∇月Δ日
ビビった。
何がって、俺のデュエルディスクに次元移動の機能が備わっていることがだ。
素足ちゃんの会社の頑張りを知っている身としてはもう脱帽の域。
だってね、スタンダードの次元移動装置って一室を占領する位のデカさなんだもん。
それが、ちょいデカめの携帯サイズで可能なんだからもうね。
俺のデュエルディスク明らかに型落ちっぽいのに、ほんとアカデミアの科学力は次元一ぃ!!
とはいえ、これで融合次元に即レッツ&ゴーという訳にもいかんのですよ。
というのも、スタンダードから融合次元への次元間にはプロテクトが掛かっているのだとか。
詳細は不明だが、とにかく現状のままでは融合次元へはいけない。
だが、この点についての解決策はある、というかおじさまが既に実践済みなのよね。
ズバリ、別の次元から融合次元へ向かえばいいのだ。
でも、これには移動先の次元に次元移動関係の技術がなければ積みという問題があった。
だがしかし! まるで全然! 俺のデュエルディスクに掛かれば関係ないんだよねぇ!!
ぶっちゃけ、次元移動装置の開発で一番難航してたのって、装置の携帯化なんだよね。
移動先の次元に次元移動関係の技術がないのなら、こちらから持ち込めばいい。
だけど、スタンダードにある次元移動装置は据え置き型、持ち込むにもサイズがデカ過ぎる。
他にも燃料面とか量産面とか、問題など挙げればキリがない。
だが、そういった問題も全て、メイド・イン・アカデミアのデュエルディスクで問題解決。
携帯可能、燃料はデュエルエナジーだから供給可能、仕組みが分かれば量産もOK。
……うん、聞き覚えがあるっつーか意味不明なのがあったが、この話題には触れないでおこう。
ハゲってばプロフェッサーって呼ばれてるけど、前任者がコブラとかないよね……ないよね?
早速素足ちゃんの会社に俺氏のデュエルディスクの解析を依頼。
開発班の人達ってば行き詰ってたんだろうね、後でドン引きするくらい感謝された。
だけど、社長の素足ちゃんってば浮かない顔。
次元移動機能を発見したトマ娘なんか、犯罪者になっちゃったみたいに罪悪感一杯だったし。
泣きそうになるトマ娘を慰めるユズ娘なんか、逆に泣いちゃったりとかさ。
ボクなんのことだか分かんなーい?
などとほざくつもりはない、というかいい加減俺ってば学習してんだ。
融合次元へ渡る方法を手に入れた。
だから、俺がスタンダードにいる理由もなくなった。
皆とお別れをする時が、あまりにも唐突にやってきてしまったんだ。
◆ ◇ ◆ ◇
♪日℃日
マイデュエルディスクの解析が終了した。
量産化は時間が掛かるが、逆に言えば問題は時間だけだった。
素足ちゃんからデュエルディスクを受け取った俺は、すぐに出発の準備に取り掛かった。
何か言いたそうにしていた素足ちゃんに、俺は先手を打つ。
それは、素足ちゃんがおじさまに語った内容。
融合次元のデュエル戦士に真っ向から立ち向かえば、スタンダードでは太刀打ちできない。
次元移動技術についてもそれは同じ、型落ちのデュエルディスクにすら敵わないのだから。
よって、こちらから攻め入ればスタンダードの敗北は必須。
だが、防衛戦でなら、アクションデュエルで対抗すれば、勝機はある。
淡々と、論理的に為される説明に素足ちゃんが言葉を挟むことはなかった。
だけど、頭では納得しても、きつく握られた拳が、感情が、それを受け入れることを拒む。
素足ちゃんとて分かっているんだろう、俺を止める理由がないことに。
現状、他次元に渡るメリットといえば、精々が偵察程度。
融合次元の情勢に詳しく、EXデッキに、特に融合関係への造詣に深い俺以上に適任はいない。
なにより、融合次元へ戻りたいという俺の想いを一番知っているのは素足ちゃんだから。
俯く素足ちゃんの頭に手をやり、俺は彼女にもう一度約束した。
絶対に感動の親子の再会をプロデュースしてやるって。
融合次元に渡り、単身赴任中のハゲをぶん殴り、スタンダードまで引き摺って来るって。
だから大丈夫、もう一度会えるから、だから泣かなくていいって。
ありがとうございます――。
泣き笑いでそう言う素足ちゃんに、俺は改めてハゲに会わせてやることを誓うのだった。
◆ ◇ ◆ ◇
ε日≫日
決戦前夜、という訳ではないんだけどね。
翌日に他次元に渡る俺のために、皆がお別れ会を開いてくれた。
次元戦争云々を吹聴する訳にもいかないので、遠くに旅立つってことにって名目だけど。
だが、行先までは考えていなかったけどどうしよう。
咄嗟にクラッシュタウンとか言っちゃったけどそんな町あるわけ――えっ、あるの?
