彼女の秘密を知った俺は逃げられない   作:whiterain

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こんばんはwhiterainです。

今回はテスト編の最終話で、山あり谷ありでしたね(嘘です)
次からは新章に入って、話しが進み出す・・・と良いなぁと思っております。

次回は祈がメインだよ

それでは始まります

PS
今回のKeyさんの挿絵のシーンに心当たりが無い!
いつか、書いておかないと・・・


7話 テスト-6

いつもと変わらない登校。

それでも、今日みんなの運命が変わる日である。

いつも通りに小豆と登校して、その道中にミスターと出会う。

 

『ミスター大丈夫なのか?いや、無理か』

 

「決めつけるなよ!俺の勘はπと同じくらい優秀なんだぜ」

 

『それ、アウトだろ?』

 

π、ギリシャ文字で円周率を表す。

つまり、直感が円周率と同じと言うことは、当たる確率3.1415926535・・・

 

点数にしたら赤点確実の点数だろう。

 

「何を言ってるんだ陽詩」

 

ヤレヤレとこちらを呆れた目で見つめるミスター。

 

「πっていうのは無限大な数字なんだ、俺の勘の制度も無限大だ」

 

無限大って、確かに円周率は無理数でどこまでも続くが、全く意味がわからん。

 

「水田くん、そんなことばかり言ってるからまた補習になるんだよ?」

 

『小豆もなかなか酷いな』

 

まず、ミスターが赤点であることが絶対条件で、更に再試すらも落ちることになっている。

 

「そんなことを言ってられるのも今のうちさ!  

 1年の時のリゾンベだ!」

 

「え?」

 

『あいつ、英語1近辺だからさ』

 

「今日のテスト返却を楽しみにしててくれ!」

 

俺たちの高校は授業ごとにテストを返すことをせず、テスト終わりの次の日に一括で返却される。

最終日のテストの先生はお疲れ様です。

 

『楽しみにさせてもらうさ』

 

俺たちの返却はこれからだ!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さてさて時間は流れて一気に帰りのHRにて、全教科のテストが一括で返還された。

 

『自分ながら、これは感謝してもしきれないな・・・』

 

数学Ⅱ   88     

数学B 86

古典 78

現代国語  92

英語Ⅱ   40

英語ライティング   83

日本史   90

地理         81

化学         90

生物         85

物理         78

地学         88

保健         86

 

合計1065  平均 81.92

 

 

『平均点80越えか・・・』

 

結果はかなり良い、でも英語Ⅱお前は駄目だ!

というより、モテパワーの訳のわからん試験で40点取れたのか

 

あのテストで赤点じゃないだけマシか

 

『ミスターどうだったんよ?』

 

ミスターの方を見れば、近くで正紀が蹲っていた。

 

「ふっ!」

 

ミスターはこちらにピースを向けた。

 

『まさか!』

 

ミスターが勘で赤点を避けたって言うのか?

いや、俺もミスターをバカにしすぎていたというのか?

 

「赤点じゃないのは2個だけだ!」

 

『お前、本当に期待を裏切らないな!』

 

俺の知ってるミスターで安心した反面、一瞬でもミスターが赤点じゃないと思った俺がバカだった。

そうだ、これが俺が1年で培ったミスターへの信頼じゃないか。

正紀だって、近付いてみれば笑いを堪えて腹を抱えてるようだし

 

その正紀は笑いを堪えて震えながら、ミスターのテストを渡してくれた。

 

数学Ⅱ          12   

数学B           8

古典           10

現代国語         17

英語Ⅱ          96

英語ライティング     10

日本史           8

地理           20

化学           15

生物           17

物理           28

地学           28

保健           52

 

合計321  平均 24.69

 

点数が悪いのはいつものことだが、1つだけ納得のいかないことがある。

 

『えっ!?お前、あの英語?で96点かよ』

 

「モテパワーと勘は共通点があるからな」

 

『はっ?いや、そういういことになるのか』

 

どっちもバカの考えることって事か・・・

それなら納得できる。

 

「陽詩くんどうだったの?」

 

『ん、ほら』

 

テストの結果をそのまま小豆に渡す。

今回の出来なら、恥ずかしがらずに渡すことが出来る。

 

「すごいね!陽詩くん」

 

小豆はまるで自分のことのように喜んでくれる。

なんか、それが恥ずかしくも感じるが・・・どうせ、小豆は俺よりも成績が良いのだろうから

 

「でも、柏田さんの方が上でしょ?」

 

「それは・・・あはは」

 

『気にするな、俺も小豆に勝てるとは思ってない』

 

実際、小豆に勝てたらそれはそれで見せるのが申し訳なくなる。

しっかりと予習・復習をやる小豆にあんな短期の勉強で勝てたなんてことになったらどう対応していいのか

わからん。

 

「うわーん!、陽詩のバカー!裏切りものー!」

 

後ろからぶつかってくる衝撃、このホールドの感じ。

昨日と同じ!

