Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章 作:純白の翼
試験の日。7科目ある。実技と筆記が存在する。だが、そんなに大きな失敗はしなかった。ゼロから過去問を調達したのもあるけど、歯ごたえがなさ過ぎた。答え合わせをして、進級は出来るなと感じた。最終日、試験が終わって自由時間を満喫しようとする。が、ハー子とロンが血相を変えて俺の下に来た。
「何だ。また勉強しろと生意気な口を叩く気か?」
「違うんだよ!マクゴナガルから、今日ダンブルドアが魔法省に呼ばれて、いないんだって。」
「そうよ!スネイプは、これがチャンスと言わんばかりに石を狙うつもりよ!!」
「で、どうする?それなら行くか?4階に。それに、個人的な意見としてはスネイプを推したい所だが、状況からしてクィレルの方が怪しいだろ。」
「あの人が!?ありえないわ。」
「もう行こうよハリー。石を守りに。ゼロにグラント、エリナもそうするって言ってるし。」
「行くなら、夜に行くぞ。今はリスクが高過ぎる。」
「いいわ。皆にそう伝えておく。」
そして、夜の11時。俺は、普段着の上にブローチ付きのマントを羽織る。もう準備が終わって、俺を待っていたロンとハー子を連れて談話室を出ようとする。しかし、それを阻む者がいた。
「君達。どこ行く気なの?」
そこにいたのはロングボトムだった。
「どうしてお前がここにいる?」俺は、ロングボトムに聞いた。
「外に出るつもりなんだろ。せっかくグリフィンドールが500点越えで、ぶっちぎりのトップなのに、見つかったりしたら大変な事になるよ。」
「お前は、事情を知らないからそんな事が言えるんだよ。お前、この俺に魔法においてもリアルファイトにおいても、勝てるとでも思ってるのか?」
俺は、実力差を理由に退く様に促すが、どうも譲らないらしい。
「負けるかもしれない。でも関係ない!行かせるもんか。僕、君達と全力で戦う!」
俺はロングボトム、いいや、ネビルに初めて敬意の感情を覚えた。どうやら、過小評価してたらしい。やると決めたら、簡単に曲げない。表向きは違うかもしれないが、こいつは俺と同じタイプの人間だ。開心術なんて使わなくとも、自然と分かった。
「そういう事ならば、この俺もお前に対して全力で応えるとしよう。
ネビルは、その場に倒れた。
「何したの?」ハー子が聞いてきた。
「幻覚を見せている。俺と永遠にリアルファイトで戦っているという幻覚をな。30分で自然に解除するようにした。じゃ、行くか。」
俺は、自分を含めて全員に目くらまし呪文を唱える。何にも出くわすことはなく、4階に辿り着いた。ここには、既にエリナたちがいた。
「あ、ハリー!来たんだ。ちょっと遅かったけど、どうしたの?」
「ちょっと足止めを食らってな。」
「お~い。それは良いからさっさと行こうぜ。」グラントが全員に言う。
「そんじゃ、行きますか。」と、ゼロ
「「「「「了解!」」」」」
早速入っていく。3頭犬がお出迎えした。
「は~い、ワンちゃん。」エリナが挨拶する。
「ク~ン。」
犬は大人しくなった。仲良くなったのは、本当だったのか。我が妹ながら恐ろしい。
「行こうよ。」
犬が下のドアを通してくれたので、早速飛び込む。何やら柔らかい物の上に着陸した。
「この植物のおかげで助かった。ラッキーだったよ。」
ロンが、自分以外の5人にそう言った。
「まさか、この巻き付く植物の蔓って。…………や、ヤメ……そこは。」
エリナが何かに気づいたようだが、何か触手攻めに遭ってるぞ。
「ふぅ。続けて。」
グラントが、賢者になってエリナを見ている。こいつは…………後で殴ってやろうかね。
「おい。どうでも良いが、何かこう、キツくなってきたぞ。」
ゼロが苦しそうにみんなに伝えた。
「私、知ってる……これ、悪魔の罠だわ。」
「何て名前なのか知ってるだけ、まだマシだろうな。」
「黙っててロン!今、やっつけ方を思い出してるんだから!!」
「誰か炎を出せる呪文を使える奴はいるか?」ゼロが、叫ぶ。
「炎か。ならば、この俺の出番だな。皆、任せてくれよ。行くぞ!
