打倒四天王を掲げたアキラとレッドは、カスミの屋敷にある彼が寝ている部屋の一室で、四天王対策会議と称した勉強会の様なものをやっていた。
内容は文字通り各四天王達の対策、彼が連れているイーブイだけが持つ能力を効率良く活用する方法の提案、そしてバトル中に良く見られる彼のクセの修正だ。クセの修正やイーブイがバトル中に行う進化・退化作戦は、考えることは出来ても実際にバトルしたり、体を動かしてみないとどうなるのかはわからない。その為、手足の痺れが残っているレッドはまだベッドから満足に動けなかったが、それでも頭を働かせることは何も問題は無かった。
「それじゃ改めて確認するよ。四天王のメンバーと手持ちの傾向は?」
「一人はシバ、かくとうタイプのポケモンがメイン、カンナはこおりタイプとみずタイプ中心、キクコはゴースト使いだけど手持ちの殆どはどくタイプで……」
「――最後の一人は?」
「えっとドラゴン使いだけど、ひこうタイプが多い奴の名前は……忘れた」
誤魔化す様にレッドは笑うが、アキラは気にすることなく答えを伝える。
「最後はワタルだ」
「そうそうそいつ」
最後の一人の名前を思い出したレッドは納得する。
四天王対策は、各々が得意とするタイプや所持しているポケモンの種類に長所と短所を覚えることが出来れば、少しは助けになるだろう。
とはいえ具体的に仕掛けてくる戦い方は良くわからないので、残念なことにアキラがレッドに教えているのは、ゲーム基準でのタイプ相性や能力の短所を突いて攻める形だ。そこで少しでも勝率を上げる為に彼は、実際に遭遇した時の経験とまだ覚えているゲームで得た知識を混ぜ込みながら活用していた。
「にしてもアキラは良く知っているな。キクコとワタルには会った事ないんだろ?」
「調べたら色々と出てきてね」
レッドにはそう伝えるが、実際はキクコの事は念入りに調べれば確かに少しは出てくるが、ワタルに関する情報はさっぱりだ。本当のことを言うと、こうして四天王達の情報を元にした対策が出来ているのは、アキラがこの世界で言う神様の様な視点からこの世界とゲームでのポケモンを見てきたからこそ成せる面もある。
原作での四天王達との戦いは、読んでいないこともあって結果はわかっていても出来事や流れは殆ど知らない。だけど、それでも多少はゲームと傾向が同じなのを考えれば、付け焼き刃だとしても足掻く程度の対策は出来るはずだ。
「わかっていたつもりだけど…シバと同じくらいのトレーナーが他にも三人か…」
勉強会をする前から薄々認識してはいたが、自分と互角に渡り合ったシバと同等以上の敵が後三人いることをレッドは改めて認識する。
話を聞けば、レッドもシバの事を好意的に見ており、アキラが恐れていた良からぬ考えに染まっている訳では無さそうだった。寧ろ正々堂々とした勝負に水を差す形で割り込まれた上に同じ四天王の誰かに操られていたらしく、二人の間ではシバは騙されているだけでキクコが黒幕の可能性があると言うのが満場一致の意見になっていた。
「個人的にはシバさんとワタルが戦いやすいかな。どちらも連れている手持ちの種類を考えると、小細工抜きで正面からの力押しがメインだろうし」
シバは文字通り、鍛え抜いた肉体を持つ格闘ポケモンによる接近戦であるのを経験しているが、会ったことがないワタルはドラゴンポケモンが持つ高い能力でのゴリ押しが想定される。
戦いやすいとは言っても、相手はこの地方屈指の実力者なので口で言う程攻略するのは容易ではないが、アキラとしては氷漬けにしてくるカンナと何を仕掛けて来るのかまるでわからないキクコの方が恐ろしい。
「シバさんはエスパーにひこう、ゴーストの三タイプ、カンナは氷使いだけどルージュラ以外はみずタイプの複合だから、ほのおタイプとでんきタイプがいた方が助かるかな」
「キクコも同じ理由でエスパータイプ、そしてワタルはこおりタイプにいわタイプか」
