SPECIALな冒険記   作:冴龍

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豪雨の龍

 新しく出て来たゲンガーは様子見をするつもりは一切無いのか、いきなり両手を翳すと寝ているキングドラを”サイコキネシス”で一気に引き寄せた。

 

 これにはイブキだけでなくアキラも驚くが、寝ている所為で状況を正確に理解していないキングドラは、そのまま引き寄せられたゲンガーにフィールドに叩き付けられる形で頭を殴られた。

 見た目はかなり痛そうだが、幾ら格闘使いのシジマの元で修業しているとはいえ、ゲンガーの物理的な攻撃力はそこまで高くない。実際はあまり効いていないだろう。

 

 だけどインパクトは抜群で、キングドラが反撃の行動を起こす前に再び”サイコキネシス”でキングドラの体を浮かせると流れる様に宙に打ち上げ、黒い雷みたいな光線である”ナイトヘッド”を放って追撃を仕掛ける。

 さっきまでのブーバーみたいに連続攻撃を繰り出していくが、当然キングドラも負けていない。

 

 ”ナイトヘッド”でダメージを受けながらも、”いびき”の衝撃波を響かせて反撃する。

 ”いびき”はノーマルタイプの技なのでゴーストタイプを併せ持つゲンガーには大した効果は無いが、放たれた爆音にはゲンガーは堪らず退散する様に距離を取る。

 

「”ねごと”で”りゅうのいぶき”を引き出せ!」

「”サイコキネシス”で口元から狙いを変えて!」

 

 イブキの指示で寝ているキングドラの筒状の口が膨らむが、寸前でゲンガーは念の力で顔を余所に向けて見当違いの方向に攻撃を飛ばす。

 念の力で強引に技の軌道を変えることはやって来たが、イブキのドラゴンポケモンの攻撃技を直接変えられるだけのパワーがある保証は無い。

 加えて本来”ねごと”は、覚えている技の一つをランダムに使う筈だが、イブキのキングドラは普通に指示された技を使っていることも厄介だ。

 

 寝ている影響なのか狙いが甘いなどの点も見受けられるが、威力は一発でも受ければゲンガーの打たれ弱さを考えると手痛いダメージに繋がりかねない。

 それをアキラだけでなく戦っているシャドーポケモン自身も理解しており、隙が出来れば上手く突く形で攻撃するが、キングドラが何かしらの技を使って来たら余波も警戒して距離を取る様にしている。

 

「クソ。こんなに激しく暴れられるんじゃ落ち着いて仕掛けられないな」

 

 アキラがゲンガーを繰り出したのには、レッドのカビゴン対策の一環として”ねむり”状態の時に絶大な効果を発揮する”ゆめくい”を覚えているのが理由の一つだ。

 しかし、覚えたばかりだからなのか技の性質なのか定かではないが、眠っている相手と同じくらい気持ちを落ち着けて集中しなければ、”ゆめくい”は上手く効力を発揮させることが出来ない問題点がある。

 その為、”ねごと”や”いびき”を駆使して起きている時と変わらないまでに暴れられては仕掛けるどころでは無かった。

 そしてもう一つ、アキラとしては気になる点にして腹が立つ点があった。

 

「何時まで寝ているんだあのドラゴン」

 

 迂闊に手が出せないことを良い事に思わず愚痴りたくなる程、さっきからキングドラはずっと寝続けていた。

 レッドのカビゴンも同じ技を使うが、バトル中にここまで長く寝てはいなかった。

 何故ここまで長時間寝ているのかと不思議に思い始めた時、ようやくキングドラの閉じられていた瞼が開き始めたのに気付いた。

 

「チャンスだスット! ”さいみんじゅつ”!!」

 

 完全に目を開くと同時に、返り討ちに遭う事を恐れずにゲンガーは飛び込み、”さいみんじゅつ”を掛けることでキングドラを再び眠らせた。

 これも今回、”ゆめくい”が使える以外にアキラがゲンガーを繰り出した理由だ。

 