場所は住み込み先の塾にて行った。
ホントお世話になりましたと俺氏、塾長にぺこり。
家族を除けばおじさまの失踪を悲しんでいた塾長一家には事情は説明済み。
ガイ先生――じゃなくて塾長! あなたの青春魂! 俺ってば絶対に忘れないぜ!
塾長と熱いハグを交わし、そんな感じに、集まってくれた皆とそれぞれお別れをする俺氏。
宝石ちゃん、ユズ娘とはこれからも仲良くしてあげてね。
――ユズ娘次第だって? さすがはワン娘に匹敵するツンデレ、素直じゃありませんなぁ。
二代目サンダー、夢のオジャマとアームドとユニオンデッキを完成させられずにスマヌ。
――代わりにダーツ帝妖仙獣魔界劇団デッキが完成間近とな? なにそれしゅごい。
ゴンさん、今までお世話になりましたぁ! ユズ娘と和解できたの貴女様のおかげです!
――クラッシュタウンでもお元気でって、それ嘘ですでもホントのこと言えないんですぅ!?
信号機トリオも達者で暮らせよ、君達なら立派な少女探偵団になれるから。
――痺れるくらい意味不明? 大丈夫、そのうち分かる日がくるさきっとたぶんめいびー。
ママンとママさんの手料理にも俺氏大満足。
ママンの手料理が素晴らしいのは知っていたが、ママさんも料理作れたんだね。
明らかにママンが作ったのとは異なる歪な形のところとかあるし、ママさんの手とか絆創膏だらけ。
ふっ、そこに触れるほど俺は野暮じゃないぜ。
不器用なのにママンに習って一生懸命作ったママさんの手料理だぜ満足するしかないだろうよ。
それにしても、本当にママさんってば馴染んだね良い意味で。
トマ娘のママン繋がりで色んなママ友できたって言ってたし、良きかな良きかな。
なんでそんなこと知ってるんだって? 素足ちゃんが逐一嬉し気に報告してくるからです。
だが、肝心の素足ちゃんの姿が見えない。
先日の一件以来、なんだかんだで顔合わせてないんだよね。
ママさんにも尋ねてみたが、最近研究室に籠りっぱなしなんだとか。
キチンとお別れを済ませたかった身としては、色々と心残りなお別れ会になりそうだぜ。
そんな風に思いながらも、山のように築かれたエビフライの攻略に差し掛かる俺氏。
そして、そんな俺氏に声を掛けてきたのは、最近ずっと沈み込んでいたトマ娘とユズ娘。
おいおいそんな風に落ち込んでばっかじゃなくて今日という日を楽しもうぜ。
仕方のない奴めと皿に料理を盛って差し出すが、受け取りを拒否され沈み込む俺氏。
間髪を容れずにデュエルを申し込んでくるが、今はそれどころではない、料理が冷める。
他次元に行くってことはな! 当分はママンの料理が食えないってことなんだぞ!
だから今日の俺氏は食い専です! 食い納めこそが本日の俺氏の最優先事項――
――恩返しデュエルがしたいんだ!
なん……だと……!?