今挙げたタイプを持つポケモンと技があれば、少しは実力差を埋めることは出来るのだが、技はともかくタイプの方は手持ちのバランスを良くする為に連れているとしても一匹だけなのがネックだった。
しかし、これらの対策が机上の空論であったとしても無策よりはマシであり、有利な可能性があるポケモンをどう活かすかの重要性は確認出来た。すぐに実行することは難しいので、そこまで頭を働かせる必要が無い話題にアキラは変える。
「話を変えて、それぞれのエース格の攻略でも話すか」
次にアキラはノートにカイリキー、ラプラス、ゲンガー、カイリューの四匹の名を書き出す。
この中でゲンガーは彼自身が連れているので、それなりに詳しい。
ラプラスも元々手持ちに加える候補であった為、そこそこ調べている。
カイリキーはシバとのリベンジを想定してある程度調べてそれなりに対策を考えていたので、その対策を流用することが出来るはずだ。
そしてカイリューは今連れているハクリューの進化先なので、ゲンガーの次に良く知っている。
「何でこいつらが四天王のエース格?」
「能力値がずば抜けているからだよ。特にカイリューは単純に能力値だけを見れば、伝説のポケモンに匹敵する」
ポケモンの能力値は、彼らが有するポケモン図鑑や特定の機材での診断を除けば、厳密にはまだ目に見える形では数値化されていない。
ノートの活用法を知ってから早い段階でアキラは、元の世界で読み込んでいた攻略本で見たポケモンの能力値を六角形のレーダーチャートで表していた内容を覚えている限り纏めている。ゲームでの数値がこの世界でもそのまま適用されるとは思っていないが、彼自身が連れているドラゴンもミュウの力添えがあったと仮定しても、二年前の対ミュウツー戦で互角以上に渡り合えたのだ。ワタルのカイリューもほぼ同等であると考えれば、弱点を突かないと正面から倒すことは難しい。
「伝説のポケモンに匹敵ってヤバイな」
「対抗する為にリュットの進化を急がせたいけど、最近ちょっと伸び悩んでいるし」
健康面の不安もあるが、今以上に強くなるには大丈夫と信じるしかない。
ヤドンが進化した今、現段階で進化の可能性が残っているのはハクリューだけだ。
仮にアキラとレッドがタッグを組んでワタルと対決しても、今の自分達ではドラゴン軍団が誇る能力値の暴力で苦戦を強いられる可能性が非常に高い。なのでハクリューがカイリューに進化してくれたら、その力による恩恵は計り知れない。
進化して体調を崩した場合のケアは考えているが、勿論ハクリュー以外の手持ちの強化も余念は無い。
サンドパンは、パワー不足を補わせる為にも相手の体構造的に弱い箇所を突く技術を磨かせながら、粘り強く戦っていく方針だ。
ゲンガーは、他に技を覚えさせる時間は無いので、今ある技の習熟度を磨いていく。
ブーバーは、”ふといホネ”を更に使いこなせる様にすることは勿論、特殊技などの他の技の扱いが疎かにならない様に鍛えていく。
エレブーは、まだ力に任せて動きが大雑把なので細かい動きが出来る様にする。
ヤドキングは、進化したばかりである為、今の体に慣れる練習をさせる。
軽く考えただけでもこれだけあるのだ。
時間は幾らあっても足りない。
「――ありがとうなアキラ」
「? どうした急に?」
「いや、俺なんかの為にここまでやってくれるのが嬉しくてさ」
振り返ってみれば、レッドは何かとアキラとは度々一緒にポケモンバトルの特訓をしたり、ポケモンに関しての勉強をするなどしてきた。同郷であるグリーンもライバルであることに変わりないが、武者修行の旅に出ている彼とは違い、身近で互いに切磋琢磨してきたのは彼だ。
今のところ彼とのポケモンバトルでは勝ち続けてはいるが、隙を見せればあっという間に追い詰めて来るので全く油断出来ない。もし身近なライバルである彼がいなかったら、恐らく自分は今より弱く、自らの実力にかまけて我流で過ごし続けて、そして今回の敗北から立ち直れなかったかもしれない。
