Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章   作:純白の翼

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第8話 説教

 俺は、ゼロとトランプで革命やポーカー、UNOで時間をつぶしてから、ホグワーツ特急組と合流した。ハー子が俺達に駆け寄ってきた。

 

「2人とも何処にいたの!?散々探して、車で学校に来たっていう噂があったんだから、心配したのよ!」

 

「不可抗力だ、ハーマイオニー。俺達、柵を通れなかった。それに、車に関してはロンとグラント、エリナの3人だ。」

 

「ハー子、詳しい話するわ。行こうぜ。」

 

 で、夏に起った事と今日の事を話した。ハー子、ビックリしてた。

 

「そんな事が……」

 

「いつかあの妖精、シバイてやる。」

 

「とにかく大広間行こうぜ。」

 

 例の如く、後でマルフォイが突っかかってきた。だが、ドビーの名前を言った瞬間、奴から笑顔が消えた。

 

「おい、そいつの事を知ってそうな顔してるが、どんな関係だ?」

 

「い、イヤ。僕は知らない。何も聞いてない。」

 

 さっさと逃げ出しやがった。あいつ、逃げ足だけは無駄に早いな。

 

 そういうやり取りがある内に、大広間に着いた。ゼロとはここで別れる。もう先生方は到着している。スネイプだけいないが、3人の待ち伏せをしているのだろう。

 

「新学期早々、俺ってツイテねえな。」

 

「あなた達2人はそういうトラブルを正確に対処出来たからまだ良い方よ。」

 

「だと良いけどね。」

 

 その後、新入生が入ってくる。ジニーもいた。マクゴナガル先生が、組み分けで呼んでいく。ああ眠みいと思っていると、周りがザワつき始めた。どうやら、組み分け困難者が発生したようだ。

 

「誰?」今組み分けている少年を指差しながら、ハー子に聞く。

 

「エックス・ブラックっていう名前よ。ホグワーツ特急で1度会ったけど、イドゥンの弟だわ。」

 

「あいつ、弟いたんだ。というか、弟どころか家族の話は聞いた事無かったな。」

 

 組み分け帽子は、どこに入れるか迷っているようだ。だが、それももう決めたらしい。こう叫んだのだ。

 

「グリフィンドール!」

 

 見事な番狂わせだった。今までのブラック家って、あの人以外は皆スリザリンだからだ。容姿の美しい彼は、すぐさまグリフィンドールの席に向かう。女子からの黄色い声が聞こえてくる。他の寮は残念そうだった。特にスリザリンは。まあ、去年イドゥンを掴み取ったのだから、エックス・ブラックもてっきりスリザリンかと思われていたのだろう。

 

「ありえない!今のブラック家は、純血の誇りを忘れている!!」

 

 マルフォイが、狂ったように叫んでいる。しかし、そこまでだった。「あいつは血を……」と言いかけたところで、イドゥンが一睨みで黙らせたのだ。

 

「ドラコ、黙りなさい。今、唯一生き残っている私の家族を侮辱しようとしましたわね。私は、エックスがグリフィンドールに行こうが、その決断を一切咎める気はありません。立場は違っても、私の唯一生き残っている大事な家族ですので。」

 

「でも残念だなぁ。イドゥンの弟って、本当に男の子とは思えないほど美しいんだもん。」

 

 イドゥンの友人が割り込んでいて、残念そうにしていた。

 

「結局顔ですか。相変わらずですね、あなたも。」

 

「でもどうして兄弟で、組み分けが違うんだろう?」

 

「そうですわね。家系で大抵は決まりますが、必ずしもそうではありませんね。我がブラック家は代々スリザリンを輩出しましたが、エックスも含めて2人グリフィンドールがいます。それと、パチル姉妹がいましたよね。パーバティがグリフィンドール、パドマがレイブンクローだった筈です。」

 

「じゃあ、双子で違う例って、ハリーにエリナもじゃないの?」

 

「まあ特殊な例ですわね。二卵性双生児なら、別の寮になる確率もある程度は高くなると思いますわ。ポッター家は基本的にグリフィンドールです。しかし、他の寮になってもおかしくはありません。何かしらの分野が非常に優れていたり、全ての力が突出していたりします。それに、最低でも2つの寮に適性があります。ポッター家は聖28一族ではありませんが、そういった意味では聖28一族に勝るとも劣らない人材がいるのではないでしょうか?」

 

「ポッター家って凄いんだね。でも翌々考えれば、エリナが変身術に関してはイドゥンを上回っていたり、ハリーが闇の魔術に対する防衛術に魔法薬学の知識、それに箒の腕が専門家やプロレベルだったりするんだね。」

 

 そんなやり取りを超感覚呪文で聞いていた俺。マジで弟いたのかよ。組み分けは続く。俺の知る限り、ルーナ・ラブグッドはレイブンクロー、ハーバート・スキャマンダーはハッフルパフ、レナルド・ホワイトはスリザリンに組み分けされた。そしてジニーは、例の如くグリフィンドールに組み分けされ、残る1人も無事組み分けされた。

 

「エヘン。新入生の諸君、ホグワーツ入学おめでとう。色々話したいのじゃが、今は思いっ切りかっこむのじゃ。」

 

 校長のその言葉と共に、テーブルには沢山の豪華な食事が出た。早速戴いた。去年もこんな感じだったな、ステーキの筋肉と戦闘しながらこう思ったのだ。食べ終わると、今度はデザートが出てきた。俺は、アイスとカスタード・タルトを皿に盛った。

 

