今回は、ヴィヴィオの見た夢のお話です。
以前の初代桃鉄や、黒のランサーの影響なのか、どう考えてもあの名作ゲーム『●魔城ドラキュラ』をモチーフにしたっぽい夢。
ええ、全ては夢の物語……。
そんな「セルフツッコミするしかない!」と思っていた世界に、ヴィヴィオと関係する、とある意外な人物が現れて……。
夢を、夢を見ていました……。
あ~、これ、なのはママの(中の人)の台詞なんで『由詑かなみ 台詞』で検索してみてください。
平塚先生もおっしゃっていましたが、スクライドは名作です。
そんなわけで今日のお話は夢です。
ええ、夢オチです。
最初に断っておきますが、全てわたしが見ている夢です。
なぜなら……タイトルがおかしいから。
どう考えてもファミリーコンピューター時代の名作ゲーム『悪●城ドラキュラ』に無理矢理当てはめたとしか思えません。
――アインハルトキュラって何ぃぃ~~っ!?
――アインハルトさんが吸血鬼なのぉぉ?
自分の夢ながらさっぱりです。
誰とは申しませんが、黒のランサーのせいなのか……前々回の桃鉄(ファミコン)の影響が残っていたのか……とにかく色んなことが合わさった結果、無意識に夢として見ているのではないか――と冷静に分析できているので、うん、たぶん、これは〝明晰夢〟なのでしょう。自分の夢だとわかっていながら見る夢のことです。
そんなわけでみなさん、本日はわたしと一緒に、わたしの見る夢におつき合いください(ちょっと意味わかりませんが)。
ほら、早速周囲の風景がおかしなことに……。
『覇王城アインハルトキュラ』
どうやらタイトル画面のようですが、頭上をご覧ください――。
『PUSH START KEY』
何だこの夢……。
●
プロローグ
旧暦XXX年。
古代ベルカの平和な小国シュトラ。この国にはアインハルトキュラにまつわる伝説がある。
覇王イングヴァルトは100年に1度、聖王の力が弱まるころ、邪悪な心を持つ人間の祈りによって――。
――ちょっと待ったァァ~~っ!?
――どうしてわたしの夢にプロローグがあるのぉぉ――っ!?
――しかもムダに壮大そうだし、そーいうのいらないからぁぁ!
と、とにかく……。
わたしの目の前。延々と左右に続いているのは槍みたいに尖った塀と錆びついた鉄の門扉。扉の先には、闇夜と黄色の月をバックに、謎の古城が暗く浮かび上がっている。ついでにコウモリとか飛んじゃってるし……。
たぶんこの悪魔城……じゃなかった〝覇王城〟を攻略すればいいのだろう。
やっぱりプロローグを見ておくべきだったろうか? いつの間にか、わたしは左手にムチを握りしめていた。ストーリーくらいは知っておくべきだったかもしれない。
だいたいムチがメインウェポンって……それこそ悪●城ドラキュラのベルモンド一族か、イン●ィ・ジョーンズか、どこぞの女王様か……あ~、そういえばプレシアお婆ちゃんも振るってたっけ。習っておけばよかった。ちなみにフェイトママも似合うと思うのだけど、落ちこみそうなので口に出しては言わない。言えない。
「あとはランバ・ラルくらいかな~」
とか言っても誰も突っこんでくれな――
「それはグフのヒートロッドですよ~」
「だ、誰ぇぇ! わたしの夢の中にツッコミを入れてくるのはっ!?」
振り返ると、そこにいたのは1人の女性。
長い髪を後頭部でまとめた髪を、シニヨンキャップとリボンで飾りつけている。
「あ~、『DOG DAYS』のミルヒオーレ姫ですかぁ~」
「違いますよ! オリヴィエです、オリヴィエ・ゼーゲブレヒト。あなたのオリジナルで、ご先祖様です。まあ、私もちょっと似てるかな~と思わないでもないですが、髪の色がまったく違いますよね。ミルヒオーレ姫はピンクで私とあなたは金髪――」
「すみません、今日の夢は白黒なので……」
「あなたの夢は白黒テレビですか!?」
「いえいえ、雑誌掲載のイメージですよ~」
「FULL COLORSでお願いしますね!」
「……もしかして、プレシアさん、アリシアさん、リニスさんに続いて」
「いえ、ただのセルフツッコミです」
「……」
「ツッコミを入れたい。でも自分で自分に突っこんでばかりもいられない。だからもう1人の自分という形で、私を生み出したのでしょうね。
ほら、その証拠に私にもガンダムの知識があったじゃないですか~」
いくら適当な夢とはいえ「コレはないなー」と思ったけれど、流石にそろそろ認めないわけにはいかなくなってきた。
「……ってことは、何でしょう、わたしの知識に加えて、昔のオリヴィエさんの記憶とかも知っているということなんでしょうか?」
