魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。   作:姫桜

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会食(戦闘)準備

妖夢達が調理を始めてから15分後 1915 『本部専用食堂』改め『特設会食場』にて

 

ガヤガヤ……

 

グゥ~………

 

「………遅いわね、優花さん」

 

幽々子は轟音に近い空腹音を発し、空腹による苛立ちを醸しながら隣に座っている総副司令官に言うと、総副司令官もまた講習会に参加出来なかった事による心残りがあるのか、残念そうに溜め息を溢しながら答えた

 

「……そうですね、はぁ~……私も講習会に参加したかったな……」

 

「……それは止めなさい、貴女が参加すると勇人(カレ)の仕事が増えるだけよ……只でさえ貴女が夕立ちゃんに()()()を教えたせいで混沌と化した講習会にトドメを刺したんだから……」

 

「ッ!?そ……それは……その……ごめんなさい……」

 

幽々子は先程の『混沌(カオス)と化した講習会』にトドメを刺した元凶である総副司令官の『卑猥な意味での海軍隠語』を夕立に教えた事を会食に同席しているハリー達を配慮してなのかオブラートに包みながらも、その言葉を強調しながら言うと総副司令官は気不味そうに謝罪すると総司令官の秘書艦である赤城は総副司令官に呆れながらも二人に聞いた

 

「ったく……少しは自重して下さい優花さん、ちなみに西行寺さんにハリー君……でしたっけ?何か食べてみたい料理や苦手な料理、食物アレルギー等はありませんか?あったら提督に伝えますが?」

 

「お気遣いありがとうございます、アカギさん……なら日本の家庭料理を食べてみたいです」

 

「大丈夫よ♪『和洋中』何でもバッチコイよ♪まぁ強いて言えば『量』……かな♪」

 

「分かりましたハリー君………ん?量?ハリー君、西行寺さんって少食?」

 

赤城は幽々子の発言に首を傾げ、彼女の女性らしい細い腹回りを見て憶測で答えると、総副司令官の隣に座っているハリーが気不味そうに答えた

 

「いえ……サイギョウジ先生は……ポグワーツ1の大食婦人です」

 

「失礼ねハリー、私は赤城さん(カノジョ)勇人(カレ)みたいに大食らいじゃないわよ……まぁそう言う訳だから『御通し』含めて私の分は此処の最大の大盛である『超弩級盛り』でお願いするわ」

 

「……食べれるのですか?結構ありますよ?」

 

赤城は幽々子がハリーの言葉に少し顰めっ面になりながらも本部(此処)でしか頼めない大盛『超弩級盛り』を注文した事に心配しながら聞き返すと、幽々子は微笑みながら「大丈夫よ、問題無いわ♪」と答えると『改造すらしていない妖夢側の一航戦』が赤城の『超弩級盛り』という言葉を聞き、血相を変えながら赤城に注文した

 

ちなみに表記を忘れていたが総司令官側の赤城は既に『改2戊』になっているのは先に言っておこう

 

「「ッ!?『超弩級盛り』……だと!?なら私達も『超弩級盛り(ソレ)』で御願いします赤城さん(アッチの私)!!私達の所では『大盛(ふつう)』が限界なので!!」」

 

「……貴女達もですか」

 

「「はい!!」」

 

妖夢側の一航戦は兎も角、幽々子は赤城の心配事を吹き飛ばすかの様に微笑みながら最大級の大盛である『超弩級盛り』を赤城に要望すると赤城は妖夢側の一航戦(自分自身)に少し苦笑しつつも、場の雰囲気を更に柔らかくする為に微笑みながら言った

 

「分かりました、それでは提督に御伝えしますね♪」

 

「宜しくね赤城さん♪」

 

「お願いしますアカギさん」

 

「「御願いします!!」」

 

二人は赤城に礼を言うと、赤城は笑みを溢しながら厨房に向かった

 

ちなみにハリーは二人の加賀と赤城を見て……

 

「サイギョウジ先生、何故ミセスが二人居るのですか?双子ですか?」

 

「まぁ、ある意味『正解』よ……後この事に関しては()()()()()()()()()()……色んな意味で……」

 

「「そうですよ、これに関しては禁忌(タブー)に触れる事なので御答え出来ません………」」

 

「わ……分かりました……」

 

ハリーの禁忌な質問に少し困惑した幽々子と一航戦(妖夢側の赤加)であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり 厨房にて……

 

 

トントン……

 

ジュ~……

 

