Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章   作:純白の翼

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長くなった。今までよりも文字数が多いです。


第11話 最初の一週間の授業

 翌朝から早速授業が始まった。142もある階段やルートがめんどくさい。マホウトコロは、シンプルな造りだったのに。ふざけんなよ、遅刻させる気満々じゃないか。許さんぞ、ロウェナ・レイブンクロー。まあ、毎晩ナイロックに学校の探索とネズミの制圧と支配の任務を与えていたから、他の1年生よりはかなり優位ではある。

 

 その前の朝食を食べている途中、新聞が来た。9月2日の日刊預言者新聞に俺の事が堂々と書いてやがった。

 

『実は生きていた男の子 ハリー・ポッター

 

 10年前のハロウィーンでの『例のあの人』の消滅は魔法界では周知の事実である。しかし、今回新たなる事実が明らかとなった。『生き残った女の子』であるエリナ・ポッターの双子の兄、ハリー・ポッターの生存が発表されたのである。9月1日にホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアによって公表された。

 

 アルバス・ダンブルドアによると、彼は『例のあの人』から危害を受けたわけでもなく、エリナ・ポッターの様な傷跡もないという。また、詳細は不明ながらマグルの世界に移り住んだ魔法使いに保護されていたと言う。

 

 彼は、7月上旬まで日本に住んでおり、マホウトコロ(ホグワーツに相当する日本の魔法学校)に通っていた。よって正確には、マホウトコロからの留学生という立場で編入したと言える。

 

 ハリー・ポッターの保護された場所には、ありとあらゆる対策がされていて、魔法使いは決して近付けなかったとの報告も挙がっている。故にダンブルドアも最近ハリー・ポッターが生きている事を知ったという。』

 

 しかも、どこで手に入れたのかは知らんが、俺の写真が載っている。

 

「エリナに比べたら俺のネームバリューなんて下がるだろうに。この世界の住人は、余程思考がお花畑らしいな。」

 

「そんな事は無いよ。ハリーのネームバリューは、君が思っている以上に高いんだよ。例のあの人が残虐の代名詞と言われているように、エリナと違って無傷で生き残ったなんて知ったら、大ニュースになるさ。」

 

 ロンが、俺に説明する。

 

「嘘臭え。」

 

「本当よ。本に書いてあったもの。」

 

 グレンジャーが話に割り込んできた。

 

「何か用?」素っ気無く聞く。

 

「いいえ。ただ、面白そうな話をしていたものだから。」

 

 そういや、ロンとグレンジャーって一緒にいるだけで険悪ムードが増幅するんだっけな。他所でやれよと思いながら、俺は大広間から出ていく。

 

 話を戻そう。幸い、授業内容は簡単だった。もう、ホグワーツのカリキュラムが終わっている俺からすれば、1年生の内容など多少復習する感じで十分なのだから。ただ、ちょっとした様子見をしたいので、本来の利き腕である左腕を使うのは控えておいて、基本的には右腕でセコイアの杖を授業で使うことにした。そして、無駄に目立ちたくないから、敢えて自分の力は抑えることにした。閉心術を使っているので、心を読むのに長けたダンブルドアやスネイプ辺りにも簡単に悟られずに済む。

 

 ここで、授業の感想を述べていく。始めの授業は呪文学だ。正確には、2年生までは妖精の魔法という呼び名だ。日本の感覚で言えば、妖精の魔法が算数、呪文学が数学といえば分かり易いだろうか?この授業、グリフィンドールはレイブンクローとの合同になっている。ゼロと合流して前付近に座った。新任のフィールド先生の事は、エリナから聞いている。出席を取っていた時に俺だけに少し時間をかけた。

 

「同期のエイダから聞いているよ。これから7年間よろしくね。」

 

「こちらこそ宜しくお願いします。それと、昨日エリナの荷物運びを手伝っていただいたそうですね。ありがとうございました。」

 

 ペコリとお辞儀をする。

 

「エイダ義姉さんと知り合いですか?」

 

「そうだよ。彼女とは同じ年に入学して、レイブンクローだった。エイダの話が聞きたければ、いつでも私の部屋に気軽に入ると良いよ。」

 

