“冥府の炎王”コロナ・ティミル 作:冥府の炎王
気が付けばこの世界、リリカルなのはの世界に転生していました。それも赤ん坊からなので母親の胸を吸うなんて恥辱プレイがついてくるのです。極めつけに私は――
「コロナ~」
そう、コロナ・ティミルとしてです。つまり、ゴーレムマイスター・コロナちゃんなのです。
「お母様、なんの用ですか?」
「明日は4歳の誕生日よね。何が欲しい?」
「デバイスが欲しいです」
「デバイスか、ちょっと早い気がするんだけど……」
「問題ありません。初等部の勉強は終わらせました」
「……」
お母様にドリルを渡すと、それをパラパラと見ていきます。そして、直ぐに抱き着いてきました。
「私のコロナは天才ねっ!」
「はい、天才です。だから、デバイスをください。ついでに魔法を教えてください」
「いいわよ、任せて。コロナのデバイスは腕によりをかけて作るからね!」
「お母様、それとお願いがあります」
「何かしら?」
「ゴーレム関連の、操作系の魔法を勉強したいです。後は海中でも活動できる感じのがいいです」
「ええ、わかったわ。直に用意しましょう。出来るまで、お母さんの部屋の本を読んで勉強するといいわ」
「ありがとうございます」
お母様はデバイスマイスターなので、デバイス関連の本から魔法の本まで多種多様にあります。それを読破する為に今まで言語と物理の勉強を頑張ってきました。ネットのやり方も理解しているので、自分なりに勉強もしていました。ここからは本格的な魔法の勉強です。
一年後、五歳になりました。どうせ引き篭もって勉強しているだけですし、問題ありません。デバイスは貰いましたが、操作用です。
「何か欲しい物、あるかしら?」
「海にいきたいです。それと海の中を泳ぎたいです……ついでに遺跡があるらしいのでいってみたいです」
「あら、いいわよ」
そんな訳でおねだりして海です。目的は簡単。海底遺跡です。お母様とお父様と一緒にやってきましたが、酸素ボンベをつけてダイビングです。そして、そのまま深海へ進んでいきます。
『ちょっと待ちなさいっ!』
『俺が追う!』
無視です。狙い通り遺跡へとやってきました。サーチャーを発動し、小さなゴーレムを出して罠を調べて奥に進みます。そして、培養槽で眠っている少女。
「冥府の炎王、イクスヴェリア。起動してください。起きる時間です」
私が声を出すと、培養槽の中で瞳が開きました。
「貴女は私を目覚めさせるのですか……私は目覚めたくありません」
「それなら、貴女の力をください。貴方の全てを私が受け継ぎましょう。マリアージュも含めて」
彼女は光となって、丸い機械のコアみたいになった。それを取り出し、私は胸におしつける。すると、身体の中に入っていき、私のリンカ―コアとマザーコアが一つになる。
「あっ、これ……やばいっ」
倒れていく私を追って来たお父様が抱えてくれました。
長い、長いベルカの戦争の歴史。イクスヴェリアの願いと戦い。マリアージュを使った殲滅戦。全てを体験していきます。そこに救いはなく、ただの殺戮があるだけです。ベルカを治める国の一角にして、冥府の炎王と名高い悪逆の王。イクスヴェリア。ただ、彼女は利用されて兵器にされただけの女の子です。何れ、私のユニゾンデバイスとして開放してあげましょう。
ベルカの歴史の追体験から目覚めると知らない天井でした。起き上がり、鏡を見るとコロナの青色の瞳が碧の色に片目が変化していました。身体の中に意識を向けると、大きくなったリンカーコアとマリアージュのマザーコア。これで私は覇王や聖王と戦えます。それどころか、この危険に満ち溢れた世界の中でとても楽しい事が出来ます。
「コロナ、目覚めたのね!」
「お母様」
起きた私にお母様が泣きながら抱き着いてきました。
「あれからずっと目覚めないから心配したのよ!」
「何日寝ていたのですか?」
「1年よ!」
「そんなに……時間を無駄にしましたか」
「何言っているのよ、この馬鹿娘。どれだけ心配したと思っているの」
「ごめんなさい、お母様。心配をおかけした。ですが、コロナはもう大丈夫です」
「駄目。精密検査よ。直にお医者様がくるからね」
その後、精密検査の結果が出ました。そこで判明したのは……冥府の炎王としての記憶継承などが起きた事。マザーコアの事もバレてしまいましたが、意味の分からない物として経過観察になりました。その後、私がやる事といえば外部から行う肉体操作による、強制的なリハビリです。
「私の身体は人形。私という躁者の人形」
死体を使ったマリアージュは欠陥兵器というのは理解しています。これはただ特攻して自爆するだけのものです。ですが、それなら死体ではなくてゴーレムで問題ありません。原作のコロナもですが、ゴーレムの、ぶっちゃけて魔法の使い方がなっていません。何故近接戦闘で戦うのか意味がわかりません。彼女、コロナはどう考えても後衛であり、はやてと同じところに行きつくべきです。そう、それは質量兵器こそ最強であるという事に。
はやては言いました。魔法無効化もいかなる防御も関係ない物理重量による攻撃。これこそゴーレムマイスターの神髄。これをもとに某英雄王のようにしてしまいます。第一段階は乱舞する刀剣類。第二段階は圧倒的な物量による質量砲撃。第三段階はマリアージュを使ったゴーレムによる王の軍勢。第四段階は五体の完全操作による搭乗型のロボット。
「これが私の、コロナ・ティミルの理想……」
「そんな危ない魔法を使うんじゃありません!」
「みぎゃっ!?」
リハビリの看護婦さん怒られました。五体の完全操作によるずるはいけないようです。無念です。