架空世界では俺の青春ラブコメは間違えない?   作:0ひじり0

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ひじりです。
今回でシリカ編は終了ですね。

では、どうぞ。


Ep.14

ユイ「ヒッキー…。」

 

今の状況を簡単に説明しよう。

 

俺&シリカ

|約10m位の距離

ユイ(人質)

謎の女(親玉?)

手下×5人

 

こんな感じ。

普通にピンチだよな…『普通』なら。

 

ハチマン「あーうん。ユイ、何してるんだ。」

 

ユイ「えっと…寝てたら捕まっちゃった。」

 

ハチマン「………ビッチが。」

 

ユイ「ビッチ関係ないし!てか、ビッチじゃないし!!」

 

なんかキャンキャン吠えてるアホ犬は置いとく。

 

ハチマン「そのアホ犬を離してくれませんか?」

 

ユイ「アホ犬!?」

 

だまらっしゃい!この駄犬めが!

 

?「その蘇生の花と交換だよ。」

 

見知らぬ女はやはり蘇生の花か目的でアホ犬(ユイ)との交換を要求してくる。

まあ、最初に言ってたからわかってたけどね。

とりあえず、相手はユイを羽交い締めにしてる女以外は全員オレンジだ。

オレンジは犯罪者の印でもあると同時に攻撃しても大丈夫な訳だ。

まあ、PKをしなければクエストをこなせば罪は帳消しに出来るし問題はないがな。

 

シリカ「ロザリアさん止めてください!」

 

ハチマン「ん?知り合いか?」

 

シリカ「は、はい。ハチマンさんに会った森で口喧嘩してそれっきりでした。」

 

先程まで俯いていたシリカが叫ぶ。

話を聞く限りでは判断しきれないがモンスターを使ってのPKの可能性もありそうだな。

 

ロザリア「はっ、止めるわけないだろ?」

 

鼻で笑うロザリアはシリカに注意を向けたためにユイの拘束が若干緩くなる。バカだな。

 

ユイ「んっ…しょっと。」

 

ユイはロザリアの腕を掴むと持ち前の腕力を使い、腕と自分の首の間に隙間を作りしゃがむ様にして素早く抜け出す。

拳を使っての近接格闘のユイには打撃戦のみでは心許ない為ユキノンやハルノンか合気道なども叩き込んでる。

あの姉妹が関節を取って拘束しても何とか抜け出せる程度まで成長したユイがあんなド素人な拘束から抜け出せない訳がない。

もし、ユイを拘束したければ縄とかで手足を縛る位はしないと無理だな。

 

ロザリア「なっ!?」

 

ユイ「んー…はぁ。」

 

驚くロザリアに対してユイは大きく伸びをしたりしてリラックスモードだ。

 

ハチマン「ユイ。」

 

ユイ「ん?なに?」

 

ハチマン「ロザリアとか言う女以外はやっていいぞ。」

 

ユイ「え?いいの?」

 

ハチマン「ああ。」

 

ユイ「やった♪最近身体が鈍ってたんだよね。」

 

ユイは楽しそうに笑いながらぴょんぴょんと嬉そうに跳ねる。

…夢と希望が溢れんばかりにつまったメロンに敬礼!!

 

ユイ「じゃあ、いくよー♪」

 

腰に下げていたユイの武器であるナックルを装着してガィンっとナックルを着けた両拳をぶつける。

ユイの着けているナックルは手から肘までをガードが出来るタイプで、攻防に優れているが手首は固定される為に常に装備するにはちょっと不便だがユイはそれを好んで使っている。

 

ロザリア「ちっ、殺っちまうよ!」

 

ぞろぞろとロザリアを含めた6人は纏めてユイに攻撃し始める。

 

ユイ「ん~…りゃあ!!」

 

ガシャアアン

 

一人の男のが片手剣をユイ目掛けて振り下ろすが、ユイは避けるどころか右の拳をアッパーで迎え撃つ。

剣と拳がぶつかると剣が砕け散る。当たり前だ。

ユイがつけてるナックルの装甲は分厚くかなりの名刀でも叩き斬るのは容易ではないのだから砕けて当然。

 

ユイ「一人目ぇ!!」

 

ガスッ

ユイは縮めていた左拳を右手を引くと同時に前に突き出す。

その際に右足を踏み込み体重を乗せるのも忘れない。

 

ユイ「んふふー♪次々いくし!!」

 

殴られた男は数メートル吹っ飛んで意識を失う。

それを見ていた奴らは驚き怯むがユイは楽しそうに笑いながら駆け出し、次々と手下どもを殴り倒していく。

 

――――――――――

 

結果的に言うと5分と掛からずロザリア以外は意識を失ってそこいらに転がっている。

相変わらずの武具キラーだな。

 

ユイ「えーもう終わっちゃったし。」

 

シリカ「す…すごいです。」

 

