戦闘描写は苦手なんですよね…
課題なんてやってられるかーい!
…ここで、今回の作戦の内容を説明しよう。
作戦名【ばったん作戦】は戦闘海域を扉に見立てている。
編成される艦隊は足止めを担当する【囮艦隊】と戦力に応じて動く【遊撃艦隊】である。
戦艦や重巡、空母からなる大艦隊であるが妖夢の鎮守府では中ほどの
練度というのは本当に大事で、練度の高い駆逐艦一隻が無傷で敵の戦艦三隻を撃沈できることだってできる。
妖夢の鎮守府で最も練度の高いのは主に軽巡、駆逐である。
そのため主力はその二種の艦娘なのだ。
さて、その二種は別に役割のある艦隊を編成している。
それは【右扉高速侵攻艦隊】【左扉高速侵攻艦隊】の二艦隊である。
右扉はトップクラスの練度を誇る天龍、木曾が編成された艦隊であり、こちらは軽巡二、駆逐十の編成だ。
左扉艦隊は駆逐艦と軽空母が編成され、軽母の中でトップクラスの練度を持つ鳳翔、龍驤が主力となる軽母三、駆逐十二の編成。
天龍、木曾は軽空母に勝る力を持っているため、侵攻にはこれで充分だろうと考えられた。
この作戦は三フェーズに別れて行われる。
深海棲艦側には【囮艦隊】のみを補足させており、戦力も必然的に囮艦隊側へ寄っていっている。
すると戦線が薄くなり、突破は容易くなる。
第一フェーズでそこを突破するのが侵攻艦隊だ。
第二フェーズでは侵攻艦隊は突破の後、【第一戦線維持艦隊】 【第二戦線維持艦隊】に戦線を任せ転回、囮艦隊と交戦している艦隊を後ろから攻撃するのが役割となる。
同時に囮艦隊は遊撃艦隊と合流、攻勢を仕掛ける。
撤退のできない深海棲艦を撃沈するのが第三フェーズである。
それが今回のばったん作戦の内容である
長門side
「そんな…幾らなんでも危険よ!」
私の
「大丈夫だ。私は沈まん。陸奥、金剛、比叡、私をできるだけ援護してくれ。高雄らは無理をせずに三人の間を埋められるだけ埋めてくれ。私が肉薄して戻るまでの間だけで大丈夫だ。」
「「了解です!」」「Roger!」
「…長門、沈まないでね」
未だ心配そうな陸奥が願うように言ってきた。
だから私は…
「無論だ。姉の勇姿を見ていてくれよ?」
と、サムズアップを返した
さぁ、覚悟は出来た。
「突撃!!」
ル級?side
「
近くで私の護衛を行うイ級がこちらへ報告をしてくる。
確かに艦隊から外れ突っ込んでくる戦艦が一隻みえる。
「血迷ッタカ?…油断ハスルナヨ。全艦隊ニ通達、戦艦ト重巡ハ突ッ込ンデクル戦艦ヲ優先的に攻撃、駆逐艦、軽巡洋艦ハ戦艦重巡ノ援護ダ。」
全艦に指令を出した後、私も攻撃に移る。
何がしたいのかは知らんが、私には勝てない。
姫一歩手前まで来て、今更沈めるか…!
「砲角、良シ、風、ナシ、撃テッ!」
視界が白に染まった直後、黒に染まる。
轟音とともに放たれた砲弾は…
「…ッチ、避ケタカ。」
急速に動いた戦艦に回避された。
しかし素早いな…タービンが良いのか?
…いや、待て、違う
アイツ…正気か…!?
「艤装ヲ外シテイル!!??」
奴は武装や盾となる艤装を外し最大まで軽量化しているんだ!
道理で当たらないわけだ!だが…!
「バカメ…当タレバ終ワリダトイウノニ突ッ込ンデ来ルトハナ!」
副砲など、できる限りの砲を使いやつに狙いを定める。
他の戦艦もそれに気付き攻撃はさらに激しくなる。
激しくなっているはずなのに…!
「クソッ!何故当タランッ!!」
…ここで、かつてブラック鎮守府の内情について話そう。
かつて、艦隊に損傷をおったものが居ると「連帯責任」とされ、全員が酷い罰を受けた。
しかし移動速度の遅い戦艦はどうしても攻撃を受けてしまう。
しかし新たなタービンも貰えない。
ではどうするか
そのままの推力で回避する術を学ぶのだ。
結果、彼女たちは所謂行進間射撃のように最大戦速で不規則に動き回り砲撃を当てる術を学んだのだ。
その中でも特に回避力が高かったのは長門である。
そんな長門にとって、砲弾の雨を掻い潜るのは造作もないことであった。
そう、片手に徹甲弾を持ちながらでも…
「(クソッ!クソッ!奴ハ何ヲスル気ナンダ…!一体ナニヲ…!)」
ル級は恐怖していた。
なぜ攻撃手段もないのに何故突っ込んでくるのか?
何かの作戦か?だがどんな作戦か全くわからない。
わからないわからないわからない
しかし、今はとにかく迎撃をしなくてはならなかった。
とてつもない恐怖感に押しつぶされそうになりながら…
長門side
「(あと少し…あと少しだ…!!)」
常に飛沫が身体を襲う中、高速移動を続ける長門はル級から目を離さなかった。
右手に持つ徹甲弾を落とさないよう気をつけながら、砲と身体から絶対に目を離さなかった。
やがて、奴の砲がキラリと輝いた
「(来るっ!!)」
身体を無理矢理右へ
すると直前まで居た場所に巨大な水柱が立つ。
アレに当たれば今の自分は間違いなく沈む、そう思うと思考が単純になっていき、同時に恐怖と高揚感を覚える。
「今、私はここに居るぞっ…!!!」
機関を全速で奴の方へ
唯一艤装がついている足裏が熱くなって来ているが知ったことではない
あと少しでたたき込めるんだ…!!
「うぉぉぉぉぉおおおお!!!!!」
あと少し、あと少し
「ヌァァァァア!!!」
だが、突然ル級は恐怖のあまりか艤装を手放し、私に拳を振り上げてきた。
だが、残念だったな
「はぁぁぁっ!!」
私は素早く懐に潜り込み振り上げられたその手の手首を掴み
「おぉぉっ!!」
思いっきり背負投を決める!
「グゥッ!?」
海面に叩きつけられたル級は肺から全ての空気を出しつつも、しかし果敢にも私に蹴りをみまおうとしたが…
「これで終わりだ!」
私は右手に持っていた徹甲弾を振り上げ、奴の足より早く奴の顔面へぶち込んだ!!
……
「はぁ…はぁ…まだやるか…?」
近くのイ級eliteへ声をかける
「オ…長ガ…長ガヤラレタ!」
「長…!」
「無理ダ!逃ゲロ!!」
すると深海棲艦は思い思いの方向へ(尤も、私の方や味方の方には行ってないが)逃走を始めた。
軍隊としては完全に統率を失ったな。
あとは侵攻艦隊に殲滅されるだろう。
「ふぅ…疲れた…」
こちらに駆け寄ってくる妹を見ながら、長門は満足気に息を吐いた