ハリー・ポッターと留学生   作:原作なくして更新停止中

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組分け

深雪がロンを説得(脅迫)してから数時間ほど経ち、車内販売のおばさんがやって来た。

 

「車内販売よ。何かいりませんか?」

 

ロンは何故か赤くなり(何故だ。そんなに弁当を持ってくるのが嫌なのか?)、サンドイッチを持ってきたと言い、ハリーは勢いよく立ち上がり、各種の菓子類を少しずつ買い集めた。

 

「そこのお嬢ちゃんは如何?」

 

ハリーとロンは顔を見合わせ、起こそうか、いや起こしたら今度こそ殴られるんじゃなかろうかと話し合う。そんな様子を見て、おばさんが呆れながらも、代わりに深雪を起こした。

 

「ん……何か御用でしょうか?」

 

「お嬢ちゃん、車内販売は如何?」

 

「……少し買います」

 

まだ若干眠気が残っているようだが、不機嫌になる程では無いらしく、男子二人組はホッと胸を撫で下ろしていた。

 

深雪は軽く頭を振って眠気を飛ばし、買い物を始めた。トチ狂った名前が大半の菓子類しか無いのを見て、呆れ果てながらもここで逃すと夕食まで何も無いと聞き、仕方なしに比較的まともなパイとケーキを購入した。

 

その間、ハリーとロンはサンドイッチとパイの交換やら、蛙チョコのカードの話やらをしていたが、サンドイッチは放置していた。何の為に交換したのやらさっぱりわからん。というか親が持たせた弁当を残すな。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私は大鳳 深雪。深雪が名前です。今年からホグワーツに入学します。以後、お見知り置きを」

 

「僕はハリー。ハリー・ポッターだ。こっちの身構えてるのがロナルド・ウィーズリー。ロンって呼ばれてる。こっちこそよろしく」

 

「よろしく」

 

深雪は微笑みつつ、ハリーは笑顔で、ロンは先程、無意識とはいえ金的を狙われたせいか、少し警戒しつつ挨拶をした。その後、深雪は早々に昼食を終え本を読み、ハリーとロンは百味ビーンズという、何を考えて入れたのか分からないような、狂った味が殆どの謎の菓子を食べていた。

 

しばらくすると、ドアをノックして丸顔の男の子が泣きながらやって来た。ペットのヒキガエルを見なかったかと聞き、ハリーが見ていないと応対すると、すぐに出て行った。

 

その後、話の流れでロンがネズミのスキャバーズに魔法をかける事になった。ボロボロの杖(お下がりにしても酷い。もっとまともに扱おうという発想は無いのか?)を取り出し、振り上げたところで再びドアが開き、栗色の髪の女の子が入って来た。

 

「ヒキガエルを見なかった?ネビルのが逃げたの」

 

「見てないよ」

 

ロンが答えたが、聞いている様子は無く、

 

「魔法をかけるの?見せて貰うわ」

 

と言い座り込んだ。

 

(初対面でいきなり図々しくない?というかさっきのは冗談か何かかと思ったけど、本気だったの?カエルをペットにするなんて頭大丈夫なの?)と深雪は思ったが、突っ込むのも面倒だったので、本を読むのをやめ、ロンの魔法を見るだけにしておいた。

 

ロンが咳払いをし、妙な呪文を唱えたが、ネズミが頭を突っ込んでいた菓子の箱が飛ばされる程度で、狙った現象は起こらなかった。まともな呪文の様相を呈していないのだから当たり前だ。とろけてるのはバターではなくお前の頭の中身ではなかろうか?

