Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章   作:純白の翼

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クリスマスイベントです。お楽しみください。


第16話 クリスマス

 11月辺りから寒くなってきた。それに反比例してクィディッチの練習はますますデッドヒートしていく。そのお陰で、新たなフォーメーションが完成した。それを最初のクィディッチの初試合で実践した。最初は、スリザリン戦だ。100年ぶりの1年生選手と言うこともあって、ハッフルパフやレイブンクローも観戦している。結果は、奴らに点を一切与えることなく230対0で、グリフィンドールチームの完全勝利となった。

 

 後日、マルフォイの顔が酷く打ちひしがれていた。イドゥン曰く、スリザリンチームの完全敗北と言う最悪の結果によるショックに加えて、グラントから闘魂注入と言う名の八つ当たりの対象にされてしまったようだ。ご愁傷様。しかも、クラッブ、ゴイル、ノット、ザビニを始めとしたスリザリンの1年生の男子全員も八つ当たりの巻き添えを食らっていた。

 

 最初アイツは気に食わなかったが、ここまで理不尽な目に遭うと流石に可哀想になってくる。だからと言って、アイツはともかく父親は俺の中では抹殺リストに入っているがな。そこの認識は変わらん。話を戻そう。親の権力は効かない、スネイプに言ったらスリザリンが減点される。マルフォイからしれみれば、どう足掻いても絶望だ。

 

この前、用を足し終えて出て行こうとした時に遭遇した。

 

「その、何だ。……スマン。」

 

 憐れみを込めた表情で謝罪する。これが、マルフォイに追い打ちをかけてしまった。そんなつもりなんて一切無いのに。

 

「そんな目で僕を見るなああああああああああ!!!」

 

 と、叫びながら突進してきた。体を碌に鍛えた事も無い奴の突進など、俺からすればスローモーションに過ぎない。だが、油断せずに華麗に回避する。だが、マルフォイからしてみれば避けられたのは予想外だったようだ。止まろうとするが、勢いが止まらなかったんだ。そのまま勢い余って、顔面から便器に突っ込んでしまった。すぐに救出して、医務室に連れて行った。

 

 学業やクィディッチに打ち込む一方で、錬金術師の文献も読んでいた。ダンブルドアのジジイのカードの情報からヒントを得ている。ニコラス・フラメルの名は、あっさりと見つかった。巨大な古い本によると、『ニコラス・フラメルは、我々の知る限り、賢者の石の創造に成功した唯一の者』という記述が見つかった。

 

 ふーん。賢者の石ねぇ。どんな金属も黄金に変え、飲めば不老不死になる「命の水」を作り出す効果を持つんだっけか。黄金の元素記号は『Au』だった筈。金属の元素を『Au』にするという事なのか?マグルの技術でも、人工的に金を生み出す事ついて、一応は可能だ。水銀にガンマ線を照射すれば、原子核崩壊によって水銀が金に変わる手段だが。ただ、時間とコストがかかるので現実的ではない。

 

 それに、賢者の石のもう一つの効果である命の水にも興味がない。そんなものを使って無駄に長生きしようとしている奴の気持ちなんて分かろうとも思わんし、その神経も理解出来んな、俺には。

 

「何でそんなお花畑な思考を持つ連中は、与えられた命で満足出来ないんだ?全く以って理解不能だ。」

 

 俺の人生観とは、どれだけ人生が長いかが重要ではない。生きている間に、どれだけ輝ける事が出来るかが重要かと考えている。なので、不老不死に嫌悪感を持っている。

 

 1991年12月24日。今日から1月の最初の1週間までクリスマス休暇となる。いや、クリスマス休暇というより年末年始休暇の方がしっくりくる気がするのだが、まあ気にしないフリをしよう。ハー子だけ実家に帰る事が決定している。いつもならロイヤル・レインボー財団のクリスマスパーティーも行われる筈だったが、義祖父ちゃんは急な仕事が入った事で年末年始返上しなければならなくなった、と手紙の中で愚痴を漏らしていた。また、義兄さん達も多忙なので、俺もホグワーツに残る事になった。

 

 俺は、エリナから厨房の行き方を教えて貰った。屋敷しもべ妖精がそこで働いており、俺を見るや否や菓子とか色々差し出してくれた。

 