「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
「ほらぁぁ――っ! やっぱりミルヒオーレ姫だぁぁ――っっ!!」
「違いますよ! 先週からそんな中の人ネタばっかり連発してぇぇ! だいたい今のフリでしたよね、フリ」
「そんなわけでバサ姉」
「もう~、ミルヒ……じゃなかったオリヴィエですよ」
「じゃあ羽川先輩」
「はいはい扇ちゃん、さっさと話を進めるわよ」
1面
「1面ってナニィィ!?」
「ほらほら気にしたら負けですよ~」
「セルフツッコミすぎて、どっちがどっちの台詞かわからない!」
などと言いながら覇王城を進んでいくと、バサバサという羽音が聞こえてきた。
「1面のボス――吸血コウモリですね~」
「大きいコウモリというと、ダイ・アモンしか思い出さないんですけど……」
「もっと他にあるんじゃ……ほらほら、ヴィヴィオの知り合いじゃないですか?」
「……あ」
コウモリっぽく天井に逆さにぶら下がっているのは、初代リインフォースさんとはやてさん。
「「……みえ」」
何が見えたのかは言わないけれど、流石はわたしの夢。
次行こ、次……。
2面
ベルガ・ダラスっぽい槍を持った鎧騎士を倒しながら塔を上がる。
「2面のボスはメディウサで、普段は石像として身を隠しているが、近づくと本性を現わす――だそうですね」
「へぇ~、そうなるとやっぱりボスはナハトヴァールですかね~」
「う~ん、どうでしょう?」
礼拝堂にたどり着くと、紫の長髪で、眼帯に黒いボディコン服をまとった女性が待っていた。
「ライダーじゃんっ!?」
と、ツッコミつつ次の面へ。
3面
塔と塔をつなぐ橋を渡る。
「オリヴィエさん、3面のボスは誰でしたっけ?」
「ミイラ男ですね~。しかも双子」
「双子……ってリーゼ姉妹か、ノーヴェとスバルさんか……でも、さっきの面がライダーだったしなぁ~」
「そもそも、ミイラ〝男〟ですからね~」
「そっか~。そういえばミイラ〝女〟ってあまり聞かないですよね?」
「そもそも、包帯でグルグル巻きだから中身が男性か女性かわからないですしね~」
とかなんとか言いながらボス部屋へ。
「アレは……」
「綾波レイさんですね~」
そう来たかぁぁ~。
「って、包帯しか合ってないよねぇぇ!?」
「まあまあ、ほら窓の向こう」
包帯を巻いた初号機がミイラ男っぽかったのでよしとする。
4面
地下洞窟を突き進む。
「4面のボスは、フランケンシュタインとせむし男でしたっけ?」
「そうですね。イメージとしては、ヴィヴィオのお友達のコロナさんが、ゴライアスの肩に乗っているような感じでしょうか」
「あ~、なるほど。でも今回はストレートにフランちゃんってことはないでしょうか?」
「あ~、なるほど。じゃあ肩に乗ってるのはマスターのカウレスさんとか?」
『Fate/Apocrypha』の眼鏡が本体っぽい人だ。
「あ~、はいはい、そんな感じで……」
ボスがいる狭い渡り廊下に着くと、
「フンガー」
怪物くんでした~。
5面
急に色調が変わり、白っぽい壁面に鉄格子がはまっている。
「うわ、牢獄ステージですか……」
「5面のボスは死神――覇王城の副官のような存在で、画面のあらゆるところから鎌を出現させプレイヤーをねらってくる――だそうですね」
「画面にプレイヤーって……でも、鎌かぁ~」
「イメージとしては、フェイトさんかレヴィさんがピッタリじゃないですか?」
「確かに。特にフェイトママなんて死神コスとかちょー似合いそうだし……でも、これまでの傾向からして……〝ガンダムデスサイズ〟なんてどうでしょう?」
まあ、本当に出てきたら負けそうだけど。
「あはは、ありそうですね~。だったら私はエレミアで」
「あ~、副官のような存在で黒っぽいし、確かにあるかもですね~。でも、わたしの夢だから登場するとしたらジークさんの方かも」
「そっか、ちょっと残念ですね~」
肖像画の入った額縁が並ぶ通路を抜け、いかにもボス部屋といった空間に到着する。
「オリヴィエさん、ストップです!」
わたしは慌てて聖王女の手を引っ張り物陰に隠れた。
「どうしたんですか?」
「ボスがいました」
「何か問題でも?」
「いえ、アルフやミウラさんみたいなオレンジのツンツン髪キャラではあるんですが……」
「あ~、なるほど。死神つながりとしては限りなくアリだと思いますけど……卍解っ!」
諸般の事情でタイトルは伏せさせていただきます。
6面
いよいよ最終ステージ。
月をバックに階段を上がっていく。
「このまま登っていく裏技がありましたよね~」
