Fate/EXTRA 汝、復讐の徒よ   作:キングフロスト

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真名看破:ライダー

 

 校舎はひっそりと静まり返っている。明日が決戦の日だからだろうか、マイルームへ戻るまでの間、誰一人として外を出歩いている者は居なかった。

 既に、校舎全体が異様な空気で満たされているようで、嫌でも明日が運命の日なのだという事を、私へと宣告しているかのようだ。

 

「……」

 

 私は自然と口数少なくなり、静寂の中で自分の歩く足音だけが虚空へと響く。無人ではないはずの校舎は、しかし、はるか昔に打ち捨てられた無人の廃校舎であるかのように、恐ろしい程の静けさに支配されていたのだ。

 

 

 

 

「いよいよ明日が決戦ですね」

 

 マイルームへと戻って、妙な緊張感から解放された私に、開口一番でアヴェンジャーが決戦の事を口にした。

 彼女にしては、いつもの私をからかうような素振りは一切無く、最初から真面目な顔をしている。それが余計に、本当に明日が私の運命を決定付ける日であるのだと、自然と意識させていた。

 

「今日までの間、私達はしっかりと出来る事をしてきた。あとは覚悟を決めるだけよ。無駄に気負わず、エネミーと戦う時と何も違わない。違うのは、相手が手強いという事だけ。油断と慢心、それさえ気を付けていれば、それでいいから」

 

 彼女にしてみれば、明日は決戦の日であると同時に、私を見極める日でもある。私がマスターとして相応しいかどうか。

 負ければそこまで。そのまま敗北と同時に、契約が切れるだけ。

 勝てば、私は一応は彼女のマスターとして認められる。この先も、私と共に戦ってくれるはず。

 

 そうだ……。いつもと同じだ。慎二とはアリーナでも何度か戦った。明日はその延長線上にあるに過ぎない。

 今までの全てが、明日の為にあったのだ。今日までの全てが、明日へと集約されるだけ。

 それだけの事、だ。

 

「……なんて、そう割り切れたら良かったのに」

 

 自問自答の末に、私はやっぱり、それを簡単には受け入れられなかった。

 だって、相手は友達だ。仮とは言え、慎二と私は友達だった。そんな人物と、命を賭けて戦うなんて、そう簡単に認められるはずがない。

 

「まだそんな府抜けた事を……って、無理もないとは思うけど。アンタは記憶が戻らず、結局そのまま決戦に挑むんだものね? 予選の頃の気分が抜けないままに」

 

 うじうじする私が気に入らなかったのか、彼女の辛辣とも取れる言葉が私の胸に刺さる。

 アヴェンジャーの言う通り、私はただの学生だったという記憶しか持ち合わせていない。この聖杯戦争に参加した目的も、望みも、願いも、何も思い出せていない。

 本当の自分がどんな人物だったのかさえ、はっきりと掴めてすらいないのが、この『私』だ。

 こんなあやふやな状態の私が、ただ生きたいという理由だけで、慎二に勝てるのだろうか。

 私は私が分からない。故に、自信なんて持てるはずもなかった。

 

「……フン。まあ良いわ、私の足さえ引っ張らないでくれたら、それで。そうそう、私はもう休むけど、アンタもさっさと休みなさいよ。明日、決戦に赴く前に、自室にて情報を整理しましょう。まだ真名も掴めてないでしょうし、敵を知れば、危うき事もありませんからね。私とあの海賊、どちらの悪意が勝つか、明日はそれを教えてやろうじゃない」

 

 アヴェンジャーはそれだけ言って、さっさと寝てしまう。明日に備えて早めに休みたかったのだろう。

 それだけ、アヴェンジャーにとってライダーは強敵であると捉えているのだろう。万全を期して、明日の戦いに挑む為に。

 

 私はまだ頭と心の整理がつかないが、ひとまず彼女の言葉に従い、横になり休むよう努める。

 くよくよ悩んでも仕方ない。刻限はもう、すぐそこまで迫っている。

 明日は、今までのようにセラフによる邪魔は一切入らない。一度始まってしまえば、どちらかが倒れるまで、終わらない。

 