 フォルテ・フィールド先生は、エイダ義姉さんを良く知っていたとは。暇な時に聞きに行こう。

 

 授業内容はというと、フィールド先生は初めてとは思えないほど教え方が上手かったのだ。まず、魔法で物を動かすところから始まる。これは、普通に出来た。出来た人から自由にしていいと言った。全員が終わってから、次週から数回にわたって浮遊呪文の理論を書き込んでいくと言ったところで終わった。

 

 魔法史は、ゴーストの先生が担当している。喋り方が原因なのか、殆どの生徒が睡魔の世界に誘われた。俺は、重要そうな箇所だけをマーキングした後に、持ち込んだドラゴンボールの漫画を読むのに徹していたので睡眠を免れた。俺を除いて眠ってなかったのは、グレンジャー位だった。

 

 水曜の夜に天文学がある。望遠鏡を使って惑星や星座を覚えるという内容だ。

 

 薬草学は、城の裏の温室で行う授業だ。担当がスプラウト先生なのか、ハッフルパフと合同だ。不思議な植物やキノコの育て方、その用途を勉強する内容となっている。余談だが、俺達ポッター兄妹が一揃いになる唯一の授業なのか、スプラウト先生の顔が嬉しそうな顔をしていた。

 

 授業が始まる前に、エリナの方から俺に近付いてきて、一緒にやらないかと誘ってきた。また、エリナと既に仲良くなっていたハンナやスーザン、ジャスティン、アーニーを紹介された。悪い気はしないので、妹がいつもお世話になっていること、迷惑を掛ける事があるかもしれないけどよろしく頼むと伝え、彼らと握手をした。

 

 後から分かった事だが、エリナを含む5人はロングボトムとも独自に交友関係を持っているようだ。何故、ヘタレ具合一級品のアイツがハッフルパフに組み分けされなかったのか、未だに分からん。

 

 そして我らが寮監、マクゴナガル先生の変身術は開始早々いきなり説教から始まった。

 

「変身術はホグワーツで学ぶ魔法の中でも、最も複雑で危険なものです。いい加減な気持ちで受けないようにして下さい。」

 

 一瞬で机を豚に変え、また戻した。まず、手始めにノートを取る。隣のロンが、ウンウン唸っている。どうやら、とても難しいようだ。それからマッチ棒が一人一本ずつ配られた。これを針に変えろという課題だ。今週は様子見なので、わざと出来ないふりをする。精々銀に変色出来る位に留めておくことにした。

 

 終了までに変える事が出来たのはグレンジャー唯一人。10点貰っていた。マクゴナガル先生曰く、初日で完璧に出来たのは2人目だとのこと。最初に出来たのが、何とエリナだったのだ。針だけでなく、サバイバルナイフ、包丁、銃剣、オリハルコン製の巨大ハサミの順にマッチ棒を変えていったらしい。我が妹の意外な才能に、流石の俺も驚愕した。ちなみにグレンジャーは、斜め上まで突き進んだ才能を見せたエリナに妙な対抗心を抱いたという。

 

 授業の中で、一番の外れくじは何かと問われれば皆揃って闇の魔術に対する防衛術と答える。難易度は普通だが、担当のクィレルの授業は肩透かしだったわけだ。常にビクビクした態度をとっている。何か胡散臭いなぁと思いつつも、授業そっちのけで借りてきた本を読んでいた。

 

 上級生、主にフレッドとジョージによると以前はこんな風ではなく全うな教え方をしていたらしいが。あれは、負け犬根性丸出しだね。ターバンが本体じゃないのか?あの人。

 

 週の最後の授業日。魔法薬学が2限続きであるだけで、この日は終了となる。

 

「スリザリンと一緒に魔法薬学かぁ。スネイプって、スリザリンをひいきするらしいぜ。グリフィンドールから、息をするかのように減点しまくるってさ。」

 

「じゃあ。精々プラスマイナス0になるように励まないとな。丁度ハグリッドから、遊びに来ないかって誘われてるし、そこまでの我慢時間だと思えば、ね。ロン。」

 

「ああそうだね。午後の誘い、僕も行って良いかい?」

 