 話が変わるのだが、先日、最後の魔法薬学の教室で奇妙な教科書らしきものを見つけた。『上級魔法薬』と言う教科書で、『半純血のプリンス 蔵書』と書かれている。見た目はただの薄汚い50年前の教科書と言ったところ。だが、それはあくまで見た目の話であって、中身は大変濃い物となっている。非効率的な記述の殆どを修正しているのだが、これが結構理に適っているのだ。それに、魔法の呪文も作っている様で、どれも実用的だ。ここから俺は、『身体浮上(レビコーパス)』と反対呪文の『身体自由(リベラコーバス)』、その他の『舌縛り(ラングロック)』、『耳塞ぎ(マフリアート)』、『切り裂け(セクタムセンプラ)』を習得した。『切り裂け(セクタムセンプラ)』だけは、使いどころを間違えなければ問題ない。それ以外は、いつでも使える。このまま上級魔法薬は、ありがたく頂戴するとしよう。

 

 1991年12月25日。待ちに待ったクリスマス。朝、すぐに目がパチリと覚めていく。俺のベッドの枕元には、たくさんのプレゼントが積んであった。おいおい、こんなに知り合いはいないぞ俺。差出人を見てみると、本当に寮や学年、性別問わず来ている。愛の妙薬入りの食べ物、呪いのかかった代物、ガラクタ等本当に何でもあった。役立ちそうな物、純粋に欲しかったり、貰って嬉しい物以外は、欲しい人に譲ったり、それでも引き取り手がいないときは碧炎で焼却処分した。別に特別親密でない送り主には、お礼の手紙を量産するという形で対処する。もちろん、親しい人にはより丁寧な文章で感謝の手紙を書く。

 

 親しい人からのプレゼントの着手に取り掛かる。ハグリッドからは、お手製の木の横笛。吹くと、フクロウの鳴き声によく似た音が出て、ナイロックが上機嫌になった。

 

 ウィーズリー家から、暖かそうなセーターが送られてきた。色はエメラルドグリーン。胸元にはHというイニシャルが入っていた。ありがたいので、着用した。

 

 ハー子からは蛙チョコレートの詰め合わせで、グラントからはバニラ味のプロテイン、ゼロ(フィールド先生と一緒に用意したらしい)からは簡単に作れるお菓子のレシピ本をいただいた。エイダ義姉さんからは大きなチョコケーキを、イーニアス義兄さんからは『ホグワーツの歴史 大幅改訂版』と言う本、アドレー義兄さんからは何かのマークが刻まれたペンダント、義祖父ちゃんからは『呪いのかけ方、解き方(友人をうっとりさせ、最新の復讐方法で敵を困らせよう――ハゲ、クラゲ脚、舌もつれ、その他あの手この手――)』をそれぞれ貰った。

 

 更に嬉しいのは、日本のマホウトコロの友人からもプレゼントが来た事だ。俺自身、厨房を借りて手作りのクッキーを作って届けたのではあるが。

 

 下に降りると、もうロンが起きていたが、予想外の客人もいた。どういうわけかエリナにゼロ、グラント、イドゥンがいたのだ。

 

「ロンはともかく、どうしてお前らここに?それに、エリナ。それは?」

 

「寮のみんな帰っちゃったからね。どうせなら、グリフィンドール寮にいるお兄ちゃんの所に行っても大丈夫かなって。ああ、これ?これね、透明マントっていうんだ。パパの事を良く知ってる人から来たんだ。差出人は知らないけど。」

 

「まさかの校長だったりしてな。」

 

「どうなんだろう。それなら校長先生は、何でこれをボクに返すっていう手紙を同封したんだろう?」

 

「さあな。あの爺さんの真意なんか俺は知らんがな。で、お前らは?」

 

「帰ったら、兄さんと掃除しなきゃいけないからな。残る事にしたよ。」

 

「クリスマス位、休んでもバチは当たらないからな。オヤジにも、仕事はこっちでこなすから、お前は学校で友達と一緒に過ごせって言われたしよぉ。」

 

「ホグワーツのクリスマスのスケールが凄いと聞きましたので。それよりもハリー。あなたがウィーズリーに送ったオセロ、と言うボードゲーム。私も結構ハマりましたわ。」

 

「ロンは、ゲームの才能はあると思ったからな。まさか、みんなを招くとは。大広間でも良かったんじゃね?」

 

「こまけえこたあいいんだよ!どうせ誰もいないんだ。大丈夫だろ!」

 

 グラントが、俺にそう言った。

 

 その後、オセロだけじゃなくチェスもやったり、フレッドとジョージ、パーシーと一緒に雪合戦をしたり、豪華な夕食を食べたりした。俺は、この際なので年代物のワインも一杯飲んだ。苦かったけどね。

 

 そして、皆寝静まった夜。俺は、『目くらまし術』を使って、8階にあるただの石壁の前まで向かうことにする。そして、壁の前を三回歩き回りながら、自分の目的を心に強く思い浮かべる。すると、壁が開いた。イーニアス義兄さんの追記修正されていた『ホグワーツの歴史』に書いてあった必要の部屋だ。そこに突入した。

 




次は、夜の10時に更新します。

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