Highschool of the Dead  ~比企谷八幡の選択~   作:隣の三下君

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今回少しキャラ崩壊します。はるのん可愛い~て思いながら書いたらこうなりました。

違和感ありまくりですいません。


1章-7「強化外骨格」

昨日雪ノ下とあんなことがあり、あまり眠れなかった俺はまだ薄暗い中喉を潤す為にリビングまできた。

 

 

「あれー?比企谷君じゃない♪ひゃっはろー♪」

そこには下着にエプロン姿の雪ノ下さんが立っていた。

 

 

「な、な何でいるんですか?」

 

「んー?朝御飯作ってるんだよー?皆お腹空いてるでしょ?」

 

「そ、そりゃ...そうですけど何でそんな格好なんすか...」

 

「あーまだ皆起きてこないと思って、少しはしたなかったかな?」

時間を確認すると3時を指していた。確かに起きてくるには早すぎる時間かもしれない。

 

「でも雪ノ下さんも疲れてるんじゃ...」

 

「比企谷君、心配してくれるのー?お姉さん、嬉しいな~♪」

 

「からかわないでくださいよ」

 

「私は平気だよ?」

平気な筈はなかった。いきなりこんな事態になり、何人もの奴等を倒してもらい、ずっと運転までしてくれていたのだ。

普通の人ならとっくに倒れていても不思議じゃない。

流石は雪ノ下さんなのだろう。だけどこの人は自分を常に偽っている、俺は初めてこの人に会ったときからそう感じていた。

 

 

 

強化外骨格。

俺が雪ノ下さんに初めて会ったときに感じたのはこれだった。

一色も、あざとい自分を作り自分を偽っているが、雪ノ下さんは一色の比ではない。

完璧に自分の外見を変えてさもそれが本当のように見せている。

 

だがいくら完璧に偽ろうとも、所詮それは自分を騙しているのだ。そして今雪ノ下さんは俺を騙そうとして自分の体も騙そうとしている。

 

辛い体を騙して無理をしてでも強化外骨格を張り続けている。

 

「俺の前くらい....」

 

「え?」

 

「俺の前くらいなら...自分を偽らなくてもいいんじゃないですか?」

 

「私は別に偽ってなんか」

 

「偽ってるじゃないですか....」

 

「へえーならどこが偽ってるっていうのかな?」 

 

「以前...雪ノ下さんは言いましたよね。雪乃ちゃんは良いよね。なにもしなくて良いんだから。“誰か”がやってくれるんだからって」

 

「言ったね。それがどうしたの?」

 

「俺はずっと気になっていました。その“誰か”っていうのが誰なのか」

 

「それで?」

 

「最初は俺や由比ヶ浜の事かと思いました。でも今は....雪ノ下さんの事だったんじゃないかなって思います」

 

「私が?やだなー比企谷君、私はなにもしてないよ?」

 

「俺は今まで雪ノ下さんと雪ノ下の会話を聞いて思ったことがあります。雪ノ下さんが極度のシスコンってことです」

 

「んーまっ♪正解かな?雪乃ちゃんは大好きだし♪」

 

「文化祭の時に雪ノ下の敵になったのも敵から見た方が雪ノ下の現状が理解できるから。用は雪ノ下を助けてくれるやつがいるか確認したかったんですよね?」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「別にただのカンですよ」

 

「ふーん。それじゃあ君が助けたんだし、やっぱり君のことじゃないのかな?」

 

「それだけじゃありません。雪ノ下さんと初めて会ったとき、わざと俺の気を引こうとしましたよね?その気もないのに」

 

「それで?」

 

「あれは雪ノ下の反応を見てどうゆう関係なのか確認したかったから...違いますか?」

 

「比企谷君がそう思った根拠は?」

 

「もし小町が知らない男と一緒にいたら...そう考えると、まあ俺なら殴るかも知れませんが。雪ノ下さんの気持ち、分からなくもないので」

 

「あはははは♪やっぱり比企谷君もシスコンだね」

 

