架空世界では俺の青春ラブコメは間違えない?   作:0ひじり0

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どうも、0ひじり0です。

八幡が八幡らしくない気がします…。
八幡難しいな…。


Ep.4

ディアベル「みんな…勝とうぜ!!!」

 

ディアベルの掛け声に集まったプレイヤー達が吠え、次々に走り出す。士気は上々。悪くない出だしだ。

 

ハチマン「……なんかここからだとあいつの顔が見えないから余計に材木座に感じるな。なんか腹立つ。」

 

俺達6人は少し後方からのスタートのため少し遅れてスタートをする。

 

イロハ「なにいってるんですか?まあ、なんとなく気持ちはわかりますけど…。」

 

ユイ「あはは…。」

 

複雑な表情な一色がぼやき。由比ヶ浜はそれを聞いて苦笑いをしている。くそっ。材山の癖に。

 

アスナ「三人とも。サボってたら置いて行くわよ?」

 

俺達の中で一番最初に前に出たのはアスナだった。アスナはあれから基本的なチームワークを学び、直ぐにそれを吸収した。

 

ハチマン「はいはい。お姫様の仰る通りに。」

 

アスナ「はいは一回って習わなかったの?」

 

ハチマン「生憎俺はボッチだから知らないな。」

 

アスナ「ふふっ、本当に減らず口ね。」

 

俊敏が高い俺とアスナが前に出て切り込みパワーが高いキリトと由比ヶ浜が真ん中でモンスター追撃。残った小町と一色はその身軽さを生かし、キツいところのフォロー&後ろからのモンスターの対処。これが俺達が練習で見つけた陣形。此れならバランスも良く。今回はさほどモンスターの数はいないがこの陣形はモンスターが多くても対処可能。さらに全員が2チームに別れた状態だから他のフォローなどに行きやすくなるのだ。

 

――――――――――

 

ハチマン「ふっ!まだ倒せないのかよ。」

 

コマチ「お兄ちゃん。コマチ疲れたよー。」

 

ハチマン「後、少しだ。頑張れ。」

 

俺は目の前のモンスターの首を落とし、コマチの頭を撫でて労いながらボスに目を向ける。

戦いが始まってから数十分がたってボスの体力はやっとレッドに到達したくらいだった。

 

キリト「やっとレッドか。そろそろ武器が変わるぞ。」

 

テスターであったキリトは睨む様にボスを見つめる。

このまま行けば問題なく勝てる俺達は少し安堵した。しかし、問題が起きてしまった。

 

ディアベル「みんな退け!ここは俺が決める!!」

 

ディアベルが1人前に出てボスに切りかかった。1人でまだ残った体力を削るのは無謀と言っていいだろう。

 

ハチマン「あのバカ!なにやってんだ!!」

 

キリト「ハチマン!止めるぞ。」

 

走り出す俺とキリトの前に男達が立ちはだかる。確かキバオウとか言うディアベルの取り巻きだ。

 

キバオウ「待ちぃや!!此処からはディアベルはんの独壇場や!」

 

キバオウ達は俺とキリトを掴まえてニヤリと笑いながら俺達を見下す。その目は〔お前達の出る幕はない〕と言っているがこれはゲームであって遊びではないのだ。万全の上に万全を尽くして更に慎重に事を進めなければゲームオーバー、つまり死と言うペナルティを受けるのだ。それなのにこいつらは1人で任せると言う。あり得ない。

 

キリト「何を言ってんだ!退け!!」

 

キバオウ「あかん。これはディアベルはんの指示や。」

 

キリトは叫ぶが全く相手にされない。

そうこうしてるうちにディアベルは1人で完全に前に出て行ってしまった。

 

ディアベル「くらえ!!はああぁぁぁ!!!」

 

ディアベルはソードスキルを放とうとする。しかし…。

 

コボルト・ロード「グオオォオォォ!!!!」

 

地面が揺れると錯覚する程の咆哮をあげ、新しく手にした野太刀を振りかぶる。

 

キリト「な!?武器が違う!!ディアベル避けろ!!!」

 

キリトの叫びもむなしく薙ぎ払われた野太刀がディアベルに直撃し、吹き飛ばされる。

 

キバオウ「ディアベルはん!!!」

 

ハチマン「ちっ、アホ共退け!!」

 

俺とキリトは乱暴に振り払い走り出し、アスナ達も追ってきた。

 

ハチマン「キリト!ディアベルの方に行け!あいつは俺達で食い止める。」

 