「いいんじゃね?そういえば昨日、ジャスティンから聞いた話なんだが……」

 

 一昨日の魔法薬学で起こった出来事だ。その日は、ハッフルパフとレイブンクローの1年生の合同だった。スネイプは、エリナに何個か質問をしたそうだ。だが、エリナが天然ボケをかました。ペースを乱されたスネイプは挙句の果てに「全部、顔はリリーなのに、目が……目が……ポッターああああああ!!!うわぁああああああああああああ!!!!!」と叫びながら、地下牢の窓ガラスを割って、投身自殺を引き起こしたという話だ。未遂に終わったけど。

 

「おったまげー。そんな事あったのか。」

 

「昨日は1日中、医務室にいたんだと。全身包帯状態でミイラの様に過ごしてたんだって。んでもって今日、復帰するんだとさ。」

 

「このまま一生入院してればいいのに。」

 

「サラッと時々酷い事言うよねぇ。ロンって。」

 

 魔法薬学は肌寒い地下牢で行われた。壁にはガラス瓶の中にアルコール漬けの得体の知れない動物がぷかぷかと浮いている物がずらりと並んでいる。俺は、グラントとペアを組むことにした。しばらくして、スネイプが入ってきた。

 

 スネイプは出欠をとり、俺のところでちょっと止まった。

 

「ああ、左様。」

 

 柔らかな声で囁いてきた。

 

「ハリー・ポッター。我らが新しい――スターだね」

 

 スリザリン生がくすくすと笑った。一部を除いて、1人では何も出来ないくせに全く以って陰険な連中だなこいつら。少し、おちょくってみるか。

 

 俺は、ほんの一部だけ、魔力を放出させる。その直後、教室にいる奴らの殆どが、喜びの感情が消え、何かに怯えるような表情をしていた。あのスネイプでさえ、冷や汗をかいている。ちょっとした意趣返しにはなったかな。グリフィンドール生もそうなったのは予想外だが。怯えなかったのはイドゥンとグラントだけだった。

 

 スネイプは気を取り直して、早速授業に入っていく。

 

「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ。」

 

 そういって話し始めたスネイプの大演説を、皆固唾を呑んで聞いていた。30のおっさんの恥ずかしいポエムか。キツイな~と思っていると演説が終わる。するとスネイプが突然、「ポッター!」と叫んだ。いきなり振りやがった。この童貞教師。今回は少し出来ないフリをしておこうかと思ったが、ここまで露骨に嫌っているのなら、徹底的に叩きのめしたくなるわけだ。

 

 また、義祖父ちゃんが手に入れたスネイプの情報だと、俺の父様と確執があり、母様を穢れた血と呼んで蔑んでいたそうだ。挙句の果てに、俺に関する予言をヴォルデモートに言いふらして死に追いやった。何故、こんな清々しいまでのクズ野郎をここに置いているのか、あのダンブルドア(クソジジイ)の意図が分からん。どっちにしろ、間接的とはいえ俺の両親の仇だ。絶対に許さん。いつか殺す。だが、力が足りないので、今は奴本人にだけ伝わるように思念術を掛けておく。勿論、挑発と宣戦布告の意味を込めてな。

 

「アスフォデルの球根の粉末を、ニガヨモギを煎じたものに加えると何になるかね?」

 

 グレンジャーが手を挙げたが、俺は即座に返す。イーニアス義兄さんに散々魔法薬の訓練は受けたし、オリジナルの魔法薬だって作ったんだ。朝飯前だ、こんな質問。

 

「生ける屍の水薬です。」と、同時に奴の脳内に思念を送ってみる。

 

『俺が何も知らないとでも思っているのか?良くもぬけぬけと教師なんて続けやがって。』

 

 スネイプは、悔しそうな表情をしていた。と、同時に、今度は顔が青ざめていた。だが、また表情を元に戻し、俺に再び質問してくる。

 

「ポッター、もう一つ聞いておこう。ベゾアール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?」

 