 微睡みの中で、私は、そんな事を思いながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 翌日。そう、決戦当日の朝。

 私は端末への着信で目を覚ました。確認してみると、私と慎二の戦いは夕方からのようだ。

 隣へチラリと視線を送る。アヴェンジャーはまだ寝息を立てており、豊かな双丘がゆっくりと上下しているので、どうやらまだ寝ているらしい。

 彼女を起こさないように、私は静かにマイルームを出て購買へ向かう。決戦の日に朝食を抜いては、いざという時に力が出ない。サーヴァントは別かもしれないが、こういうのは気分の問題だし。

 

「いよいよ決戦の日となったが、準備は整ったかね?」

 

 マイルームを出てすぐに、私は横から声を掛けられる。その声に振り向いてみれば、そこには言峰神父が立っていた。

 いつもながら思うが、本当に神出鬼没な神父だ。

 

 だが、それも今日に限っては当然の事かもしれない。

 そう、今日は決戦の日。自分と慎二、どちらかが退場する日。それは私達だけに限った話ではなく、現在の参加マスターの半数も同じく退場する事になる。

 

 ───命を散らす、本当に?

 

 アリーナでも何度か命の危機を感じた事はあるが、正直……あまりに現実からかけ離れた『死』という言葉には、未だに真実の響きが感じられなかった。

 頭ではなんとなく分かっている。だけど、心がそれを認めたくなかったのだ。勝つという事が相手を殺すという事で、負けるという事が命の終わりであるという事を。

 

「全ての準備が出来て、決戦の時刻になれば、私の所に来たまえ。一階玄関前に控えているので、来ればすぐに分かるだろう。それまでに、魂の改竄や、購買部で身仕度、敵の真名がまだ分かっていないのなら、それを突き止める事に努める事だ」

 

 言うだけ言って、彼はその場を去って行った。他のマスターにも説明に行ったのだろうか。

 

 私は彼を見送ると、自分もまた、購買へと足を運ぶ。朝食の調達だけでなく、必要な物も一緒にまとめて買ってしまおう。

 

 

 

 

 

 マイルームへと戻り、既に起きていたアヴェンジャーの口に無理矢理に焼きそばパンを突っ込む。

 朝食要らない派の彼女には、こうして無理にでも食べさせるのが手っ取り早い。

 ……口に焼きそばパンが入りきらず、ちょっとイケない感じの絵面になっているが、気にしたら負けだ。

 今日は大事な日なのだし、盛ってる暇なんて私には欠片も無い!

 

 朝食を手早く済ませ、私は端末からマトリクスを開いた。

 決戦の日はやってきた。時間になれば、慎二との戦いが始まるのだ。

 ───しかも、命を賭けた。

 それが真実かは分からないが、今まで集めた情報ぐらいは一度整理しておこう。

 

 

 間桐慎二。

 予選の頃には自分を友達と言った、どこか憎めない男。私自身も、彼を友達だと認識している。

 

 そんな彼の自慢のサーヴァント、彼女が使った武器は……クラシックな二丁拳銃。

 そう、アリーナで力を見せ付けられた時、彼女が使っていたのは、クラシックな二丁拳銃だ。

 人付き合いの上手くない慎二と彼女は、良いコンビに見えた。豪快な姉、という感じだろうか?

 そして、慎二は図書館にあった、彼のサーヴァント自身の手記を発見し、アリーナへと隠したんだった。

 その手記に書かれていた、彼女の宝具とは何だったか…。

 

 それは、“船”だ。

 

 古く、文字も掠れたその手記には、彼女の駆った『黄金の鹿号(ゴールデンハインド)』という船の名が読み取れた。

 更に彼女の攻撃により、船に乗る英雄である事が分かり、彼女のクラスが『ライダー』だと判明したのだ。

 

 最初は余裕を見せていた慎二も、こちらが情報を得ていく事で焦りを見せていった。アリーナに入るのを妨害したりと、子どもじみてはいたけれど。

 