そう考えると、アキラの存在が如何に大きいのかが良くわかる。
「レッド、俺はそんな大きい存在じゃないよ。そう自分を卑下するな」
「ありがたいけど、その言葉ソックリそのままアキラに返すよ」
「何で?」
「お前だって自分を卑下し過ぎだよ。もし俺がお前の真似をしろって言われても出来ないことだらけだよ」
自分とのバトルで負けっ放しなのをアキラが気にしていることは知っているが、実力は殆ど大差無いとレッドは見ていた。更にちょっとした事や小さな事を積み重ねて、それらを纏めたり元にして工夫することも彼は秀でている。
他にも律儀に反省・参考の意図でポケモンバトルに関する記録を幾つか書き残したり、人に聞く以外でも本などからも好奇心を満たす為と言っているが、貪欲に新しい知識を取り入れている。
それら全ての小さな積み重ねが、こうして役立っているのだから何かと飽きっぽい自分には到底真似出来ない。なのに彼は、自分も含めて他の皆から高く評価されても、それらの評価は自分には分不相応と受け止めがちだ。
「いや…でも実際レッド達と比べると……」
「大丈夫だって、自信を持て」
「自信を持てって言われもな」
その時、彼らがいる部屋のドアがノックされる。
この部屋には誰がいるのか知っているのは勿論、入ることが許されているのは限られた人達だけだ。カスミか選ばれたメイドさん、それかレッドの担当医のどちらかだと思われるが、念の為アキラは尋ねる。
「どなたでしょうか?」
「私よ」
ドア越しに返って来た返事はカスミからだった。
どんな用があるのかとレッドと一緒に考えるが、ドアが開くとそこにいたのは彼女だけでは無かった。
「ありゃりゃ」
「――グリーン?」
アキラは意外そうな顔だったが、レッドは信じられなさそうに彼の名を口にする。
カスミの傍に立っていたグリーンだったが、ベッドから体を起こしているレッドの姿を見るやマントを羽織ったままズカズカと部屋の中に入ってきた。
「どうやら命を拾ったようだな」
「へへ、何とかな」
皮肉っぽく言っているが、グリーンも無事なのを目に出来て安心しているのにレッドは気付いていた。丁度彼の事も考えていたので、こうしてまた会えたのがレッドは嬉しかった。
「今アキラと一緒に四天王対策会議をやっていたんだ」
「ほう。四天王対策会議か」
グリーンが珍しく興味を示したことに、主導していたアキラは若干緊張を抱く。
レッドは自分の言う事を疑うこと無く素直に受け入れてくれたが、グリーンだと情報の正誤よりも、どこからそれらを仕入れたのかをしつこく追及されそうだからだ。ちゃんとこの世界で得た情報もあるが、どう考えても今の自分が知っているのはおかしい情報もあることを指摘されたらどう誤魔化せばいいのか。
「是非とも加わりたいが、その前にお前に話させたい奴がいる」
アキラの不安を余所に、グリーンはレッドに会わせたい人物がいるのを告げる。
レッドはそれが誰なのかわからなかったが、それを機にピカチュウを連れた麦藁帽子を被った
「君は?」
「ぼ…僕の名前は…イエローです」
やって来たイエローは、ガチガチに緊張しながらも精一杯自分の名をレッドに名乗る。その姿はまるで、憧れの人を前にガチガチに緊張しているファンの様であったが、ある程度イエローの素性を把握しているアキラから見ると実際その通りではあるが。
「――君が今日までピカを守ってくれた子か」
ようやく理解が追い付いたのか、感慨深そうにレッドはイエローを見つめながら納得する。
目の前の
イエローと一緒に入って来ていたピカチュウだが、騙された経験があるからなのか、すぐにレッドに飛び付くことはしなかった。本当にベッドに横になっているのが本物のレッドなのか入念に調べ始めるが、彼は警戒されているにも関わらずピカチュウを優しく抱え上げた。
