彼女の秘密を知った俺は逃げられない   作:whiterain

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どうも、こんばんはwhiterainです。

前半と分ける予定が無かったため、短めになっております。

申し訳ないっす(汗)

ファイアーエムブレムの方も頑張っていますのでよろしくお願いします!

あっ、今回の挿絵のキャラは次回登場になります!



9話 ストーカー編ー2

「ちゃんと消しましたか!?」

 

『消したって・・・ホラ』

 

そう言って宮瀬の方にスマホを見せる。

そこには先ほど撮った宮瀬ニャンの画像は残っていなかった。

 

あの後、少しの間追いかけっこをして、ちょうど良い時間で逃げるのをやめた。

そして、いま宮瀬の提案でパスタを食べている。

 

『折角スマホで撮ったのに・・・』

 

「残そうとするのが間違いなんです

 それに、悠木さんも足が鈍ったのでは?」

 

『はは・・・最近、真面目に運動なんかしてないから鈍ったかもな』

 

真実は違うのだが・・・

 

さて、忘れている人もいるかもしれないが俺こと悠木陽詩はスポーツだけは得意な男子である。

かくいう宮瀬も女子の仲では規格外の運動能力は誇ってはいる。

 

だが、そこはさすがに男子と女子だ。

基礎スペックで負けてはいられない。

 

では、何故俺は宮瀬に捕まったのか?

格好付けた理由を付けるのなら、宮瀬を振り切ってはいけないと思ったから・・・とか

良心の呵責とかと言いたいのだが。

 

勿論、俺にそんな気持ちがあるわけがないでしょう!

 

なら、どんな理由があったのかと言えば、ただ単にスマホを弄りながら走っていたからね。

 

走りながら、我が屋のPCにメールを作成→送信!

言葉にすると簡単だけど、スマホを操作しながら、人を避けて走るなんてことをしたら全力で走れるわけなんて無い。

 

ちょうど良い時間と言うのは、俺がメールを作成してから送るまでの時間だぜ!

 

『いやー・・・でもマジで早くて焦った・・・』

 

「私はちゃんと運動していますから」

 

今度、ぎゃふんと言わせたい・・・

 

『ちょっと、今度真剣に勝負してみようか?』

 

「それで、勝って誇るんですか?

 私、女の子ですよ」

 

『ぐっ・・・正論を』

 

まぁ、良い表面上は負けてても、写真は残して俺の勝利だ。

そう思うしか無い。

 

『飯食ったらどこに行くんだ?』

 

「ゲームセンターかカラオケでどうでしょうか?」

 

『今の宮瀬にそう言われると違和感しか無いな』

 

周りに聞こえないように言っているから、まだ配慮はしているが。

 

『ゲーセンってのも宮瀬みたいな女の子連れてくと目立つからなぁ・・・

 まぁ、そのために俺が行くしか無いか』

 

「何ですかその言い方?」

 

『いや、良いんだよ別にさ

 ただ、宮瀬ってゲーセン行って何するのかなって』

 

人目を気にする宮瀬があんまりはっちゃけってゲームする姿も想像出来な・・・いや、普通に出来るわ。

案外、気にしてる割にはポンコツなところも見えるからな。

もしかしたら、普段はあの不審者スタイルだからあんまり近付いてくる人もいないだろうし、テンパっても

バレることは無かったからなのかな。

 

「私だって、色々やりますよ・・・頭○字Dとか、湾○ミッドナイトとか・・・」

 

『いや、どっちも大して変わらないし、それに予想通りの女の子らしさ無いな・・・』

 

まだ、クレーンゲームとかコインゲームとかなら納得できたかなぁ。

 

「私だって女の子らしく・・・プリクラ撮ったり?」

 

『・・・無理すんな』

 

「はい・・・」

 

何か悲しくなったぜ。

本当にやってることが俺たちと変わらない。

いや、それが悪いことでは無いんだけど・・・

 

 

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『というわけで来ちゃいましたゲームセンター』

 

「誰に言ってるんですか?」

 

あのあと自分を取り戻した宮瀬と新しい楽しみを見つけるということでゲーセンに来ることになってしまった。

 

『といっても、何をするんだ?』

 

「いつもはしないことで、貴方が思う女の子らしいことを実践してあげようと思ってます」

 

俺に女の子らしいことを求められてもわからんが。

クレーンゲームとかコインゲーム?

 

いや、車を走らせることに楽しみを覚えていた宮瀬が楽しく出来ると思えない。

それに、クレーンゲームなんてお金を溶かしていくイメージしか持てない。

 

『浮かばないんだが・・・』

 

「普段、女の子と来たりしないんですか?」

 

『小豆や美夏ならたまに来るかな』

 

それでも小豆は俺らと一緒にいて楽しんでいる気あるし、美夏はどっちかと言ったら俺らよりだし。

小豆はプリクラとか撮るのは好きみたいだけど・・・。

俺の悩む様子を見て宮瀬もわかったみたいだ。

 

「このままじゃ、ただ来ただけになりますね」

 

『もう、クレーンゲームでグッズでも集めたらどうだ?』

 

「・・・あまり良い記憶がありません」

 

『もしかして溶かした?』

 

「・・・さて、何のことでしょう」

 

大量に溶かしたんだな・・・

 

『もう、いつも通り楽しむってことで良いんじゃ無いか?』

 

「あまり長々とは出来ないですよ」

 

『一回勝負か?』

 

「それで良いですよ」

 

宮瀬とカーレースが始まる。

俺のBNR34が火を吹くぜ!

