Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章 作:純白の翼
俺の誕生日にダイアゴン横丁に行ってから早くも1か月は経つ。あれから新術も作りつつ、一年生の教科書にも目を通しておく。簡単な事しか書いてないが、念には念を入れておく。予習というより実質的に復習とも言えるわけだ。
そして、運命の9月1日。ロイヤル・レインボー財団の用意した車でロンドンの駅に一直線で来た。義祖父ちゃんとは、キングズ・クロス駅の入り口で別れた。俺は、ホームを探す。9と3/4番線を探す為だ。9番線と10番線の辺りまで来た。9番線と10番線の間には、3本の柱がある。それが分数や小数点を表現しているかもしれない。9と書かれている柱を9.00、隣を9.25、真ん中を9.50、その隣が9.75、10と書かれている柱が10.00ということになるわけだ。
このことから、10の柱の隣を潜ればいい。尤も、マクゴナガル教授からちゃんと教わった俺はその推理をする必要は無いのだが。
潜ろうとする準備をしていると、声を掛けられた。150センチはあろうかという身長をしている。無駄に顔立ちは整っている。
「9と3/4番線って知ってるか?」
「ホグワーツなのか?」
「おう!」
「それなら、あの柱を通り抜けるといい。」
「ありがとうな。」
少年は柱に向かって進み、そして神隠しにでもあったかのように消えた。
「本当に当たってたとはね。じゃあ、俺も行きますか。」
そんなわけで、俺も真っ先に向かったのだ。9と3/4番線へ。
「ハグリッドってば、もう少しマシな説明をしてくれないと困るよぉ。でも、ハリーが通ったのは見たから苦労せずに済みそうだけどね。」
生き残った女の子たるエリナ・ポッターも、さほど時間をかけずに9と3/4番線に突入出来た。
俺は大量の荷物が載ったカートを押していく。すると、そこには9と3/4とかかれたホームがあり、魔法使いでごった返しになっていた。といっても、そこまで多くないが。
ホームには、紅の蒸気機関車が停まっているではないか。その上には、「ホグワーツ行特急11時発」と書いてある。幸い、まだ出発まで30分はあるのでゆっくり探す事にした。その前に荷物を浮遊呪文で中に入れる。
前はほぼ満席になっていきかけていたから、後ろ辺りを探すことに。しばらくして見つけた。他のコンパートメントの倍以上の大きさを持っているところを見つけた。これはラッキーだと思い、早速陣取った。
「う~ん。中々上手くいかないなぁ。」
エリナ・ポッターは、荷物を入れるのに手間取っていた。
「お嬢さん、手伝ってあげましょうか?」
振り向くと、眉目秀麗な容姿をした黒髪の青年と彼のミニチュアともいうべきエリナと同年代の少年が立っていた。青年は緑、少年の方は青のメッシュをしていた。
「はい!お願いします。」
「行くよ。
青年が呪文を唱えると、エリナの荷物が浮上して汽車の中に無事に入った。
「ありがとうございます。」
ペコリとお辞儀をする。その際に額の傷が見えた。2人は、目の前の少女の正体を察したようだ。
「驚いたな。君、エリナ・ポッターだろ?」
少年の方がエリナに問いかける。
「そうだけど。」
「兄さん。どうたら俺、初日からツイテるらしい。有名人といきなり出会えるなんてさ。」
「そうだな、ゼロ。私もここで出会えるとは思わなかった。」
「あのぅ、あなた方は誰ですか?」
「俺?俺は、ゼロ・フィールド。今年からホグワーツなんだよ。ゼロって呼んでくれよ。」
「私はフォルテ・フィールド。今年からフリットウィック教授の後任として、呪文学の教鞭を取る事になったんだ。どんな呼び方でも構わないよ。宜しくね。」
フォルテと名乗る青年は、朗らかな笑みをエリナに向ける。
「宜しくお願いします。ゼロ。フィールド先生。」
エリナとフィールド兄弟が握手した。
「さて、2人共。私は、教員専用のコンパートメントに行かなければならない。前はほぼ満席だから、最後尾の一際大きなコンパートメントに行くといい。多少の人数なら、大丈夫だからね。それじゃあ。」
というわけで、フォルテ・フィールドは前の方に行った。
「じゃあ、一緒に行こうか。」
「ああ、そうだね。」
エリナとゼロは、荷物を持ってフォルテから勧められたコンパートメントを目指す。10分ほどして、そこを見つけた。だが、そこには先客がいた。ハリーだった。
「もう確保されちゃってたか。」
ゼロは残念そうに呟く。
「大丈夫。ちゃんと入れてくれるって。知ってる人だから。」
エリナは、コンパートメントの扉を4回ノックした。そして、入室する。
「お久しぶり、ハリー。もう空いてないから、ボク達も入って良いかな?」
「久しぶりだな、エリナ。構わないよ。どうぞ。」
「ありがとう。」
1人で使うには大き過ぎるし、2人なら良いかと思って受け入れた。
「ハリー・ポッター……だと?生きていたのか!」
青いメッシュの少年は興奮が収まらないらしい。
「少し落ち着けば?」水を差し出す。
「スマナイ。頂く。」水を一気飲みした。
「自己紹介がまだだったな。ゴメン。俺の名は、ゼロ・フィールド。」
「初めましてゼロ。改めて自己紹介をするよ。俺の名はハリー・ポッターだ。よろしく。」
初めての友となったゼロと握手をした。ゼロの話によると、12歳年上の兄がホグワーツ教師として今年から仕事をするそうだ。その前は、魔法省という場所で闇払いをしていたという。
その15分後、更に追加が来た。それも4人。1人目は、特に何の特徴も無さそうなノッポで赤毛の少年。2人目は、先程ハリーに9と3/4番線の事を尋ねた無駄に顔立ちが整っている少年。3人目は、マダム・マルキンの店で出会った黒髪の長いオッドアイの少女。4人目は、薄い金髪のポニーテールにスカイブルーの目を宿した少女だ。
「!?お前ら、あの時の!」
俺は、黒髪の長い少女と9と3/4番線の事を尋ねた少年に向かって言う。まさか、こんなにも早い再会だとは思わなかった。
「すみませんが、私達も良いですか?」黒髪の長い少女が尋ねる。
「ごめんなさいね。混ぜて貰えないかしら?」
薄い金髪にスカイブルーの目を宿した少女が申し訳なさそうに言う。
「悪りぃ。そこいいか?」
無駄に顔の良い少年が言う。
「そこ、空いてる?他に席がなくて。」
赤毛もそうらしい。
「俺は別に良いけど。2人はどうだ?」
俺は、エリナとゼロに聞いてみる。
「いいよ!沢山だと楽しいからね♪」
「そもそもここ3人で使うには広いんだよな。7人いれば十分だろ。」
「「「「ありがとう!!」」」」
一際大きなコンパートメントに7人が一堂に座った。そこから早速自己紹介になるだろうなと俺は思った。
「じゃあ、まず僕から。僕はロン。ロン・ウィーズリー。」
「次は私かな。私はシエル。シエル・スラグホーン。」
「イドゥン・ブラックですわ。」黒髪の少女が答える。
「次は俺だな。ゼロ・フィールドだ。よろしく。」
「ボク、エリナ・ポッターだよ!」
「俺は、ハリー・ポッター。さっき紹介したエリナの双子の兄さ。趣味はまあ、色々だ。」
「俺はよぉ、グラント・リドルってんだ。」
一通り、俺を含めた7人の新入生の自己紹介が終わったのだ。