厨房では妖夢の熟練した包丁捌きによって気持ちが良い位のリズミカルな音を発し、フライパンには香ばしいタレが掛かった鶏肉を焼いているのか、辺り一面には焼いている鶏肉とタレの香ばしい匂いが立ち込めていた

 

妖夢は切り終えたキャベツを皿に盛り付けをし、鶏肉を焼いている加賀に焼き具合について聞いた

 

「加賀さん、照り焼きの状態は?」

 

「……上々です」

 

そう、妖夢が作っているのは日本の家庭料理でお馴染みの『鶏の照り焼き』である

 

加賀は妖夢の質問に『自身の相棒(赤城)』のセリフをオマージュし、微笑みながら答えると豚汁を作っている陸奥は日頃から妖夢の熟練した腕前を常日頃から見ていたのか、妖夢と遜色無い腕前を持つ加賀に呆気を取られながら聞いた

 

「私達の方の加賀と比べて手際が良いわね……貴女もそうだけど、本部の艦娘達って凄い『人妻感』が滲み出ているわね……もしかして既に総司令官と……」

 

「……陸奥さん、少尉の前で『猥談』は禁止よ……それに『少尉側の私』と一緒にしないで、ちなみに私達(本部)の方は磯風さん以外全員、料理を嗜むわ」

 

「……それって総司令官の命令で磯風以外、全員が料理を学んだの?ってか、()()()()()()で言ったつもりでは無いから……」

 

陸奥は加賀の発言に一部、否定しながらも自身の憶測を入れながら加賀に聞くと、加賀は陸奥の憶測を一部、肯定するかの様に若干、笑みを溢しながら答えた

 

「いいえ、これに関しては赤城さんの『提案』よ……赤城さんは『戦い』しか知らなかった私達に『別の生き甲斐』を与える為に『この事』を提督に助言し、提督が私達全員が料理を嗜め易い様に業務用……しかも最高級の調理器具や料理本を提督の実家であり世界最大の財閥『上城財閥』を経由して自腹で買い込み、私達でも手軽に調理し易い環境を作り上げた……という訳よ、まぁ磯風さんの腕前は……あの『お人好しの塊』と言われている、あの面倒見の良い提督ですら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だから提督は磯風さんに仕方無く『料理禁止令』を発令したのよ」

 

陸奥は加賀の……否、本部に所属している磯風以外の艦娘全員が料理を嗜む理由を聞き、豪快過ぎる総司令官の金銭感覚に呆れ返りながらも、加賀が発言した『上城財閥』について先程の盗撮事案に総司令官の身体の『ある場所』が写っていた事を思い出し、2つの出来事(ピース)が繋がったのか、少し狼狽えながら聞いた

 

「この厨房の調理器具全てが総司令官のポケットマネーで……お年玉と言い、高級調理器具と言い……どんだけ金銭感覚が狂っているのよ……ん!?上城財閥!?ねぇ加賀、貴女さっき……総司令官の実家は『上城財閥』と言ってたわね……あの『龍の和掘』と言い……まさか総司令官の前職は……」

 

陸奥は加賀が発した『上城財閥』の『裏の顔』を知っているのか、冷や汗を掻きながら聞くと、加賀の変わりにキャベツを切り終えた妖夢が二人の会話を聞いていたのか何食わぬ顔で陸奥の質問に答えた

 

そう、総司令官の実家である『上城財閥』の『裏の顔』そして『総司令官の前職』は……

 

「あれ?天龍さんや長門さん達から聞いていなかったのですか?勇人さんの前職は学生を兼業しながら『格闘家』として、そして上城財閥の『裏の家業』である世界最強の指定暴力団『神城会(かみじょうかい)』の一員……言わば『極道者(ヤクザ)』として、お金を稼いでいたのですよ……まぁ私の故郷(幻想郷)では先程、幽々子様が暴露しちゃったので、此処では割愛しますが……」

 

「………うん、やっぱりね……だって、あの背中は……ねぇ……あの馬鹿姉、何で『この事』を教えてくれなかったのよ……」

 

……上城財閥の裏の顔は世界最強の極道組織『神城会』であり、総司令官は当時、学生でありながら『格闘家』兼『極道者(ヤクザ)』として生業としていたのだ

 

陸奥は総司令官の前職を聞き、総司令官の背中に彫られている和彫『応龍』を見て薄々、感づいていたのか困惑しつつも納得すると先程、ハリー達の要望を聞いてきた赤城が厨房に訪れ、微笑みながら妖夢達に言った