 グレンジャーがより高く手を伸ばした。パリのエッフェル塔のように。マルフォイたちが大爆笑していやがる。複数のバカじゃないのかこいつら。この問題はNEWTモノだ。それを見越して俺に大恥をかかせるつもりのようだが、そうはさせない。この問題が分かっているグレンジャーは、もっと異常だがな。そして無視されながらも手を挙げ続けるグレンジャーの律儀さには、俺は敬意すら感じるね。

 

「ベゾアール石はヤギの胃から取り出す石で、殆どの毒に対する解毒薬になりますよ。」

 

『知っているんだよ!お前が予言をヴォルデモートに報告した事を!それが原因で俺の両親がヴォルデモートに殺された事も!!そして何より、俺たち兄妹の人生を歪ませた事も!!!』

 

 またスネイプが青ざめた。何が起きているのか分かっていないらしい。しかも、自分以外には全く聞こえていないようだ。それでも、根気強く俺に質問してくる。

 

「そ、それではポッター。モンクスフードとウルフスベーンの違いはなんだね?」

 

 震えるように俺に聞いてきた。ざまぁ。

 

「どちらも同じトリカブト。違いはありません。」

 

『さぞいい気分だったろうな!?お前は、俺の母様がどうやって死んだかも知らないだろうね?いいや、知りたくもないわけだよな。お前にとって、俺の母リリー・ポッターは蔑むべき穢れた血なんだからな!母様は、俺とエリナの命懸けの命乞いをして、ヴォルデモートに嘲笑われながら虫ケラのように殺されたんだよ!全部お前が引き起こした事だ!お前のせいだ!!俺は未来永劫、お前を味方だとは思っちゃいない。何故なら、お前は俺の母様の仇だからだ!』

 

 この俺を陥れようとしたのだから、それ相応の代償は払ってもらうとしよう。

 

 殆どのグリフィンドール生が笑い、殆どのスリザリン生から生気が消え失せていた。まるで、英雄の公開処刑でも見せ付けられているみたいだと。だがイドゥンは、まるで高みの見物でもするかの様に俺に微笑みかけている。食えない女だ。だが、スネイプはそれよりも、俺が答えた直後に聞こえてきたその言葉に対して、深く絶望の表情を募らせている。決して消えぬ罪と過ちを突いてやったに違いない。それが、ナイフで心臓を刺されたようにスネイプの心を抉っていく。奴は、今にも倒れそうだ。

 

 一方のグレンジャーは、無視をされ続け、俺に答えを先に言われてしまい、顔が赤くなっていた。そして、泣きそうになっていた。

 

「……どうやら、教科書はちゃんと読んできていて、予習も完璧なようだな。妹と違って……グリフィンドールに5点。ところで諸君、なぜポッターの言った答えをノートに書き取らんのだ?」

 

 みんながあわてて書き始めるが、その音にかぶせるようにしてスネイプは言う。

 

「ハリー・ポッター。君の授業態度が悪質なので、グリフィンドール3点減点。」

 

 完全に八つ当たりだが、奴のメンタルには充分ダメージを負わせる事が出来たので、これはこれで良しとしておこう。第一、寮対抗杯になんて興味ないし。

 

 ここで、斜め上を行く展開が起こる。なんと、グラントが手を挙げていたのだ。

 

「せんせーい!俺、ハリーが答えた質問、全部分かりませんでした!!」

 

「?」

 

 グラントが、馬鹿正直に申告をする。スネイプの脳が、一瞬フリーズした。

 

「減点しないんですか?」

 

「リドル!何やってんだ!!」マルフォイが怒っている。

 

「うるせー!俺は、贔屓が大っ嫌いなんだよ!!そもそも、何で全部答えたハリーが点を減らされる理不尽な目に遭って、誰も答えていないスリザリン生(俺達)はペナルティ無いんだよ!不公平じゃねーか!!!」

 

 退屈しないねグラントは。スリザリンにこういう奴がいると、少しでも心が救われるわ。

 

「ミスター・リドル。スリザリンから5点減点。」

 

 始めて、スネイプがスリザリンを減点した。前代未聞だな。この後、雪でも降るんじゃないか。

 

