$月£日
エキシビジョンマッチを何とか乗り切り、時刻は深夜。
俺はベッドの中で惰眠を貪っていた。
というのは仮の姿で、真相は此度の失態を振り返りながら悶え休んでいたりする。
クイーンは強かった。
ぶっちゃけ、今までデュエルした中で最強だと断言できるくらいにはだ。
デッキ構築力、卓越したデュエルタクティクス、観客を味方に付ける圧倒的なカリスマ性。
俺なんかとは比べるのも烏滸がましくて、唯一勝ってるのって運というかドロー力くらい?
というか、俺からドロー力を取ったら何が残るのかしら、馬の骨とか?
ははっ、書いてて泣きたくなるとはこのことか。
そんなクイーン相手に引き分けというのは、我ながら大金星だと思う今日のこの頃。
はい、エキシビションマッチの結果はまさかの引き分けです。
引き分けとか、そこそこある遊戯王歴で初めての事態だぜ。
クイーンが使用した罠カードが原因だが、あの人ホント負けず嫌い。
最初はね、俺もこの人スゲーって感心してたんだよ。
魔法や罠、手札誘発など用いる札全てを使ってエースをサポートする彼女のデュエルスタイル。
俺みたいに大好きなカード達全員で戦うスタイルとは真逆。
でも、こんな戦い方もあるのだと、素直に感心したものだ。
更には、前代未聞のダブルチューニングなるぶっ飛んだシンクロ召喚まで披露。
全く、クイーンは最高だぜ! とあの時の俺は呑気にそう思っていたんだけどね。
全ての始まりは、俺がクイーンのエースモンスターの進化体を正面突破してからだった。
一瞬の静寂、直後に湧き上がる大歓声。
デュエルには勝利していない、しかしある意味では勝利したも同然の結果だった。
後から知った話だが、過去にクイーンのエースを倒したデュエリストは皆無なんだとか。
進化体である暴君は言うに及ばず。
そんな絶対無敵のエース討伐という快挙を成し遂げた俺に、観客の反応は自明の理。
でもね、俺ってば見ちゃったんだよね。
クイーンのデッキに、メチャクチャ見覚えのある光が宿ったのを。
はい、カードは創造した(きりっ)です、本当にありがとうございました。
それから出るわ出るわ、怒涛の勢いで繰り出されるエースの派生体たち。
琰魔竜? アビス? ベリアル? カラミティ?
悪魔がなんぼのもんじゃい! とばかりに意気込む俺氏が死に物狂いで討伐に成功。
勝利を確信した俺氏が見たのは、再びクイーンのデッキから煌めく絶望の輝きで。
レモン? バスター? セイヴァー? スカーレッド?
気分はラスボスっぽい中ボス戦の後、連戦でラスボスと戦い、そのまま裏ボスと戦う感じ。
正直、何度敗北を覚悟したことか。
クイーンのデッキって防御札もだけど、蘇生札も中々に豊富でね。
再利用とかされたらオワコンだったけど、そんな時にメタ的に突き刺さったカードがあった。
何を隠そう、エキシビションマッチ前にトムから雑魚カード扱いされたアレだ。
レベル3で!
地属性魔法使い族で!
攻守400で!
1ターンに一度、相手の墓地カードを1枚除外するという効果を持つ! (←ここ重要!
二十代先生のデッキに何故入っているのか理解不能なカード筆頭とされているあのカードだ!
いやー、ホントあの娘がいなかったら間違いなく負けてたわ。
とにかくぶっ倒したら即除外!
そんなことを繰り返したからこそ、悪夢再びなんて展開にならずに済んだのである。
アニメでは活躍の場など皆無だっただけに、この娘も報われたのではなかろうか。
だが、その為に払った代償は大きかった。
具体的に言うと、この娘の戦線維持のためにカード使い過ぎてデッキ切れ寸前です。
LPではクイーンを上回っていても、ドローが出来なければデュエルの続行は不可能。
最後の賭けだとバーニングソウっにビヨンド・ザ・レインボーホールをブチかますが――。
続く直接攻撃をクイーンに防がれ、この時点での俺のデッキ枚数はゼロ。
敗北は不可避、でもサレンダーだけは絶対にしないなぜなら俺はガッチャ教徒だから!
