魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。   作:姫桜

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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 7

講習会が開講した頃 鎮守府本部 総司令官室もとい『本部専用執務室』にて

 

「あー!!もう!!妖夢ちゃんのは兎も角、何で私が椛ちゃんの仕事をしなくちゃいけないの!!私だって参加したいわよ!!」

 

本部専用執務室には『下ネタを言う某Vチューバー(ミライア〇リ)』を黒髪にした容姿の若い女性が物凄く苛つき、愚痴を溢し、駄々を捏ねながら妖夢と椛の仕事をこなしていると彼女の秘書艦であろう伊勢と日向もまた書類仕事(デスクワーク)に追われながらも女性を窘めながら言った

 

「仕方無いじゃん、これも提督の命令だから……」

 

「それに『副提督』も人の事が言えないぞ、私達も他人(ヒト)の事が言えないが、いつも提督に任せっきりだからな……それに副提督は大尉に昇格したんだ、何時までも提督に任せっきりては『総副司令官』の威厳が泣くぞ」

 

伊勢型の二人は自身の上官(相棒)であり、佐世保鎮守府総副司令官の『桜花(さくらばな) 優花(ゆうか)(以後 総副司令官)』に辛辣な言葉で窘めると総副司令官は二人の言葉に心当たりがあるのか、目を反らし、しどろもどろになりながら答えた

 

「ウグッ!?そう……言われると……その……泣けるわ……マジで……」

 

「……提督の口癖を溢す暇があるのなら、手を動かして……書類が山の様にあるんだから……」

 

伊勢は総副司令官の机と足元に置かれている大量の書類を指差しながら言うと、総副司令官は自身の秘書艦である二人に助けを求めるかの様に嘆いた

 

「だからって、この量を私独りで、尚且つ1日で終わらすのは無理ゲーよ!!勇人君じゃあるまいし!!だから手伝って二人共!!」

 

「……仕方無いわね……日向、優花さんを補佐して……残りは私がやっておくから」

 

「……ああ」

 

二人は総副司令官の助けに応じ、少々呆れながら総副司令官の仕事を手伝い始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 大型講習場にて

 

「これより、今回の講習内容である『陣形』及び『海軍用語』について説明を行う……まぁグリフィンドールの生徒達にとっては、あまり活用しないかも知れないが、聞いてくれ」

 

「「「はい!宜しくお願いします!」」」

 

「お!?元気過ぎるな……んじゃ、まずは陣形だが……加賀、画像を頼む」

 

「分かりました」

 

総司令官は陽気な笑みを溢し、今回の講習内容を伝え、参加者全員が元気よく返事をすると、総司令官は元気過ぎる参加者全員に少し驚いたが、笑みを崩さず、そのまま部屋を消灯し、加賀に指示を出すと、加賀はパソコンを弄り、パソコンに写っている画像を投影機(プロジェクター)を通して妖夢達に映画を見せる様に投影された画像を見せながら説明した

 

「……これは普段、私達『日本海軍』が使う主な陣形である『単縦陣』『複縦陣』『輪形陣』『梯形陣』『単横陣』そして『警戒陣』の6つです、魂魄少尉と犬走少尉にとっては、お馴染みの陣形ですが……」

 

「そうですね」

 

「私達にとって、馴染みのある陣形ですね」

 

妖夢と椛は加賀の言葉に同意するかの様に頭を縦に振ると、総司令官は加賀が言っていた陣形について、深く説明をし始めた

 

「そう、この6つの陣形は、それぞれ海戦やポグワーツのスポーツ『クイディッチ』において色んなメリットとデメリットがあるんだ……まずは海戦についてのメリットは出撃編成や任務によって『単縦陣』『複縦陣』そして『単横陣』で最も発揮する砲撃や雷撃等『攻撃に特化した艦娘が遺憾無く発揮出来易い陣形』にさせたり、『輪形陣』『梯形陣』そして『警戒陣』の主とした要である『装甲や速度に特化した艦娘が敵を欺く事』や『防御に徹する事が出来る陣形』に変える事が出来るんだ……そしてデメリットは『敵の編成や陣形に対しての対応に追い付かない事』だ……クイディッチに関しては予めMr.ダンブルドアと共に映像を客観的に見た限りでの話だが、メリットは常に守りを重点的に置き、敵を欺く事が出来る体制になり、旗艦(リーダー)の命令一つで『敵の編成に合わせて柔軟に対応が出来る事』だ、そしてデメリットは団体で守りに徹している為『敵にマークされ易い事』だ……逆に言えば、旗艦(リーダー)を隠す様に陣形を取れば旗艦(リーダー)以外のメンバーを『囮』にする事で()()()()、忍者みたいに()()()()()()()()()()()……という訳だ」

