“冥府の炎王”コロナ・ティミル   作:冥府の炎王

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第19話

 

 

 

 明けましておめでとうございます。

 

 こちらでは呼ばれないのですが、JS事件から四年が経ちました。私とイクスは大変、忙しい毎日を過ごしていました。勉強に訓練を初めとして、管理局に販売したり個人にレンタルしている機械兵達の生産工場を購入した惑星に作ったりしたのです。

 ベルカ騎士の機械兵、ベルカ機兵は大量生産されて多数の世界に配備され、今も次元世界の平和を年中無休で休まずに守ってくれています。経験値がうはうはですよ、皆さん。

 というか、管理が面倒なので会社を起こしました。幸い、お金はいっぱいあるし、惑星を管理するために必要だったのです。で、名前はガレア商社。種類は総合で、軍事産業を主に行っています。そう、PMCです。といっても、管理局に戦力を貸し出す形なんで、正式には違うかも知れません。でも、どうでもいいです。お父さんとお母さんに丸投げしてあります。子供なので詳しい事はわかりません。ただ、資産はミッドチルダ地上の国家予算に匹敵するだけ一年で稼いでいます。

 護衛にオーバーSランクを(強制的に)貸し出してくれるくらいには大物になりました。これ、明らかな監視です。管理局と正面から戦って、勝つまではいかなくても、負けない自信はありますので当然の処置ですね。

 ちなみに魂の収集も順調で購入した惑星を既に42個ほど取り込んでいます。核兵器だって平気へっちゃらな防御力です。ユーリちゃんとタメ張れる防御力ですよ。あっちは無限かも知れませんが。

 私は基本的にDSAAを目指して頑張っていますが、もう一つ、頑張っている事があります。そちらはイクスがメインですが。これはまた後程です。

 

 現在、私とイクスは着物を着て新年の挨拶に、管理局主催のパーティーに両親と出席していました。周りは大人が殆どで、国王だったり、大企業の社長や理事だったりする大物ばかりです。ちなみに私達は強制参加です。非常に面倒で、このパーティーの出席者を皆殺しにすれば楽しい事が起こりそうだと思うくらいです。そう思っていたら、同じく桃色に花柄の着物姿のなのはさんに頭を小突かれました。

 

「痛いです」

「物騒な事を考えているでしょ」

 

 目線を逸らしておきます。この頃、考えている事が筒抜けになってきた気がします。おにょれ、高町なのは。

 

「でも、子供には確かに面白くないよね」

 

 赤色の生地に花柄の着物を着たフェイトさんが頭を撫でてくれます。その隣には赤色の着物を着たヴィヴィオがいます。私は白色で紫の花ですね。

 

『しかし、なんで着物なんでしょうか?』

 

 日本人だからじゃないですか?

 

「ヴィヴィオ、もういいの?」

「うん。シスター達にもちゃんと挨拶をしてきたよ」

「そう、偉いね」

「えへへ~」

『いいですね~』

 

 どうやら、なのはさんに撫でられているヴィヴィオを見て、イクスも撫でられたいようです。フェイトさんに抱き着いて代わってあげましょう。

 しばらくゆっくりしていると、両親に呼ばれてまた挨拶回りです。イクスに任せます。王様であるイクスなら、ちゃんと対応してくれますし。後で怒られますが、気にしません。

 

 

 

 さて、挨拶が終れば次の場所に移動します。なのはさんとヴィヴィオと別れてセッテが用意してくれている車で移動します。空を飛んだ方が速いのですが、許可がおりません。いえ、許可は無理矢理にでも取れるのですが、着替えもありますし。

 外に出ると沢山のカメラに写真を撮られていきますが、気にせずに進みます。

 

「次、テレビ局だったよね?」

「そうです」

 

 フェイトさんの運転で移動している間にセッテが、軽く化粧をしてくれます。しかし、直ぐに渋滞に掴まってしまいました。

 

「このままだと間に合わないね。飛んで行こうか」

「いいのですか、管理局さん」

「いいんだよ。許可はこっちで取っといたし」

 

 取られていたようです。イクスの為ですし、いいでしょう。

 

「ミサイルに乗っていきますか?」

「駄目だよ。車は適当に停めていくから、先行ってていいよ」

「わかりました。行きましょう、セッテ」

「ん」

 

 外に出るとイクスがセッテと一緒に空を飛んで行きます。

 

『どうせなら、フェイトさんに追いつかれないように先につきましょう』

「フェイトさんから逃げきるのは無理だと思いますけど……」

「ん、不可能」

 

 イクスとセッテに拒否されました。仕方ないので、このままです。

 

「でも、試しましょうか」

「ん、がんばる」

 

 二人で手を繋いで背中にジェットエンジンを生成します。一瞬で音速を超えてテレビ局の近くに着きますが、既にフェイトさんが待っていました。この四年で一番変わった事、それは……フェイトさんが雷速どころか、光速の域に達している事です。

 

「確か、特設ステージだったよね」

「そう」

「それじゃあ、あそこだね」

「えっと、どうすればいいですか、セッテ?」

「聞く……降りたらいいって」

「わかりました」

 

 ジェットエンジンとかを消してから、そのままイクスが降りて行きます。そこは音楽番組の会場で、現在多数のミュージシャンによる演奏が行われています。そこに飛び込んでいきます。というのも、イクスが歌を歌ってみたいというので、一流の人に指導を頼んで、イクスと一緒にヴィヴィオやリオ達も巻き込んで練習したのです。イクスだけのをネットに流したら大反響が起きたのです。流石は私のイクスです。ぐみ……コホン。群衆を虜にしてくれました。というか、王様だけあって、カリスマ性も半端なく、偶像崇拝が起きています。

 あれですよ、傍から見たら歌って踊れて空も飛べて戦えて、アクションから演出、エキストラまでなんでもござれのコロナちゃんです。スポンサーにだって、なっちゃえます。

 というか、現在映画を作成中です。古代ベルカのガチ映画。ガレアは私、聖王国はヴィヴィオ、インクヴァルトは前に捕まえて放置していたアインハルトさんに戦う事を条件に出演させました。後は雷帝の子孫やエレミアにも打診中です。雷帝は簡単に落ちましたけどね。参加しないと好き勝手に改変しちゃうぞ♪って言えば一発でした。無人惑星を丸々一つ使った大戦争映画です。しかも、最後にはちゃんとその惑星をぶち壊します。ジェイル博士にも協力を頂いて、聖王のゆりかごも実際に起動させるので再現率は半端ないでしょう。

 

「ここで、空からコロナちゃんの登場です!」

 

 会場に降りると、盛大な歓声があがりました。しかし、なんでコロナの名前にするんでしょうか。イクスの名前でいいとおもいますが。

(恥ずかしいですし)

 イクス~?

(コロナだって、リングでは私の名前を使っています)

 その方が箔がつきますしね。

(なら、私がコロナの名前で芸能活動をしても問題ありませんね)

 確かにそうですね。まあ、別に今更なのでいいですけどね。どうせ、私達は二心同体です。

 

「それでは歌って貰いましょう」

 

 前世での日本の歌を、それも中の人の声が同じものを教え込みました。歌われるイクスの声は民衆を魅了していきます。むしろ、私も同じです。それに楽しそうに歌っているイクスの笑顔はとても素晴らしいです。イクスの為に演出もしっかりとしましょう。いっぱい張り切ります!

 怒られました。マクロスみたいに色々としただけなのですが、解せぬ。具体的には飛行機を飛ばしたり、砲塔から花火とかあげただけなのですが。

 

 

 

 

 

 

 


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