そんな俺の覚悟は次の瞬間、虹色過労死が粉砕! 玉砕! 大喝采! されて無と消えた。
クイーンの罠カードによって、此度のデュエルは引き分けという形で幕を閉じるのだった。
観客の皆さんが満足したのがせめてもの救いか。
クイーンのエースに進化体、派生体等々山ほど見れた訳だし、そりゃ満足せざるを得んわな。
そんな感じでエキシビションマッチは大成功で幕を閉じ、翌日の本戦に胸が高まる。
最後明らかに情け掛けられてるけど、あれだけ色々とぶった押したのだ、俺氏完全燃焼です。
そんな俺に待ったをかけたのが、今宵の対戦相手であるクイーン。
まるで射殺さんばかりの視線に、俺は悟った。
クイーンはお怒りだ、そしてその原因が俺にあるということを。
ゴメンないさい、決してワザとじゃないんです。
エキシビションマッチ開始前のマイクパフォーマンス、途中でぶった切ってホント申し訳ない。
でもね、これだけは言わせて俺も精一杯頑張ったんだよ!
直前にスタッフさんからマイクパフォーマンスお願いしますと軽い気持ちで頼まれたけどさ。
俺だって一生懸命考えて暗記してこのデュエルに望んだんだよ!
でもね、忘れちゃったんだよ頭から完全に覚えた口上全部!
クイーンが何か言っている間に思い出そうと必死になって頭を捻ったけど全く浮かばず。
咄嗟に浮かんだ言葉は余りにも失礼極まりなくて、その上タイミングは最悪で。
なんだよ、おいデュエルしろよって! どんだけコミュ障なんだって話だよ!
死刑宣告を待つ被告人の如く、無言の俺氏に、クイーンは問うた。
――貴様の名は?
だからこそ、俺は正直に答えた。
――決勝にて待つ。それまで貴様は絶対に負けるな。この私以外、誰にもだ。
その言葉を最後に、クイーンはさっとロングコートを翻し、去って行ったのだった。
あのー、クイーンさんや?
大変申し上げにくいのですが、俺の出番ってエキシビションマッチだけなんですけど。
本戦に俺の名前登録されてないんだけど。
本来なら指摘すべき内容だが、これ以上にクイーンのお怒りを買う訳にもいかず。
ふと視線を下ろせば、目に移ったのはデュエルディスクに表示されたデュエルエナジー残量。
それは満タンを占める色に染まり、つまり先程のクイーンとの一戦のおかげな訳で。
全くもって困ったことに、俺は今すぐにでも融合次元へ渡れるようになったのだった。
◆ ◇ ◆ ◇
-月+日
フォーチュンカップ当日の朝。
俺は行政評議会の年寄り連中に呼び出された。
連中のいうお礼は終わり、これで漸くお役目ゴメン。
何も言わず孤児院を出て行った訳だ、早いところ皆の誤解を解かねば。
――あなたにはフォーチュンカップ本戦に出場してもらいます。
だから、年寄り連中の次の言葉に、俺の頭は咄嗟に理解することが出来なかった。
茫然とする俺に、連中はつらつらと言い訳染みた言葉を重ねていく。
曰く、昨夜のエキシビションマッチにより俺の知名度はシティ中に席巻。
俺に関しての情報を求める連絡が大会運営本部に殺到する中、その問い合わせがあったとか。
何故俺がフォーチュンカップ本戦に出場していないのか、という内容。
時間の経過とともにそれは増していくが、本来ならばそれで終わりの筈だった。
大会の出場は本人の意思次第、それが当たり前。
でも、此処は俺の考える常識がまるで当て嵌まらない、そんな世界だったのだ。
馬鹿な俺でも、行政評議会を名乗る年寄り連中が相応の地位に立つ者だと理解できる。
だから、何らかの思惑が連中にはあって、俺はそれに巻き込まれた。
所謂権力ってやつなのだろう。
それを悟って、理解して、呑み込んで――当然のようにブチ切れて。
デュエルエナジーが貯まって、次元移動が可能になって、でも俺はそれをしない。
当り前だ、スタンダードの時と違って、俺はまだこの次元にやり残したことがあるんだ。
俺はまだ、バナ娘にごめんって謝っていないのだから。