「つまりですが...雪ノ下さんは、何をやるにも雪ノ下の事を第1に考えて行動してきた....なのにあの言葉だけは違う」

 

「・・・どう違うのかな?」

 

「あれは完全に雪ノ下の為に言った言葉ではなく“誰か”の為に言った言葉でした。そしてずっと雪ノ下の事を想って動いてきたのは雪ノ下さんです」

 

「・・・だから私自身に向けて言ったってこと?」

 

「まあ、あくまでも俺の仮説ですが。それでもあの時の言葉は俺の知ってる雪ノ下さんらしくなかったです。でも...本当の雪ノ下さんなんだなって感じました」

 

「本当の私?」

 

「はい。他人への気配りや空気を読んだり完璧に振る舞っている姿が本当の雪ノ下さんではなく。しっかりと自分の意思があり、怒りもすれば嫉妬もする女性が雪ノ下陽乃という人間だと思います」

 

「・・・ねえ?比企谷君」

 

「はい」

 

「もし比企谷君の言っていることが間違っていないとして。比企谷君は私の事軽蔑した?」

 

「いいえ。尊敬しても軽蔑なんてしませんよ。俺は逃げてきた人間ですから」

 

「そっか...ねえ?比企谷君お願いしてもいいかな?」

 

「俺に出来るか分かりませんけどね....」

 

「もう!そこは何でも言ってくださいでしょう?」

 

「俺にそんな頼れる主人公みたいなのを言われても無理ですから...」

 

「比企谷君らしいね。でも....今の私にとって主人公は比企谷君だよ?」

 

「・・・頼りない主人公ですね」

 

「ううん。私の事を2度も助けてくれた....」

雪ノ下さんは少しずつ俺に近付いてくる。

 

「・・・雪ノ下さんなら自分でも気付けましたよ」

 

「それはどうかな...」

 

「それに2度も助けた覚えは...」

雪ノ下さんは右手を伸ばして俺の頬にあててくる。

 

「1度目は、私を人でいさせてくれたこと」

 

「・・・助けたのは俺じゃありませんよ....あいつらです」

 

「私が言ってるのは私を鬼にしないでくれたこと」

雪ノ下さんは俺の頬から手を下に滑り下ろすようにして胸まで手を移動して頭を俺の胸に預けてくる。

 

「あれは....雪ノ下がしようとしていたことを俺がやっただけですよ...」

 

「それは嘘。雪乃ちゃんに、そんな勇気はないもの」

 

「そんなこと...」

 

「2つ目は...長い間自分を偽って何者なのか分からなくなっていた私に、本当の私を思い出させてくれたこと」

雪ノ下さんは右手と左手を俺の背中に回す。

 

「俺は...」

 

「比企谷君の言う通りだよ。私ね、すごく怖い...眠いはずなのに、寝てしまったら...目を覚ましたとき私はって思ったら怖くて怖くて...寝れなくて。だからこうして偽っている自分になって怖くないって自分を騙してたの」

 

「・・・俺には荷が重いお願いになりそうですね」

 

「そんなことないよ。ただこうして....こうしてくれているだけで....」

雪ノ下さんは目を閉じて寝息をたてはじめた。

俺は雪ノ下さんを起こさないようにその場にゆっくり座って壁に体を預けながら俺の胸の中で寝ている雪ノ下さんの頭に手をのせる。

 

「雪ノ下さんがこんなにも小さく見えるなんてな....」

普段の雪ノ下さんからは、考えられないほどに無防備でそれでいて儚げで..... とても綺麗だと思った。

 

 

 

 

 

一色side

 

今朝から何かがおかしな気がします。何がおかしいって、先輩とハルさん先輩がおかしいんです。普段のハルさん先輩は、先輩を弄って遊んでいるというイメージでしたが何か今日は違う気がしました。

目を合わせればお互いに目を反らして、また合わせたらハルさん先輩、顔赤くして笑ってますし。完全にホの字だと思います。

 

「先輩~」

 