「ごめんなピカ。俺が不甲斐無かったばかりに辛い思いをさせて」
下手をすれば電撃を浴びせられる可能性があったにも関わらず、一切の躊躇いも無く自らを抱えたのと彼からの心の籠った言葉を掛けられて、ピカチュウは確信した。
匂いだけでなく、この暖かい感触と穏やかな雰囲気を持つ彼こそ正真正銘、自分が慕っているレッドなのだ。
レッドは完全に気を許したピカチュウを優しく労うと、改めてイエローに顔を向ける。
「イエロー、俺が倒れている間…ピカを色んな脅威から守ってくれて本当にありがとう」
「あっ、いえ! そんな…僕は…自分に出来ることを……しただけで…す」
レッドからこれ以上無い感謝の言葉を伝えられて、イエローは顔を赤めて慌てふためく。
憧れの人が無事だっただけでも凄く嬉しいが、一番嬉しいのはピカチュウが本当の”おや”である彼と再会出来たことだ。これ以上無いくらい幸せそうなピカチュウの姿を見て、イエローはこの旅の目的を果たせたことを悟る。
ピカチュウと別れるのが悲しく無い訳は無い。
だけど、これが本来あるべき姿なのだと、自分に言い聞かせる。
「イエロー……君はこの後どうするか考えている?」
「僕は…その…」
レッドに尋ねられた内容にイエローは戸惑う。
再会したピカチュウの姿を見て、今一番迷っていたことだからだ。
「レッドの助けになるんじゃなかったのか?」
「それは…そうですけど…」
グリーンに問われて、イエローは更に戸惑う。確かにグリーンに付いて行ったのは、少しでもレッドの力になりたいからだ。しかし、ここから先の戦いは間違いなく、想像を遥かに超えたより激しいものになるだろう。そして手助けをしようにも、自分はレッドやグリーン、アキラには到底及ばないトレーナーだ。
自分をこの旅に送り出した人物は、自分には彼を助けられる力があると言っていたが、このまま彼らと一緒に四天王と戦おうにも足手まといにしかならない。大人しく故郷であるトキワシティに帰るべきだと言う考えが、イエローの中で強くなっていく。
「――”自分が一緒に戦っても大丈夫か?”ってのを気にしているのか?」
「!?」
内心で抱いていた考えをアキラに見抜かれて、イエローは目に見えて動揺する。
何故わかったのかと思われるが、彼にとって今のイエローの様子は見覚えがあるどころか、彼自身も未だに良く経験するものだったからだ。自分の様な奴が一緒にいて良いのか、そういう気持ちを抱いているが故に己を卑下したり自信を無くしている。
周りが認めても、自分だけは認められない。
「…イエロー」
レッドはまだ四肢に痺れが残っていて不自由しているにも関わらず体を動かして、イエローと正面から向き合った。
「俺は君が強い強くないは気にしてなんかいない。こうしてピカを守り切ってくれた。それだけでも十分だ」
今日までピカチュウを狙う四天王とその手先の魔の手から、逃れてここまで来たのだ。その時点でイエローは並みのトレーナーでは無いし、運が良かったとしても強い意思が無ければ成し遂げられない。力が無いからと卑下することは無い。
幾多の危機を乗り切って、ここに辿り着いただけでもイエローは既に、自分達と一緒に戦う権利を得ている。レッドから伝えられる言葉にイエローは徐々に目元を潤ませるが、彼は今度はピカチュウと向き合った。
「ピカ、この戦いが終わるまでイエローの手助けをしてくれないか?」
折角再会したと言うのに、レッドはピカチュウにしばらくイエローと一緒にいることを頼む。受け取り方次第では戦力外通告と思われてしまうが、彼の真意を理解していたピカチュウは頷いて了承する。
ピカチュウの方も再会出来て嬉しいが、まだまだ右往左往気味であるイエローの姿を見て、もう少し一緒に行動を共にして力になってあげたいとも考えていた。レッドの手から離れると、ピカチュウはイエローの目の前に立つ。
