お待たせいたしました!
実は今日入試に行っていた筆者です。
軍服の試験管がかっこよくて男心がくすぐられました。
明日も試験じゃないのかって?
...細かいことは気にしちゃダメですよ♪
さて、今回は八幡視点で書かせていただきました!
なのでいろはがまったく登場しません申し訳ない...
次回はしっかりと登場させるつもいなのでご安心を。
それでは本編です、どうぞ!
人間という種は古来より、群れることで身を外敵から守ってきた。
人類に備わったその本能は、若者の言う所のイツメンなどから国家に至るまで、世界中のあらゆるところに見受けられる集団というくくりからも分かることだ。
大は小を兼ね、小は大に取り込まれていく様相は、一種の階級体系を模しているとも言えよう。
そんな弱肉小食の世界において個というものは極めて脆弱な存在であり、集団の歯車としてしかその存在の価値を見出すことができない。
一つの集団の中で自らの価値を認めてもらうには、その集団の中である程度の地位を獲得しなければなるまい。
もうひとつ大きな集団を考えてもまた然り。
大に混在する小の間でも新たな階級付けがなされ、大きな集団の中でそれなりに認められたければ、より地位の高い小集団に属する他ない。
つまり、学校という大集団において生徒が属する小集団というのは、自らのスクールカーストにおける地位を決める際、大変重要なウェイトを占めていることになる。
その小集団というのは、既出のイツメンやらであり、部活であり、はたまたクラスであったりすることもあるだろう。
しかし、だ。
世の中というのは残酷なもので、生徒が属すべき小集団というのは、その多くが予め決まっているようなものなのだ。
趣味嗜好の合わないヤツとはイツメンには成り得ないし、興味や適性のない部活へ入ろうと思う者もそういないだろう。クラスもまた然り、だ。
それを甘んじて受け入れるのか、それでもその運命に一矢報いようとするのか。
その選択は生徒当人に依るところとなっているが、実際問題それを覆すことができた者がどれほどいるだろうか。
そして仮に高校デビューに成功したとして、その先に手に入れた分不相応な地位で果たして満足のいく楽しい学校生活が送れているのかと問われると、それはまた別問題のように思われる。
斯くしてどこまでも現実的な社会像を体現している学校という集団は、のっぺりとしたその外見とは裏腹な、殺伐とした内情を孕んでいる。
そんなある種戦場めいた環境の中で、個というのはどこまでも無力である、ということは専ら共通認識として、ひいては具体的な事実として存在する。
俺なんかほら、個も個のぼっち代表だからスクールカーストの最底辺だし?なんなら底の床をなめずり回っているまである。
…まぁそれでも、雪ノ下みたいな例外も存在するのだが…。
と、そう思っていた時期が俺にもありました。
雪ノ下は強いから大丈夫?
そんなことがあるはずなかったのだ。
戦場で孤立した者が取り巻く障害を薙ぎ払い悠然と歩みを進める―――そんなことは漫画やアニメでの話で、現実にあり得るわけではない。
勝手に強いと決めつけて、あいつの弱さに気付いてやれなかった。
いや、気付いていて尚、そのことに失望する自分がたまらなく嫌で、見て見ぬフリで触れぬようにしていただけだった。
俺は俺でぼっちだのなんだの散々言っておきながら、あの空間が、奉仕部が、いつからかかけがえのない大切な場所になっていた。
そして俺はあの場所に…
おっと、この先は黒歴史を掘り起こしかねないからやめておこうね?
とかく長々と理屈を、もとい屁理屈を玉縄のろくろ回しばりにこねくり回したわけだが、結局何が言いたいのかというと…
最近後輩への接し方がわからない。
…どこから出てきたのかって?