 すると、どこからともなくスネイプが校長とマクゴナガル先生に何やらヒソヒソ話して2人を連れて行った。エリナ達、見つかったのか。

 

「今入ってきた先生って、誰なんですか?」

 

 俺に誰かが質問してきた。振り向くと、イドゥンの弟エックス・ブラックが俺に聞いてきた。

 

「あの人は、セブルス・スネイプって先生だよ。魔法薬学担当さ。だが、闇の魔術にも結構詳しくてね。闇の魔術に対する防衛術の職を狙ってるらしい。あと、一説によれば、変態ヘビの部下だったって噂だ。」

 

「変態ヘビって誰の事を言ってるんですか?」

 

「ごめん。例のあの人とか、闇の帝王と言えば分かるかな?」

 

 コーヒーを飲みながら、エックスに解説する

 

「成る程。プリンアラモード卿の事を言ってたんですね!!!」

 

 俺は、コーヒーを吹き出してしまった。ヴォルデモートの名前を恐れてないらしいが、名前を間違えている。

 

「故意に間違えてるよね?君。いいや、エックス。」

 

「いいえ。僕なりの呼び方です。姉ちゃんが、闇の帝王の名前はあまり公衆の面前で言わない様にって言ったんです。」

 

「へえ。イドゥンがねぇ。」

 

「確かあなたは、ハリー・ポッターさんですよね?姉ちゃんが、色々話してましたよ。写真も見せてくれたし。何でも、グリフィンドールの切札だって。あと、救世主や英雄とも呼ばれてます。」

 

「別にそんな二つ名が欲しくて、行動してたわけじゃないんだけどね。あと、さん付けは良いよ。普通にハリーって呼んでくれ。」

 

「ではハリー先輩。これから宜しくお願いします。」

 

「こちらこそ。」

 

 俺は、エックスと握手した。意図したわけではないのだが、早速下級生と仲良くなったわけだ。グリフィンドールの女子から獲物を見る様な目で見られているのは、多分気のせいだろう。後ジニーからも。うん。

 

「それで、ロナルド・ウィーズリーとグラント・リドル、エリナ・ポッターが車で学校に来て、退学になったって聞きましたか?」

 

「車で学校に来たって言うのは知ってるけど、多分退学にはならないね。」

 

「え?それってどういう事ですか?」

 

「俺の妹、エリナ・ポッターがいるからそうはならないね。仮にエリナを退学にしてみなよ。学校にたくさんの吠えメールが来るだろうし、魔法省もそこまで厳しくしなくて良いんじゃないかっていう連絡が来るよ、きっと。それに、校長も出来る限り処罰は軽減する筈だからね。」

 

「そうですか。車が、暴れ柳に突っ込んだ所、見てみたかったなぁ。」

 

「あまり気分の良いもんじゃないから、やめておいた方が良いよ。」

 

 そんな話をしていると、食べ物が消えた。例年通りの注意があった程度で済んだ。ただ、ロックハートの自己紹介が長ったらしくて、ウザかったけど。これなら、同じ寮の出身者でもフィールド先生の方が何倍もマシだね。

 

 グリフィンドールの寮に行く途中でエリナ、グラント、ロンと再会した。3人とも、俺の顔を見るなり、気まずくなった。怒る気にもなれない。呆れたね。

 

「お前ら。俺達がちゃんと対策しとくから待ってろって言ったのに、どうやら事件を起こさないと気が済まないらしいな。」

 

 冷たく言い放った。

 

「で、でもハリー。聞いてよ。僕ら遅刻しないようにしたんだよ。」

 

「ロン!それがこの結果だと言いたいのか。ここまで車で来れたのは、さぞ幸運だったろうな。でもな、一歩間違えれば3人とも死ぬところだったんだぞ!!分かってんのか!!」

 

 ヤベ、つい感情的になり過ぎたな。でも、俺の配置ミスもあるとはいえ、こいつらのバカさ加減には本当に呆れたよ。

 

「エリナ。何故もう少し強気な態度で2人を止めなかった?優しいのは大いに結構だが、もう少し身近な奴にも嫌われる覚悟で、全力で止めようっていう勇気を持つべきだったな。」

 

「ごめんなさい。」

 

「グラント。お前、悪ノリし過ぎ。それもいいが、もう少し自制ってものを持つべきだな。」

 

「す、スマねえ。やり過ぎた。」

 

「罰則なだけ、まだ良い方だよ。俺から言いたいのは以上だ。行くぞ、ロン。」

 

「2人とも、じゃあね。」

 

「おやすみ。」

 

「またな。」

 

 俺は、ロンを引き連れてグリフィンドール寮に改めて向かった。太った婦人の肖像画まできた。監督生から教わった「ワトルバード」と言って、談話室に入っていった。突然ワッと拍手の嵐だった。皆、ロンを英雄でも見るようにしていた。でもパーシーだけは不機嫌に見ていた。それでも、数の力には勝てなかったけど。ロンも有頂天になっていやがる。はあ、こいつら。そう思いながら、怒る気力も失せた俺であったのだった。

 

 後から聞いた話では、ハッフルパフとスリザリンでも同じような事が起こったらしい。

 




ヴォルデモートの渾名について
1.モデラート(初期ハリー)
2.変態ヘビ(賢者の石編中盤以降のハリー)
3.ロリコンストーカー(エリナ。ヴォルデモートと使い分け)
4.死の飛翔(ゼロとフォルテ)
5.お辞儀ハゲ(グラント)
6.プリンアラモード(エックス)

ジェミニになってる部分がありました。申し訳ありません。これは、エックスの初期の名前がジェミニだったからです。

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