キリト「わかった。」

 

俺の言葉にキリトは方向を変えてディアベルに向かった。

 

ハチマン「俺があいつの注意を引く。アスナ、コマチ。左から攻めろ。ユイとイロハは右からだ。」

 

アスナ・ユイ・イロハ・コマチ「「「「了解!!」」」」

 

返事と共に四人が散開する。俺は更にスピードを上げてボスとの距離を一気に詰め、野太刀を振り下ろすのコボルト・ロードを回避しながら横をすり抜けるようにして一閃をお見舞いする。

 

ハチマン「ほれ、こっちだデカブツ。」

 

コボルト・ロード「ガアァァ!!」

 

激昂したコボルト・ロードが野太刀を振り回すが遅い。俺は隠蔽スキルを発動し、背後に回って続けざまに三回切りつけると同時に追い付いたアスナ、ユイが両サイドからソードスキルを放ちコボルト・ロードは怯む。

 

ハチマン「ナイスだ。追い討ちをかけるぞ。」

 

ソードスキルを使った二人を少し下がらせ、正面から俺が両サイドからコマチ、イロハで次々に攻撃をする。

 

パリィン

 

その音に俺達はハッとし、コボルト・ロードから距離を取る。

音が鳴った方を見ると手に回復薬を持つキリト一人だけだった。キリトの周りはキラキラと光り空中に溶けて無くなって行く結晶が無数にあった。ディアベルが死んだのだ。

 

ハチマン「…ちっ。」

 

アスナ「嘘、そんな…。」

 

口元に手を当て震えるアスナ。他の三人もそれぞれ泣き、目を背け、俯く。

 

ハチマン「…おい。油断するな。」

 

アスナ「っ!?」

 

コマチ「お兄ちゃん!!」

 

イロハ「…先輩。」

 

ユイ「……ヒッキー…ひどいよ。」

 

あくまで冷たく。吐き捨てる様に言う。

俺の言葉にアスナが睨み、コマチは怒り、一色は悲しそうに俺を見る。

 

ハチマン「感傷に浸ってる暇はねぇんだ。後にしろ。」

 

言い終わるかが早いか俺は走りだし、叫ぶ。

 

ハチマン「キリト!!!来い!!」

 

キリト「………わかってる。」

 

何と言ったのかはわからないがキリトが此方に向かって走り出す。その目は復讐の念はなく、ただボスを倒すという意思だけが滲んでいた。良かった。まだあいつはやれるみたいだ。

 

キリト「ハチマン。あいつの後ろからで挟み撃ちにする。いいな?」

 

ハチマン「へっ。ちゃんと合わせろよ?」

 

キリト「まかせろ。寧ろハチマンが遅れるなよ?」

 

キリトがニヤリと笑うを見て俺も同じ様に笑う。

 

ハチマン「うっせ。」

 

再び隠蔽スキルを使い走り出し、キリトとアイコンタクトを取る。先に俺が背後から攻撃し、キリトから注意をそらす。

 

キリト「ハチマン!!」

 

ハチマン「決めろ!キリト!!」

 

俺が先にソードスキルを放ち数秒差でキリトがソードスキルをぶちかましコボルト・ロードはポリゴン化した。

 

Congratulations

 

空中に文字が浮かびクリアを告げる。

 

キリト「…倒したな。」

 

ハチマン「………あぁ。」

 

俺達はハイタッチをして皆の所に戻る。

アスナ、ユイ、コマチ、イロハが俺を見て視線を反らす。

 

キリト「何があった?」

 

ハチマン「…気にするな。」

 

四人がおかしいのに気付いたキリトは俺に聞いて来るが適当に返事をする。

 

ハチマン「とりあえず、俺達は勝ったんだ。帰るわ。あー疲れた。」

 

俺は町に戻る為に歩き出すが、男が叫ぶ。

 

キバオウ「ちょい待てぇ!!」

 

ハチマン「あん?」

 

振り返るとディアベルの取り巻きだったキバオウが俺達を睨みながら喚く。

 

キバオウ「なんでや!?何でディアベルはんを見捨てたんや!!」

 

ハチマン「は?何を言ってるんだお前は?」

 

キバオウ「うるさい!!何でディアベルはんがしなないかんかったんや!!!」

 

激情して全く聞く耳を持たないキバオウが喚き散らし、俺は溜め息を吐き出す。

 

キバオウ「さてはあんたらはβテスターやろ!!」

 