 

『お前はどうだったんだ美夏』

 

「・・・内緒」

 

いや、そう言っている時点で駄目だったってことだけははっきりと分かる。

 

「そんなことだろうと回収してきたぞ」

 

『おぉ、正紀いつ回復したのかわからんけどナイスだ』

 

「あっ、駄目駄目! 見ちゃ駄目!」

 

俺をホールドしていた美夏はホールドしていた手を離して正紀からテストの結果の書かれた紙を取り返そうとする。

 

「おっと、ミスター」

 

美夏より身長の高い正紀が取られないように腕を高く上げたままミスターにパスする。

 

「返して!」

 

『おぉ、まさに小学生がやるイジメの光景・・・』

 

実際にやる人がいるのかわからないけど、たまに漫画とかで見ると思う。

美夏は次にミスターに行き、取り返そうとミスターの息子に蹴りを入れた。

紙を取られないように注意していたためミスターは反応が遅れ、モロに一撃が入っていた。

 

「ぐふっ!・・・」

 

『うわっ!』

 

「さすがにあれは・・・」

 

俺と正紀は自分がやられたわけでもないのに自分たちの息子に嫌な感じがしていた。

そして教室の床に沈んだミスターは紙を落とし、その紙はヒラヒラと小豆の手に落ちる。

 

「あっ・・・」

 

「・・・美夏ちゃん?」

 

「いや、あのね小豆ちゃん・・・駄目なのは昨日の時点でね・・・わかってたことだし

 昨日も「美夏ちゃん?」はい・・・」

 

「ちょっと、違うところで話そう?」

 

「はい・・・」

 

『哀れ、美夏・・・』

 

美夏は俺らが出て行った昨日と違い、小豆に連れて行かれた。

しばらくは帰ってこないんだろうなぁ

結局、美夏の結果はわからなかっったな

 

「宮瀬さんすごーい!」

 

「やっぱり成績良いんだね」

「いえ、皆さんも十分だと思います

 私が言ったら嫌みになるかもしれませんが・・・

 それだけの努力はしてると思うのですけど」

 

ふと、聞こえた方を見ると宮瀬がクラスの女子と今の自分たちのような会話をしていた。

あの教室での宮瀬を知っていると、どうしても違和感を感じてしまう。

 

これを俺が宮瀬に言ったら、どう返されただろうか

 

「当たり前でしょ、私は貴方とは頭の出来が違うんだから」

 

恐らく、そんな感じだと思う。

 

あとで聞けば、俺にも点数教えてくれるかな。

 

「やっぱり宮瀬は頭良いんだな」

 

『・・・みたいだな』

 

俺みたいな奴に教えても、周りが驚くほどの高得点を取っているのだから。

 

「くぅー、今回は俺勝てると思ったんだけどな」

 

「夢は寝てる時に見るもんだぜ?」

 

『人が夢を見て儚いってか?』

 

ミスターじゃあ、夢の中でも宮瀬に勝てそうには無いが。

 

「バドなら勝てると思うんだけどなぁ!」

 

『うわっ!遂に言っちまった』

 

「それ言ったら終わりだよな」

 

自分の得意競技に持ち込んで負けたらそれこそ終わりだ。

というか宮瀬が運動神経良いのかは良く知らないけど、男女の差もあるんだから

仮に負けたら負けたで勉強で負ける以上に惨めになる気がする。

 

「くそぅ!このストレスはバドで晴らしてくるぜ!」

 

そのまま、ミスターはラケットバッグを持って走り去った。

まぁ、普段なら気にしないが・・・

 

『なぁ、赤点者ってこの後追試の説明やら科目ごとの日程とかの説明無かったか?』

 

「そうだが・・・俺らには関係ない話だからな

 とりあえず、部活の顧問に捕まるか・・・逃げるかだな」

 

『あいつのことだから意味もわからず逃げそうだけど』

 

部活の顧問に呼ばれる→テストの話しになる→ミスター逃走

この流れが簡単に頭に浮かぶ。

 