 

以下ダイジェストでお送りします。

 

『早い、だが、俺の公道最速理論に死角は無いぜ!』

 

『差が詰まってる!?宮瀬の車が近づいてるだと・・・』

 

「次のヘアピンで行きますよ?」

 

『クソ!追いつかれた・・・・何が起こってるんだ・・・気が変になりそうだ

 ストレートじゃあ、俺の方が早いんだ・・・てことはコーナーワークで負けてるってことか!

コーナーで負けるなんて走り屋として最大の屈辱だ!』

 

「宣言します、次の5連続ヘアピンで抜きますよ」

 

『今日に限ってやたら車が遅く感じやがる!』

 

「その程度の腕じゃ、公道最速は名乗れませんよ!!」

 

 

結果

惨敗しました・・・

 

『宮瀬、めっちゃ早くね?』

 

「悠木さんノリノリでしたね、思わず途中まで面白くて様子見てましたよ」

 

暗に、私の全力はもっと早いって言いたいだけじゃ無いか!

 

『完敗だ・・・あと今日の俺の様子は黙っておいてください』

 

思わず、ノリノリでやってしまった。

気付けばどこか兄弟のような台詞を大声で口走っていた・・・

さすがに恥ずかしい・・・

 

「ふふ楽しかったですし、良いですよ」

 

『ありがとう・・・』

 

「記念にプリクラでも撮りに行きましょう」

 

『おぅ・・・』

 

仲間内なら勝つからこのテンションのままやっていけたんだよなあ。

負けると思わなかった。

 

「ほら、悠木さん早く入ってください」

 

『あ、あぁ』

 

気付けば、宮瀬が手招きして待っていた。

まぁ、俺はそこまで有名な訳じゃねーし、開き直るしかないか。

 

『2人で撮るなんて、本当にデートみたいだな』

 

「何言ってるんですか?友達同士とかでも撮るじゃ無いですか」

 

『そうか?』

 

俺、あんまり誰かと2人きりで撮った事なんて無いけどな。

漫画とか、ゲームとかの二次元なら良くあるかもしれんけど。

宮瀬もそっち側の知識か?

 

『何だかんだ、緊張するな・・・』

 

「なら、少しサービスですよ?」

 

帽子を取って、腕に抱きついてくれる宮瀬。

 

って、この娘変なところで大胆!!

 

『ちょ、ちょ、お、おい』

 

「緊張してるんですか?笑顔ですよ」

 

『あ、あぁ・・・』

 

この後のことは慣れない緊張で覚えてない。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「悠木さん?悠木さーん!?」

 

『・・・ん?はい、うん・・・大丈夫大丈夫』

 

気付くと、落書き入りのプリクラを手渡された。

あれ、俺こんなに緊張するタイプだっけ・・・自分のことながら他人事に思う。

 

「悠木さんって、思ったより初心なんですね」

 

微笑みながら言う宮瀬のその顔は多分、バカにしていたんだと思う。

お前だって彼氏いたことないだろうに・・・多分だけど。

 

『うるせ』

 

これが小豆や美夏なら全く気にならなかったと思うんだけどなぁ。

キャラと慣れの問題か?

小豆は付き合いが長いし、美夏に関しては・・・美夏だもんな。

 

やっぱり、宮瀬相手だと勝手が違いすぎるんだよなぁ・・・

 

「思ったより、時間が余りましたね」

 

『カラオケでも行くか?

 うわ、俺放心してるように見えるじゃん!』

 

「今日はそんな気分じゃ無いですね

 実際に心ここにあらずでしたよ?』

 

『残念、俺の誰もが驚くほどの美声を聞かせようと思ったのに』

 

プリクラ?

もう仕舞ったさ・・・だって、何か恥ずかしい顔してるんだぜ?

 

「次の機会を楽しみにしてますよ?」

 

『信用してないな』

 

まぁ、俺の美声(本当)は今度忘れた頃のお披露目となる模様です。

 

「・・・・・・・」

 

『どうした?』

 

宮瀬が何かを探すように辺りを見渡している。

 

「いえ、気のせいかもしれませんが何か見られてる気がして・・・」

 

『いつも見られてたんじゃ無いのか?』

 

不審者ルックにしろ、普段の格好にしろ宮瀬なら良く見られると思う。

 

「それとは違うような感じだったんですけど・・・」

 

『うーん、ちょっと気にしすぎな気もするけど・・・』

 

まぁ、気にしすぎなくらいのが身を守れるってこともあると思うし。

 

『なら、今日は送ってくよ

 また、機会もあるだろうしな』

 

「でも・・・」

 

『あー、別に誘ってくれりゃいつでも付き合うよ』

 

思ったよりも楽しかったしとは口には出さないが。

 

「・・・わかりました」

 

『じゃあ、送ってくよ』

 

「ありがとうございます」

 

宮瀬と寄り添って歩く俺達2人。

 

「・・・・・・・チッ」

 

それを見ていた人物がいたことに俺たちは気付いて居なかった。





こんにちはKeyです!
イラストの色つけに関してなかなかうまくいかないので知っている方がいたら教えて欲しいです笑


【挿絵表示】

今回のイラストはどうでしたか?おそらくまだ未登場の後輩ちゃんです!
今後この子がどういう形で登場するか楽しみですね〜!whiterainさんに期待しときましょう!!(^v^)
それでは皆さんまた次回で!」

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