魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。   作:姫桜

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番外編続き、受け取りました!
長さの違いは…間違いなく根気と語彙力の違いですねこれは、羨ましい…
私もまだまだですね


初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 3

妖夢達が由香奈の案内で特設ドックに移動する少し前 本部内の食堂にて

 

「………これが講習会で教える『海軍の知識に関する』内容(レポート)ね……フム……これは少し厳しいわね……妖夢にとっては悪影響を及ぼす内容ばかりだわ」

 

元帥の階級証を着けた茶色の軍服に白いコードを羽織った茶髪のポニーテールの若い女性が総司令官と『総司令官側の加賀』が纏めた講習会の内容である『海軍の知識に関する報告書(レポート)』を閲覧し、内容がリアル過ぎるのか、はたまた妖夢にとって悪影響を及ぼしかねないショッキングな内容なのか、頭を抱えながら言うと、総司令官もまた女性と同じく相当悩んでいるのか、頭を抱えながらも反論した

 

「……だが、アイツは英語だけなら兎も角『世界情勢』と『海軍の知識』に関しては『最低限の知識』しか無いからな……出来るだけ此方は()()()()()()()()()()()で説明する予定だ」

 

「……嘗て学生でありながら『極道者(ヤクザ)』であり『格闘家』だった貴方が『そんな表現』が出来ると思う?」

 

女性は総司令官の事を昔から知っているのか、溜め息を吐き、呆れながら聞くと、総司令官は普段の勇猛果敢で荒々しい雰囲気から一転、年相応の若者みたいなラフな口調になり、頭を抱えながら総司令官側(自身の方)の加賀と共に答えた

 

「……自分で言うのもアレだが……無理ゲーだ……知恵を貸してくれ『母さん』」

 

「……御願いします『教官』……私達に知恵を貸して下さい」

 

「加賀は兎も角、諦めるの早すぎるぞ『馬鹿息子』!二十歳(はたち)にして医師免許を取得した『お前の(頭脳)』なら出来る筈だ……私だって欲しい位よ

 

「無茶言うなよ……糞親父が俺に、こんな『講習会(無理難題)』を企画しやがって……只でさえ、この前の横須賀の生徒達(クソガキ共)相手に海軍の知識を教えるのに苦労したのに……」

 

「……全くよ」

 

「……それに関しては同意しますし、私も提督の随伴艦(補助要員)として横須賀の教官任務に従事していましたので同情もします……ん?待てよ……」

 

総司令官は自身の口癖である「泣けるぜ……」と呟き、総司令官の『母親』であり『教官』と言われていた若い女性に叱括され溜め息を吐くと総司令官の秘書艦である加賀がボールペンを持ち、総司令官に助け舟を出す様に何時もの凛とした頼もしい雰囲気を醸し出しながら総司令官達に言った

 

「ッ!?……提督に教官、私に良い案がありますので今から此処で報告書(レポート)を訂正しても?」

 

「構わねぇよ……」

 

「どうぞどうぞ」

 

二人は考えが纏まらなかったのか、総司令官側の加賀が報告書(レポート)を訂正する事を投げ遣りな態度で許可すると、総司令官側の加賀は先程持ったボールペンの蓋を外し、そのまま報告書(レポート)の訂正を行った

 

「ありがとうございます……此処を……こう………こうと……」

 

 

 

 

 

一航戦 加賀 報告書(レポート)修正中………

 

 

 

 

 

「これで良し……これなら少尉に悪影響を及ばず、更に分かりやすく説明出来ると思いますが……どうでしょうか?」

 

「「フムフム……成程……」」

 

総司令官側の加賀は先程、訂正した報告書(レポート)を二人に見せると、二人は訂正された報告書(レポート)を閲覧し、二人は先程の訂正案が気に入ったのか微笑みながら言った

 

「これなら分かりやすくて教え易い……そして……」

 

「妖夢にとって悪影響な所が無いわ……なら、今回の講習会の内容は……」

 

「……これで決まりだな、さて……煙草吸ってくるかな」

 

「私も行くわ……」

 

二人は微笑みながら総司令官側の加賀の訂正案(レポート)を可決し、講習会が始まるまでの間、喫煙しに食堂を後にした

 