 だが、少しずつ得た情報を並べていけば、最初は全く掴めていなかったはずの、慎二のサーヴァントの正体が朧気ながら見えてくる。

 

 そう、彼女の真名はおそらく───

 

 

 

「───フランシス・ドレイクだ」

 

 

 

 フランシス・ドレイク。

 七つの海を股に掛け、喜望峰を越えた破格の海賊。

 無敵とされた、スペインの艦隊を打ち破り、一躍英雄となった人だ。太陽を落とした──とは、正に言い得て妙だろう。まさか、女性だったとは意外だったが。

 

「ふーん? どうやら、あの女の真名を突き止めたようですね。初心者にしては見事、と言ってあげましょう」

 

 ライダーの正体を知っていたらしいアヴェンジャーが言うのだ。これは確定的だろう。

 ともあれ、決戦までに真名が分かったのは、運が良かったと言える。

 慎二はどこか抜けているところがあるとは言え、自分とは比べ物にならないレベルの、一流のハッカーなのだから。

 せめて、その差が、情報で少しでも埋まるといいのだが──。

 

「真名さえ分かれば、もうマトリクスに関しては文句無しですね。さあ、少し食休みしてから、教会に行きますよ。魂の改竄をしに、ね」

 

 アヴェンジャーはそう言いつつ、甲冑を身に付け始める。すぐに出られるようにしているのだろう。

 私も情報整理の片手間に食べていた焼きそばパンをパパッと口に放り込む。アヴェンジャーの用意が終わり次第、教会へ向かうとしよう。

 

 

 

 

 

 相変わらず厳かな雰囲気の漂う教会の中は、かといって重苦しい空気ではなく、なんとも不思議な空間だ。

 だが、今日はなんとなくであるが、少しピリピリしているような……?

 

「なんだ、君も決戦前に魂の改竄に来たのか。慎重なマスターの多い事だね、まったく」

 

 祭壇の前にまで行くと、私に気付いた橙子が声を掛けてくる。君も、とは……?

 

「ん? ああ。君以外にも、当日になって調整に来るマスターは多くてね。いや、別に貶してる訳じゃない。慎重に慎重を期すのは良い事だよ、うん。だが、やはりこう多くては、不肖の我が妹の機嫌も悪くなるというものでね」

 

 なるほど。道理で、教会内の空気がピリピリしている訳だ。青子の方を見ると、眉間にシワを寄せて、手元の操作パネルを睨みつけながら、何やらブツブツと呟いていた。

 

 これは、頼まない方が良いのだろうか……?

 

「いいや、コイツの事は気にせず、どんどんこき使ってやってくれ。そもそも、それが原因で君が負けたとあっては、言い訳のしようがない多大なミスだからな」

 

「うっさい! さっきからずっと聞こえるっつーの! 分かってるわよ、仕事なんだからきっちりやりますぅ!!」

 

 あはは……相も変わらず仲のよろしい事で。

 

「別にこんなのと仲良くなんてないし! もう、あなたも魂の改竄に来たんでしょう? なら早くしてくれる? 数十人分の改竄こなして、マジで疲れてるから、ちょっと休ませてほしいし」

 

 機嫌は悪いが、流石はプロといったところか。仕事はきちんとこなしてくれるらしい。

 アヴェンジャーは絡まれるのが面倒だったのか、黙って祭壇の上に立つと、静かに施術を受ける態勢に入る。

 

「じゃ、ちょちょいと片付けるわね」

 

 青子の作業が始まると共に、アヴェンジャーの体が光に包まれていった。

 やっぱりこの作業が終わるまでの時間が、どうにも手持ち無沙汰となってしまう。今度から何か対策でも考えようか。

 ……今度があれば、の話だが。

 

 とにかく、今度があると想定して考えよう。

 たとえば、そうだな……ゲームでもして待っていようか。この前買った『エ○ヤの伝説 時のフライパン』は夜中にちょくちょくやっていたが、クリアしてしまった。

 いやまさか、主人公のエ○ヤにあんな秘密があったなんて。まさか少年期と青年期が別々の……、いや、それはここでは語るまい。注意書き無しでネタバレ駄目、絶対。気になるお方は各々でプレイしてみてネ。