「さて、俺も絵里香を迎えに行くかな」

 

『おぅ、そしたらまたな』

 

チラッと宮瀬の方を見ればまだ話し込んでいたからもう少しかかるだろうし、俺の方が先に教室に着くな。

あの調子なら宮瀬が来るまでしばらくはかかるだろう。

 

着いたらラノベでも読んで暇を潰すか・・・

テストを無事に乗り切った以上、もう遠慮することもない。

 

最近は通い慣れた教室の扉を開け、椅子に座りラノベを開く。

 

 

「おっ、陽詩じゃないか?」

 

『ん?』

 

ラノベに集中しすぎていたのかどれくらい時間経ったのか。

それに今、誰かに呼ばれたような気がした。

見れば、入り口の方にミスターが立っていた。

 

『なっ! ミスターなんでここに?』

 

「いやぁ、あのあとテストの件で顧問に呼び出されてな・・・とりあえずバドが出来なくなる予感したから逃げたんだよ」

 

『そうか・・・』

 

その辺りは予想通りのことなので驚く事じゃない。

むしろ、なんでここに来たのかがわからない。

 

「いやぁ、人気のない方へと勘で進んで、ここなら見つからないと思ったら何でか陽詩が居たんだよ」

 

『なら、早く逃げた方が良いんじゃ無いか?

 同じところにいると見つかるぞ?』

 

このタイミングで宮瀬が来たらマズい。

 

「少しの間は大丈夫、今のうちに休まないとな」

 

『そ、そうか』

 

「それにしても陽詩が学校でライトノベル呼んでるなんて珍しいな、隠してるんじゃなかったのか?」

 

『あぁ、まぁそうなんだけどここなら見つからないと思ってな』

 

ラノベを閉じ、ミスターの方を向きつつポケットからスマホを取り出し、宮瀬へとメールを

送ろうとする。

 

[今、部屋に水田がいる

 だから来るのは待ってくれ]

 

あとは送信するだけ、これで何とか

頼むからもう少しの間来ないでくれよ・・・

 

ガラッ

 

「はぁ、あんなに来るなんて思ってなかったわ

 さすがに、ちょっと・・・っ!」

 

願い叶わず、不幸にも宮瀬は来てしまった。

ミスターもさすがに驚き固まっている。

俺はため息、宮瀬は硬直。

 

静かな教室に鳴ったのは、俺が宮瀬に送ったメールが受信された音だった。

 

『おぅ宮瀬、今回はテストのことありがとうな』

 

宮瀬に話しを合わせるように目で合図する。

ここまで、来たら無理矢理押し通すしかない。

 

出来る限りは足掻いてみよう。

 

「・・・・・・あっ、いえ私でお力になれたのなら幸いです」

 

『いや、俺1人だと赤点まみれになってたから』

 

なかなか、良い感じだと思う。

俺たちはテストのために一緒にここにいた。

 

静かに勉強するためと宮瀬が誰か個人に教えたとすると、これからもそういう人が増えるかも知れないから

人気のないところでやっていたと

この筋書きで押し通し、ミスターに話す。

 

「こんな美人と2人なんて羨ましいなぁ!!

 でもなぁ、何か2人から違和感があるんだよなぁ」

 

『・・・こんな時だけ無駄に鋭くなりやがって』

 

「何か言ったか?」

 

『はは、何も言ってねーよ』

 

「そういえば、先生方が水田さんを探してこちらの方に来ていましたが?」

 

「マジかよ!陽詩、話しはまた今度だ」

 

『あ、あぁ・・っておい、そっちは窓だ・・ぞ?』

 

ミスターは窓を開けると躊躇なく跳んでいった。

 

ここ4階なんだけどなぁ

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」

 

『・・・』

 

「・・・」

 

聞こえた声は気のせいだと信じたい。

 

「何で教えてくれなかったの?」

 

『これでも、俺は急いでメールを送ったんだがな』

 

タイミング良く来てしまったのは宮瀬だ。

こればかりは俺のせいじゃないと思いたい。

 

いや、ここに俺が居なかったらミスターは残ってなかったかもしれないけど・・・

 

「送るのが遅い!」

 

『早めに送ったからな!』

 

「間に合わなかった時点で遅いわよ!」

 

『理不尽!?』

 

偶然、見つかって完全にバレた訳でもないのにここまで責められるとは。

それに入ってくる前に宮瀬が確認すれば防げた事態だ。

 

「とりあえず、明日以降場所を変えるわ」

 