 

女の子はそれを見て、ハリーの眼鏡を直したあと若干自慢が入ったような自己紹介をし、3人の名前を聞き、ハリーのことや寮について語ると、制服に着替えた方が良いと言い残し去っていった。

 

それを聞いたロンが

 

「僕の家族は皆グリフィンドールだったんだ。レイブンクローならまだしも、スリザリンに入れられたら最悪だよ……」

 

と言い、深雪は(こいつ同級生だったのか……。でもデリカシー無いし訳わからない言動多いし、おまけに無駄にデカイし関わらない方が良さそう)などと考えていた。デカイというのは単なる嫉妬だろう。

 

そんなやり取りをしていると、またドアが開き、金髪の青白い男の子が、ボディガード担当としか思えない巨大な男の子2人を従えて入って来た。

 

「ここにハリー・ポッターが居ると聞いたんだけど、本当かい?」

 

「僕がハリー・ポッターだけど、君は?」

 

「僕はドラコ。ドラコ・マルフォイだ。魔法界でもトップクラスの誇り高き純血さ」

 

偉そうに踏ん反り返ったマルフォイの自己紹介に若干ハリーが引いていると、ここまでどうでも良さそうに眺めていた深雪が立ち上がり、

 

「お話し中失礼します。そんなに純血を誇るって事は、その血筋でしか使えない魔法や、秘術があるって事ですよね?どんなものなのか教えてください。詳細は話せないなら、概要だけでも良いですから!」

 

と目を輝かせながらマルフォイに迫った。

 

「なんだお前?そんなものあるわけ無いだろう。純血は昔から、先祖代々純粋な魔法族だけと婚姻して来た生粋の貴族だ。見た所、極東の留学生とやらだな?僕達はお前のような者とは格が違うんだ」

 

「……えっと、要するに特に魔法は優れてる訳ではなく、貴族らしく領地経営などの事業をしているって事ですか?」

 

「領地経営?そんな事するわけ無いだろう。努力などせずとも、純血だから魔法省の高官や魔法学校の理事といった職に就けるし、その上、代々の財産と魔法省からの献金があるから特に働かなくても悠々自適の暮らしが出来るんだ。お前達のような、働き続けてようやく生活出来るような庶民とは違うんだ」

 

秘術などが無いと聞き悲しそうだった深雪も、いきなり罵倒を交えつつ訳のわからない自慢を聞かされ、困惑していたが徐々に表情が消えていき、ついに毒を吐いた。

 

「……つまり、コネと家系くらいしか取り柄が無い無能が、何がどう偉いんだか良く分からない先祖を誇っている、金持ちなのに生活保護を受けてるクズって事ですか?」

 

純血主義の横行する魔法界では、今までこんな言い方をされた事など無かったのだろう。精々が、論理的で無い感情的な文句程度しか受けた事が無い。そんな温室育ちでは、自分の言葉を聞いた余所者が、それだけを情報源に、今まで経験したことの無い予想外の方向で貶してくるという状況に耐えられる筈がない。深雪はまだ知らないが、実際にマルフォイの背後には、純血だが頭が非常に残念な2人組がいる。その為、マルフォイも無能といった言葉を即座に否定は出来なかった。その結果、マルフォイは非常にショックを受けた様子で、涙目になりながら走り去ってしまった。

 

「「…………………………」」

 

この一連の流れをみて、ハリーは非常に居た堪れない気持ちになった。(自称同年齢の)小さな女の子を貶して悦に入っていたら、予想外の返しをされて逃げ帰る事になるという様子を目の前で見せられたのだ。印象があまり良くないとはいえ、まだほとんど初対面とも言える人物が相手では、かなりのお人好しの彼には衝撃的だっただろう。

 

ロンも呆気に取られて、呆然としている。深雪の台詞は、イギリス魔法界の者にとって、マルフォイ家の事が大嫌いなロンですら今度会ったら慰めてやろうかと思う程に予想外の攻撃(口撃?)だったようだ。それでも多分、後で兄達にこの話をして爆笑しているだろう。

 

マルフォイを追い払って満足したのだろう。深雪は笑顔で2人に振り返り、着替えるから出て行くように要求した。

 