ホントどっから出てきたんですかね。俺にもわからん。
ここのところ、小町と戸塚と日朝の次に俺の頭の中身を占領している問題。
それが件の生徒会長のことだった。
まぁ第四位と言えど、小町と戸塚の二強が既に俺の脳の80%を占めているから、パーセンテージ的には大したことないな、うん。四捨五入したらゼロだ。問題ない。
…とも言っていられないのが現状なわけで。
一応俺が推したことで生徒会長をやらされる羽目になったことや、立ち振る舞いがどこかラブリーマイエンジェル小町たんと似通っていることもあって、少々甘く接してしまっているのではなかろうかと、これまでにも何度か考えたことはあった。
しかし最近どうもそれだけではない気がしてならない。
気がするというのはそのままの意味で、気のせいだということも十分にありうる。
いや、むしろ気のせいだと思いたい。
あいつに対してそれ以外の感情が働いているとは、認めるわけにはいかないのだ。
一色いろはという人間が、どこまでも打算的で、自分の利益になり得ることをしっかり判断して物事に取り組む、存外に食えないヤツだということは、ここのところ彼女の補佐に度々駆り出されている身としては染みるほど分かったつもりだ。
そんな彼女が、学校イチの嫌われ者であるところの俺と行動を共にするというリスクを冒しているのは何故か。
それは彼女が、葉山隼人という腐れイケメン野郎のことを本気で好きだからという一言に尽きる。
いつぞや発覚した彼女のもう一つの性質として、意外と有能というのがあるが、そこからも分かるように彼女は器用な一面も持っている。そのことはあの雪ノ下の折り紙つきである確かな情報だ。
そしてその有能さたるや、仕事に限った話ではなく、こと恋愛においても例外ではない。
自分の魅力をしっかりと認識し、使えるものは何でも効果的に使う。
諸々の采配に優れている彼女は、ジャグラーばりに男を手玉に取っては、その扱いは常に自分の利益になるように仕向けている。
そして俺も例に漏れず、彼女の葉山隼人攻略の贄としての役割を果たしているに過ぎない。
自分に対して少なからず責任を感じている相手というのは、さぞ扱いやすいのではなかろうか。最近俺の召喚回数が飛び抜けて多いのも、きっとその所為だ。他意はない。
これは別に自分の気持ちに素直になれないツンデレ系男子の真似事などでは決してなく、相手の気持ちを考慮した思いやりに満ちた結論である。
相手の気持ちを勝手に勘違いして自分への好意だと思うようなことは、訓練されたこの俺にはあり得ない話だ。なにより、そういうのはもう折本ので懲りたはずだ。
だというのに、あのクソあざとい後輩ときたら…
――――――…お疲れさん。
「だぁぁぁぁぁああああああああ!」
思い出すだけで頭が沸騰しそうになる。
ソッコー黒歴史の仲間入りを果たしてしまった本日の放課後のやり取りは、彼女の髪の柔らかさ、そこから溢れた甘い香り、紅潮した頬や潤んだ瞳、湿っぽさを含みつつかすれた声や飲み下したマッ缶の甘さなどなど、未だはっきりと俺の五感に焼き付いて離れない。
あの時の俺はどうかしていたに違いない。
そもそもあんなことは、部室でサラッと言う予定だったのに…。
城廻先輩の突然の訪問もあって延々と引き伸ばされた挙句、あんな気まずい状況で言うことになるとは...。
凡人がイケメンの真似事をすると確実に黒歴史のネタになる。
という世の理を実感して、再度頭を抱えてソファーを転げまわったが、
「っ!」
ゴトン。
そう広くもない我が家のソファーには、男子高校生が横になって寝返りを打てるような幅などなく、俺の身体は重力に従って落下し、ほどなくカーペットと鈍い音を立てて衝突した。
ぶつかった衝撃で今日の記憶飛んじゃわないかな…
ないですよね。
そんなことができたら、俺と会話してしまった奴らが家に帰るや否や頭を全力で地面に叩きつけるという残念な世界が出来上がってしまう。
残念だったな、俺との会話は強制セーブイベントなので上書き不可だ。
なにそれ幻のキャラみたいでちょっとカッコいい。いや、ただのやる気削がれるクソイベですかさいですか。
「…なーにやってんの?お兄ちゃん」
ん、小町か。
帰りが少しばかり遅いんじゃないですかね。
寄り道なんかしてたら悪い人に声かけられるかもしれないだろ。
それに誰とどこに行っていたのかも重要だな。
もしあの害虫野郎と一緒だったりしたら俺は兄としてヤツを駆逐しなければならないんだけど、そこんとこ大丈夫?