『集まるのをやめたら良いんじゃないのか?』

 

今の世の中、会わずとも連絡・会話する方法なんて多くある。

わざわざ、会う必要もないのではないだろうか

 

「駄目、それじゃあリアルタイムの会話にならないもの

 それに学校だからこそ意味があるものもあるのよ?」

 

『だが、他に良い場所あるのか?』

 

「部室を使うわ」

 

『部室?どこの?』

 

「日本文化研究会よ」

 

『なにそれ?』

 

「日本の貴重な文化(アニメ・ゲーム・ラノベetc)を研究(会話・視聴・プレイ)する部活

 私と悠木とあとは名前を借りてね」

 

『俺、何も言われてねーよ!?』

 

入部届なんて書いた記憶が無いし、この話しを聞いたこともない。

 

「言ってないし、入部届は書いておいてあげたわよ」

 

『本人じゃないのに通るのかよ・・』

 

もっとしっかりしてくれよ我が校教師。

 

『だが、そんな部活にして大丈夫なのか?』

 

「大丈夫、形がちゃんとしただけで、やることは今までと変わらないから」

 

『実績が無いから廃部にされるとか無いのか?』

 

「私が適当に伝統工芸等のレポートを出しておけば大丈夫でしょ」

 

簡単にレポートを出せると言う宮瀬にやはり頭の出来の違いを感じる。

 

『俺が部活に入ってたらどうしてたんだよ?』

 

「そのときは・・・ね」

 

ニコっとこちらに微笑みかける宮瀬に底知れぬ恐怖を感じる。

 

『と、とりあえず、場所が変わるだけであとはいつも通りってことだな』

 

「ええ、ただクソ虫のことだけ注意して」

 

『ちょっ! クソ虫ってミスターのことか?』

 

仮にも女の子なんだからクソ虫とか言わないほうが良いと思う。

いや、この容姿、この様子で言われたら喜ぶ人も一部はいるだろうけど・・・・

 

「あんなのクソ虫で十分よ」

 

『お前、見つかっただけで差がスゴいな!?』

 

確かにミスターに疑いをもたれたことは確実だろう。

まだ、疑惑も薄いと思うが、これがテスト後も続けば、先の言い訳は意味無く

俺と宮瀬の関係について問われるだろう。

 

そして、ミスターから小豆に伝わり、面倒な事態になる。

それだけは避けたいところだ。

それより気になるのはいつか俺も宮瀬に酷い呼ばれ方するのではないかということなんだけど。

 

『とりあえず、ミスターの件と部室の件はわかったよ』

 

「じゃあ、この話しは終わり・・・テストはどうだったの?」

 

『宮瀬のおかげで結構いけたよ』

 

「見せて」

 

宮瀬に結果を見せる。

あまり、良い表情をせずにため息をつく。

 

「もう少し、いけると思ったのに

 英語Ⅱは英語とは言えないので諦めるけど・・・80点以下があるのがあり得ない」

 

俺には無理すぎるノルマだった。

そもそもテスト期間の短期学習でここまで出来たことを褒めて欲しいし、宮瀬さんマジぱねぇっす!

 

『宮瀬はどうだったんだ?』

 

「あのマイケルとか言う英語教師さえ居なければ・・・潰しますか」

 

宮瀬のダークな部分が漏れ出している気がする。

それでも、受け取った結果を見ると

 

数学Ⅱ       100   

数学B        98

古典         98

現代国語      100

英語Ⅱ        62

英語ライティング   95

日本史        98

地理        100

化学         96

生物         98

物理         99

地学        100

保健         98

 

合計1242  平均 95.53

 

英語Ⅱが普通のテストだったらどうなっていたんだろう。

62点を取っていても、平均95行くのだから

 

「過去最低な結果よ」

 

『あはは、泣けるぜ』

 

「次のテストでは悠木ももっと頑張りなさいよ」

 

『また・・・お世話してください』

 

「・・・」

 

自力では無理です

だから、そんな冷たい目で見ないでください

 

 

 




ラフ画に悩み続け全く進んでいないKeyです!
いつか描こうと思ってはいるもののやっぱり色付きが好きなのでそっち優先で描いています(^-^;


【挿絵表示】


今期のアニメも始選別している最中です!駄女神は安定して楽しいです!

次のイラストについてですがメインヒロインの話なので祈ちゃんを描こうと思っています。
とうとう彼女の私服が出ます!
可愛く描きたいなぁ(///▽///)
それでは皆さんまた次回で!!

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