魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。   作:姫桜

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えー、長きに渡り待っていてくれた人がいたら…一言だけ


申し訳ありませんでした


最早言い訳の余地もないですが、あるだけの言い訳を述べるならば腕を戻すのに時間がかかった、少し面倒な病気にかかって手術してただのの言い訳はできますが、しかしこんな戯言で罪を逃れるつもりはありません…
しかし、腕がほとんど戻った今投稿を再開致します(見てくれる人がいるかは別として…)

しかし、今回の作品はとある人に書いてもらった作品となっています。
恐らく一週間後に私の作品は上げることが出来るので、どうかもう少し待っていてください…


桃色鎮守府の破天荒な仕事始め

クリスマスの件(聖夜番外編)から数日後 1月4日 執務室にて

 

1月4日……そう、この日は旅行等で年末年始を過ごした人達が今年初めて『通勤』又『通学』をすると言う勤勉な日本人にとって憂鬱な日である

 

勿論、妖夢が所属している鎮守府もまた……

 

「「「………妖夢!明けましておめでとう!!」」」

 

「明けましておめでとうございます皆さん♪年末年始は楽しかったのですか?」

 

「「「はい!」」」

 

「あ!?あ……明けましておめでとう……ハァ……」

 

……憂鬱な表情になっていた者も居た

 

「ん?どうしたのですか?長門さん?」

 

妖夢は何故か憂鬱な表情になっている長門の事が心配し、二人の身長差の関係上、仕方ない事だが下から長門の顔を覗き混み、微笑みながら聞くと、長門は下から覗き混んできた妖夢の可愛らしい行動に少し顔を綻ばせたものの『とある人物』の事が相当気掛かりになっているのか、再び憂鬱になり、憂鬱になった原因を妖夢に告白した

 

その原因とは……

 

「……『総司令官』が横須賀の臨時教官任務から帰投したんだ」

 

「「「え!?『総司令官』が!?不味いかも……」」」

 

……妖夢の直属の上官であり鎮守府のトップ『総司令官』が横須賀から帰ってきた事だった

 

妖夢は長門が言っていた『()()()()と言われている人』と親しい間柄の関係なのか、首を傾げながら聞き返した

 

「ん?何故、総司令官が帰投した位で怯えているのですか?むしろ喜ばしい事じゃないですか」

 

「妖夢……貴女は知らないのか!?あの『()()()()()()()()()()()』である総司令官が戻るって事は……」

 

「妖夢、悪い事は言わねぇ……アイツとの接触を控えるんだ……あんなヤクザみたいな海軍大将……妖夢にとって『かなりの悪影響』いや『毒』そのものだ……」

 

長門と天龍は自身の上官である総司令官の日頃の行いや立ち振舞いを聞いていたのか、妖夢は天龍達が総司令官の悪口を聞いて、溜め息を吐きながら弁解した

 

「化け物って……皆さん言い過ぎですよ、まぁ彼は少し過激な行動を起こす事はありますが部下や艦娘達を第一に考える凄く優しい人ですよ……それについては皆さんが一番知っている筈では?」

 

「それは分かっている!私達も総司令官に世話になっている身だ……恩義もある……だが……」

 

「色々と()()()んだよ……アイツは……」

 

長門と天龍は妖夢の反論を認めつつも妖夢が総司令官の影響を受ける事を危惧していると、妖夢は少し呆れながら更に弁解を続けた

 

「そうですか?現に彼は私が着任する3ヶ月前に着任して、すぐに『海軍史上最低最悪のブラック鎮守府』と言われていた此処を根本的に改善したのですよ、それに総司令官のお陰で糞……じゃなかった、ヤリ………「「ストーップ!!!早速、総司令官の影響を受けているんじゃないか!!むしろ言い直した方が酷くなっている!!」」」

 

長門達は妖夢が発しようとした『汚い言葉』を遮る様に一喝すると、妖夢は先程の『汚い言葉』を訂正するかの様に咳払いをし、前任が隠していた資材の行方について説明を続けた

 

「ゴホン……そうでしたね………では話を戻しますが……総司令官のお陰で前任達が隠していた資材を『総司令官の実家』に売り捌く事が出来たのですよ」

 

「はぁ!?あの『ヤバい所』にか!?」

 

天龍は妖夢が発した『総司令官の実家』を聞いて血相を変えながら妖夢に聞くと、妖夢は微笑みながら答えた

 