と、ご帰還なさった比企谷家の天使の顔をさっそく拝んでやろうと、声の聞こえた方…頭の上らへんか?...に視線を向けた。
...。
縞パンですか。そろそろそういうのは卒業したお年頃かと思ってたけど、そうでもないらしい。
ていうかその角度じゃ顔がよく見えない。パンツ邪魔。
健全な男子高校生にあるまじき反応だと思われるかもしれないが、誤解しないでもらいたい。俺にも人並みの煩悩とか欲求とか、まぁそういったものは備わっておりますとも。
しかし、いくら千葉の兄妹がスタンダードに愛し合っているとはいえ、最終的に結婚しちゃうお宅もあるとはいえ、妹とは妹に過ぎないのだ。
身に着ける衣服は、自分と同じ洗濯機で同じ洗剤で同じように洗われた布きれに過ぎないし、すらりと伸びる二本の曲線は、その下に自分と同じ血が通っているというだけの細胞の集まりでしかない。
小町への愛情の深さでは誰にも負ける気はないが、それはあくまで妹への愛情だ。それ以上でもそれ以下でもない。
血が繋がっているのだから結婚することもできないしな。
まぁ繋がってなかったらするけど。
…あれ?これじゃあどこぞの高坂さんちと変わらないのか?
閑話休題。
つまるところ、
「小町ちゃん。人の顔の上に立つなんてお行儀が悪いですわよ。あとパンツも丸見えではしたないですわよ。お顔がよく見えないじゃない」
「何言ってんのお兄ちゃん…」
さっきとは打って変わって底冷えするような低い声feat.ジト目をお見舞いされてしまった。
ご馳走様でしたっ!
おっといかんいかん。
どこぞの氷の女王様に毎日のようになじられてるせいで変な属性に目覚めかけてしまっているのか…?
ここはやはり、愛する天使の顔を拝んで浄化してもらう必要があるみたいだ。
「お?小町、先に帰ってたのか」
上体を起こして反転すると、ぶかぶかのシャツにパンツ一枚という危険極まりない格好の小町が仁王立ちで見下ろしていた。
ていうか、また勝手に俺のシャツ着てるし...。
どうせそれ、風呂前には俺の部屋に脱ぎ捨てていくんですよね...?
「うん、ちょっとうたた寝しちゃってたぽい。お帰り、お兄ちゃん」
「ん、ただいま。てか、そんなカッコで寝たら風邪ひくぞ。3月って言ってもまだ夜は冷えるし、卒業式も近いんだから体調には気を付け―――」
「あー、はいはい分かってるってー。ちゃんとお兄ちゃんの部屋で布団にくるまって寝たから大丈夫ですよー」
「おい待て、なんで俺の部屋なんだよ…ていうか、それうたた寝って言わないからな。ガチ寝だろうが」
「もー、細かいこと気にしてたらワカチコになっちゃうよお兄ちゃん」
「古い。そんで逆だ逆」
「どっちでもいいのっ!」
ぷんす!と頬を膨らませた小町はすぐさま、んで?と話題を変えた。
「なんかいいことでもあったの?ほっぺたゆるゆるだけど」
「…マジ?」
「うん、マジ」
これはどうしたものか。
妹に会えた喜びで頬が緩んでしまうとは、なかなかの重傷ですね。
…なんてとぼけている場合ではなかった。
小町に悟られると色々とめんどくさいぞ…前にサイゼで電話した後も、家に帰って散々一色との関係について聞き出されたとこだし。
とりあえず自分の中でも整理できていないことをひとに話すのは非常によろしくない。それが小町ときたら尚更だ。あっという間に小町式で結論を出されてそれを飲まされかねないからな。
ここは一芝居打っておくべきだろう。
「小町に会えたんだ。嬉しくないわけがないじゃにゃいか」
…失礼、噛みまみた。
TAKE2
「小町に会えたんだ。嬉しくにゃい…」
どうやら蝸牛の怪異に取りつかれちゃったみたいですね。
近頃年下キャラの株が俺の中で上がってきているのは気のせいですかね。
…って、そうではなく。
ばつが悪く彷徨わせていた視線を正面に向けると、小町がしっかり俺の目の動きを補足していた。
誤魔化すつもりが、とんだ墓穴を掘ってしまったみたいだ。
「何があったんですかねぇー?小町気になるなぁー」
にやにやとこちらににじり寄りながら、悪戯っぽく細めた目で試すように俺の顔を見てくる。
小町よ、そうじゃないだろ?