ハチマン「ユイはアホだが、動体視力がかなりいいから出来る戦法なんだよ。アホだがな。」

 

ユイ「だからアホって言うなし!」

 

準備運動にもならなかったとでも言うようにその場でシャドーボクシングをしながら不満を口にするユイにシリカは驚愕して、俺は簡単に解説を入れるがアホの部分に反応したユイは俺に駆け寄りプンプンと頬を膨らましながら憤慨する。

 

ユイ「うー、ヒッキー。あたし頑張ったよね?」

 

ハチマン「ん?ああ…はいはい。」

 

ユイはぽしゅっと空気を吐いて頬を膨らますのを止めると上目使いで俺を見つめながら何かをねだるような姿は小型犬を連想させ、ユイに再会したあの日から『頑張ったら頭を撫でる』と言う約束を取り付けられた俺はユイの頭に手を置いて優しく撫でる。

 

ユイ「んー…えへへ♪」

 

頭を撫でられるユイは目を細めて尻尾があったなら千切れんばかりに振ってる位に嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 

ロザリア「ちっ、くそがあぁぁ!!」

 

ユイ「!?邪魔しないで!!!」

 

ガッ、ガシャアン

 

ロザリアはユイには勝てないと思ったのか俺を目掛けて攻撃するが、攻撃に気付いたユイがロザリアの槍を粉砕する。

 

ユイ「次、ヒッキーに手を出したら…壊すよ?」

 

幾度となく死線を越えてきたユイは拳をロザリアに突きだして警告をする。

なんか…色々とやばくね?戦闘狂みたいな…。

 

ロザリア「くっ!なんだいあんたらは!!」

 

ハチマン「あ?何だといわれても…ハチマンとしか言えないが。」

 

ユイ「あたしはユイだよ?」

 

ロザリア「ハチマン…ユイ…!?まさかあんたら…首狩りに狂犬!?」

 

ユイ「その名前嫌いなんだけどなぁ…。」

 

ハチマン「同じく。」

 

なんだよ首狩りって。

完全に悪人みたいになってるし。

 

シリカ「え!?あの黒の剣士や閃光と並ぶトップの、ですか!?」

 

ユイ「その二人は友達だよ?ね、ヒッキー。」

 

ハチマン「…………ああ、友達だな…くっ…ぼっちの俺がこんなことを言う日が来ようとは。」

 

ユイ「……ヒッキー、キモい。」

 

ハチマン「ひでぇ…。」

 

ユイの冷たい目線に落ち込みながらもロザリアに告げる。

 

ハチマン「とりあえず、大人しくしろ。」

 

ロザリア「くそっ…。」

 

武器を壊され、それに加えて格上の俺とユイが相手だからかロザリアはその場で膝をついて観念する。

 

――――――――――

 

シリカ「この度はお二人共本当にありがとうございました!」

 

ハチマン「お礼なんていいから。俺が勝手にしたことだからな。」

 

あれから俺達は町に戻ってロザリア達を牢屋にぶちこみシリカにお礼を言われている。

 

ユイ「出た!捻デレ!」

 

ハチマン「うっせ。アホ犬。」

 

ユイ「アホ犬言うなし!!」

 

シリカ「あはは…ユイさんもありがとうございました。」

 

ユイ「また困ったことがあったら言ってね?いつでも駆けつけるから。」

 

ユイとシリカは仲良くなり、連絡先を交換してシリカと別れた。

 

ユイ「シリカちゃんかわいい子だったねー。」

 

ハチマン「確かにな。素直だし、コマチの次に妹にしたい子だな。」

 

ユイ「コマチは妹じゃん。てか、その発言変態っぽいよ?」

 

ハチマン「あ?兄は妹や妹っぽい子を愛でる為に生きてる様なもんなんだよ。」

 

ユイ「うわぁ…。」

 

ハチマン「ごめんなさい。」

 

俺の力説にユイがゴミを見るような目で見てきた為、直ぐに謝る。

 

ユイ「ぷっ、あははは。もう…ヒッキー。帰ろ?」

 

ハチマン「ん、帰るか。」

 

ユイ「うん!!あ、最後にヒッキーを守ったのもあたし頑張ったよ?だから…その…。」

 

家に帰る為に歩き出す俺達だったが、もじもじと俺の服の裾を遠慮がちに摘まんで上目使いのユイがおねだりをしてくる。

その姿が可愛くて保護欲が駆り立てられる。

 

ハチマン「っ!?その…あれだ。帰ったら、な?」

 

思わず抱き締めたくなるが必死に我慢して何とか答える。

 

ユイ「ヒッキー!!」

 

パァっと効果音がなりそうな程嬉しそうな表情でユイが俺の腕に抱き付いてくる。

それに対して俺は文句を言うがユイは離さず、仕方なくそのまま家に帰った。

 




ガハマさんが…戦闘狂になってしまいました(汗)
ガハマファンの方…すみませんでした!!

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