 ”ねむり”状態なので”いびき”や”ねごと”を防ぐことは出来ないが、決定的な違いは回復を伴う”ねむり”状態では無い点だ。

 ”ねむる”で一番厄介なのは、寝ている間は常に回復し続ける効果だ。それさえ封じれば、ダメージレースではかなり楽になる。

 回復が生じない”ねむり”状態の間にダメージを与え、また起きたら”さいみんじゅつ”で別の形で”ねむり”状態にしてまた攻撃する。”ゆめくい”が使えなくても、時間を掛けてそれを繰り返せば、キングドラを倒すことが出来る。

 

 そう思っていたが、すぐにアキラは違和感を感じた。

 ゲンガーがどれだけ攻撃しても、キングドラの動きは彼が考えていた様にダメージを受けた影響で鈍る様子が無いのだ。

 

 予想とは異なる状況に疑問を抱いたアキラは、ずば抜けた動体視力などで裏付けされた観察眼を活かしてキングドラの動きをよく見る。

 攻撃を受けてもすぐに立ち直る流れは、完全に”さいみんじゅつ”を受ける前の”ねむる”で回復している動きと何となくよく似ていた。

 

 おかしい。確かにゲンガーの”さいみんじゅつ”を受けてキングドラは寝始めた筈なのに、何故体力が回復しているのか。

 目の前で繰り広げられる攻防に集中しながら、アキラは様々な理由を考えていくが、しばらく考えてある可能性に至った。

 

 それは”ねごと”で”ねむる”を実行することで、ゲンガーの”さいみんじゅつ”による状態異常の”ねむり”を上書きしたことだ。

 

 この考えが真実なのかを確かめる方法は無い。だが、そうだとしたら厄介どころでは無い。

 つまり、イブキのキングドラの常時回復しながら戦う戦法を封じることが出来ないことを意味しているからだ。

 

 ドラゴンポケモンらしく攻めにも優れたキングドラの攻撃を耐えるか避け続けた上で、並みのポケモン以上に打たれ強いキングドラの常時回復を上回る攻撃をする。

 あまりにもハードルが高過ぎる。下手をすればアキラ達にとって一番の天敵であるレッドのカビゴンよりも手強い。

 

 アキラが恐るべき可能性に考えが至った頃、絶え間ない攻防を繰り広げた両者が互いに距離を取るべく下がる。

 技の直撃は受けていないが、攻撃と回避の繰り返しでゲンガーはすっかり息が上がっていた。一方のキングドラは寝ていることもあるのか、腹が立つくらい穏やかな寝息を立てている。

 ”ゆめくい”でキングドラの体力を奪う事が出来たらもう少し戦えるかもしれないが、相手が大人しく夢を喰わせてくれないのだ。このまま戦い続けたら、ゲンガーの方が先に力尽きる。考えるまでも無くアキラはそう直感した。

 

「動きを封じるんだ。”うずしお”!」

 

 既にゲンガーの機敏な動きと引き際の良さを理解していたイブキは、ゲンガーの動きを封じようとする。

 どこからか溢れた水をキングドラが纏って体を回転させると、規模は小さいが竜巻の様な水の渦をゲンガーに向けて飛ばした。

 飛んでくるスピードは速いが、ゲンガーの素早さなら避けられない攻撃では無い。即座に伝えようとしたが、何の前触れも無くゲンガーの姿は二つに分かれた。

 

 自らの体力を減らす代わりに実体に近い分身を作り出す”みがわり”だ。

 

 何時ものこととはいえ、勝手な判断でリスクの高い技や行動を実行に移すのはいただけないが、何か考えがあるのだろう。

 今は彼の判断を信じようと思った直後、ゲンガーは生み出した色が薄い分身と背中を合わせて回り始めた。

 一見すると謎の行動だったが、良く見てみると本体と分身の目は念の力を発揮している時の特有の輝きを放っており、回転していた彼らは瞬く間に”うずしお”よりも規模も威力も勝る念の竜巻――”サイコウェーブ”とも言える技を起こしたのだ。

 

「!?」

「成程、そういうことか」

 

 何度目かの驚きを露わにするイブキを余所に、アキラはすぐにゲンガーの狙いを悟った。

 一対一が不利なら、二対一で戦えば良いと言う単純明快な発想だ。

 