「ダメだろ小町、そこはもう少しキラキラした目で、私…気になります!って言わないとだな…」
「んもう!そういうよく分かんない誤魔化し方はもういいから!何があったか小町に話してみそ?」
ガバッと覆いかぶさってきそうな勢いで一気に最後の距離を詰め寄ってきた小町は、もう我慢できない!とばかりに俺の目を覗き込んでくる。
こうなった小町はどうすることもできないというのは、15年も一緒にいるとさすがに分かっている。
そしてこういう場合に無駄な抵抗を続けていると、小町のご機嫌メーターが徐々に低下していくのは、半年ほど前に身を以て体験したばかりで記憶に新しい。
やらなくていいことはやらない。
やらなければいけないことは…比企谷に。
だったか?
なんか微妙に違う…?いや大体あってるな。
中学の頃、俺のクラスの奴らがよくやってたことだ。頼られてると勘違いしていた純粋な八幡君は、未来から来た猫型ロボットよろしく喜んでみんなのお願いを聞いてたんだっけか。陰でハチえもんとか呼ばれてないよね…?
なにこれ泣けてきたわ。
…とはいえ、どこぞの某くんの省エネ志向には大いに共感するところがある。
ここは俺も彼に倣って、手短に事を済ませるとしよう。
「胸が痛い」
うむ。いい感じである。
「えっと……二人のお義姉ちゃん候補を同時に振るなんていう調子乗ってるとしか思えない行動を今さら後悔してる、とか?」
どうやら手短過ぎて伝わらなかったらしい。
というか俺の黒歴史引っ張り出すのやめてもらえますかね...。
あれは確かに自分でも調子乗ってるとしか思えない発言だったけど。
それでもあの時の俺の本心を飾ることなく告げられたのは良かったと今でも思っている。
「違う。…あれは俺の中で納得して出した答えだ」
それは誰が何と言おうと揺るぐことがない。
「だよねー。雪乃さんも同じようなこと言ってたし...。小町としてはー、いつでも敗者復活戦をお待ちしてるんだけどなぁ~」
「無茶言うな、俺にもう一度あの修羅場を経験しろと...?」
八幡死んじゃうよ?
