魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。   作:姫桜

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こちら番外編Part2となっております!
いやはや…腕の違いは恐ろしいですね


初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 2

執務室から出て数分後 第一前衛基地もとい『鎮守府本部』の屋内訓練所(トレーニングルーム)にて

 

「へぇ……此処が本部の屋内訓練所ですか……見たこと無い機材が沢山ありますね……」

 

「……訓練所というより『ジム』だわ……ってか、勝手に入って大丈夫なの?」

 

妖夢と陸奥は真っ先に来たのは鎮守府本部内の屋内訓練所……もとい『トレーニングルーム』に無断で入り、妖夢はバーベルやランニング装置等の大量の筋トレ用の機材に子供特有の強い好奇心に身を委ねるかの様に辺り一面を見渡し、陸奥は無断で入って来た事に内心、臆しながら呟くと、たまたま筋トレ中の『改2になった総司令官側の長門』と『総司令官側の大和』が二人に気付き、筋トレで流した汗をタオルで拭きながら陸奥の不安を一掃するかの様に微笑みながら言った

 

「大丈夫だ、此処は鎮守府に所属している者であれば誰でも自由に使っていいからな……現に『少尉側の長門()』も、ついさっきまで利用していたぞ」

 

「そうですよ魂魄少尉に陸奥さん」

 

「あ!?長門さんに大和さん、お疲れ様です」

 

「「お疲れ様です少尉」」

 

「あら、それは初耳だわ……それに長門、貴女もいつの間に『改2』に?」

 

妖夢は二人に挨拶をし、陸奥は総司令官側の長門が改2になっていた事に珍しそうに聞くと、総司令官側の長門は微笑みながら頷き、自身が改2になった経緯を簡潔に説明した

 

「ああ、提督が数日前……『資材が馬鹿みたいに余っているから長門型の二人を改2にするぞ』……って私達を連れて……」

 

「そのまま提督自ら二人に改造を施した……という訳です……しかし羨ましいですね長門さん、私も改2になりたかったのに……」

 

総司令官側の長門の言葉に羨ましそうに総司令官側の大和が呟くと、陸奥もまた総司令官側の大和に同意見なのか、羨ましそうに遠回しではあるが妖夢にお願いした

 

「……そこに関しては同意するわ大和……ねぇ妖夢……」

 

「……陸奥さん……それ『伊168さん達(潜水艦の皆さん)』が聞いたら発狂しますよ……それに今の私達の資材が『火の車』になっていますからね……この前の出撃が原因で……」

 

妖夢は遠回しに陸奥の要求を断ると総司令官側の長門と大和は思考を巡らせ、答えが纏まったのか、妖夢達が抱えている問題を解決する為『ある裏技』を妖夢達に教えた

 

その『裏技』とは……

 

「フム……なら私から提督に『余った資材の一部』を魂魄少尉の基地に()()様に伝えておくか?」

 

「そうですね、提督なら上手く『マネーロンダリング(資金洗浄)』ならぬ『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』をして、そちらに流せると思いますよ♪現に『前の事件』で()()()()()()()()()()()()()()()で『此処の所有物』として手に入れましたからね♪」

 

「え!?本当ですか!?なら……」

 

「オイ、そこの『DQN(アウトロー)戦艦』!何さらっと妖夢に『悪い事』を教えているのよ!それに妖夢、こういうのは受け取っちゃ駄目よ!こんな『色んな意味で真っ黒過ぎる資材』を受け取ったら『憲兵事案』待ったなしだわ!!」

 

……『マネーロンダリング(資金洗浄)』ならぬ『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』を行い、妖夢の基地に流す事だったのだ

 

妖夢は二人の計らいに花が咲いたかの様に喜びながら御礼を言おうとするが、陸奥は妖夢の言葉を遮るかの様にドスの効いた低い声で二人に注意しつつ、妖夢に二人の計らいを拒否させると、妖夢は陸奥に不満があるのか、母親に御菓子をねだる子供みたいに拒否した理由を聞いた

 

「え!?何故ですか!?資材ですよ!?しかも()()()()()()()()()()()()()()()()()()のですよ!!拒否する理由が分かりません!!」

 

「……あのねぇ……『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』は、そう言う『物理的な意味』では無いわよ……」

 

「え?そうなのですか?」

 

妖夢は『マテリアルロンダリング』の事を『資材を洗浄』……つまり『物理的に資材を綺麗にする』という意味で捉えてしまい、陸奥は純粋過ぎる妖夢に頭を抱えながら「そうよ……」呟くと総司令官側の長門と大和は陸奥の様子を見て苦笑し、二人は妖夢達が本部に来た理由について聞いた

 

「ハハハ……アッチの陸奥は提督に負けず劣らずの過保護っぷりだな……」

 

「長門さん……提督の場合は、ただ単に『優し過ぎる』からだと……所で少尉に陸奥さん、何故『本部(此処)』に?提督に要件があるのでしたら今、講習会の打ち合わせで食堂に居ますが?」

 

総司令官側の大和は首を傾げながら妖夢と陸奥に聞くと、妖夢と陸奥は「あ!?」と本来の『目的』もとい『時間潰し』である『鎮守府本部(第一前衛基地)見学(視察)をする事』を完全に忘れていたのか、呆気ない声を出し、二人にお願いをした

 

「すっかり忘れてました……私達『大将のお勉強会』が始まる迄の間、此処を見学しに来たのです」

 