 その後、スネイプは生徒を2人一組にして、おできを治す簡単な薬を調合させた。俺は、グラントと一緒に組んだ。グラントが材料の調達、俺が調合と役割分担したのか、15分で早く終わった。後は完成するのを待つだけ。幸い、誰も終わっていないし、イドゥンも90%位ほど進んでいるような状態だった。

 

 イドゥンとペアを組んでいるのは、確かダフネ・何とかグラスという女だった筈。これからは、グラスって呼ぶか。スネイプは、俺に何か小言を言う気力も失せたらしく、スルーした。その代わり、マルフォイとイドゥンの班以外に注意という名の嫌味を言いまくってた。

 

 スネイプが、マルフォイが角ナメクジを完璧に茹でたので、皆見るようにと言った時、シューシューという大きな音がした。みると、ロングボトムがシェーマス・フィネガンの大鍋を小さな塊にしてしまい、薬をこぼしていた。彼は頭から失敗したものをモロにかぶってしまったらしく、全身から真っ赤なおできが吹き出てきているではないか。

 

「バカ者!」

 

 スネイプが怒鳴り、杖を一振りして薬を処分した。マジ切れになっているではないか。

 

「大方、鍋を火にかけたままヤマアラシの針を入れたな?フィネガン、早くロングボトムを医務室に連れて行け。」

 

 苦々しげにフィネガンに言いつけたスネイプは、ロンとディーン・トーマスの班に矛先を向けた。注意をしなかったという理由でグリフィンドールから1点減点した。全く以って懲りてないな。今度はどういたぶってやろうかね、コイツ。

 

 授業ベルが鳴ると、すぐさまスネイプは自分の部屋に引きこもっていた。当分は出てこないだろうな。

 

「凄いやハリー。何の苦も無く問題に答える上に、薬もすぐ作っちゃうなんて。」

 

 ロンが、俺を褒めてきていた。俺、名声の類に興味はないんだよね。

 

「それよりも、ハグリッドのとこ行こうぜ。もう、今日の授業は忘れたい。」

 

 楽しみにしていたハグリッドとのお茶が待っていた。ロンと2人で校庭を横切り、ハグリッドの小屋に向かった。そこには、先客でエリナがいた。

 

「あ、ハリーにロンも来たんだ。」

 

「エリナか。ハッフルパフでの生活はどうだ?」

 

「それなりに楽しくやってるよ。」

 

「そっか。良かった。……ハグリッド。招待してくれてどうも。」

 

「まあ、くつろいでくれや。よく来てくれたな、ハリー。それに……」

 

 ロンのほうを見た。

 

「ロンだよ。」と、俺が紹介する。

 

 ハグリッドはロンの赤毛とそばかすを見て、こう言った。 

 

「ウィーズリーの家の子かい。え?お前さんの双子の兄貴達を森から追っ払うのに、俺は人生の半分を費やしてるようなもんだ。」

 

 それからは授業の、特に魔法薬学の愚痴を吐きまくった。

 

「俺の父様にいつも酷い目に遭わされてたのは同情するけどさぁ、仕事と私情の区切りくらいしっかりやって欲しいんだよなぁ。」

 

「まあそう言うなハリー。スネイプだって頭では分かっちょるが、お前さんの顔を見るとどうしてもジェームズの事を思い出して、トラウマが蘇ってどうしようもなくなるわけだ。」

 

「そんなもんかねえ。」

 

「ボクの時は、時々ママの名前を所々で言ってたけどね。」

 

「マジかよ、エリナ。スネイプって新手のストーカーじゃん。もしくは、ロリコンか?」

 

「酷い言われようだなスネイプも。」と、ロン。

 

 ハグリッドが出してくれたロック・ケーキは硬くて歯が折れそうになったが、3人でおいしそうなふりをした。巨人の血が半分入っているだけで、常人と嗜好がかなり違うのは大発見だな。

 

 食べ終わるとハグリッドに礼を言って、俺たちは城に戻った。エリナと別れて、グリフィンドール寮に戻ろうとする。その時、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。

 

「ポッター、話があります。今すぐです。」

 

 え?俺?振り向くと、何か言いたそうなマクゴナガル先生がいたのだ

 




次は、本編は無しです。この話を、スネイプの視点で描きます。

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