 

「陣形だけでも……こんなに……」

 

「ニンジャか……これはクイディッチに使えそうかも……しかも『ニンジャ』という響き……なんか格好いいな……ハリーも、そう思わない?」

 

「そうだねロン」

 

「成程、デメリットとメリットを組み合わせば……こういう戦法が出来上がるのか……物は使い様じゃな……流石、Mr.ジョジョ……貴方らしい合理的な戦略じゃ……是非とも彼を我がポグワーツの教師としてスカウトしたいもんじゃな……」

 

総司令官と加賀の説明にハリー達は基本的な陣形の多さ、そしてクイディッチの常識(セオリー)を完全に無視した戦法に度肝を抜かれたり、総司令官の『忍者に喩えた説明』や『日本海軍の陣形を模した戦法』による『メリット』と『デメリット』を敢えて使った戦法に感心していると、一人の金髪の少女が手を上げ、総司令官と加賀に質問を投げ掛けた

 

「はい、ジョジョ先生にミセス……質問をしても?」

 

「許可します………えーっと……ごめんなさい、お名前は?」

 

「加賀、彼女は『ハーマオニー グレンジャー』だ……グリフィンドールの生徒でハリー達の友人……で合っているか?」

 

加賀は金髪の少女『ハーマオニー』の名前が分からなかったのか、すぐに謝罪し、総司令官はハーマオニーに優しく聞くと、彼女は「はい、そうです」と微笑みながら肯定し、先程、総司令官が説明した海戦での内容について質問を投げ掛けた

 

「先程、先生が言っていた『敵の編成等による対応に追い付かない』と言っておりましたが、それはどういう意味ですか?」

 

ハーマオニーは自身の疑問点である『敵の対応に追い付かない事』について首を傾げながら聞くと、総司令官は先程まで笑みが消え、神妙な表情になりつつもハーマオニーにも分かりやすく説明した

 

「敵も己の戦法を相手(俺達)に明かす事により殺されたくないから隠すんだ……これはクイディッチみたいに『ゲーム(遊び)』ではなく『(勝利)』か『(敗北)』しか無い『本当の戦場(殺し合い)』だ……敵も俺達も『全滅(皆殺し)』だけは避けたいから必死に相手の情報を得ようとスパイを使ったりして情報を得ようとするんだ……更に追加で言うが海戦でのデメリットである『敵の編成等による対応に追い付かない事』は俺達だけでは無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()になるんだ、まぁ簡潔に言うと、お互い『イカサマ(諜報活動)をしながら命を掛けたギャンブル(ジャンケン)』をしている様なモンだ……その『情報の重要性』については『ばったん作戦(第二次蒼霧護衛作戦)』を指揮していた妖夢が一番良く知っているだろ?」

 

総司令官はハーマオニーの質問に分かりやすく、そして戦場の現実(リアル)を織り交ぜた説明をし、妖夢に言うと、妖夢は『ばったん作戦』の事を思い出し、簡潔ではあるが『情報の重要性』についてハーマオニーに説明した

 

「はい、あれは『佐世保鎮守府の要』である総司令官が別任務で不在になった情報を深海棲艦……言わば『私達の敵』が聞き付け、攻めてきた事ですね……確か、あの時は政府に『裏切り者』いえ『敵の諜報員(スパイ)』が情報を流したせいで起きたんですよね……」

 

「正解だ妖夢……ハーマオニー、本当(リアル)の戦場では小さな情報の一つでも漏洩するだけで敵は『相手の手の内を知り』更に『有利に進められる可能性』俺達からすれば『不利な状況に陥ってしまう可能性』があるから、俺達も敵も編成や作戦を秘密にしておく事で自身の『生存率』を上げるんだ、そして生存率を上げると同時に御互いのデメリットである『対応に追い付かない事』言わば『お互い相手の手の内が分からない状態』なる……という訳だ……分かったかな?」

 

「……分かりました」

 