 

 そんな訳で、『エ○ヤの伝説』シリーズに大ハマりしてしまった私。既に次の作品にも目星を付けてある。シリーズ最新作の『エ○ヤの伝説 エ○ヤ・オブ・ザ・ワイルド』だ。

 今までの世界観を引き継ぎながらも、これまでのシステムとは一新した完全新作……というのがキャッチコピーらしい。

 

 そういえば、最近見つけたのだが、『エ○ヤの伝説』と並び人気があるらしい育成ゲームで、その名も『鯖モン』。

 これは略称であるらしく、正式名称を『サーヴァントモンスター』。それを略して『鯖モン』という訳だ。

 なんでも、デフォルメされて可愛らしい姿となった英霊達を育て、戦わせるというもので、他のプレイヤーとの通信対戦や交換も出来るらしい。

 ゲーム内でのプレイヤーの事は、現実と同じくマスターと呼ばれ、鯖モンマスターを目指すのがゲームの最終的な目標のようだ。

 

 ただ、このゲームなのだが、プレイするのに制限が掛けられている。というのも、登場するのが英霊なだけあり、聖杯戦争に大いに関わってくるのだ。

 なので、もし対戦相手のサーヴァントがゲームに登場しても、セラフによって記憶にプロテクトが掛けられ、ゲームと現実の記憶間での結び付きにロックが生じるらしい。

 現実離れしたその対策に、流石は管理の怪物とまで言われるムーンセルと言わざるを得ない。

 

 さて、ゲームの話はここまでにして、今回は決戦前の微調整のようなものだし、そこまで時間は掛からないはず。

 

「……少しいいかね?」

 

 と、そろそろ終わるかと思っていたら、橙子から声が掛かる。彼女の方から話しかけてくるのは、正直なところかなり珍しいので、何か重要な内容だろうか。

 

「君の対戦相手は、知人だそうだね」

 

「……!」

 

「ふむ。その反応からするに、まだ完全に踏ん切りがついてはいないか」

 

 橙子の視線がなんだか、こちらの事を全て見透かしているような錯覚に捉えられてならない。そんなに分かりやすく表に出ていたのだろうか、私……?

 

「なら、先達として助言をやろう。聖杯戦争では対戦相手へのあらゆる情を無視しろ。愛情、友情、温情……それらは戦う上で邪魔だ。それに、魔術師なら知人を殺す事だって珍しくはないからね。かつての学友だろうと、必要があれば殺す。親兄弟だろうとも道を違えれば殺し合う。それがこの世界だ」

 

 まるで自分の体験してきた事のように語る彼女は、私から視線を外し、ここではない、どこか遠くを眺めていた。

 その顔に悔いはない。ただただ、過去の思い出を見つめているような、そんな表現に難い顔をしていた。

 

「さて、そろそろ愚妹の方も終わる頃合いだろう。健闘を祈るよ、若き未熟なマスター。君が迷いを乗り越える事を、少しばかり願っておくとするさ」

 

 その言葉を最後に、橙子は再び作業へと戻る。もう語る事は何もない、という事なのだろう。

 

 そして──

 

「これで…終わりっと! あ~、疲れた~!!」

 

 青子のボヤキと同時、アヴェンジャーを包んでいた光が収束していった。

 光から解放されたアヴェンジャーは、手を見つめながら何度か開閉を繰り返し、力を少し取り戻した事を実感するかのように確かめていた。

 

「また少し、本来の力に近付いたようですね。悪くないわ」

 

 そう言って、満足げに祭壇から飛び降りると、青子に礼も言わずに、彼女はさっさと出口へ向けて歩き出してしまう。

 

「ほら、帰るわよマスター。あとは時間が来るまで待つのみです。マイルームで待機していましょう」

 

 私の返事を待たずして、アヴェンジャーは教会の外に出る。私は溜め息を吐き、橙子と青子に頭を下げて短くだけ礼を言うと、我がサーヴァントの後を追ったのだった。

 

