Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章   作:純白の翼

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オリジナルの話に入ります。


第17話 奪われたレッドスパーク(前編)

 クリスマス休暇が終わり、再び授業が始まった。ある程度落ち付いてから、リドルの日記を拾った事を皆に報告した。

 

「これで盗まれたなら、操られているのはグリフィンドールの生徒って事になるな。」

 

「そんなの持ってて大丈夫なの?」ハー子が聞いて来た。何十回目になっている。

 

「あと何回言わせる気だハー子。持ってる分には、被害は及ばないよ。書き込みをしなきゃ良いんだ。」

 

「例のあの人の日記か~。何かおぞましい気もするけど。」

 

 実際、ロンの言ってる事も間違っちゃいないわけだ。分霊箱は、人を操る力もあるからな。

 

「そうだハー子。これ、預かっといてくれないか?誰が盗み出したまでは分からなくとも、盗んだ奴の性別位は分かるからな。」

 

「どういう事?」ロンが聞く。

 

「ハリー。成る程ね。ロン、いいこと?校則ではお互いに性別の違う部屋に入ることは禁じられているの。まあ、女子が男子の部屋に行くのは特に禁止されていないけどね。男子が女子の部屋に行くのはどうやっても出来ないわ。ハリーは、そこを利用してリドルの日記を盗もうとしたのが男子か女子かを区別しようとしてるってわけ。」

 

「そこんとこ、ホグワーツに流す予定だけどね。これで盗まれたのなら、継承者に操られているのがグリフィンドールの女子っていう事になる。早速やろう。」

 

 皆に吹聴して回った。俺の拾った古い日記は、ハー子の部屋に保管してるって。後は、効果をじっと待つのみ。

 

 それからは、レイブンクローとの試合があった。強化されたグリフィンドール・チームの猛攻に敵う筈も無く、終始圧倒した。ちなみに、ニンバス2000を使った。結果は、240対80で勝利した。

 

 金曜日。この日だけは、午前授業になる。魔法薬学を終えて、昼を食べる。それからセコイアの杖だけを持つ。他の杖は、部屋で厳重に管理する。更衣室に出て、レッドスパークに跨る。大分慣れて来たものだな。レッドスパークも、少しずつだが俺を認めてき始めた。毎日練習しておいて良かった。

 

 練習が終わって帰ろうとすると、ワシミミズクから手紙を届けられた。読んでみる。

 

『ポッター。お前の大事な後輩は預かった。今すぐ更衣室へ来い。誰も連れて来るな、一人で来い。』

 

 写真も同封されていた。エックスが捕まっていた。これは罠かも知れんが、行かなければ。

 

 更衣室に来た。そこにいたのは、マーカス・フリント、グラハム・モンタギューの2人だった。エックスが吊し上げにされている。

 

「貴様ら……」

 

 俺は、杖を抜こうとした。が、マーカス・フリントから牽制される。

 

「おっと。有利なのはこっちだ。そこは忘れるなよ、ポッター。血を裏切るブラックを救いたければ、杖を捨てろ。」

 

 確かに有利なのはあっちの方だな。俺の性格を上手く突いてやがる。大方、マルフォイの差し金か。この一件に関しても。俺は杖を力いっぱい誰にも届かないように投げた。

 

「聞き分けが良くていいねえ。グラハム、やれ。」

 

 モンタギューが俺に襲い掛かる。奴の拳を紙一重でかわし、逆に強烈な蹴りを背中にお見舞いしてやった。

 

「ギャアアア!い、痛え!!」

 

「バカめ。俺に接近戦で挑もうってわけか。生憎だが、体術には心得があるんだよ。」

 

「く、くそお。お前ら、やっちまえ!!」

 

 更にマイルズ・ブレッチリー、ルシアン・ボールもどこから来たのか襲い掛かって来た。しかも、全員杖を持ってやがる。俺は、ウイルスモードを発動させた。

 

 呪いをかわしまくる。隙を見計らって、腹パンをやる。

 

「ポッター。調子に乗るなよ。こちらには人質がいるんだ。エックス・ブラックっていう人質がな。」

 

「イドゥンが黙ってないぞ。」

 

「安心しろ。捕まえただけで、何もしちゃいない。穢れた血のクリービーと随分と親しくしていたのは許せん。だが、純血だから手荒なことはしてないさ。」

 

「先輩!逃げてください!こいつらの目的は、あなたのレッドスパークを奪う事です!」

 

 エックスが意識を取り戻した。

 

「そう言う事だ。レッドスパークを渡せ。そして、抵抗をやめろ。」

 

「…………」持っていたレッドスパークを下に置いた。

 

「物分かりが良くて、大変結構な事だ。ポッター、動くなよ。お前ら、ポッターをやれ!」

 

 人質がいる状態では何も出来ず、ただ無抵抗に暴行を受けた。

 

「…………」意識が遠退く様だ。それだけ殴られ、蹴られ続けたのだからな。

 

「これ位にしておくか。明日の試合で、ハッフルパフを潰す。お前の妹を、お前の使っていた力でな。」

 

 そう言って、スリザリン・チームは笑いながら出て行った。俺も気を失った。

 

フォルテ視点

 今日も授業が終わり、レポートをまとめる私。最近、1年生のジニー・ウィーズリーの顔色が悪い様に見えた。なので、すぐに医務室に行かせた。後は、特に何の支障もなくスケジュール通りに進んだ。

 