「はい……『総司令官』と『総司令官の御祖父様』に事情を説明したら二人共、喜んで買ってくれました♪そして総司令官が『孫』という立場を利用し、今後の為に彼の御祖父様に『定期的な個人的援助』を要求した御陰で総司令官の実家から食料や金銭、資材等の消耗品が此処に送って来る様になったのです♪」

 

「はぁ!?嘘だろ……あの『一族』が妖夢の……いや此処のスポンサーについた……なんて……」

 

「「「マジかよ……『世界一ヤバい相手』に総司令官は……凄すぎる……」」」

 

「全くです、だから彼を悪く言うのは止めて下さい」

 

妖夢は総司令官と言われている男を庇うかの様に長門達を説得すると、大き目のアタッシュケースを持ち、白い軍服を着た若い男性と男性の秘書艦である赤城が入室し、先程の会話を聞いていたのか、苦笑しながら妖夢達に言った

 

「ハハッ、そんなの気にして無ぇよ……明けましておめでとう、妖夢にみんな」

 

「皆様、謹賀新年……今年も鎮守府本部の皆々を宜しくお願い致します」

 

「「「あ……明けましておめでとうございます!!!総司令官!!」」」

 

「明けましておめでとうございます、大将に赤城さん」

 

「そんなに緊張しなくて良い……ちょっと机を借りるぞ」

 

妖夢は静かに一礼し、他の艦娘達は慌てながら敬礼をすると執務室に入ってきた若い男こと『総司令官』は妖夢に渡したい物があるのかアタッシュケースを机の上に置き、ケースの鍵を外し、開封すると大将はケースの中から『海軍少尉 魂魄妖夢』と達筆な字で書かれていた『かなり分厚い封筒』を取り出し、妖夢に渡した

 

その『渡した物』は……

 

「妖夢……はい、お年玉だ」

 

「え!?私に……ですか!?」

 

「「「はぁ!?お………()()()ァ!?何で!?ってか、いくら入っているの!?」」」

 

……そう、子供にとって今年最初のプレゼント『お年玉』だったのだ

 

妖夢は自身がお年玉を貰える事自体、考えていなかったのか目をパチクリと瞬きをし、長門達と共に驚愕しながら聞くと総司令官は首を傾げながら聞き返した

 

「ん?(上官)(部下)に『お年玉』をやるのは当たり前な事なのに……驚く事か?」

 

「いや……だって……お祖父様が武者修行に行ってから貰った事が……それに封筒が、かなり厚いんだが……」

 

妖夢は封筒を手に持ち、かなり分厚い中身に戸惑いながら聞き返すと総司令官側の赤城が微笑みながら答えた

 

「少尉、それは貴女が軍人ではある前に『子供』しかも『私達の家族』ですから『少尉含め皆さんの親代わり』であり『鎮守府の大黒柱(総司令官)』である提督からお年玉を貰うのは至極当然ですよ……それに少尉は私達が留守の間、色々と働いてくれたのですよ♪だから私達の感謝の気持ちを込めて提督に多めに入れる様に御願いしたのですよ♪」

 

「そういう事だ……帰ったら『幽々子(アイツ)』に腹一杯、喰わしてやれ♪」

 

「ッ!?あ……ありがとうございます!!本当に助かりました!!」

 

妖夢は二人の粋な計らいに心底嬉しかったのか、満面な笑みを溢しながら礼を言うと、長門と天龍は天使の様な妖夢の可愛らしい笑みに悶絶しているのか、鼻血を垂れ流しながら総司令官に聞いた

 

「つかぬことを御聞きしますが総司令官、そのお金は何処から……」

 

「それに……そのケースに入っているお年玉の総額……一体いくら入っているんだ?」

 

二人は総司令官に『金の出所』と『アタッシュケースに入っているお年玉の総額』について鼻血を垂れ流しながら聞くと総司令官はポケットティッシュを取り出し、ティッシュを二人に渡しながら答えた

 

「二人共、これで鼻を拭け、みっともないぞ……金の出所は俺のポケットマネーで総額……大体『10万位』だ」

 

「「「はぁ!?たったの『10万』!?」」」

 

「いやいやいや!!妖夢のお年玉だけでも『10万』は軽く越えているぞ!!」

 

「総司令官!私達に冗談を言うのは止めて頂きたい!」

 

「そうですよ大将、今チラッと中身を見たら『100人以上の福沢さん』は確実に入っていましたよ!!」

 

長門、天龍そして妖夢は総司令官が発した値段を聞き、妖夢のお年玉の膨らみを見て驚愕しながら聞き返すと、総司令官側の赤城が苦笑しながら説明した

 