 

「少尉、一応ハリー君達の要望を聞いてきたのですが……問題ありませんね」

 

赤城は今現在、妖夢が調理している『鶏の照り焼き』を見てハリーの要望が既に叶っている事に安堵しながら言うと、加賀は何も調理しない赤城に少し苛ついたのか、はたまた妖夢との調理(共同作業)を邪魔されたのか、少し不機嫌そうに答えた

 

「……分かりました」

 

「ん?加賀さん、何で機嫌が悪いのですか?」

 

赤城は不機嫌な加賀に首を傾げながら聞くと陸奥は加賀の心情を大体察したのか、頭を抱えながら言った

 

「……『働かず者、食うべからず』よ、貴女も手伝いなさい」

 

「嫌です、それに私は非番(オフ)なので働く必要がありませんから」

 

「一応、私も非番(オフ)ですが……」

 

加賀は赤城の言葉に呆れながら呟くと別の厨房から総司令官は自身が調理した『特殊食材を使った減量料理』と日本酒を御盆に乗せた状態で運搬しながら赤城に言った

 

「ふぅ……漸く出来上がった……んじゃ赤城、()()を幽々子に渡してくれないか?」

 

「ッ!?て……提督……()()を西行寺さんに……ですか……」

 

赤城は総司令官が調理した『減量料理』を見て、トラウマが甦ったかの様に顔面蒼白になり、狼狽えながら聞き返すと陸奥は赤城の狼狽えた様子を見て首を傾げながら総司令官に聞いた

 

「ん?どうしたの赤城?そんなに狼狽えて……」

 

「……提督!何故、私が味わった地獄を西行寺さんにやらせるのですか!!」

 

「人の話を聞きなさいよ……これが総司令官の減量料理ね……ッ!?成程……」

 

陸奥は質問を無視された事に少し不機嫌になり、赤城は狼狽えと怒りを交えながら総司令官に問い質すと陸奥は総司令官の考えが分かったのか、その事を完全に把握している妖夢に『特殊食材の正体』を打ち明けながら妖夢に聞いた

 

その『特殊食材の正体』とは……

 

「……『乾燥ワカメ』を使うとは……考えもしなかったわ……これを使って一体どうやって西行寺さんを満足させるの?」

 

「……至ってシンプルな方法ですよ、勇人さんの減量料理のメイン食材である『巨体な乾燥ワカメ』と『ごく少量の胡麻油』だけで軽く和えた料理(御通し)『乾燥ワカメの胡麻和え』を幽々子様が日本酒と一緒に食べれば乾燥ワカメは(水分)を吸収する事により数倍に膨らみ、一気に満腹感が得られる……と言う訳です……ってか赤城さん、貴女も食べた事があったのですか……これを早急に幽々子様に渡して下さい」

 

「うわぁ……かなり『えげつない料理』ね」

 

「まぁ勇人さんが作ったので味は保証出来ますし、ワカメには『食物繊維』でしたっけ?それが入っているので身体には良いのですよ……ただ、すぐに御腹一杯になりますが……」

 

そう、総司令官が言っていた『日本人しか分解出来ない特殊食材』とは『乾燥ワカメ』の事だったのだ

 

陸奥は総司令官の『えげつない作戦』もとい『ダイエットメニューの原理』を聞き、ドン引きし、妖夢は赤城に総司令官が調理した乾燥ワカメと胡麻を使った御通しである『乾燥ワカメの胡麻和え』と日本酒『手取川』を幽々子に渡す様に御願いすると赤城は今から幽々子が味わう『この後の地獄』を鮮明に想像出来たのか、身体を震わせながら妖夢と総司令官に忠告しながら二人の御願いを承諾した

 

「分かりました……ただ、()()()()()()()()()()()()()()

 

「寧ろ、()()()()()()()()から調理したんだ……頼んだぞ」

 

「御願いします、赤城さん」

 

赤城は二人の悪魔染みた考えに恐怖を抱きながら『乾燥ワカメの胡麻和え』と日本酒を乗せた御盆を幽々子に向けて運搬し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全てを見ていた紫は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……幽々子……胃薬いる?」

 

「必要無いわよ紫、私が料理(えもの)に屈する筈が無いわ」

 

「……一応、忠告はしたからね」

 

……総司令官の『えげつない作戦(料理)』により身震いをし、嫌な予感を感じたのは言うまでも無かった


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