Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章 作:純白の翼
翌日、退院した俺。昨日あった事を信用出来る人間に喋った。大変驚いてたが。で、談話室に戻ってゆっくりしようとするが、パーシーから話かけられた。
「昨日は凄かったね。あそこからの形勢逆転ぶりは。」
「そりゃ、どうもです。」
約1週間後、レイブンクロー対ハッフルパフの試合があった。今回は、エリナのデビュー戦だった。やはり、ハッフルパフはエリナのスカウトと大幅なチーム編成を行った事により、今までの最弱という汚名を払拭した。終始ハッフルパフはレイブンクローを圧倒、スニッチ自体はレイブンクローに取られたが、試合結果としては250対160でハッフルパフの勝利だった。内、得点の8割はエリナがチェイサーとして稼いだものだ。
それからしばらくしたある日の事、掲示板の前に人だかりが出来ていた。
「今夜、決闘クラブを始めるんだって!」ロンが興奮したように言った。
「合法的に、クソ生意気なマルフォイを潰せるという事か。」
ゼロが、何やら物騒な事を言っているが気のせいだろう。
「マジか。面白そうじゃん。」グラントが返した。
「ロックハートじゃなきゃ誰だっていいよ。」うんざりしたように俺は言った。
「ボクも。あの人、噓臭いし。」エリナも俺に同意見のようだ。
「2人は分かってないのよ。あの方の素晴らしさを!」
ロックハートのファンになってすっかり末期患者みたいになったハー子。何言っても、止まらないので皆何にも言わなくなった。
夜8時、俺の予感は最悪な形で的中してしまった。ロックハートが担当するのだ。スネイプとフィールド先生を助手にして。
「私さ。HAHAHAHAHA。そんな私の名前な~んだ?」
「「「「キャー、ロックハート先生。愛の戦士。チョー天才。」」」」
「くだらねえ。」俺が言った。
「全くだ。」ゼロも俺と同意見らしい。
「では、助手のスネイプ先生とフィールド先生をご紹介しましょう!お二方がおっしゃるには、決闘についてほんのわずかご存じだそうです。模範演技のために、勇敢にもお手伝いしてくださるという了承をいただきました。さてさて、お若い皆様にご心配をおかけしたくはありません――私が彼らと手合せした後でもみなさんの魔法薬と呪文学の先生はちゃんと存在します。ご心配めさるな!」
「相打ちになって欲しいって思ってるのは僕だけかい?」ロンが俺の耳に囁く。
「スネイプはともかく、フィールド先生にはそうなって欲しくないけどな。」
「そう言えば、フィールド先生ってよぉ。ここの前の仕事って闇払いじゃなかったか?」
「兄さんが、あんな野郎に負けるなんてことになったら、天地が引っくり返るかもしれねえよ。」
スネイプが激怒しているのは良く分かった。フィールド先生は、呆れて物も言えないらしい。ロックハートの奴、精神だけは無駄に太いな。
そして模範演技。杖を構えてから、3つ数えたら術をかける、というロックハートの説明があった。ロックハート対スネイプとなった。互いに殺す気はないと言い張っているが、スネイプの方はそうでもない。寧ろ、校長からの指示が無ければ屍にする気満々な表情を出してるね。
スネイプの『武装解除』が炸裂し、ロックハートが吹き飛ぶ。スリザリン生から歓声があがった。更に、ロックハートを快く思わない生徒からも。他の寮からスネイプが称賛されるのは、これが最初で最後だろうな。
「さあ、皆分かったでしょうね!あれが『武装解除呪文』です。この通り、私は杖を失ったわけです。スネイプ先生、確かにあの術を生徒に見せてようとしたのは、素晴らしいお考えです。しかし、遠慮無く一言申し上げれば、あの術を防ぐのは簡単でした。あまりにも見え透いていましたからね……」
だったら、盾の呪文で防げばいいだけの話だ。負け惜しみもここまで来ると、清々しいな。そして、スネイプが殺気立っていた。流石のロックハートも気付いたらしく、身震いしながらもこう言ったのだ。