その時、二人を見送った総司令官側の加賀はクスリと笑いながら……

 

 

 

 

 

「子煩悩な教官は兎も角、あの『傍若無人で防弾ガラスの様に図太い神経を持った提督』が此処まで変わるとは……少尉の『純粋さ』と『魅力』は、核兵器以上に恐ろしいわね……」

 

 

 

 

……と『妖夢の純粋さ』そして『魅力』を『核兵器』に喩え、浄化寸前(完了?)の総司令官の変貌ぷりに微笑ましく呟いたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 鎮守府本部内部『特設ドック』出入口前にて

 

「此処が『特設ドック』です」

 

「へぇ……此処が、あのドックの出入口ですか……」

 

「だ……大丈夫なの?指紋認証やら防犯カメラ……結構厳重なセキュリティを施しているのだけど……しかも扉の注意書に『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』と総司令官の直筆で書かれているわ……それに、その注意書を表すかの様に天井に『機銃』そして壁には『レーザー切断機』や『機銃の銃口らしき穴』が多数……ドックというより『要塞』ね……」

 

大本営(上層部)からの命令でな……艦長……いや総司令官から聞いた話では『コレを創設したせいで当時、本部が所持してた資材の()()()()減ったぞ……此処を潰す気かアイツら……』と嘆いていた位だ」

 

「心中察するわ……しかし此処を『超ブラック鎮守』から『ホワイト鎮守府』に変えるだけではなく、鎮守府に所属している全員を治療したり、総司令官自ら調理をし私達(艦娘達)に料理を振る舞い、私達(艦娘達)と共に出撃をするわで……『天の道を行く英雄(天道総〇)』並のチート人間じゃないの……本当に彼……何者なの?」

 

「……その答えが『此処』にあるんだ……まぁ少尉は()()()()()()()()()と思いますが……」

 

「……私に振らないで下さい、大将達に強く()()()されているので……」

 

「……そうでしたね」

 

妖夢は本部の人間しか入れない『特設ドック』に入れる事に胸を膨らませ、陸奥は指紋認証や防犯カメラ等、かなり厳重にセキュリティを施された扉に、かなり臆しながら呟くと由香奈は先程までの厳格な雰囲気に似合わない笑みから一転し、神妙な表情になり、二人に聞いた

 

「……二人共、今から特別防衛機密取扱者しか入れない場所に入るが、決して『このドックの内部情報』を非取扱者の人間を含めて『誰にも漏洩(ろうえい)しない事』を誓えますか?」

 

「漏洩?」

 

「……『言い触らす』……言わば『バラす』という意味です少尉」

 

「『バラす』って貴女……妖夢、分かりやすく説明すると、この『本部専用のドック』に関する内容を『()()()()()()()()()』って事よ……よりによって『嫌な予感』が当たるなんて……遺書でも書いておけば良かった

 

陸奥は由香奈の簡潔過ぎる説明に少し呆れたものの、かなり厳重なセキュリティを施された扉に、かなりビビりながら由香奈の説明を妖夢に分かりやすく説明すると妖夢は理解したのか、遊園地に行く子供の様に満面な笑みで「分かりました」と答えると由香奈は近くに置いてある箱を取り出し、二人に言った

 

「ちなみに此処は可搬記憶媒体……カメラやスマホ等の持ち込みも厳禁なので、今そのような物を持っていたら、この箱に入れてからドックに入って下さい」

 

「分かりました由香奈さん……えーっと……携帯電話にカメラは……あった……では由香奈さん、御願いします……陸奥さん、行きますよ♪」

 

妖夢は由香奈の指示に従い、ポケットの中から講習会用のカメラと子供用の小さなスマホを箱の中に入れ、陸奥に言うと、陸奥は腹を括ったのか、自棄になった荒い口調になりながら由香奈に近付き……

 

「……あーもう!!覚悟を決めたわ!!ほら!これで良いでしょ!」

 

……そのままポケットに入っているスマホを荒々しく箱に入れた

 

陸奥は自棄になりながら由香奈に言うと、由香奈は「何故、自棄になっているんだ?」と言わんばかりに首を傾げつつも扉に備え付けてある認証機を操作し、妖夢と陸奥の情報を入力し、そして………