「いえ、それバグ技なんでやめときましょう」
そして、わたしとオリヴィエさんはついに覇王城の最上階に到着する。
そこには棺桶が2つ置かれていて……。
「2つぅぅ~~っ!?」
「ようこそいらっしゃいましたヴィヴィオさん」
大方の予想通り、黒いマントに牙を生やしたアインハルトさん……いや、アインハルトキュラが中に浮かんでいた。
そしてもう1人。
「よくここまで来たね、オリヴィエ。それにヴィヴィオ」
「クラウスぅぅ~~っ!?」
「クラウス陛下ぁぁ~っ!?」
紛れもなく絵画で見たことがあるアインハルトさんの男性バージョン。古代ベルカの覇王クラウス・G・S・イングヴァルトさんだった。
覇王城というくらいだから、アインハルトさんがボスキャラだとは思っていたけれど、まさかクラウス陛下まで吸血鬼になっていようとは……。
自分の夢ながら予想外の展開である。
アインハルトさん……じゃなかったアインハルトキュラさんは愛らしい八重歯みたいな牙を見せ、
「血を吸っちゃいますよ~」
と近寄ってくる。
いつもよりアグレッシブかつフレンドリーだ。
これはこれでアリかもしれない……じゃなかった落ち着けわたし。
同様に、クラウス陛下も「君の血を吸わせて欲しい」とオリヴィエさんに歩み寄る。
こ、こうなったら……。
「オリヴィエさん……」
「ヴィヴィオ……」
わたしとオリヴィエさんは顔を見合わせると頷き合う。
そして、互いに首元をはだけ、両腕を大きくバンザイのポーズで開くと、
「「ど~んと来いですよォォ~~~~っっ!!」」
●
「――ハッ!?」
わたしは自宅のベッドで跳ね起きた。
我ながらアホな夢を見た。
近年稀に見るほどアホな夢だった。
「流石にど~んと来いはないよねぇ……」
こういう日は、生アインハルトさんを見て心を落ち着かせるに限る。
早朝。
いつもより早めにランニングに出発。
アインハルトさんのマンションに突撃すると、部屋の前にヘンテコな――初等科の学芸会っぽい――ダンボール製の門があった。
――何だコレ!?
と思いつつ、
『は~い、これからアインハルトさんちに突撃したいと思いま~す』
アバカムっぽい魔法を唱えると小声で侵入。
すると、中はやっぱり学院祭のお化け屋敷っぽく飾りつけがしてあり、壁には見たことがないオリヴィエとクラウス陛下の肖像画がかけてあった。
何だか甲冑もあるし、明かりは弱々しいロウソクの火だし……。
まさか!?
「アインハルトさんちが覇王城になってるぅぅ~~~~~っ!?」
さらに、ベッド代わりの棺桶の蓋が開いたかと思うと、緑髪の少女がゆっくり目を覚ました。
「アインハルトさん、これってどうなってるんですかぁぁ~~っ!?」
まさか「これも夢でした~」というオチだろうか??
「……フワァ~、ヴィヴィオさんおはようございます。コレは……もうすぐハロウィンなので、そろそろ準備をしておこうかと」
寝起きのせいか、いつもよりやんわりした口調でアインハルトさんが言った。
手にはカボチャが握られている。
「なるほど。言われてみるともうじきハロウィンでしたね……って、アインハルトさんその衣装はっ!?」
黒いマントに小さな羽がついており、その姿はまるで、
「吸血鬼っ!?」
「はい。今年のハロウィンの仮装です。血を吸っちゃいますよ~」
寝起きのアインハルトさんがぽわぽわ言った。
こ、この流れは……。
わたしはオリヴィエさんのサムズアップを思い浮かべると、首元をはだけ両腕を広げる。
「どんと来ぉぉ~~~いっ!!」
「はいぃぃ~!?」
流石のアインハルトさんですらドン引きである。
気のせいか、オリヴィエとクラウス陛下の肖像画が笑っているように見えた。
アインハルトさんの実家を考えていたら、いつの間にかこんなことに……。
最初はアインハルトさんと一緒に回る予定だったのですが、一応ラスボスなんで、無理だな~、ということから、お相手がオリヴィエに。
アニメで登場するとしたらヴィヴィオと同じ声優さんになるとは思うんですが、どうしてもミルヒオーレ姫を思い出してしまい、脳内ボイスが堀江●衣さんになってしまうという……。
そういえば、ヴィヴィオと忍野扇の声がどうしても結びつかなかったのですが、ヴィヴィオ → ユーノ → 扇ちゃん でなんとなく納得。
そんなわけで、2週連続でネタ祭りだったわけですが、
毎年10月31日はハロウィンです。
ヴィヴィオたちも、魔女やお化けに仮装してお菓子をもらいに行く――かと思いきや、リオの一言から斜め方向に突き進む!?
次回『探せ! 七鍵守護神の魔導書』
で、リリカルマジカルがんばります!