白ひげと艦娘たち   作:カルパッチョクロス

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白ひげって、他の船長と違って仲間の勧誘の仕方が特殊だからあと50年若かったら、危ないよねw


第2話:初めての友達

娘になれ。その言葉を言われたとき、私は口を開けて固まってしまった。その隣で加賀さんがため息をつきながら

 

「勘違いしないでください、提督はあなたを仲間として迎え入れると言っているのです」

 

なるほど、養子として迎えられるとかそんな意味じゃないんだ。

 

「提督も毎回その言葉で迎えるのをやめてください。私たちも困惑してしまいます。」

 

「かてえこと言うんじゃねえよ、鎮守府のやつらみんな俺の家族だ。」

 

家族。深海戦艦と戦うためだけに作られた兵器である私たちから最も遠い言葉。以前いた鎮守府でも人として扱われていたが、それでも身内として心身に扱われることはなかった。しかし、この鎮守府は人として扱ってくれるだけでなく、家族して扱ってくれるそのことを思うと自然と涙が出てきた。

 

「なに泣いてやがんだ、アホンダラァ。」

 

私は涙をぬぐうと「泣いてないでぅ」と小さな声で答えた。

 

「俺のことは親父と呼べ。加賀今晩は宴だ、歓迎会を開くと皆に伝えておいてくれ」

 

「分かりました、皆にそう伝えておきます。では提督、これで失礼します」

 

そう言って提督室を出ていく加賀さんについていくように、私も一言「失礼しました」と言ってから、部屋を後にした。

 

「では吹雪、あとで食堂で会いましょう」

 

「あ、はい分かりました!」

 

そう言って加賀さんは提督室をあとにどこかへ行ってしまった。その瞬間、緊張の糸が途切れてしまったのか、その場に座り込んでしまった。

 

「疲れた~」

 

 

と一言深いため息とともに、声が出てしまった。しかし噂よりも良い提督で安心した。最初は怪物と呼ばれているからどんなに怖い人だと思ったが、実際はとても大きいから、見た目で怪物と呼ばれているのだろうと自分でそう解釈をした。

 

座っていると後ろから声をかけられた。

 

「およ、知らない人が座っているにゃし」

 

立って振り返ると私と背丈が同じくらいの女の子がそこに立っていた。

 

「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」

 

「睦月です。はりきって、まいりましょー!ところで吹雪ちゃんは何をしてたのかな?」

 

「司令官にご挨拶をして、これから自分の部屋に行こうかと...」

 

そういえば自分の部屋がどこにあるのかを聞き忘れていた。

 

「だったら一緒に行こうよ!お父さんに挨拶はすんだみたいだしさ」

 

お父さん?司令官のことかな

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「やめてよ敬語なんて、同じ駆逐艦どうしなんだしさぁ」

 

「じゃあ睦月ちゃん、部屋までよろしくね。ところで睦月ちゃん一つ質問いいかな?」

 

私たちは部屋に向かって歩きながら、聞いてみた。

 

「およ、なんですかなんですかぁー?」

 

「睦月ちゃんって司令官のこと『お父さん』って呼んでいるの?」

 

「うんそうだよー、私だけじゃなくみんな提督のことはお父さんって呼んでるよー。」

 

そうなんだ、こんなみんなに慕われている提督が怪物だなんてとんだ誤解をされているようだ。

 

「ちなみに提督ってどんな人なの?前の提督からは怪物って呼ばれていたから、少し会うのが怖くて」

 

「う~ん、なんて言うんだろう...お父さんは優しくて強くて、一言でいうなら...」

 

睦月ちゃんは少し考えて出した言葉は、前提督から聞いた言葉と同じだった。

 

「怪物かな」




睦月ちゃんの言葉遣い分かんねえ...ww

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