というか、これ以上寿命を縮めたらほんとにゾンビになっちゃうから。
「ま、ごみいちゃんには荷が重いか...。で、もっと小町にも分かるように説明してくれると嬉しいなぁー?」
ちっ、いい具合に話が逸れたと思ったんだが...。
仕方ないが、もう少し具体的に話すしかないようだ。
「左の肋軟骨辺りに疼痛が…」
おっと、ゴミを見るような視線を感じますね。
キッとしないでキッと…
これ以上やると本格的に小町の機嫌を損ねそうなので、そろそろ真面目に話をしよう。
「…前に話した一色って覚えてるか?」
「ほんほん、一色さんだね!まだお会いしたことはないから、小町的お義姉ちゃん候補にはまだちょっと届かないけど、予備軍としてはきっちりマークしてるよ!」
食い気味で反応する小町に少したじろぎながら、俺は話を続けた。
「そいつとの接し方がその…最近ちょっと分からなくなってきたというか…」
「気になる…と?」
「ま、まぁ…なんというか…そういうことだ」
ほーん。と、手を顎に当てて黙りこくってしまった小町は、しばらくして口を開いたかと思うと、ぶつぶつと聞き取れない声量で呟いているだけだった。
まぁ小町なりに色々考えてくれているのだろう。
これまでにも俺が奉仕部の雪ノ下や由比ヶ浜との間に何か問題を抱える度、こいつはそれを解決するために小さな頭を捻ってくれていた。
そんな慈悲深い比企谷家の天使は、きっと今回のことにもいい落としどころを見つけてくれるのではないだろうか。
女性関係には疎い俺のことはよく理解してくれている小町は、それをいいことに俺の外堀を勝手に埋めていくという裏工作を幾度となく画策してきたわけだが、それが本当に俺のことを思っての行動だということは理解している。少々やりすぎ感も否めないが...。
と、過去の行動から我が妹のブラコンぶりを分析して心労を癒していたのだが、そんな俺の甘々な考えは小町の一声によってかき消されてしまった。
「これは13日が楽しみだなぁ~、うんうん!…じゃ、小町お風呂沸かしてくるから、お兄ちゃんご飯炊いといて」
前半と後半でテンションが急変した小町は、これまでの会話は無かったかのようにすくっと立ち上がり、スタスタとリビングを後にした。
「こ、小町さーん…」
お預けをくらったカマクラの気持ちが少しわかった気がする。
何かしらのヒントが得られるのではと期待していた俺だったが、どうやら小町に新たなおもちゃをプレゼントしてしまっただけのようだ。
なんか出ていくとき若干ニヤニヤしてませんでしたかね…?
口元を押さえていたのは、真剣に俺のことを考えてたから無意識に当ててただけだよね?
まぁ、小町に頼りすぎるのもよくないか...。
だいたいそうやって小町にお膳立てしてもらってばっかりなのもあいつ等に悪いか...。と、俺らしくもない考えが浮かんだが、吐いて捨てそうになったその気持ちを、これもまた今の俺の本心なのではなかろうかと思いとどまって飲み下した。
世の中そう簡単にはいかないのが人生というもので、元よりハードモード設定な俺の人生においては尚更だ。
永久凍土のような俺の人生において長らく氷の下に眠っていた春が、ようやく芽吹き始めているのかもしれない。と、一色が聞いたら、キモチワルイです...。と一蹴されそうな詩的感情を弄んでいると、あながち間違いではないのかもしれないと思えてきた。
二つの想いに一応のケリを付けたばかりの俺は、それ以上に難解なもう一つの感情に行き当たってしまっていたようだ。
先ほど認めるわけにはいかないと、思いやりに満ちた判断で見て見ぬフリをしかけたこの感情には、果たしてちゃんと名前を付けることができるだろうか。
勝手に自分への好意と勘違いして舞い上がるのが愚かなら、自分への好意を勝手に勘違いだと決めつけるのもまた愚かというものではないか。
それに向き合っていくことは、あの場であの発言をした俺の望んだことであり、図らずもそれを聞いていた一色相手となると特に、逃げることは許されない宿命なのだと遅ればせながら自覚する。
さっきの小町のにやけ面を見た後だと13日のことが思いやられ、たった今自覚に至った決意が早くも揺るぎそうになるのをなんとか気を引き締めて立て直す。
…それにしても小町、縞々はちょっと子供っぽすぎやしませんかね?
大人すぎるのもお兄ちゃん的には心配なのだが、無防備なのはもっと心配なのだ。
先ほど眼前に広がった光景を思い出していると、妹の貞操観念が少し心配になってきた。
もう一度仰向けに転がった俺の無防備な腹にカマクラが腰を下ろしてきたことにより、珍しく働き者だった俺の思考は営業を終了した。