「ん?どうした一色」  

 

「今日の朝、ハルさん先輩と何かありました?」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

二人揃って沈黙しないでくださいよ...完全に何かあったんじゃないですか。

 

「何でそんなこと聞くんだ?」

 

「いえ何となく」

 

「姉さん?何かあったのね?」

雪ノ下先輩はどうやら気付いたようですね。

あー因みに結衣先輩と三浦先輩と小町ちゃんは見張りに行ってもらってるので今はいません。

 

「んーとねー。私今の現状が怖くて....比企谷君に慰めてもらっちゃった♪」

 

「・・・はあ...どうやら本当の事を話す気はないみたいね。それで比企谷君にも聞くけれど何かあったのかしら?」

 

「何もなかったな」

 

「そう...ならいいわ」

 

「雪ノ下」

 

「なに?」

 

「昨日のこと覚えてるか?」

昨日のことって何ですか先輩...。

 

「朝から頭痛が酷いとは思っていたのだけれど...あなたのせいなのかしら?」

 

「お、俺は別になにも....」

 

「あれー?お兄ちゃん反応が怪しいですな~もしかして雪乃さんと何かあった?」

あれ?わたしだけなにもないんですけど..先輩どう言うことですか!?

 

「小町さん、私と比企谷君の間に何かあるなんてことあるわけないでしょう」

 

「そ、そうですよねー。お兄ちゃんですもんね」

 

「あ!先輩ーそろそろ見張り交代の時間ですよ!早くいきましょう!」

 

「お、おお...なんでお前そんなに張り切ってるの?」

それは...二人っきりになるのでチャンスを物にするためです!なんて言えませんし。

 

「早く行かないと三浦先輩が怖いからですよ!」

 

「あー確かにそれはそうだな...」

わたしはハルさん先輩から借りたハンドガン2丁(右手にはベレッタ92、左手にはFN Five-seveN)をホルスターにしまって先輩と一緒に階段を登っていきます。

 

「なあ一色」

 

「なんですか?」 

 

「お前は何で2丁拳銃にしたんだ?」 

 

「そうですねー。もし先輩が奴等に襲われたときに早く助けられるようにですかね?まあ格好いいっていうのもありますけど」

 

「絶対最後のが本音じゃねーか」

 

「やだな~そんなことないですよー」

 

「はいはい」

こんなどうでもいいような会話でさえも先輩としていると何故か楽しくて不思議と心が踊ってしまいます。

 

「はあー...マッカン、飲みてえな....」

 

「あんなに甘いものよく飲めますね...」

 

「いや、千葉県民ならマッカンだろ?千葉県民がマッカン以外飲んでどうすんの?」

 

「いやいやいや、その理屈はおかしいですって」

 

ドンドンドン!

 

「っ!」

 

「っ!」

近くで扉を叩く音がして私達は音がした方を見ると小学生くらいの女の子とそのお父さんらしき人が扉を叩きながら叫んでいました。

 

「た、頼む!ここを開けてくれ!」

どうやらここまで逃げてきたがいく宛が無く電気の付いていた家に目星を付けて入れてもらおうとしているんですね。

 

「あれは....留美?」

先輩が何か小声で言ったあとその場に立ち上がりました。

 

「ここを開けてくれないのなら扉を壊す!」

 

「ヤバイ!留美逃げろ!」

先輩は叫びました。

 

「っ!八幡?」

女の子は此方に目を向けました。ですが....女の子が此方に目を向けた瞬間にお父さんは家の中にいた人に包丁で刺されてその場にうずくまるように倒れてしまいました。

 

「お、とうさん?・・・・・嫌.....いやぁああああ!」

女の子は大きな声で叫び奴等もその声に反応して女の子に近付いていきます。

このままじゃ!わたしは思いましたが昨日言われたことも思い出しました。俺達は全員を助けることはできない。その言葉を思い出すとわたしはその場で動くことが出来なくなりました。

 

「比企谷君どうかしたの?」

 

「なにかあったのかしら?今の悲鳴は...」

 