 

 

『認証完了、解除シマス……ヨウコソ……魂魄少尉ニ陸奥サン……()()()()()()()()()()♪』

 

「「最後だけ凄い流暢に言ったよね!?この機械!?」」

 

「……製作した総司令官の『遊び心(おふざけ)』だ……触れないでくれ……」

 

……一部流暢な発言があったものの女性の声で機械特有の片言を発し、妖夢達を迎え入れるかの様に重々しい音を出しながら、重量感を漂わせるかの様にゆっくりと扉が開き、由香奈は完全に扉が開き切るのが待てなかったのか、半開きな状態でドックに入り、二人を招き入れた

 

「では……行きますよ」

 

「はい!」

 

「……分かったわ」

 

二人は由香奈の招きに妖夢は胸を躍らせ、陸奥は顔を強張りながら『特設ドック』に足を踏み入れると其処には……

 

「お邪魔しま……ッ!?嘘……何故、コレが此処に……」

 

「うわぁ………凄い……」

 

……二人を歓迎するかの様に『ある巨大な船』が停泊していたのだ

 

妖夢は、その『巨大な船』に圧倒されたのか、目をパチクリと瞬きをし、陸奥は『その巨大な物の正体』が分かったのか驚愕すると、妖夢は少し戸惑いながら由香奈に『巨大な船』について質問をした

 

「あの……由香奈さん、この『船』は?」

 

「……コレですか?コレは……」

 

由香奈は妖夢の圧倒された表情を見て微笑みながら『巨大な船』の正体を告白した

 

そう、この『巨大な船の正体』は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私が個人で保有している『軍艦』で『救難船』もとい『鎮守府の()()()()』であり『本部の護衛船の一つ』……『金剛型戦艦 一番艦 金剛』だ」

 

「え………えぇぇぇぇぇ!?ほ……本物の……せ……()()!?」

 

「あ………あり得ないわ、こんな事って……」

 

……そう、第二次世界対戦の時に沈んだ筈の軍艦『金剛』だったのだ

 

妖夢は本物の戦艦を見て驚愕しつつも『戦艦 金剛』を見て鼻息を荒くしながら言い、陸奥に至っては『目の前にある物(戦艦 金剛)』が此処にある事すら知らなかったのか、物凄く狼狽えながら呟くと由香奈は妖夢に微笑みながら聞いた

 

「少尉、コレが動いている所を少しですが御見せしましょうか?」

 

「ッ!?良いのですか!?是非!!」

 

「……分かりました、では……」

 

由香奈は妖夢の御要望を聞き、何かを隠す様に妖夢達に背を向け、軍艦の方に身体を向かせると由香奈の身体が薄い紫色に発光し、それに合わせるかの様に軍艦も紫色の光の円陣を発しながら主砲の傾角だけを動かした

 

そう、まるで軍艦が自ら意思を持ち、妖夢達に『ようこそ』と挨拶をするかの様に……

 

そして主砲が止まり、紫色に発光した軍艦は光を消すと由香奈もまた光が収まると妖夢は軍艦の堂々とした動作に圧巻し、陸奥は由香奈に違和感を感じながら言った

 

「うわぁ……凄い……」

 

「……今、軍艦もそうだけど……貴女も()()()()()()?」

 

陸奥は自身の違和感である『由香奈が発光した事』について恐る恐る聞くと、由香奈は微笑みながら答えた

 

「そうしないと軍艦が動かないんでな……」

 

「……貴女、何者なの?」

 

陸奥は先程までの狼狽えた表情から一転し、妖夢を守る為に由香奈に近付きながら聞くと、由香奈は溜め息を吐き、自身の正体を妖夢達に暴露した

 

そう、由香奈の正体は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私は『人間』ではなく『平行世界』そして『未来の艦娘の金剛』である『メンタルモデル コンゴウ』だ……あの時は、すまなかったな……陸奥に少尉」

 

「……やっぱりね」

 

「え!?由香奈さんが………艦娘!?」

 

そう、由香奈の正体が『平行世界』そして『未来の艦娘』……『メンタルモデル』だった事に……


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