最初の呪文で碧炎の威力と射程距離、規模の大きさを確保する。その次の呪文で、炎を自在に操るのを可能にする。5人を紺碧の炎の餌食にしない為にだ。そしてすぐに、悪魔の罠は完全に焼き尽くされた。
「す、すげえ。」と、ロン。
「ハリー。それって。」ハー子は何が何でも問い詰めたいらしい。
「企業秘密だ。それよりも行くぞ。」
次は、羽根付きのカギの試練だ。これに関しては、俺とエリナの2人の連携で難無く捻じ伏せた。
その次は、巨大なチェスがあった。ハッとロンが気付く。そして、皆に考えている事を話そうとした。
「ねえ皆。これってさ……」
聞いていたのは俺とハー子だけ。他3人は、何かを協力して持ち運んでいた。
「ほ、本当に使う事になるなんて。ボク、やってみたいとは思ったけど良いのかなって思うんだ。」
エリナが複雑そうな顔で言う。
「もうここにいる時点で十分な規則破りだろ。」と、ゼロ。
「昼間くすねておいたクィディッチ道具のスペア一式をここで使うなんてな。」
グラントは、使いたくて堪らないらしい。
「お、お前らそれってクィディッチの……」
「うん!グラントに棍棒でブラッジャーを打って貰って、ゼロがアクシオって呪文で戻してまた打ってを繰り返していくんだ!」
エリナが、キラキラした瞳をして、俺の方を見ながら嬉しそうに言ったのだった。もう罪悪感よりも、やってみたいという好奇心の方が勝ってるんだな、と俺は思った。
「お前らも負けず劣らずのクレイジーな考えを持ってるな。」
「行くぜー!」
グラントは、手に持ったブラッジャーを空高くまで上げた。
「どりゃー!!」
テニスのツイストサーブの如く打った。一撃でナイトが粉砕される。
「ゼロ!」グラントが叫ぶ。
「
ブラッジャーが戻ってきた。
「こなくそ!」
またぶっ叩く。今度はビショップが破壊された。
「ゼロ!」
「
これが15分間も続いた。1回で破壊出来なかった駒は、何度もブラッジャーで当てて確実に破壊していく。俺は、持参したチョコ味のカロリーメイトを食っていた。
「終わったぜ!どんなもんだい!!」
全て破壊し終えた。等身大チェス盤上には、もはや石像の破片しか残されていなかった。手段はメチャクチャだ。だが、何はともあれ、これで先に進めるな。俺は、呆然と見ているしかないロンを見る。
「……マー髭。」
「大丈夫か?ロン。行こうぜ。な?」
「う、うん。モチのロンさ!」
次の部屋は、トロールがいた。だが、全身がバラバラにされてて死んでいた。何故か、槍も数え切れない位落ちていた。
「ラッキー♪……って言いたいけど、グロ過ぎるよ。」とエリナ。
「全くだぜ。」俺が、エリナに言葉を返す。
次は、論理パズルだった。だが、ハー子のおかげで正解の薬を見つけられた。そして、薬の中身の再生のインターバルを待って、6人全員で最後の間に辿り着いた。
しかし、誰もいなかった。だが、部屋の真ん中に見覚えのある物があった。
「ハリー!あれって、ボク達が見つけたみぞの鏡じゃない?」
「確かに。」
エリナが鏡の前に立つ。すると、鏡の中のエリナが笑いかけた。その後にポケットの中に石をつっこんだ。エリナは、石を手に入れた。
「そ、それって。」ロンが驚く。
「やったわエリナ。石を手に入れたのね!」
エリナ、ロン、ハー子、ゼロ、グラントが手を取り合って喜んでいる。ゼロは、普段見せないであろう喜びの感情を、表に出している。
『何か釈然としないな。超感覚呪文を掛けておくか。』
五感を常人の数千倍までに研ぎ澄ます。カツーン、カツーンと、足音が聞こえてくる。その音は、どんどん大きくなっていく。近づいてる来る……か。そして、誰かがこの部屋に来た。
突入メンバーが原作の倍になりました。今思うと、チェスのくだりが酷い事に。
修正
悪魔の罠のイベントが、下手をするとR-18になりかねない表現になっていたので、修正しました。