本当ならフォーチュンカップのエキシビションマッチだって出るつもりはなかった。
でも、出なければ皆に迷惑が掛かるから。
だから、なるべく年寄り連中のやりたいようにやらせ、穏便に事を済まそうとしたんだ。
それが、その結果がこれだ。
俯き、乾いた笑い声が零れ、顔を上げた瞬間、年寄り連中が息を呑むのが分かる。
視界が真っ赤に染まり、そのことを一瞬懐かしいと感じた俺の脳裏に浮かぶもの。
そうだ、融合次元でハゲ相手にやらかした、例の一件だ。
でも、あの時止めてくれた素足ちゃんみたいな存在は、今は誰もいない。
自然とデッキトップに手を掛ける俺を止める者は、誰も居ないのだ。
次の瞬間、現れたモニターに映る映像に、俺の指は止まった。
それは、本戦出場者の一覧が記されたトーナメント表。
そこには俺の名前の他、見覚えの在り過ぎる名前が二つ、表示されていたから。
冷水を浴びせられたみたいに思考が冷え、視線を外した先。
未だに表情が硬い年寄り連中の中、唯一始終笑顔を絶やさなかったリーダー格のクソ爺。
その顔を胸に刻む。
絶対に大会が終わった暁には、その面に一発ブチかまし一生床の上で生活させてやると。
――バナ娘とリン娘、この大会に出たいってずっと言ってたからなぁ。
トーナメント表に記された、彼女達の名前。
結果的に願いが叶ったことを喜ぼうと、俺は自分に言い聞かせるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇
┏ 俺氏
┏ ┫
┃ ┗ デュエルカウンセラー
┏ ┫
┃ ┃ ┏ ただのおじさん
┃ ┗ ┫
┃ ┗ マスクでナイトな人
┏ ┫
┃ ┃ ┏ 秘書子
┃ ┃ ┏ ┫
┃ ┃ ┃ ┗ リン娘
┃ ┗ ┫
┃ ┃ ┏ 匿名希望
┃ ┗ ┫
┃ ┗ ワンターンスリーキルゥ
優勝 ┫
┃ ┏ リアリスト
┃ ┏ ┫
┃ ┃ ┗ 不満足
┃ ┏ ┫
┃ ┃ ┃ ┏ バナ娘
┃ ┃ ┗ ┫
┃ ┃ ┗ 童実野高校の風紀委員
┗ ┫
┃ ┏ ゲンスルー
┃ ┏ ┫
┃ ┃ ┗ 闇御輿
┗ ┫
┃ ┏ クイーン
┗ ┫
┗ 雑魚だったろ、相手
◆ ◇ ◆ ◇
-月+日
本日の日記第二弾。
長くなったので前後編でお届けしようと思う次第。
ちなみに、間に挟んでいるのはトーナメント表だったり。
実名は日記と言えど基本NGということで、名前については俺のフィーリングで決めています。
どうやら本日は本戦出場者の紹介だけで、開幕戦は明日から。
そんな訳で、俺氏含め本戦出場者である16名が会場へ終結することに。
その中には当然のようにバナ娘とリン娘の姿もあり、当然のように怒られる俺氏。
一応俺ってば被害者なんだけどね。
自分達の許可なく何処かに行くなって、随分と懐かしいフレーズだなおい。
まずは再会のハグを交わそうとしたら揃って距離を取られ、俺氏ぐすん。
でもまあ、とにかく二人が無事でよかったぜ。
ならばと、ここまでの経緯をしっかり者のリン娘に問うてみた結果なのだが。
1.俺を連行した警察連中が孤児院に再び訪れたんだとか。
2.警戒する二人に、フォーチュンカップ出場の招待状を授与。
3.憧れの舞台に出れるとあってバナ娘は二つ返事でOK。
4.止めようとするリン娘も流れで一緒に強制ゴー。
5.一応リン娘の方から孤児院には連絡しているので、取り敢えずは大丈夫とのこと。
俺は無言でリン娘の肩にポンっと手を置いた、ホントご苦労様です。
そして、バナ娘に知らない人にはついていかないという常識を説くと決めることに。
心配して損をしたと、でも二人が元気そうで本当に良かったと。
ならばと、早々に問題を片付けようとバナ娘に接近。
当然のように逃げ出すバナ娘を追い掛ける俺氏の背中に、その視線は突き刺さった。
一つはクイーン。
本来なら優勝者が王者への挑戦権を得るのだが、生憎現在の王座は空位のまま。
よって、クイーンも一転してただの挑戦者な訳で、そんな彼女の熱視線に俺氏タジタジ。