「いいえ、提督は冗談を言ってませんし間違ってもいませんよ……何せ10万は10万でも……『10万()』ではなく『10万()()()』を提督がポンと出してくれましたからね」

 

「え……じゅ………()()()()()()!?」

 

「「「え?10万………『ユーロ』?」」」

 

「ユーロ?天龍さん、ユーロって何ですか?」

 

天龍はお年玉の本当の総額が分かったのか、驚愕し、妖夢は驚愕している天龍に聞くと、天龍は狼狽えながら妖夢を始め、首を傾げている長門達にケースの中に入っている金額教えた

 

その『金額』は………

 

「『ユーロ』って言うのは仏国……ヨーロッパの『通貨』の事さ……ちなみに今現在の1ユーロを日本円で換算すると確か……『125円』から『130円』位だ………つまり、あのケースに入っている俺達のお年玉の総額が………大体()()()()()()()()()()()があのケースの中に入っているんだ!!しかも妖夢のお年玉の中身から察するに俺達のお年玉は『ユーロ紙幣』じゃなくて、ちゃんと『日本円紙幣』に換金した状態で封筒に入っているんだ!!」

 

「「「え………えぇぇぇぇ!?1300万!?家買えるじゃん!?しかも総司令官(大将)自身のポケットマネーでぇ!?」」」

 

……1300万円近くの大金がケースの中に入っていたのだ

 

妖夢達はケースに入っているお年玉の総額を聞き、慌て、動揺すると総司令官は妖夢達の様子を見て苦笑しながら言った

 

「……()()()()()()()()()のに……大袈裟だな……オメェラ……」

 

「いやいやいや!()()()()()()()ですよ!!昔からそうでしたが、大将の金銭感覚が可笑しいだけです!!霊夢さんが『コレ』を見たら事変勃発待った無しの金額ですよ!!」

 

「「「そうですよ!!異常です!!」」」

 

妖夢と長門達は総司令官の金銭感覚にツッコミを入れると総司令官側の赤城は妖夢達の意見(ツッコミ)に同意見なのか、苦笑しながら言った

 

「そうですよ提督、これに関しては私も魂魄少尉や皆さんと同意見です……それよりも……」

 

 

 

 

グゥ~……

 

 

 

 

「……お腹過ぎました……」

 

 

総司令官側の赤城は空腹なのか腹部から騒音に近い音を発し、腹部を押さえながら総司令官に言うと、総司令官は頭を抱えながら妖夢に言った

 

「泣けるぜ……それじゃ妖夢、俺達は仕事に戻るから、みんなのお年玉の事は任せたぞ……勿論、分かっていると思うが自分のお年玉以外のお年玉で私腹を肥やさない様にな……じゃあな」

 

「失礼しました……」

 

二人はケースを机の上に放置した状態にし、そのまま執務室を後にすると妖夢は『大金が入ったケース』を見て、頭を抱えながら天龍に相談した

 

「……この大金、どうします天龍さん?」

 

「お……おおおお俺に……し……質問をするな!俺だって聞きてぇ!!こんな大金……見た事も無ぇよ!!木曽!!何か良い案があんのか!」

 

「無い!俺だって聞きたい位だ!姉貴は?」

 

「無いクマ……これは誰だって腰を抜かすレベルの大金だクマ……」

 

「そうだよなぁ……かと言って『お年玉(ケース)』を総司令官に返すのも何か悪い様な気がするなぁ……」

 

「……全くだ……あの総司令官の御厚意を無駄にしたくないからな……」

 

「フム………困りましたね……長門さん、何か良い案がありますか?」

 

天龍と木曽そして妖夢は狼狽えながら相談し始めると長門もまた少し動揺しながらも『お年玉』の使い道を考え、結論が出たのか妖夢達に言った

 

その結論は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なら皆のお年玉の『9割』……大体『1200万円』を今後の鎮守府の活動費として納めたらどうだ?流石に私達『個人』で使いきれる金銭では無い……それに嘗て総司令官は極秘任務中のトラブルとは言え、一時的に総司令官側の赤城と共に『テロリスト』として全国指名手配にされた御方だ……きっと『私達が聞いてはいけない方法で稼いだ悪銭』だと思うからな……」

 

……そう『色んな意味で真っ黒な金銭』こと『総司令官からのお年玉』の殆どを活動費に納める事だったのだ

 

そして妖夢達もまた………

 

 

「「「さ……賛成です、これは……ヤバ過ぎます……」」」

 

………と狼狽えながらも長門の意見に賛成したのは言うまでも無かった


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