「さて。明日は、ハッフルパフ対スリザリンか。教師だから贔屓は出来ないけど、個人的にハッフルパフを応援したいものだな。」

 

 夕食を終え、部屋に戻ろうとする。そこで、セブルス・スネイプと遭遇した。

 

「フォルテ。これからどこへ行くのかな?」

 

「寝る前に見回りですよ。まだいる生徒がいるなら、速やかに寮に戻る様にさせます。罰則を嬉々として与えるあなたと違ってね。」

 

「ならば、吾輩も同行しよう。それに、好きで罰則を与えるわけではないのだ。丁度話したい事もあるしな。」

 

 私は、セブルスと共に見回りをする事になった。そもそも、魔法薬学を私が3年生以降を教授していたのは彼なのだ。スリザリンだけを贔屓する。私は何とか立ち回ったが、そのやり方が気に入らない。

 

「それで、フォルテ。2年目になるが、どうかな?」

 

「特に問題はありませんよ。」

 

「そうか。最近、パンジー・パーキンソンから君の事について話があってね。」

 

「何でしょうか?」

 

「自分に対してあまりに冷た過ぎるという連絡が入った。態度を改めていただきたいと思いましてな。」

 

 こいつ、どの口が言ってやがる。

 

「その言葉、そのままお返ししましょう。」

 

「どういう意味かね?吾輩は特に問題ないが。」

 

「何も知らないとでも思っているのですか?ならば、ハリーへの対応を改めろと返しておくと言いたいのです、私は。」

 

「ポッターか。成績ついては何も言う事は無い。だが、授業態度が悪いのだ。厳しくして当然だ。対して、ミス・パーキンソンはそうでもない。」

 

「とても私には、そうは見えませんがね。セブルス。大方、あなたはハリーのお父上が相当トラウマらしいですね。だから、ある程度マシとは言え、生き写しとも思える程似ている彼を憎んでいる。それと同じですよ。あの忌まわしき女とパンジーがあまりにもそっくりなのです。自分から対応を改める事も出来ない癖に、そんな事を私に言う筋合いは、あなたには一切無い。」

 

「……それでもやり過ぎだ。」

 

「どうでしょうね。寧ろ、足りない位ですよ。パーキンソン家が滅ぶまで、或いは私が死ぬまで永遠に許さないでしょう。」

 

 もうその話が来る事は無かった。セブルスとしても、痛い所を突かれてはどうにも出来ないと悟ったようだ。

 

「おや、クィディッチの更衣室が開いている。こんな時間に誰が?」

 

「グリフィンドールなら退学にしてやる。」

 

「その時は、私が全力で止めますがね。10年以上も決闘のブランクのあるあなたと、定期的に闇払いの業務をやっている私とでは、あなたの方が分が悪いですよ。」

 

更衣室に入る。そこにいたのは、吊し上げにされていたエックス・ブラックと血だらけの状態で倒れているハリー・ポッターだった。

 

「ハリー!」私は、ハリーに駆け寄った。

 

「エックス!誰がやった!?ポッターか?」

 

 エックスは息を吹き返した。

 

「やったのは…………すりざ……ちー……む。」また気を失った。

 

「ハリー!ハリー!しっかりするんだ!!セブルス、2人を医務室へ。」

 

「分かっている。」

 

 担架で乗せた。

 

 医務室。エックスは、脱水症状だけで済んだ。ハリーは重傷を負っているが、命の別状は無い。2人共、日曜日には退院出来そうだ。

 

「フォルテ。ご苦労様です。一体、2人は誰にやられたのか。まさか、スリザリンの継承者!?」

 

「マダム。それはありませんね。石化もしてないし、死んでもいない。そいつは無関係だと思います。翌朝まで待ちましょう。セブルス、真実薬を用意してください。」

 

「いいだろう。」

 

 翌朝、全快した2人に事情を聴いた。スリザリン・チームの上級生(マーカス・フリント、グラハム・モンタギュー、マイルズ・ブレッチリー、ルシアン・ボール)に暴行された挙句に、ハリーは新しい箒を強奪されたようだ。セブルスは、幾らなんでもそんな事をする筈が無いと強く否定していたが、真実薬を飲んだ事やその日の出来事を開心術(それ以外の記憶をハリーからは読めなかった)を使って裏付けを取れたので、その反論はすぐさまやめた。

 

「これは、忌々しき事態です。早く取り上げるべきではないでしょうか?」

 

「マクゴナガル先生。レッドスパークって、俺でも乗りこなせる様になるまで数ヶ月かかったんです。あいつらに出来るなら話は別ですが、大抵は振り落として自滅します。このまま泳がせましょう。」

 

「それに、クィディッチはみんなが楽しみにしてるんです。中止はマズいと思います。」

 

 ハリーとエックスは、先生たちにそう意見した。私もその意見に賛成する。

 

「そうだね。というわけで終了後に、厳重な処罰を与えた方がよろしいと思いますが、どうでしょうか?」

 

 と言うわけで、泳がせる事に決まった。スリザリン。勝つ為なら、他人の持ち物まで強奪するか。本当に、横暴だが勝負事には正々堂々とやるグラントに、他の寮生とも交友関係を持ってるイドゥンが異端だと言うのが分かるな。

 




変更点と追加点

1.校則を利用して、日記の所有者を絞り込むハリー
2.捕まったエックス
3.レッドスパークが強奪される
4.フォルテのパンジーに対する感情。フィールド家に凄く関係している

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