◆ ◇ ◆ ◇
「究極の輝きを放て! シャイニング・シュート!」
終わりたくない。
「へへっ、ユーヤ相手にこいつを見せる時が来るとは思わなかったぜ」
もっともっと、このデュエルを続けたい。
「俺はこれでターンエンドだ」
別れたくなんてない。
「さぁ、ユーヤのターンだぜ!」
このデュエルが終われば、彼は手の届かない場所へ行ってしまう。
だから、その前に見て欲しかったのだ。
この日のために準備した新しいデッキを、自分の成長した証を。
「…………」
なのに、いざ始まってしまったら、縮こまってしまう。
こんなの自分らしくない、自分が理想とするデュエルとは最も程遠いものだ。
そんな風に考えて、ふと顔を上げた彼は、いつもと変わらずデュエルを楽しんでいた。
悲しくないの? 寂しくないの? 別れが辛いと感じているのは自分だけなの?
浮かんでは消え、それでも絶えず消えることのない疑問が口から零れることはない。
少しでも長く、彼と別れたくないがために、デッキからカードを引くことができなくて。
「……ユーヤが何を悩んでんのかは分かんないけどさ」
そんなユーヤへ、彼は声を掛けた。
「そんな風に縮こまってちゃ、できることもできないぜ」
「…………ぁ」
それは、偶然にも今はいない父が放った言葉と同じものだった。
何かを成すためには勇気が必要で、そのためには前へと踏み出さなくちゃいけない。
それが例え、泣いてしまいたいほどに辛いことだったとしても。
それさえも笑顔に変えて、最初はやせ我慢でも、それがやがて本物の笑顔になると。
「ゆーやぁあああああああああああっ!!」
それは、物心がつく頃から一緒に居た親友の声だった。
「ビクビクばっかりなんてあんたらしくないわよ! 恩返しするんでしょ! 今まで学んできたこと全部出し切るんでしょ! そのために一からデッキを作ったんでしょうが!」
びしっとこちらにハリセンを突き出し、柚子は腹の底から想いを迸らせた。
その瞳にできた、自分と同じ隈は、彼女が寝ずに新デッキの調整に付き合ってくれた証で。
「無様なものだな、ユーヤ」
「……レーちゃん」
さすがは社長、こんな時でも重役出勤とは。
色んな意味で呆れるユーヤは、レージが放った次の言葉でいつもの調子を取り戻すことに。
「体も貧相なら、頭の中身も空っぽという訳か」
「……その胸にぶら下げてる重り外してあげようか? 仕事してる時とか邪魔じゃない?」
「まったくだ。少しは君にも分けてあげたいくらいだよ。正直肩が凝って仕方がない」
「あははっ。少しは運動しないと、その胸みたいにぶくぶく肥えてもあたしは知らないよ?」
「羨ましいのなら素直にそう言ったらどうだ」
「ぜんぜん? これっぽっちも? うらやましくありませんけどなにか?」
「君のフィールドにいる彼女達が、君が私を羨んでいるなによりの証だと思うのだが」
「単純にあたしのデッキと相性がいいだけだよバカ! なに深読みしてんのさ腹黒メガネ!」
「アシスタントの彼女達と比べると哀れを通り越して悲惨だな……なるほど、これが貧富の差か」
「うがぁあああああああああああああっ!?」
行き場のなくした感情を絶叫に変換。
そしてふと冷静に返り、対戦相手の彼を見れば、ポカンと完全な困惑顔。
あまりの恥ずかしさにボッと顔が火傷したみたいに熱くなり、恨めし気にレージを睨み付けた。
「君が負けることなど端から計算のうちだ。勝てる可能性など万に一つも存在しないのだから」
そんなユーヤの視線を、レージは逸らすことなく真っすぐに睨み返す。
「勝たなくていい。だが、無様なデュエルだけは許さない。――君は私のライバルなのだろう?」
スタンディングデュエルではレージが。
アクションデュエルではユーヤが。
それぞれの戦績は完全な互角、二人の関係が自然とそうなるのに時間は掛からなかった。
だからなのか、ユーヤの心に、負けん気に火が点く。
幼馴染と一緒に作り上げたデッキに目をやる。
次から次へと掛かる、周りからの叱咤激励の声が、更なる闘志をユーヤに湧かせた。