 現状ポケモンバトルは一対一で戦うのが公式ルールで定められており、複数のポケモンを繰り出すことは許されない。だが、”みがわり”を使うことである程度は実現することが出来る。

 何故なら体の色と打たれ弱いのを除けば、ほぼ本物同然の分身なのだ。見方によっては、ルール違反せずに戦っている最中に戦力を増やすことが出来ると言っても良い技だ。

 勿論、体力を削ったりする問題や生み出したからと言って必ずしも見事な連係プレーで追い詰めることが出来るとは限らない。だけど扱いに慣れれば効果的な使い方だ。

 

 打たれ弱い以外は能力が同じ分身が発揮する”サイコキネシス”と協力して即興で編み出した”サイコウェーブ”は、”うずしお”を掻き消すに留まらず、キングドラを巻き込む。

 このまま念の竜巻でミックスしてやりたいが、悪足掻きなのかキングドラは掻き回されたまま”はかいこうせん”と思われる光線を放ってきた。

 狙いも何も無いヤケクソな攻撃なのか、光線はフィールドだけでなく観客席を含めたジム内の至る所に飛んでは炸裂して着弾箇所を破壊していく。

 ゲンガー達は、流れ弾が当たったら堪ったものでは無いと思ったのか”サイコウェーブ”を止め、揃ってキングドラの動きに注視する。

 

 それからゲンガーと分身は、まだ宙を舞っているキングドラに対して片方は”サイコキネシス”で動きを封じて、もう片方は”ナイトヘッド”を叩き込む連続攻撃を決める。

 確実にゲンガー達は、数の差と連携を活かして先程よりもキングドラを追い詰めつつあった。

 しかし、あまり例を見ないゲンガーの”みがわり”の使い方にイブキはカンカンに怒っていた。

 

「二対一とは卑怯だぞ!」

「ちゃんとルールの範囲内ですよ。審判、問題は?」

 

 怒るイブキを気にせずアキラは審判に尋ねる。

 審判を務めている青年はイブキから向けられる鋭い視線に少し怯えるが、二対一の構図とはいえ、それでもアキラがルールを破っていないので何も咎めたりすることはしなかった。

 

 やられっ放しのキングドラは再び”ねむる”による持久戦を始めていたが、ゲンガーが疑似的に二匹に増えたことで、受けるダメージの量もほぼ二倍に上がっていた。

 アキラが考えていた回復量を上回る攻撃を、ゲンガーは知らず知らずの内に実現させていたのだ。

 

 このまま攻めれば勝てるかもしれない。

 そう信じたいが、相手はドラゴンポケモン、それも最終進化形態なのだから油断は出来ない。

 その時、何の前触れも無くアキラの頬に水滴が付く。

 キングドラの水技による水飛沫かと思ったが、天井を見上げてようやく彼は黒っぽい雲が屋内であるにも関わらず広がっていることに気付いた。

 

「”あまごい”…」

 

 こんな現象を起こせる技の名前を口にした時、ジム内で降り始めた雨は次第に強くなっていき、あっという間に土砂降りに変わった。

 かつてワタルも天候を変えていたが、あれは技の力では無くハクリューなどの種が持つ天候を操る力だった。

 あの時は嵐を起こしたりと戦いを有利にしようとしていたが、イブキも戦いを有利にする為にこの天気に変えたのだろう。

 そんなアキラの懸念は、残念ながら現実のものとなりつつあった。

 

 やられたい放題にされていたキングドラの背後から、大量の水が押し寄せる”なみのり”がゲンガー達に襲い掛かって来たのだ。

 しかも先に仕掛けられたのと比べると遥かに規模が大きく、ゲンガー達は避けるだけでなく距離を取るべくキングドラから離れる。

 

 ”あまごい”には、天気を変える以外にも水技の威力を高める効果もある。他にも”かみなり”の命中率が上がるなどの効果もあるが、ゲンガーは恩恵を得られない。キングドラしか、今の天候でのメリットを享受することが出来ない。

 

 ゲンガーも自らの不利を悟ったのか、分身と共に勝負に出た。

 互いに横に並んで両手を大きく振り上げる。すると振り上げた二匹の両手の先で黒と紫が入り混じった球体が形成され始めた。

 