 

 

 

 

 ───。

 今し方、教会を出て行ったマスターを見送った蒼崎青子は、ようやく仕事から解放され、体を伸ばして一息つく。

 が、その顔は何故か釈然としないものだった。

 

「うーん……」

 

「なんだ、鬱陶しい。お前が悩み事とか、この中が辛気臭くなるから、外でお願いしたいんだがね」

 

「……アンタ、私に喧嘩売らないと生きていけない病気なワケ? 別に悩みとかじゃないわよ」

 

 少し険悪な空気になるが、そこはそれ。いつもの事なので、二人は互いに気にしない。

 

「ほら、今来てた子。魂の改竄をしてる時に、ちょっと気になる事があったっていうか」

 

 青子の口から、先程までここにいたマスター、『岸波白野』の事が語られる。本人はサーヴァントを追って、そそくさと教会を後にしたので、それについて言えなかったのが気掛かりとなっていたのだ。

 

「あのマスターがどうしたと? まさか、また不手際を起こしたとは言わんだろうな?」

 

 鋭い睨みを利かして、青子を威圧する橙子だったが、青子は平然とそれをはねのけ、逆に食ってかかる。

 

「してないわよ! 何もしないアンタに文句とか言われたくないっつーの!」

 

「なら何だ? 何が気になると?」

 

「それは……、」

 

 一瞬、言おうか言うまいか迷う青子。だが、別に隠す必要もなかったので、ここは素直に言う事にした。

 

「サーヴァントには特に問題はなかった。いやまあ、後付けの違法データスレスレの追加データならあったけど。問題はそこじゃなくて、マスターの方」

 

「マスターの方……?」

 

「そ。あの子の魔術回路、どういう訳か分からないけど、一瞬だけエラーが発生した。まあ、詳しく調べる前にすぐに表示が直っちゃったんだけど」

 

「ふむ……、どういうエラーだった?」

 

 橙子がここまで気にするのは珍しい。それこそ、さっき彼女自ら、あのマスターへと助言をしたという事から、蒼崎橙子は岸波白野を気にかけている節がある。

 それを見逃さない青子ではない。

 

「あら? ずいぶん気にするのね、あの子の事」

 

「いや、あのマスターから漂うお人好し臭が、知り合いに似ているものでね、つい気にしてしまうだけだ。で? 下らん事を言う前に、エラーがどんなものだったか答えたらどうだ?」

 

「食えない女……。で、エラーについてだったわね。まあ、簡単に言えば魔術回路がダブってた……って感じね。正確に言えば、ステータスが二重になったというか……」

 

 それはつまり、どういう事なのか。

 ステータスが二重になっている、岸波白野のステータスが二つ存在()()という意味になる。

 同時に岸波白野という人間が、二人存在していたという、何とも有り得ない現象が起きていたのだ。

 

「でも、多分バグね。あの子は記憶に問題が残ったままみたいだし、それの影響でも出たんでしょ」

 

 深く考えても、結局はすぐに直ったのだし、無意味だと判断した青子は、それを忘れる事にした。本人に伝えたところで、どうにもならない事だったからだ。

 

「まあ、バグだろうな。気になるところではあるが、こちらで対処のしようもない。それに、問題があればセラフがどうにかするだろうしな」

 

 気にはなるが、仕方のない事。橙子もまた、そう割り切る。128人もマスターが居れば、一人はそういう事が起きてもおかしくはないだろう。そう自分に言い聞かせて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その産声を誰も知らない。

 復讐者という異常(バグ)がもたらした、忌むべきモノの誕生を、まだ誰も知る事はなかった───。

 

 

 




 
ふと思いついたネタ。

Fate/EXTRA×艦これのクロスオーバー。

詳しい事は活動報告の方をどうぞ。
作品に煮詰まった時にでも書いてみようかしら……。

あ、無事にノッブ宝具レベル限突しました。
あとは沖田さんのレベル上げつつ素材集めだゼ!

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