「ピカ、もう少しの間だけ……僕は君の”おや”で良いかな?」
可能な限り体を屈めて震える様な声で尋ねるイエローに、ピカチュウは先程と同様に頷いてイエローの胸に飛び込む。反射的にイエローは受け止めるが、もう一度自分を信じてくれたのを喜んでいるのか、そのままピカチュウに顔を埋める様に優しく抱き締める。
もしピカチュウがレッドの手持ちであることを知らない人がこの光景を見たら、イエローがピカチュウのトレーナーに見えるだろう。そう思えるまでに、彼らは絆を結んでいるのだ、と見ててアキラは感じた。
聞こえるか聞こえないくらいに小さな嗚咽する声が漏れるが、皆それは気の所為だろうという事で気にしないことにした。
「――それじゃ、三人も加えての作戦会議といきますか」
見計らってアキラはそう宣言すると、カスミやグリーン、イエローの三人を交えて彼らは作戦会議を再開した。
結局イエローの目元は赤く腫れ上がっていたので、嬉しさのあまり涙が溢れたのを皆に晒したが、誰もその事について触れなかった。
アキラが懸念していた情報の仕入れ先や経緯についてだが、運が良かったのか殆ど指摘されることは無かった。寧ろカスミやグリーンの的確な指摘などもあって、非常に有益であった。
一通り終わると、彼らもしばらくこのカスミの屋敷で特訓の為に滞在することがこの後決まり、アキラは忙しくなることを直感するのだった。
地図には存在しない島であるスオウ島。
少なからず自然が残っているにも関わらず、人の気配どころかポケモン達が棲んでいる形跡も殆ど無いこの島の洞窟内で、キクコは手に入れたとある装置を入念に触れていた。原形を留めていたとはいえ、瓦礫の山から取り出した時は大丈夫なのか気になったが、どうやら心配する必要は無さそうだ。
「どうだキクコ、何とかなりそうか」
装置の調節に勤しむ老婆の後ろに現れた青年は、自分よりも遥かに年上であるにも関わらず尊大な態度で尋ねる。しかし、キクコは少しも機嫌を悪くせず、逆に笑みを浮かべながら答える。
「なに心配することは無い。ちゃんと問題無くやれるさ」
「そうか」
キクコの話を聞いて満足したのか青年は背を向ける。
「お出かけかい?」
「あぁ、クチバで何やら動きがあるらしいからな」
それだけを告げると、青年は洞窟から去って行く。
彼の後ろ姿を見ながら、キクコはたった今彼が告げた言葉と自分が今まで得た情報を頭の中で働かせる。
「クチバね。確か何かレッドがいるとかって噂は流れてた気が…」
クチバシティと言えば、レッドの友人にしてカンナや自分が差し向けた氷軍団に霊軍団の先兵を退けたアキラが住んでいる町だ。
あの時凍らせたレッドが氷の中から脱出したとは考えにくいが、もし彼が誰かを頼って身を潜めるとしたら、その可能性がある場所の一つに挙がってもおかしくはない。
「何も無いとは思いたいけど、どうしたものかね」
噂も一体誰が流しているのかはハッキリしていないが、こうも狙った様なタイミングで話題になると作為的なものを感じる。
順調に進んでいるとはいえ、未だにレッド以外に自分達の計画の障害となる腕利きのトレーナーは何人もいるのだ。イエローを追い掛けていたカンナも、グリーンやジムリーダーと合流したことを耳にしてからは、一旦手を引いている。
彼らが自分達を倒すことよりもレッド探しに躍起になっていると言うのは聞いているが、もしレッドを見つけたら一転して反撃準備に移るのは容易に想像がつく。
長年の経験故か、キクコは胸騒ぎに近いのを感じるのだった。
アキラとレッド、無事にグリーンやイエローと合流して本格的に戦いに備え始める。
レッドとグリーンの二人が揃うと、まだ未熟だとしても安心感が違う気がします。
アキラも強いには強いけど、二人と比べるとまだ何か物足りない様な感じです。