「ああ、雪ノ下。留美だ」

 

「ヒッキー...」

 

「てか、かなりやばいじゃん!どうすんの!?」

 

「俺は.....助けにいく」

 

「っ!先輩が行くならわたしも行きます!」

 

「駄目だ!俺1人で行く」

 

「・・・比企谷君」

 

「止めてもいくぞ。雪ノ下」

 

「誰も、止めたりしないわよ...そうじゃなくて頼れと言っているの」

 

「そうだよ、ヒッキー!」

 

「比企谷君、私と雪乃ちゃんでサポートするから絶対に生きて戻ってくるのよ?」

 

「はい!」

先輩はそれだけ言うと鉄パイプを持って向かおうとしたのでわたしは先輩を呼びました。

 

「先輩!」

わたしは自分の持っていたハンドガン(ベレッタ92)を先輩に投げました。

 

「一色...サンキュな」

 

「はい!」

先輩は銃を上着のポケットに閉まって向かっていきました。

 

「さあて...雪乃ちゃん。比企谷君が来るまでに調整しといてね?近い奴等は私が倒すから雪乃ちゃんは近付いてきた奴等を狙ってね」

 

「ええ....上手くやって見せるわ」

 

「すごい!ゆきのん、いつ銃の撃ち方なんて覚えたの?」

 

「姉さんに大学の射撃場に連れていかれたのよ」

 

「ひどーい雪乃ちゃん。連れていかれたなんて~最後の方なんて結構楽しそうだったよ?」

 

「・・・悪くはなかったわね」

バン!と雪ノ下先輩が撃った弾は女の子の近くにいた奴の額を撃ち抜いた。

 

「さっすが雪乃ちゃん♪さて、他の子達は比企谷君戻ってきたらここを移動するから荷物を纏めて準備をお願いね」

 

「移動するんですか?」

 

「そっ、銃を使うと奴等は集まってくる....それに銃に集まってくるのは何も奴等だけじゃないからね」

 

「生きてる人ですか...」

 

「そうゆうこと」

 

 

 

 

比企谷side

 

留美を見かけたとき千葉村キャンプ場で初めて留美を見たときと同じ顔をしていた。クリスマスイベントの時に見かけたときは少なからず顔に覇気があった。

でも今は....。そこまで考えて留美の父親が叫び声をあげた。それを聞いた俺は思わず叫んでいた。

 

こんな極限状態で家族だけを守ることが精一杯なのはどこも同じだ。他人を助けられる余裕なんてない。そんな中で家の扉を壊すなんて言われれば....。

俺の予想は当たってしまい留美の父親は家から出てきた男に刺された。

俺の声に反応した留美は刺される瞬間を見てないが父親が刺されたのを確認すると叫び声をあげる。

 

留美が叫び声をあげたことにより奴等がどんどん集まってくる。このままでは留美も奴等になってしまう。

 

そんな留美を見たら、いてもたってもいられなくなり留美の元に向かおうとすると雪ノ下達も騒ぎを聞き付けてベランダにあがってきた。

 

俺は最初助けに行くことを止められると思った。もし俺以外が行こうとすれば俺も止めるから。でも違っていた。

 

 

「誰も、止めたりしないわよ...そうじゃなくて頼れと言っているの」

雪ノ下は最初から止める気なんてなかった。止めても無駄なんでしょ?と言われ、俺の口が緩んでしまう。こんな状況なのにこいつらと一緒にいるだけで安心してしまっている俺がいた。

 

ボッチは群れることで弱くなると言っていたのが懐かしく感じる。

 

 

俺は慌てて向かおうとすると一色に呼び止められ振り返ると銃を投げられる。

確かに鉄パイプだけじゃ心もとないしなと思いお礼を言ってから走って留美の元に向かう。

 

 




留美を無事に助けられるかどうかは次回に回します。




え?材木座が出てない?・・・・い、今から活躍するんですよ....たぶん。

※由比ヶ浜の一人称の変更8月11日。

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