度いいところに来たな。何とかしてこいつらを説得してくれ。」

 

しかしジャタールはベリアルが命令しているにも関わらず、無言で立ち尽くしていた。するとジャタールは三つの突起からヒッポリト光線でベリアルを攻撃した。

 

ベリアル「てめえ、主人であるこの俺にこんな事したら、後が無いぞ。」

 

ジャタール「貴様こそ何を言っている!貴様なんかが私の主人ではない‼︎」

 

彼は断言した。

 

ジャタール「私の主人は、このお方だ‼︎」

 

彼がそう言うと、天から禍々しいオーラを纏った紫色の球体が降り立った。そして、その球体は禍々しいオーラを纏う禍々しい巨人となった。

 

ベリアル「てめえ、何者だ‼︎」

 

⁇「俺の名は、この星の守護神“ウルトラダークキラー”だ!」

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!!せっかく、謝ろうとしたベリちゃんの前にまさかのウルキラちゃん登場‼︎そしてジャタなんとかの裏切り!?このままベリちゃんはこの星を去ってしまうのか!?
次回をちょっとだけ楽しみにしてあげてね。」

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