今回から原作に入ります。時間は15年後、レージは23歳になっています。
エクスカリバーと復讐者・1
父さんと母さんが裏側に関わっている事と、俺の中に【
そんな俺たちは今、日本の駒王町にいる。
「ふぅん、あれが聖剣のオーラねぇ……確かに弱いけど聖なる気配は感じるな」
「ふん、聖剣なんてオモチャに縋って信者を犠牲にするとか本末転倒も良いところね。流石は教会といったところかしら?」
「カッカッカ!!イイねぇイイねぇ、祭りってのは派手にやらなきゃつまらんもんよ。堕天使様はその辺りが分かっておられる!!」
駒王町にある学校を一望出来る場所で俺がそこから感じられる気配の感想を言うと後ろにいた2人がそれぞれの感想を言った。
聖剣と教会を罵倒したのはジャンヌダルクの子孫に当たる銀髪の女性。彼女はジャンヌダルクの記憶を引き継いだのだが、それは教科書に載せられているような綺麗な物ではなく、自分を貶めた教会や天使、民衆に対する憎悪の最後だった。とある宗教を中心とした村に生まれた彼女はその事を周りの大人に告げたが否定され、それに彼女の持っている
彼女はジャンヌオルタ。誰もが知る聖人ジャンヌダルクの子孫でありながら、誰にも知られないジャンヌダルクの本性を引き継いだ復讐者。
一方で楽しげに笑いながらこの騒ぎの首謀者を賞賛のしたのは金髪混じりの黒髪を立てた青年。彼は人間の母と堕天使の父を持つハーフだが普通の人間の様に生きていた。それを父と同じ組織に所属している堕天使に壊された。彼はそれを叫んだが唯一訝しんだ父を除いて誰にも信じてもらえずにたった1人でその堕天使への復讐を誓った。
彼はアスラ。
俺たちが何故ここに居るのかと言えば、それは交流を持っている組織からとある情報を聞いたからだ。
それは、
堕天使が何かをするのは俺としてはなんら興味が無い。人間界で騒ぎを起こされるのは良い感情を持たないが、悪魔が自分の土地だと言い張っている土地でなら手放しで喜んでいただろう。そもそも悪魔の本拠地は冥界で、人間界にはそこにいた種族から交渉や無理矢理に強奪した土地を自分の物だと言っているだけに過ぎない。日本を統治しているのは日本神話勢力だが、近年での信仰離れにより日本神話の力が削ぎ落とされた隙を突かれて土地を奪われたのだ。
俺は興味無し、ジャンヌオルタは教会ザマァと笑い、アスラは復讐対象の堕天使以外の堕天使は憎んでいない。だが他に居る3人の内の2人が堕天使を、そして教会と聖剣を恨んでいたのでこうして日本に来たのだ。もう1人はその付き添いに行っている。
ちなみに日本神話勢力に話を通したら寧ろこちらからお願いしたいと報酬を渡された上で頭を下げられた。なんでも人外のせいで何も知らぬ人間たちに被害が出るのは好ましく無いとの事。本来なら日本神話勢力が解決すべき問題なのだが、はぐれの悪魔や堕天使、悪魔祓いの被害のアフターケアで割ける人員が居ないとの事だった。
こちらとしては個人的な動機で動いているのに申し訳ないという気持ちでイッパイだったのだが、向こうの立場や心情を理解して正式に依頼としてコカビエルと聖剣、それとコカビエルが連れてきた堕天使の排除を受ける事にしたのだ。
「堕天使コカビエルの目的は有耶無耶になった戦争の再開……どう思うよ」
「馬鹿らしいわね。やるんだったら人間を巻き込まないでやりなさいよ。いくら悪魔共が治めていると言い張っている土地だからってここは人間の町なのよ。まったく、これだから三大勢力は……」
「全くもってジャンヌの嬢ちゃんの言う通りよ。納得出来ない終わりだったのだろうがだからと言って無関係な奴を巻き込んでまで再開しようってのはちょいと納得出来ないな」
「そうだな……しかも指揮が取れてるならまだしもコカビエルは堕天使の手綱を握るつもりは無いらしいし……この数日で一体どれだけ堕天使を始末したやら」
コカビエルが駒王町に居るという噂を聞いて、はぐれの堕天使はここに集まってきた。だが、コカビエルはそれをまったく纏めるつもりが無かったのだ。結果、駒王町に集まるのは問題を起こして