「それではスネイプ先生にフィールド先生。生徒を2人ずつ組にします。お手伝い願えますか……」
こうして、エリナはマルフォイ、ロンはシェーマス、ハー子はブルストロード、ゼロはノット、グラントはパーキンソンと組むことになった。さて、俺はと言うと殆どあぶれてしまったので、さっさと出ていこうとした。が、ロックハートに目を付けられた。
「おや、ハリーは余りましたか。では、私とやってみましょうか?」
「ロックハート先生。それは……」
フィールド先生が止めようとした。が、俺は手で制した。目を合わせて、やってやるという気持ちを伝えて。
「分かった。でもハリー。危なくなったら、私が止める。それで良いね?」
フィールド先生がニヤリとした。どうやら先生、俺が負けるなんて微塵も思ってないようだ。
「そうしていただけると、助かります。フィールド先生。」
「殺さないようにね。」
舞台の上に立った俺とロックハート。右手で杖を構える。
「1,2の,3……」
杖を振りかぶるロックハート。だが、遅い。ホグワーツ入学前の6年間でやっていた戦闘訓練の方が1京倍手厳しい位だ。俺の力って奴を見せつけてやろう。つい最近複数出来た、あの力でな。
『
俺の使える無言呪文は、武装解除呪文に失神呪文、呼び寄せ呪文、盾の呪文、火炎操作呪文、つまり『
周囲を見渡す俺。下級生は何で詠唱無しに唱えられるんだと思っているし、上級生は何で2年生が無言呪文使えるんだという反応だった。
他の決闘の状況を見渡す。エリナは、マルフォイに何か妙な光の球を当ててから武装解除呪文を当てて見事に勝利。でも、あの武装解除呪文の威力、多く見積もって10倍って所だな。あの光の球が、秘密を握ってるのかな。
何がどうあれ、大した奴だ。俺の知らない呪文を使うなんて。しかも、自分で作ったんだろうな。想像力は元々ある方だし。
グラントとハー子は、対戦相手を瞬殺していた。ゼロの方を見る。ノットは、最悪のカードを引いてしまったみたいな表情をしていた。ゼロは、自らの杖をうっとりとした顔で見ている。
「俺が一族から継承した杖よ。ノットと言う哀れな没落貴族に、美しいレクイエムを聴かせてやろうぜ。なあ?」
「ま、待てフィールド。俺は、まだ準備が……」
ノットは、慌てて杖を取り出して態勢を整える。スネイプが『2』と言った時の事だ。ノットは焦りの余り、思わず呪文を詠唱してしまった。しかし、すぐさま反対呪文で涼しく対処するゼロ。ノットに焦りを加速させたのは、言うまでもない。
ゼロは、問答無用と言わんばかりの無言による武装解除呪文を叩き込んだ。ノットは、ロックハートと同じ様に磔にされたのだった。
「フン。所詮お前は、我が身可愛さでぬるま湯に浸かっているだけの害虫に過ぎないのさ。目的の為に、修羅場を幾度となく潜り抜けて来た俺に勝てる道理など無いのさ。」
結構ゼロも、好戦的な性格だってのが分かった。大人しいとはいえ、アイツも戦闘一族の末裔だからな。ゼロは、勝利出来て高笑いした。皆、これには流石に引いてしまったのだ。現に、ノットを快く思っていない者の大多数もやり過ぎだと感じているからだ。
一方のロンは、辛勝に近い引き分けになっていた。
「さて、そろそろ戻ろうかね。」俺は、舞台から降りようとする。やる事無いからな。
「待って下さい。」俺を呼ぶ声がした。
「是非この私と、お手合わせ願います。ですから、あなたのお力をお見せ下さると有り難いのですがね。」
誰だよ、と思いながら後ろを振り向く。腰の辺りまである滑らかな黒い髪、この世にそういない右目が紫、左目が灰のオッドアイの少女がいたのだ。
相違点及び追加点
1.ハリーの相手はロックハート
2.無言呪文を使うハリー
3.ゼロが某社長と化す
4.フィールド先生も指導教員に
5.ハリー2連戦目突入
翌日にも投稿致します。