ごめんなさい、熱視線とか見栄張りました。
視線で人が殺せそうです、寧ろ凍えそうです視線が寒々し過ぎて。
そんな彼女の雰囲気のせいか。
いつの間にか色紙とサインペンを用意したガキンチョ二人も声を掛けることは叶わず。
そして、もう一つなんだけどね。
全身をすっぽりと覆うコートのせいで、性別すら判別できない。
背丈はガキンチョ二人と同じくらい、恐らくだが歳もそう変わらない筈だ。
その上、トーナメントに表示されている名前は匿名希望とまあ怪しいのなんの。
そんな胡散臭さ満点の不審者に、何故か視線を向けられている訳なのだが。
何故だろう、不思議と初対面のような気がしないのは。
寧ろ、懐かしさと言えばいいのか、そんな温かな気持ちすら抱いてしまうのは。
それと、気のせいか俺だけじゃなくバナ娘やリン娘にも同様の熱視線。
特にリン娘に向ける視線には怒りというか、良くない感情が籠っているような。
リン娘もそれを感じ取ったのだろう、俺の背中に隠れ、俺も安心させようと頭をぽんっ。
途端、匿名希望は声にならない叫びを上げ、ズカズカとこちらにやって来るではないか。
すぐに保護者っぽい人に捕まり遠ざけられたんだけどね。
こちらも同様の全身を覆うコートを羽織っているが、ガタイの良さが半端ないぜ。
デュエリスト・クラッシャーとタメを張れるのではなかろうか。
そんな大人不審者が子供不審者の首根っこを掴み、掴まれた方がガミガミと文句で吠える。
さながらヤンチャな小犬の手綱を握る飼い主の構図だった。
うーん、やっぱり見覚えがあるというか、何処かで見たことのある光景のような。
そんなこんなな感じで、フォーチュンカップ初日を乗り切った俺氏。
バナ娘とリン娘が子供で、俺が保護者だと知った運営スタッフさんが気を利かせてくれたのか。
俺とバナ娘、リン娘で高級ホテルのような空間を貸し切れるということに。
ナイス判断だぜ運営スタッフさん!
早速バナ娘に謝ろうとした俺の目の前で、バナ娘は個室に入り、カチリと扉をロック。
立ち尽くす俺氏の肩を、背伸びしたリン娘がポンっと優しく叩くのだった、マル。
◆ ◇ ◆ ◇
Ζ月ΖΖ日
朗報:リン娘、初戦突破!!
めでたい、めでたいよ本当に。
実を言うと、俺はともかくガキンチョ二人って前評判とかあんまりだったからね。
そりゃそうだ、クイーンとエキシビションマッチでやり合った俺と違い、二人の前情報は皆無。
一応天才キッズという触れ込みだが、見た目はどう見ても小学生そこそこ。
二人と当たる対戦相手はラッキーだなと、そんな風に思われていたのだが。
前評判なんざ関係ねぇ! と言わんばかりに、リン娘はエースモンスターをシンクロ召喚。
豪快に初戦を飾ったことで、今では前評判に偽りなしと各雑誌で取り上げられていたり。
一部ではコモンズのくせになんて心無い声もあったりするが、ある意味では当然だったり。
もう一方のフレンドシップカップと違い、フォーチュンカップは格式高い大会で有名なのだ。
基本的に大会出場者はトップスか、彼等に雇われたデュエリストに限る。
コモンズであり、かつ子供な二人が出場するのは今までに類を見ない異常事態なんだとか。
そんな状況下で、見事初戦を勝利で飾ったリン娘は良くも悪くも注目を浴びてしまうことに。
でも、たぶんだが、リン娘が子供っているのが大きな要因なんだろうね。
観客からの評判は肯定的な意見が大半。
子供が頑張っている姿っていうのは、どの世代からも肯定的に捉えられるのが世の常だ。
バナ娘の試合はまだ先だが、俺は微塵も心配などしてない。
俺が孤児院に来た時は戦績はリン娘が上だったが、バナ娘が水晶竜を創造して以来完全な互角。
二人と毎日のようにデュエルしている俺だから分かる、二人は日進月歩で成長していると。
事実、先程のデュエルを観戦した限りでは、リン娘は前よりも強くなっていたのだから。
まったく、小学生は最高だぜ!!