だからこそ、今度は真っすぐ前を向いて、彼と目を合わせることができたから。
「見てて。これが、あたしが今まで学んだきたことの集大成だよ」
デッキからカードをドローする。
それが、本当の意味での恩返しデュエルが開幕した瞬間だった。
「Here we go! It's a show time!」
楽しめ。
「あたしはPスケールをセッティング!」
この場にいる、誰よりも。
今この瞬間を、彼とのデュエルを楽しみ尽くせ。
「レフトPゾーンに≪オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン≫をセット! ライトPゾーンに≪オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン≫をセッティング!」
彼とデュエルする中で、気付いたことがあった。
デュエルとはこんなに面白く、素晴らしいものなのだと。
だからこそ、皆にもこの楽しさを知って欲しいと、心の底から思うのだ。
「揺れて運命の振り子! 迫り来る時を刻み未来と過去を行き交え!」
それこそが、ユーヤのデュエルに対する想いの根源。
ユーヤをユーヤたらしめる唯一無二のデュエルスタイル。
父である遊勝とも違う、師である彼とも異なる、ユーヤが目指すエンタメデュエルの理想像。
「ペンデュラム召喚! ――来て! あたしのフェイバリットたち!」
自分自身が笑顔にならなければ、誰かを笑顔になどできはしない。
だから、何よりもまず、自分自身が笑顔になれるよう、目の前のデュエルを楽しもう。
そして、自分が感じた喜びを皆に伝える、そんなデュエルを対戦相手と一緒に創り上げるんだ。
「≪オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン≫! ≪オッドアイズ・ファントム・ドラゴン≫!」
デュエルは楽しく、楽しむなら皆で最高に盛り上がろう。
ユーヤが目指す最高のエンタメデュエル、今日がその最初の一歩だ。
「さあ! お楽しみはこれからだよ!」
他の誰でもない、彼に真っ先に見てもらいたいと、そう思っていたから。
父の失踪で一時は失った、デュエルを楽しむ気持ちを取り戻させてくれた、大好きな彼に。
「手札より魔法カード≪ライトニング・チューン≫を発動! このカードの効果で、フィールドにいるレベル4で光属性モンスターの≪EMユニ≫をチューナーとして扱うことができる!」
扇情的なマジシャンコスチュームを纏う金の獣人≪EMユニ≫、そして青の獣人≪EMコン≫。
彼女達こそユーヤのエンタメデュエルのアシスタントを務める、その名は≪Unicorn≫。
光が≪ユニ≫を包み込み、隣の≪コン≫へと静かに寄り添う。
向かい合い、瞳を閉じ、手と手を重ね合わせた二人が次の瞬間、光となって弾けた。
「あたしはレベル3の≪コン≫にレベル4の≪ユニ≫をチューニング!」
四つの光輪を三つの星が駆け抜け、生み出されるのは赤きドラゴン。
「その瞳に宿すは爆炎! ――シンクロ召喚!」
それは、絆を司る力。
「レベル7! ≪オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン≫!」
現れたのは、燃え盛る炎を宿したオッドアイズ。
雄々しき咆哮を迸らせ、主を守護せんと力強く前を見据える。
「更に! レベル7の≪ペンデュラム≫と≪ファントム≫でオーバーレイ!」
元は≪オッドアイズ・ドラゴン≫だったカードが分裂し、創造された二体のドラゴン。
フィールドに発生した渦へと吸い込まれ、宇宙誕生を彷彿とさせる爆発が巻き起こる。
「その瞳に宿すは氷結! ――エクシーズ召喚!」
それは、希望を司る力。
「ランク7! ≪オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン≫!」
炎を氷が侵食し、水蒸気となって辺りを覆い尽くす。
直後、美しい嘶きを轟かせ、霧を切り裂き現れたのは青きドラゴン。
熱気と冷気は、しかし反発することなく、ユーヤを中心に交わり合う。
