ハロウィーン
仮装で有名なこの行事、今や日本では大々的にコスプレできるイベント事になっているこれは、勿論妖夢の鎮守府でもクリスマスに並ぶイベントとして扱われた。
妖夢は子供側である、つまり「トリックオアトリート」側である。
半霊と一緒にどこかで見たような黒いエプロンドレスとこれまたどこかで見た黒い三角帽子で魔女っ娘になった妖夢が「トリックオアトリート」するのである。
そうするとこんな光景が出来上がるのであがった…
「長門さん!トリック オア トリート!」
「トリックをお願いする」
この長門は相変わらずである。
陸奥がやってくる駆逐艦に給料はたいて買ってきたお菓子を箱単位で渡しまくるのではなく、トリック希望である。
「トリック、ですか?でもお菓子をくれればしませんよ?」
「いいや、トリックで頼む。」
うぅん…としばらく妖夢が唸ると、パッと顔を上げた。
「じゃあ…私を肩車して私と一緒に回りましょう!」
これを聞いた瞬間長門が天に感謝したのは言うまでもない。
「提督!ずるいです!」
「長門さん!私もおんぶしてよ!」
「構わん…こい!」
津波のごとく暁を筆頭に一部の駆逐艦もやはり肩車?をせがんできた。当然であろう。
それを苦笑して「大丈夫かな…」と長門を心配そうに見ている妖夢の心配は要らないものであった。
長門の顔は笑顔であった、驚く程に笑顔であった。
今ここで死んでも悔いはないと言うような顔である。
結果、長門は五以上の駆逐艦を肩から腕やらまで使って自分の上に乗せることになったが…そこはさすがのビッグセブンである。全く同じることは無い。
「あのう、長門さん。大丈夫ですか?」
先程まで乗ってきた駆逐艦達と貰ったお菓子の話をしていた妖夢が長門を心配し声をかけた
しかし長門はこの瞬間、この時を至福だと感じているのだ。
「あぁ、問題ない。むしろもっと来てもいいくらいだぞ」
「そ、そうですか?ならいいんですけれど…あ!次は天龍さん達のところに行きましょう!」
「軽巡寮だな?わかった。長門、全速前進する!」
そうして軽巡寮へやってきた妖夢一行は早速天龍の歓迎を受けていた。
もちろん後ろには他の軽巡洋艦達がお菓子をもって待機してる
「よう提督!さぁ、何がお望みだ?」
「もちろん…」
「「「「「トリック オア トリート!」」」」」
「ようし、じ魔女やおばけ達は怖いからな!さぁ、好きなだけ持っていけ!」
軽巡寮を中心に、最終的ちハロウィーンは夕食先越しのパーティーとなった。
かぼちゃ主体の夕食を入れ、甘味を大量に食べて後日愕然とする艦娘こそいたが、しかし全員がその日を楽しく乗りきったのは違いなかろう。