 最近”ナイトヘッド”のエネルギーを両手に集めることで使える様になった技だ。性質や威力が”ナイトヘッド”とは異なるのと球状のゴーストタイプの技であることから、アキラは”シャドーボール”と考えている。

 

 まだ扱い慣れていないので一度でも繰り出すのに時間は掛かるが、分身と協力することで技の準備に掛かる時間を短縮させているのだろう。

 そう思っていたが、目に見えてアキラの記憶にある練習の時よりも”シャドーボール”と考えているエネルギーの塊は大きくなっていく。どうやら時間短縮も兼ねた別の意図もあるみたいだった。

 

「”ハイドロポンプ”!」

「放て!!」

 

 だが、呑気に待ってくれる程イブキはお人好しでは無い。

 キングドラが筒状の口を大きく膨らませると凄まじい勢いの”ハイドロポンプ”を放ったのと同じタイミングで、ゲンガー達も自分達の背丈と同じ大きさにまでになった”シャドーボール”を投げ付ける様に撃ち出した。

 

 ”あまごい”で強化された濁流同然の勢いを持った水流と時間を掛けて形成された大玉”シャドーボール”が、土砂降りのフィールドの中央で激突する。

 最初はゲンガー達の”シャドーボール”が激しく押し寄せる水流を押し退けていったが、絶えず勢いを維持し続ける”ハイドロポンプ”の前に徐々に勢いが衰えていった。

 

「スット避けるんだ!!」

 

 一度でも勢いを止められたらもう打つ手は無い。

 ゲンガーもとっておきの策が失敗したことを察した直後、”シャドーボール”は”ハイドロポンプ”に押し負けた。

 咄嗟に分身のゲンガーが本体を庇う様に突き飛ばしたことで、分身は水に呑まれて消えてしまったものの本体は直撃を免れる。

 しかし、それでも技の規模が大き過ぎて余波に巻き込まれて水に流されてしまった。

 

「スット、一旦戻れ」

 

 うつ伏せ同然に倒れていたゲンガーが起き上がろうと奮闘しているタイミングで、豪雨で濡れた顔を拭いながらアキラは一旦ボールに戻す。

 まだ余力はあったのか、ゲンガーはモンスターボールの中で悔しそうな目でアキラを睨み付ける。

 

「理由はお前自身もわかっているだろ。あいつの戦い方とお前の戦い方では相性が悪い」

 

 アキラの手持ちは皆、高い能力に裏付けされた攻撃力と攻めに関する技術は良い方だ。

 ゲンガーも優れた能力と高威力の技を覚えているが、大ダメージを与えることは出来ても一撃で倒すとしたら、それなりのレベル差や相性の良さが必須だ。

 そして、キングドラはどの条件にも該当しない。しかも目立った状態異常を受け付けないのと常に回復しながら戦えるのだから、ゲンガーにとってはやりにくい相手だ。

 

 そのことはアキラに言われるまでも無くゲンガー自身も理解していた。

 でも遠回しに相手が自分よりも格上だと認めるのが嫌なのか、ボールの中でキングドラに対して少々アレなハンドサインをしていた。

 

 普段なら小言の一つや二つ言っているところだが、彼の心境は理解していたのでアキラは何も言わずにボールを腰に取り付けるが、状況的に頭をフルに働かせていた。

 数の上では三対一ではあるものの実質一対一にまで追い詰められてしまった。残ったのはエースであるカイリューのみ。

 

「出す手持ちの順番を間違えたな」

 

 もしエレブーが健在なら、キングドラの火力を逆に利用して倒すことが出来たかもしれない。

 イブキのキングドラがここまで厄介だとは予想していなかったが、今更後悔しても遅い。今は残された手持ちで、激しい豪雨が降り注ぐフィールドの真ん中にいるドラゴンポケモンを倒さなくてはならない。

 

 高い攻撃力と高威力の技を持つカイリューをゲンガーより先に出さなかったのは、常時回復を防ぐ当てがあったのともう一つ、ドラゴンタイプは互いに相性が悪いのを嫌ったからだ。

 結果的に当ては外れてしまったのでカイリューを出さなければならなくなったが、ゲンガーのお陰でキングドラに関する情報をある程度引き出せた。

 

