( ゚д゚)ファッ⁉︎
ってなりました。
今後ともよろしくお願いします。
よく見ると入って来たのは青葉ちゃんだけではなく、先ほど背中をさすっていたオッドアイの娘もいた。どっちがどっちだったっけ?
「とりあえず、こっち来て座りなよ。えっと、君は…。」
「あ、古鷹っていいます。付き添いで来ました。」
「古鷹ちゃんね、わかった。一応聞くけど、二人は今日何の相談で?」
そう聞くと青葉ちゃんはうつむいた後、話してくれた。
「…諸星さんもその場にいたのでわかってると思うのですが、青葉は司令官にすごく怒られました。」
やっぱそうか。と言うより、あれは『怒る』に含んでいいのだろうか?それは後にして話を聞こう。
「それで、青葉は写真を撮ったり、それを記事にしたりするのが趣味なんですが、あんな事言われてどうすればいいかわからなくなって…。だから、相談をしに。」
なるほどね、気持ちはわからなくない。だけど、少し勘違いしてるみたいだから教えておこう。
「青葉ちゃん、一つ言っておくよ。あいつも言ったと思うけど、あいつは『カメラで撮る事』を怒ったんじゃない。『勝手に隠し撮りした事』を怒ったんだ。だから心配する事じゃないよ。」
「ですが…。」
まだ悩むか。なら、とっておきの事を教えとくか。
「それに、あいつは普通に撮られるのは好きなんだ。多分今から頼み込んでも喜んで撮影に協力すると思うよ。」
「ええっ⁉︎あんなに怒ったのにですか⁉︎」
まぁ驚くよな。あいつは失礼を働いても間を置いた後ちゃんとした方法で物を頼めば何であれ引き受けるからな。もちろん物によるが。
「ああ。あいつは目立ちたがりだからな。パパラッチみたいな事は嫌いだが、ちゃんとした取材ならノリノリで答えるから。だから、今の趣味は止める事は無いよ。ただ、さっきみたいな事はもうしないほうが良いよ。」
そこまで言うと青葉ちゃんは顔を明るくさせて、ほっとした顔を浮かべていた。
「わかりました!では早速司令官のところに取材に行って来ます!相談に乗っていただき、ありがとうございます!古鷹さん、行きましょう。」
「あ、待って。えっと、ありがとうございました。」
二人が元気よく出て行ったのをみて俺は一安心した。この分ならもう大丈夫だろう。
「轟沈者はなし、ね。だが作戦ごとの中破、大破者がそこそこ多いから、そこを何とかすれば…」
蓮也が資料を見ながら呟いていると、扉を叩く音が聞こえた。入室を許可すると青葉、衣笠、古鷹、加古の四人が入って来た。青葉の手にはカメラがあった。
「ああ、君達か。何の用だい?」
「あの、先程は失礼しました。隠し撮りしてた青葉が悪かったです。」
深々と頭を下げると青葉を蓮也は一瞥した。残りの三人は心配でついて来たのだろうと考え、青葉に質問した。
「それで?まさかただ謝る為だけにここに来たわけじゃないだろう?」
「その、お時間があれば今から撮影と取材をしてもよろしいでしょうか?」
「……。」
すっ、と彼は立ち上がり、青葉に近づいていく。四人は突然の行動に戸惑いながらも身構えた。蓮也は青葉の目の前までくると、おもむろに右腕をあげた。思わず青葉は目を瞑り、他の三人は蓮也が何か良からぬ事をすると思い青葉を庇おうとした。
だが彼のした事は違った。ぽふっと青葉の頭に手を乗せるとそのまま優しく撫でていた。
「…え?」
「良く言えました。もう隠し撮りはすんなよ。僕だけじゃなく他の娘達にもね。」
ニコニコ笑いを浮かべながら再び彼は椅子に座った。
「何から聞きたい?プライベートに深く関わる事じゃなきゃ答えるよ。」
「…!じゃあまずはですね…。」
その様子を見た衣笠達三人は安心した。そこにはいつもの顔に戻った青葉の姿があったからだ。
ただ、蓮也が写真の出来に満足せず、撮影を何度もやり直し、結局執務室を出たのは数時間後になったのはここだけの話であった。
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青葉ちゃん達が出て行ってから俺は鎮守府に着任している艦娘の名簿を眺めて顔と名前を覚えていた。すると再び扉を叩く音が聞こえた。
「どうぞ。」
「失礼するよ。」
そう言い入って来たのは黒髪で犬の耳みたいな髪型の女の子だった。確か、時雨ちゃんだったかな?
「えっと、時雨ちゃんでいいのかな?」
「うん、そうだよ。それで、早速だけど僕の悩みを聞いてくれないかな?」
へー、ボクっ娘か、何か似合うな。それはいいとして話しを聞こう。
「何だい?」
「新しい提督の事なんだけどちょっと不安があってね。」
またあいつか…。
「さっきの諸星さんとのやりとりを見て思ったんだけど、提督って他の人にもあんな感じなのかい?」
「まぁ、そうだな。普通に接すればいいけど、何かあればすぐ辛辣な態度とるって感じだな。あとかなりの毒舌だし。」
「そうなんだ…。何かうまくやってけるか心配だな…。」
そう言うと時雨ちゃんは困った顔を浮かべ、心なしか耳みたいな髪もしおらしくなってる。その仕草に少しばかりドキッとしたが、俺は断じてロリコンではない。これは多分父性か保護欲の一種だ。
「でもあいつが本気で毒を吐くのは失礼な事したりとかだよ。理不尽に責めたりはしないから安心していいよ。でも、からかったりもするからもし駄目だったらまた俺に相談しに来なよ。」
「でも、相談しに来るのは僕だけじゃないでしょ?諸星さんに迷惑がかからないかい?」
「時雨ちゃんが気にする事じゃないよ。それに、相談を受けるのが俺の仕事だから。」
「……わかったよ。まずは普通に提督と接して、駄目だったらまた諸星さんの所に来るよ。でも、あまり無茶しないでよ?せっかくここに来てくれたのに僕達の所為で倒れたりしたら嫌だから…。」
何この娘、すっごい優しいんですけど。心にじんわりきたよ。あいつにこの娘の爪の垢でも飲ませたいよ。あ、それだとただの変態か。じゃあ見習ってもらいたいね。
「じゃあ僕は失礼するよ。どうもありがとう。」
そう言って時雨ちゃんは出て行ったけど、何か相談された側なのに何かこっちが癒された気がする。
そうだ、このまま他の娘の名簿を見てるより直接会ってみて覚えた方がいいな。被害候補の娘がいれば忠告もできるしね。
そう思い、俺は相談室を後にした。
時雨ちゃんはマジいい娘(真理)
被害候補は某朝潮型二名と某綾波型一名が主ですね。
他にもいますがとりあえず今は伏せておきます。