ハーマオニーは二人の『戦場の現実(リアル)』を知り、少しショックだったのか、先程までの笑みが消え、俯きながら席に座ると総司令官はポグワーツの参加者全員が戦場の現実を知り、俯き、その俯きが伝染したかの様に暗い雰囲気になっている講習会を明るくする為に、暗く重い雰囲気を吹き飛ばすかの様に軽く微笑み、次の説明である『海軍用語』について面白可笑しく説明を始めた

 

「あははは……ポグワーツの連中にとって『刺激が強すぎる内容(はなし)』だったか……さて!次は『海軍用語』についての説明だ!これに関しては『海軍の面白い隠語(ことば)』も混ざっているから『話のネタ』や『クイディッチの暗号』にも使えるから参考にしてくれ!では加賀、リストを……」

 

「分かりました……えーっと……確か、このフォルダーだったかしら……」

 

カチッカチッ……

 

「「「ッ!?」」」

 

「……しまった!?間違えたわ

 

「ん?どうしたんだ?そんなに驚いた表情(かお)になって?」

 

加賀は総司令官の命令でパソコンを弄り、フォルダーを探すが、どのフォルダーに入れたのか度忘れをしたのか、少し悩みながら適当にフォルダーを開くと、モニターを背にしている総司令官以外全員がモニターに写されている画像に驚き、皆を代表として幽々子が今現在モニターに写されている画像について呆れながら言った

 

「勇人、モニターを見て……」

 

「へ?モニターを……な!?」

 

総司令官は幽々子の言葉を聞き、モニターを見ると先程までの陽気な笑みが消え、少し怒りを露にしながら『写されている画像』について加賀に怒鳴った

 

その『写されている画像』とは……

 

「オイ、何でテメェのパソコンに『妖夢と椛の寝顔』や『筋トレ中の俺』の写真が大量にあるんだ?白状しろ加賀!」

 

「す……すみませんでした!!じ……実は鎮守府の各前衛基地に所属している青葉さん達に御願いして貰いました……」

 

「「恥ずかしいので今すぐ消して下さい!!加賀さん!!」」

 

「……出来ません」

 

「……まさか貴女も姉さんと同じく『定期購入者』だったとは……同情するわ総司令官……」

 

「……スマン、ウチの馬鹿が……加賀、後で『御話し』だ」

 

……そう『モニターに写されている画像』は佐世保鎮守府に所属している全ての前衛基地の青葉が盗撮した『健全な方でリアルな日常を過ごしている妖夢達の姿』だったのだ

 

陸奥は先程の加賀の言葉を思い出し、呆れ返り、妖夢と椛は顔を赤面しながら加賀に強く言うが加賀は開き直ったのか、何時ものポーカーフェイスで答えるとグリフィンドールの女生徒及び幽々子を除いた女教師全員そしてダンブルドアが盗撮された画像を見て興奮しながら言った

 

「「「キャー♡妖夢と椛さんの寝顔かわいい!!それにジョジョさんのワイルドな顔付きに似合ったセクシーな『筋骨粒々な肉体(マッスルボディ)』や『背中のドラゴンの和掘(タトゥー)』も素敵♡これは捗りますわ~♡ミセス!!その写真を私達に下さい!!記念にしたいので!!」」」

 

「「「本当に天使の様な寝顔だわ~♡此方まで癒されるわ~♡それに随分、ワイルドでエロs……ゲフンゲフン!逞しい肉体を持っていますわねMr.ジョジョ♡それを消すなんて勿体無いわ!!これは福眼だわ♡ミセス、後で御花を摘みに行く時に貰えないかしら?」」」

 

「ウホッ!良い肉体(からだ)……」

 

グリフィンドールの女生徒及び幽々子以外の女教師全員そして何故かダンブルドアまでもが佐世保鎮守府に所属している全部隊の青葉が仕入れた盗撮写真を見て黄色い声を上げたり、鼻血を出したり、挙げ句の果てには、この健全な小説では表現出来ない所業を行おうとする()がいる事に紫と総司令官の母である朱里が頭を抱え、総司令官と妖夢、椛と共に……

 

「「泣けますね……総司令官」」

 

「「……相当、餓えているわね……みんな……」」

 

「……妖夢と椛に台詞を奪われたが……泣けるぜ……」

 

……と混沌(カオス)と化した講習会に困り果てたのは言うまでも無かった


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