 カイリューが入ったモンスターボールを手にするが、アキラは手持ちでは無くキングドラとイブキを見据える。

 ドラゴンタイプを切り札に据えているからには負けたくは無いが、負けたらどうなるかはもう考えない。

 ただ目の前にいる自分達の敵を倒す。それだけに意識を傾ける。

 

「頼むぞ。リュット」

 

 最後にそう呟いて、アキラはモンスターボールからドラゴンポケモンのカイリューを召喚する。

 姿を見せたカイリューは、体を屈めた状態で着地する。降り頻る雨で瞬く間に濡れていくが、カイリューは気にする素振りを見せていなかった。

 ただ一点、体を起こしながらアキラと同じく絶対に負けたくない敵を見据えて、フィールドを一歩前に踏み締めると同時に自らの力強さを見せ付けるかの様に雷鳴を轟かせるような大きな声で吠えた。

 

 遂に現れた。

 

 雨に打たれながら、イブキは姿を見せたアキラのカイリューを見据える。

 敬愛する兄――ワタルの行方を探す中で最後に戦ったかはともかく、浮かび上がった彼らが失踪に大きく関わった可能性は高いと彼女は見ていた。

 そして彼らを始めとしたポケモン達の関係についても、調べる内に様々な話を聞いている。

 

 強力なポケモンを持て余している少年

 反抗してばかりにも関わらず何故かポケモン達が付いて行く少年

 普通のトレーナーとは異なる関係を築いている少年

 

 良い話と悪い話、どちらかと言えば良い話の方が少し多いが、不思議な関係なのはさっきまで繰り出していた彼のポケモンの戦い方などの様子を見れば一目瞭然。

 

 長い歴史を誇るイブキの一族と言えど、強力なドラゴンポケモンを従わせるのは簡単な事では無い。

 持て余し気味だとしても、あの若さでカイリューという最上級のドラゴンを目立った問題を起こさずに連れているだけでも、並みのトレーナーでは無いことくらいイブキは理解している。

 

 だが、感情面ではどうしても認めたくなかった。

 彼のポケモン達の態度を好意的に解釈する者もいるが、このバトル中でもトレーナーなのだからちゃんと手持ちを躾けるなりして従わせろと何回思ったことやら。

 そしてそんな面々に自分が、ここまで追い詰められているのも尚更腹が立っていた。

 本当に兄であるワタルは、あの少年とドラゴンに敗れたのか。にわかに信じ難い。

 

 一方、出て来たカイリューは、息が続くまで吠えるとキングドラ越しにイブキに目をやる。

 

 怒っている。

 

 大方手持ちポケモンをちゃんと従えていないだとか、何時もの自分達が嫌われているパターンだろうとカイリューは当たりを付ける。

 過去の経験や性分的に忠誠を誓うなどのことはカイリューは大嫌いだ。では何故名目上アキラに従う形で付いて行っているのかというと、単に優れた実力のトレーナーであったり、優しい心の持ち主だからでは無い。

 勿論それらの要素も大事ではあるが、それなら彼よりもずっと良いトレーナーがいる。

 

 自分を含めた他の手持ちにとっても信頼出来る最良のトレーナーだからだ。

 

 自分達が強くなれる様に鍛えてくれたり信頼を寄せるだけで終わらず、可能な限り自分達の気持ちを汲んだり、希望に沿おうとしてくれる。

 だからこそ自分達も、他の仲間によっては友情や恩返し、或いは義理を通すなど考え方や理由は様々ではあるが、互いに目指すものや目的の為に協力したり力を貸し合うのだ。

 自分達のやり方が絶対正しいとまでは言わないが、文句を言わせない為にも勝つ。息を荒げて、ドラゴンポケモンは意気込むのだった。




アキラ、キングドラのねむねごコンボに苦戦を強いられ、遂にカイリューを繰り出してのエース対決に挑む。

最近のアキラは本気ジムリーダーや敵側のトップクラスと戦ってばかりで、一般的なトレーナーとの戦いは示唆する程度であんまり描いていないことに気付いたこの頃。
初めて”いびき”を使った時、眠っている時でも技が出せることや起きてすぐに行動出来たことに興奮した記憶があります。

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