この言葉にキリトが俯く。更にキバオウはヒートアップし、周りもディアベルの取り巻きと言うこともあり、キバオウの言葉に同調していく奴が現れ始める。

 

ハチマン「付き合いきれん。おい。お前ら帰るぞ。」

 

何度目かの溜め息吐いて皆の方を見るが俺は見てしまった。皆は頷くが一人だけ上を見上げながら歪んだ笑みを浮かべるキリトを。

 

ハチマン「キリト。やめろ。」

 

キリト「……ハチマン。」

 

ハチマン「お前がやろうとしてるのは間違ってる。ソースは俺だ。」

 

肩を掴みキリトを止める。キリトは暫く俺を見ていたが観念したように頷いた。

 

ハチマン「サンキューな。後は俺にまかせろ。」

 

俺は前に出てキバオウと向かい合う。めんどくせぇ。

 

キバオウ「なんや?なんぞ文句でもあるんかい!?」

 

ハチマン「あぁ。はっきり言ってお前はバカなのか?」

 

キバオウ「なんやと!?」

 

ハチマン「ディアベルを見捨てたのは俺達じゃなくお前達だ。」

 

キバオウ「何でワイが「なら言わせて貰うが、助けに行こうとした俺達をなぜ止めた?」っ!?そ、それは…。」

 

ハチマン「言わんでいい。どうせディアベルの指示だろ?」

 

キバオウ「………。」

 

ハチマン「沈黙は肯定と同義だぞ。まあ、いい。ディアベルはラストアタックボーナスを狙ってたんだろうな。」

 

キバオウ「そ、そないわけあらへん。」

 

俺の言葉にキバオウは慌てて否定する。

 

ハチマン「なら、なぜ1人でボスに対峙する必要がある?倒すだけなら数で攻めるのが当たり前だろう。まあ、お前らにはどうせ『一人も犠牲を出したくないから俺にまかせろ。』とか何とか言われたんだろうがおかしいだろ?つか、お前らもおかしいって気付けよ。」

 

キバオウ「くっ…。」

 

歯を食い縛るキバオウに追い討ちをかける。

 

ハチマン「良かったな。お前が嫌いなβテスターが一人消えて。」

 

キバオウ「貴様ああぁぁ!!!!」

 

キバオウがついに逆上し掴みかかってくる。

 

ハチマン「…うるせぇ。お前の首も落とすぞ?」

 

キバオウ「ひっ!?」

 

俺はキバオウの背後に回り剣を首に当てる。

 

ハチマン「俺はなんか間違ってたか?」

 

キバオウ「た、たすけ…」

 

エギル「間違っていない。」

 

俺の言葉にキバオウではなく、大柄な男が答える。え、誰?

 

ハチマン「誰だ?」

 

エギル「俺はエギルだ。よろしくな。」

 

ハチマン「俺はハチマンだ。」

 

エギル「さっきも言ったがハチマンの言葉は間違ってない。俺はボス戦中にキリトとハチマンの邪魔をするお前らを見たからな。」

 

男「お、俺も見た!」

 

エギルの言葉に次々と目撃者が名乗り出しだす。

俺はキバオウを離し、武器をしまう。

 

ハチマン「エギル、ありがとう。助かった。」

 

エギル「気にするな。本当の事を言っただけだからな。」

 

エギルが手を差し出て来たので握手をしてお礼を言う。

 

ハチマン「帰るぞ。俺は疲れた。」

 

キリト「あぁ、帰ろう。」

 

アスナ・ユイ・コマチ「………。」

 

キリトは俺の隣を歩きアスナは睨み由比ヶ浜は悲しそうに見つめ小町は目を合わそうとしない。後が怖いな。すげー逃げたい。

 

イロハ「はい先輩♪帰ったらお話がありますからね?」

 

ハチマン「はぁ…マジでめんどくさい。」

 

キリトと並び歩く俺に一色が駆け寄り俺の袖を掴みながら話しかける。目が笑ってねぇし、怖いよ。あと怖い。

 

俺達の初めてのボス戦はこうして終わり、町に帰還した。




読んでいただきありがとうございました。

今回は戦闘のみで次回は町に帰って休憩がてら日常を少し書いてみる予定です。

ゆきのんとはるのんはもう少し先で合流予定ですので二人のファンの方大変申し訳ありません。
因みに俺はいろはすが好きです。でも、はるのんの方がもぉーと好きです♪
はい。ごめんなさい。調子に乗りました。(土下座)

では、次回でおあいしましょう。

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