ブレイブルーに転生したので気楽に生きてみる。 作:生徒会長月光
ラグナたちがアルカード城から出て約1時間、今彼らはある危機に陥っていた。
ラ「迂闊だった。まさかこんなことになるとは。俺がもっとしっかりしてたなら。この事態は防げたはずだってのに。クソッ」
サ「ラグナ、そう悪態をつかないの。これは仕方のない事だったのよ。まぁでも私もこれは予想外だったのだけどね。」
セ「うーん次はこっちかな?地図を見た感じ上の方だからあっちかな。」
ラ「俺はもっと早く何で止めなかったんだ。そうすりゃ少なくともこんな事態にはなんなかったっつうのに。」
何故こんなにもラグナが嘆いているのかは何も決して敵襲が有ったわけではない。クラヴィスに研究所の場所を聞きヴァルケンハインに地図でそこを指してもらい転移場所から30分もしないうちに着くと言われていたのだ。しかし歩いても歩いても目的地には着かない。何故なら、
ラ「なぁセリカ。ほんとにそっちなのか?」
セ「もう何いってるの。ラグナ。地図だとこっちの方向で合ってるんだから大丈夫だよ。」
さっきからセリカが先頭で地図を見ながら歩いているせいで迷ったからである。
今も地図を見ながら歩こうとするセリカにラグナも流石に怒りを通り越して飽きれとも諦めとも言える声で言う。
ラ「この道はさっきも通っただろう‼️それでここに戻ってきてさっきは道じゃない獣道を歩くは湖みたいな場所に出るはやっぱりお前方向音痴だろ。」
セ「そんなことないもん。ちゃんと地図通りの方向に歩いてるから迷わないよ。」
サ「ところでセリカその地図の方角を見る限りだと、反対じゃないかしら?」
セ「えっだって左の方に目的地が書いてあるからこっちじゃないの?」
地図には東西南北を示す矢印があるにも関わらずただ左にあるから左に行ってれば大丈夫と言うセリカにラグナは最初会ったときも世界地図見て近場の港に行こうとしていたことを今さらだが思い出していた。
サクラも流石に近場の地図もありそれほど距離もない場所で道のりも書いてあるからとセリカに任せていたのだが完全に失敗だった。
ラ「だぁー此のままだと日が暮れちまうからその地図貸せ。」
セ「もうラグナは心配性だなぁ。大丈夫今日はちゃんと着けると思うから。」
ラ「そう言ってもう一時間は経ってんだ。いい加減俺も姐さんも早く着きたいんだよ。さっさと貸せ。」
とラグナはセリカのもつ地図を強引に引き寄せようとした。セリカも頑固に地図を離そうとはせず引っ張り合うことになった。
サクラはこれがあとどれくらい続くのかと頭を抱えそうになるが、それは突然の出来事で霧散する。
突如としてラグナ目掛けてでかい火球が投げ込まれた。間一髪それに気づいた、ラグナは地図を引っ張るのをやめてセリカを抱えその場を飛び退く。
続けざまに今度は雷に氷など様々なバリエーションの攻撃が苛烈にラグナを襲う。流石にこれは右腕を満足に動かせないラグナでは荷が重いと判断したサクラは、二丁拳銃で氷は炎、雷は同じ属性で相殺させつつ応戦する。
そうした攻防が続くなかラグナを襲った襲撃者が姿を現す。
童話に出てくるような魔女のような姿に大きな三角帽子をかぶった女だった。
その姿を見たセリカは驚きの声を上げる。
セ「あっ………お」
ラ「セリカ!もしかして知り合いなのか?」
とセリカを守れるように前に出て聞くと、驚きの声をあげ、
セ「お姉ちゃん」
ラ サ「はぁ!?」「えぇっ!?」
そう襲撃者とはイシャナでも指折りの実力者である十聖のひとりでもありセリカが心配させていると言った、
襲撃者が姉だったと言う事実に一瞬呆けてしまった、ラグナはナインの接近に気付かず、側頭部目掛けて放たれた回し蹴りを避けきれず横に飛んでいく。
そうして追撃とばかりに真空波のように空気を圧縮して放ち更に炎を槍のようにした炎槍も投げる。
炎槍はかわすものの目に見えない真空波は避けられず、腹部へと直撃し持っていたV-Swを衝撃で落としてしまうラグナ。
更に追撃しようとする、ナインをセリカは後ろから抱きつき止めさせようとする。
セ「まって。お姉ちゃん。ラグナは悪い人じゃないよ。ちょっと人相は悪人面だけど。」
ナ「離しなさいセリカ!!あなたは優しいから騙されやすいしあなたが優しいっていうと誰でも当てはまるわ。それにこんな悪人面なのよ。絶対騙されてるわ。それとあなたまだあの父親面した男が生きてると思ってるの?