そして、俺の方はだが、ダークホースやら台風の目扱いされてます。
初戦については、デュエルカウンセラーだのプロフェッサーだの前書きの多いのが相手だった。
奴については特に語ることはない。
いや、語りたくないと言えばいいのか。
見た目は虫も殺せぬ物腰の柔らかそうな人だったが、デュエルを進めるうちに少しずつ豹変。
心理フェイズでこちらのメンタルを削り、その様子に愉悦する、まごうことなき魔性の変態。
デュエリスト・クラッシャーのような犯罪者ではないが、予備軍間違いなし。
おいおいこれじゃMeの勝ちじゃないか! と言わんばかりの手札だったのでワンキルを敢行。
お陰で余計な注目を浴び、クイーンとの一戦はマグレではないと畏怖されることに。
観客にドン引きされたよ対戦相手じゃなく俺が!
じゃあお前等俺と同じ立場で仲良くあの変態とデュエル出来んのか、あ゛あ゛!?
そんな感じで激おこプンプン丸な後味の悪いデュエルだったぜホント、ヽ(`Д´)ノプンプン
しかし、今にして思えばデュエルを全力で楽しむガッチャ教の教えに反する内容だった。
デュエリスト・クラッシャーと対峙した時以上の身の危険を感じたからだが、猛省せねば。
話は変わり、次の勝者がリン娘の対戦相手。
個人的に気になっている匿名希望の初戦とあって、俺氏とリン娘は偵察now。
バナ娘はどうしたって?
誘ったけど断られたよ、トホホ……。
基本、フォーチュンカップ出場者は開催地のスタジアムから外には出れない。
俺なんかは軟禁目的だが、基本的に外部との接触を断つことで公平を期すためだ。
それさえ守れば、待っているのは大会運営委員会によるVIPな待遇。
こうして専用の観客席で優雅に黄色いいたちなるカップ麺を喰えるのもそのため。
ピエロおじさんに触発され、今ではカップ麺がソウルフードになった俺氏。
しかし、相も変わらず湯を入れてから出来上がるまでの待ち時間とはマジ苦行だぜ。
なので、待ち時間はこうして日記を書いて潰しています。
早くは始まらないからなー、匿名希望のデュエルー。
――などと、その時の俺は呑気にも思っていたんだけれどもね。
「二体のモンスターをリリースし、アドバンス召喚!」
それは、機械というにはあまりにも大き過ぎた。
大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それは、まさに鉄塊であった。
でも、一目で心を奪われた。
大きさは力強さを、分厚さは頼もしさを、重さは逞しさを。
一見大雑把に見えて、その実緻密な計算が施された完璧なフォルム。
それは、古より伝わりし伝説の機械、まさに巨人の名を冠するに相応しい佇まいだった。
「起動しろ! いにしえの巨人! ――――≪
匿名希望がデュエルで召喚したのは、俺が最も尊敬する理想の教師のエースカードだった。
「これで最後だ! ≪
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
クロノス先生ぇえええええええええええええええええええええええええええ!!!
匿名希望ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
俺とデュエルしろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
注)作中でも紹介したようにトーナメント表の名前は作者のフィーリングなので悪しからず。
原作アニメでは強キャラ扱いで作者も心からそう思うバナ娘。
シンクロ竜や水晶竜などOCGでも猛威を振るう結構なガチデッキのSR。
そんなバナ娘よりも強いと原作アニメで明言されたリン娘はさずがのストロングシリーズだぜ。