そして、発生した水蒸気が空へと昇り、一つの巨大な雷雲を形作った。
「魔法カード≪ペンデュラム・フュージョン≫! あたしはPゾーンの≪ペルソナ≫と≪ミラージュ≫で融合召喚を行うよ!」
二体のオッドアイズ達さえも呑み込み、稲妻を伴い舞い降りる緑のドラゴン。
「その瞳に宿すは迅雷! ――融合召喚!」
それは、結束を司る力。
「レベル7! ≪オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン≫!」
融合、シンクロ、エクシーズ――。
ペンデュラム召喚を皮切りに、生誕した三体のドラゴンは世界にその存在を轟かせる。
互いの誕生を祝うように、そして眼前に対峙する主の対戦相手を打倒するために。
HEROは必ず勝つと彼は言い、見事実現して見せた。
ならばこそ、そんな彼のHEROに打ち勝つ、これに勝るエンタメが存在するだろうか。
「行って! ≪メテオバースト≫! ≪アブソリュート≫! ≪ボルテックス≫!」
バウンス、効果封じ、後続召喚で彼のフィールドを蹂躙していく。
結果、場はゼロ、LPは風前の灯火、手札なし、その上一度だけ効果発動を無効化が可能。
絶体絶命どころの話ではない、勝機などある訳がない。
ユーヤの勝利を誰もが確信する中、立ち込めていた煙が晴れ、彼が姿を現す。
「…………ぁ」
彼は、笑っていた。
手札ゼロ、フィールドもゼロ、LP100――勝ち目なんてある訳もないのに。
この逆境を、デュエルを、この場にいる誰よりも、心の底から、楽しんでいた。
「……敵わないなぁ」
もし、デュエルの女神なんて存在がいるのなら。
誰よりもカードを愛し、デュエルを楽しむ彼に微笑むだろうことは想像するに容易くて。
「今度は俺が、ここでの集大成を見せる番だ」
それどころか。
このピンチをどう乗り越え、この布陣を突破するのか、自分自身が見たがっていたから。
「俺のドローは奇跡を起こすぜ! 俺のターン!」
そして、その言葉は現実のものとなる。
「光と闇の狭間より現れよ! ――アドバンス召喚!」
白と黒。
オッドアイズ達と同じ、異なる二色で彩られた、神秘的なドラゴンがフィールドに舞い降りる。
「これが相棒のもう一つの可能性の姿だ!」
そして、ドラゴンに寄り添うように、深紅の鎧と純白の翼を持った天使が隣に降り立つ。
「くらえ! シャイニングブレス! バーサーカークラッシュ!」
眩い光が視界を焼き、巨大な鈎爪がLPを削り尽くす。
デュエル終了のブザーが鳴り、達成感と虚脱感が同時に全身を襲って。
地面に倒れ込んだユーヤが見上げた先で、彼は笑って指を突き出してきた。
「ガッチャ。楽しいデュエルだったぜ、ユーヤ」
終わってしまったことは寂しいけれど。
それ以上に楽しくて仕方のない、そんなデュエルを一緒に創り上げてくれた彼へ。
「こっちこそ。――ガッチャ、とっても楽しいデュエルだったよ」
楽しいデュエルをありがとう。
勝ち負けではなく、デュエルを楽しむ彼の礼儀に乗っ取って。
溢れる涙を零しながらも、笑顔で恩返しデュエルを締めくくるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇
★月♡日
スタンダードとは別の次元に渡っての記念すべき最初の日記。
色々あり過ぎて書き切れそうにないけど、これだけは伝えなければいけないと思ったんだ。
ピエロのおじさん! このピリ辛レッドデーモンズヌードルってゲキうまっスね!
という訳で、本話をもってスタンダード次元編は終了。
次回から新次元編をお送りする次第、果たしてどの次元か読者の皆は分かるかな(棒読み
ちなみに、本作のユーヤのデッキはアニメ漫画OCGをミックスさせた≪EMオッドアイズ≫なり。
カバ「」
Unicorn「ふふん」
星読み・時読み「」
ペルソナ・ミラージュ「ドヤァ」
グラビティ「」
S・X・融合竜「儀式次元なんて存在しなかった」
キリもいいので、今年の投稿はたぶんこれが最後になるかと。
なので、ちょっと早いですが皆さま良いお年をお迎え下さい。