ここの自称管理者の悪魔共もその事には気がついていたらしく堕天使の排除をしていた。俺たちはそれを溢れた堕天使を排除していた。端から見れば悪魔共と手を組んでいるように見えるだろう。正直言ってそう考えた瞬間、吐き気を催した。だけど、何も知らない人間が犠牲になり、俺たちの様な復讐者が出るよりはマシだと思って無理矢理納得させた。
「おっと、ようやく自称管理者の悪魔共が着いたらしい」
学校の入り口には自称管理者の悪魔共であるリアス・グレモリーとソーナ・シトリー、それとその眷属である転生悪魔の少年少女たちの姿が見えた。誰も彼もが十代の少年少女で、纏っている気配と雰囲気から実力としては中級クラスが良いところ。相手の慢心や油断を突くことが出来れば上級とギリギリといった実力だな。
正直言って、コカビエルを相手にするには足りなさすぎる。コカビエルは聖書にも名を残す堕天使で、聖書の神と先代の魔王が死んだ大戦を生き残った強者だ。老いもあって多少最盛期よりも実力は落ちているだろうがそれでも最上級クラスの実力者である事には変わりは無い。
その実力差を理解して挑もうというのなら、恐らく狙いは時間稼ぎなのだろう。大方、魔王かその眷属かが来るまでの時間稼ぎ。なら、あの程度の戦力で向かって行くのにも納得がいく。防戦一方になることを覚悟しておけば魔王の到着までは持ちこたえられるだろう。
「へぇ……シトリーの方が眷属と一緒に周りに結界を張って、グレモリーの方が行くのね。てっきりどちらも周りの被害を考えずに戦うものだと思ってたわ」
「まぁなんにせよ人間への被害を抑えようとしているのは良いことだ。俺たちの介入が減れば、それだけ日本神話にかける迷惑が減るからな」
「意外だな?大将のことだから悪魔滅殺の雄叫びと共に突っ込んでいくと思ってたが」
「リアス・グレモリーとソーナ・シトリーは悪魔の中でもマトモな方だから、なんとか自制が効く。もし俺が嫌う悪魔のそれだったら間違いなくアスラの言った通りにしてたかもな」
調べた限りではリアス・グレモリーとソーナ・シトリーは人間界の事を考えて、迷惑にならぬように行動をしている素振りがある。人間を眷属に転生させる際にもそれによって起こるメリットデメリットを何度も説明し、本当に良いのかと何度も確認を取ってからさせている。問答無用で、口八丁で騙して悪魔に転生させる奴らに比べればマトモだから、自制が出来ていた。
「俺たちの出る幕は今の所は無し。だから見ていようか……あいつらの復讐が果たされるところを」
俺を含めて我の強い仲間たちだが、それでも3つだけ守るべき
1つ、人間界への被害を極力出さない事。
1つ、手を貸し合う事。
1つ、それぞれの復讐には手を出さない事。ただし対象が同じだったら早い者勝ちとする。
つまり、誰かが復讐を果たそうとしているのなら他の奴らは手を出さない。それはそいつだけの復讐であって、仲間であるとはいえ部外者が手を出して良い事では無いからだ。
だから俺たちは絶対に仲間の復讐には手を出さない。手を貸す事はあってもそいつが果たそうとしている復讐にはたとえそいつが死に掛けていても手を出さない。
「さぁイザイヤ、クリス、お前たちの復讐の始まりだ。その憤怒を振るうが良い」
だから俺は仲間の復讐が成されることをここから見守るのだった。
レージの仲間が出ました。ジャンヌダルクの憎悪を引き継いだジャンヌダルクの子孫のジャンヌオルタとアザゼルの息子で母を堕天使に殺されたアスラです。ジャンヌオルタはFGOのジャンヌオルタ、アスラはシルヴァリオヴェンデッタのアスラ・ザ・デッドエンドをイメージしてもらえれば良いです。
そしてレージたちは復讐しに来たつもりなのに日本神話から頭を下げられて依頼されるという……これも日本人の信仰離れによって日本神話が弱体化しているのが原因です。もし信仰があったら三大勢力を日本から追い出すくらいは出来ています。
そして今回復讐を果たそうとしているイザイヤとクリス……いったい誰なんだ……
あ?もう1人が出てこない?それはね、彼女は裏方がメインだからだよ。