「妖夢、それを言うなら『見学』ではなく『視察』よ……まぁ、そう言う訳だから誰か案内出来る人いる?出来れば()()()()()()()()()()()()……しかも()()()()()()()を御願いするわ」

 

陸奥は妖夢に悪影響を及ばせたくないのか、言葉の一部を強調しながら御願いすると総司令官側の長門と大和は陸奥の要求に苦笑しながら答えた

 

「私達以外に一番マシな人って……結構、辛辣(しんらつ)な要望だな……なら『金剛』ならどうだ?アイツは今日、非番(オフ)だった筈だ」

 

「……妥当ですね」

 

「え?金剛さんなら比叡さん達を連れて演習してましたよ?」

 

妖夢は二人が言っていた『金剛』が鎮守府内で演習……言わば『勤務中』だと伝えると、二人は「ソッチの方じゃなくて……」と妖夢に優しく否定(ツッコミ)をすると、紫色のジャージ(運動着)を着た金髪の若い女性が更衣室から現れ、先程の会話の一部を聞いていたのか、妖夢に簡潔ながらも自己紹介を始めた

 

「少尉、()()()()()()()()()()は艦娘の方では無く『()』の事です……そして御初目に掛かれます……私が、第一前衛基地……もとい『鎮守府本部』に所属している部隊『救難隊』の隊長をしています『金剛 由香奈(ゆかな)』と申します……階級は『曹長(そうちょう)』です……貴女の事は艦長……いえ総司令官から御聞きしました」

 

金髪の女性もとい由香奈は妖夢に一礼(敬礼)すると、妖夢は由香奈の厳格な雰囲気に圧倒しているのか緊張し、慌てながら敬礼し、由香奈に言った

 

「ご……御丁寧にどうも、大将から聞いていたかと思いますが、私が『魂魄 妖夢』です……えーっと……金剛……曹長?」

 

「……別に由香奈で構いませんよ少尉、慣れていますので……それにどうしたのですか?私に用があるって?」

 

妖夢は『艦娘の()()』と『由香奈の名字である()()』が『同じ名前』である為、少し混乱すると由香奈は微笑み、妖夢に『自身の名前』で呼ぶ事を了承すると、妖夢は胸を撫で下ろし、落ち着いた様子で由香奈に今に至った経緯を説明した

 

「ホッ……では由香奈さん、実は……」

 

 

 

 

 

 

 

妖夢 説明中………

 

 

 

 

 

 

「……という訳です、大丈夫でしょうか?」

 

妖夢は由香奈に今に至った経緯を説明し、本部の案内を御願いすると由香奈は「何だ、その事か……」と呟き、微笑みながら妖夢に言った

 

「大丈夫ですよ、私で良ければ……」

 

「ありがとうございます!では、案内を御願いします!」

 

「……少尉、その前に『普段着』に着替えて良いですか?流石に『この格好』は……」

 

「うん、流石に同じ女性として……ジャージで鎮守府内を彷徨(うろつ)くのは……ちょっと……ねぇ……」

 

「……分かりました」

 

由香奈は妖夢の要求を了承したものの、今の彼女の服装が正装ではないのか、はたまたジャージで案内する事に抵抗があるのか、妖夢に服装を着替えたい事を伝えると陸奥は由香奈の心情を察し、妖夢は笑顔で了承すると、由香奈は脱兎の如く更衣室に入った

 

そして数分後……

 

「……お待たせしました少尉」

 

「「ッ!?」」

 

妖夢と陸奥は由香奈の『普段着』を見てドン引きし、狼狽えながら言った

 

何故なら……

 

「うわぁ……む……『紫色のドレス』に『ツインテール』……凄く……派手です……」

 

「何その『冷酷な女王様ファッション』は!?妖夢が真似したらどうするの!?ってか運動着(ジャージ)と言い、ドレスと言い……どれだけ紫色が好きなの!?」

 

……由香奈の普段着が『紫のドレス』だったのだ

 

陸奥は由香奈のファッション的な意味で妖夢に悪影響を及ぼす事を懸念し、由香奈に強い口調で一喝(ツッコミ)を入れると、由香奈は陸奥の一喝(ツッコミ)に少々呆れながら答えた

 

「……『冷酷な女王』とは失礼だな陸奥……せめて『上品な御令嬢(マドモワゼル)』だと言って欲しいな」

 

「いやいやいや、これはどう見ても『悪役級の女王様』よ……貴女の近寄り難い雰囲気と相まって……」

 

「確かに………それに由香奈さん『マドモワゼル』って?」

 

「フランス語で『御令嬢』という意味です、少尉」

 

「妖夢……これ以上、彼女について聞かないで……私が疲れるから……」

 

陸奥は由香奈に対してのツッコミによる疲れなのか、頭を抱え、溜め息を吐きながら妖夢に言うと、妖夢は由香奈のファッションに少し慣れたのか、普段通りの可愛らしい表情になり由香奈に言った

 

「分かりました、では由香奈さん……案内を御願いします」

 

「了解しました……では今日は特別に隣の『特設ドック』から案内しますので着いて来て下さい」

 

「え!?あの『特別防衛機密取扱者』しか入れないドック……あの『本部専用ドック』ですか!?是非!!」

 

「……何か嫌な予感がするわ……これが杞憂であれば良いのだけど……」

 

陸奥は何か嫌な予感を感じていたのか頭を抱えながら由香奈と妖夢の後を着いて行った。


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