あいつは私たちを放って研究にかまけておまけにあんなことになったのよ。探そうと思ってももう6年もの月日も経ってる。普通は生きてるような状況じゃないのよ。」
セ「でも生存者がいたってニュースであったんだよ。だからもしかしたら父さんだって生きてるかもしれないでしょ。」
ナ「それだって確実じゃないしそもそもここは危険なの。だから早く島に帰りましょう。あの男のことは忘れるべきなのよ。」
とラグナをフォローしているのか悪口をいっているのか判らないセリカと妹に近付いただけでなく騙したであろう人物絶対許さないとシスコンを拗らせるナイン。
二人の意見は対立し、セリカの旅の目的であるシュウイチロウ=アヤツキの話へ移り、セリカは何としても見つけたい、ナインはシュウイチロウのことよりセリカを早く連れ戻したいという話し合っても平行線になってしまっていた。
サクラはこのままだと埒が空かないと判断しまずはセリカの姉であろう人物に声を掛ける。
サ「えっとセリカのお姉さん、落ち着いて話をしませんか?セリカもお姉さんは心配してたのだから先ずは心配させたことを謝らないとダメでしょう。」
ナ「何よ貴女。私は今セリカと話してるの。引っ込んでなさい。っていうか誰よ貴女。」
サ「自己紹介がまだでしたね。私はサクラと言います。道中一緒に旅してここまで来たものです。少なくとも私はセリカをここまで連れてきた責任も有るので言わせてもらいますが、セリカも生半可な気持ちで来たのではないということともう少しセリカの言い分も聞いてあげてほしいのです」
ナ「そう。サクラって言うのね。私はナイン十聖の一人よ。ここまでセリカを守ってきてくれたのには素直にお礼を言うわ。でも、ここは黒き獣が生まれた所に近い場所なの。だからその残滓も濃くて危険なのよ。セリカには悪いけど、私としてはこんな危険な場所から一刻も早くイシャナに連れ帰りたいのよ。」
話を聞くラグナは意外に頑固なセリカと妹を心配するナインの姿に在りし日の自分ともう一人の姿を朧気に思い出しつつも、二人の言い争いを止めようと声を掛けた。
ラ「おい。セリカの姉ちゃんだか知らねぇがそんな一方的に否定しなくても良いんじゃねぇか。セリカだって確固たる意思を持ってここまで来たんだ。もう少し言い方ってもんがあるんじゃねぇか。グォッ」
そこまで言ったラグナであるがそれを聞いていたナインに鳩尾に蹴りを入れられる。
ナ「赤の他人のあんたに何がわかるの?セリカがいなくなって私がどれだけ心配したと思っているか分かる!?私のたった一人の家族で妹よ。やっぱりセリカに寄り付く蛆虫は焼却しなきゃダメね。そこのサクラって娘には悪いけれどもあんたがいなければセリカ一人無理にでも連れていけば良いしね。」
再度ラグナに向けて魔法で巨大な炎弾を放とうとし構えるナイン。流石にこれ以上は見過ごせないとサクラも応戦しようとするがナインの後方から久しぶりに聞く声が聞こえる。
祐「やりすぎだぞナイン。何で妹連れ帰ろうとしているのに物騒な話になってるんだ?全く妹が心配なのは分かるが後先考えずに唐突に走り出さないでくれ。」
それはサクラたちとは別に過去へと向かったはずの祐希であった。
待っていなかったと思いますが第23話です。
最近は日にちがどんどん過ぎていくのが早いと感じる作者であります。
FGOでのイベントもやっていてバレンタインのチョコ礼装がどんどん貯まっていきます。そしてメルトとエレちゃんに続いて邪ンヌに聖杯使おうか迷ってます。
さて今回はサクラたちとの合流するまでを書きました。次回は研究所まで書けたら書きます。次回も早めに投稿出来るようにしたいです。
今回も読んで頂きありがとうございました。