最初の脅迫や先程の光景を見せられ、その上でこの要求だ。2人ともこれ幸いとばかりに自分達の制服を抱え、他のコンパートメントへ着替えに行った。もっとも、出て行かない場合は真っ正面から、着替えを見せろと要求してるようなものではあるが。

 

少し待ち、2人が忘れ物などで戻って来ないのを確認した後、深雪は着替え始めた。衣服を脱ぎ、下着のみ(ブラはまだ付けてない。代わりに肌着を着用)になる。そのタイミングで突然ドアが開き、少し目元が赤いマルフォイが入ってきて、

 

「ハリー・ポッター!僕は君に用があって来たんだ!あのわけの分からない変な女のいる所から離れて話をしよ……え?」

 

と言った。先程出て行った為、当然そこにはハリーは居ない。代わりに、下着姿の深雪が居た。最後のえ?はそれを認識した為だ。

 

深雪は震えながら顔を怒りと羞恥で真っ赤に染め、

 

「出てけこの変態覗き魔ー!」

 

と叫び、近くにあった菓子の箱を投げつけた。それは直撃こそしたが、大した威力は無く、特に痛い思いはしてないが女性の着替えを覗いたという事に、マルフォイは顔を真っ赤にしてコンパートメントから勢い良く飛び出し、反対側の壁に顔を強打した。その背後で深雪は扉を即座に閉めていた。

 

騒ぎを聞きつけた周りの生徒達が廊下を覗くと、鼻血を垂らして倒れているマルフォイがいるだけだった。

 

状況証拠からして覗きをマルフォイが覗きをして返り討ちにあったようにしか見えず、しばらくの間は、主に女性陣からの視線が痛くなる事請け合いだろう。

 

 

その後、そんな未来をまだ知らない、顔面強打のダメージから復活したマルフォイは、ハリーと話は出来たようだが収穫は悪かったらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜深雪side〜

 

夜になると、ホグワーツの駅へ辿り着いた。私は無理をせず、少し待つことで押し合いへし合いの中に突入する事は避けた。外に出ると、

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっち!」

 

なんだか人間の限界を超えてる気がするくらいの、トンデモサイズの大男が叫ぶ声が聞こえてくる。全ての一年生がその大男に着いていくと、湖に出た。するとホグワーツ城が見え、生徒達は感嘆の声を上げた。私からも感嘆の声が出ていたが、同時に(綺麗だけど、城を学校にすると移動やら何やら大変だと思うんだけど、エレベーターとか着いてるのかな?)などと考えていた。

 

大男の誘導に従って湖に浮かぶボートに乗り込んでホグワーツ城内へ入る。

 

ボートから上がり、大男(ハグリッドというらしい)からマグゴナガルという先生へと引率が交代した。私達は小さな空き部屋でマグゴナガル先生の説明を聞き、暫く待機する。

 

そこでは、どうやって寮を決めるのかという会話が大半を占めた。不安そうにしている人や、呪文をブツブツ呟いている声などもある。組分けの楽しみだからって教えてくれなかったせいで分からないけど、数ヶ月前に初めて魔法を知った人もいるし、そんな大層な試験なんかはないだろうと思う。

 

そんな風に過ごしていると突然、後ろの壁から白く透けている幽霊が数十人ほど出てきた。視察の人からは、妙な気配はすると聞いたが幽霊が出るという話は聞いていなかったので、最近取り憑いたのかと思いとても驚いた。しかし、話振りからすると、随分前から居るらしく、どうも視察の時には隠れていたらしい。見た所悪い人達ではなさそう。悪霊じゃなきゃ隠れて無くても良いのに。

 

幽霊が去ると、マグゴナガル先生が戻って来て、大広間へと進む。大広間の天井に夜空が広がっていて、蝋燭が漂う幻想的な空間になっていて、とても綺麗だった。

 

視線を前に戻すと、大広間の前の方に椅子が置かれその上にボロボロの帽子が置かれた。何をするのかと思っていると、帽子が動き、歌い始めた。

 

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけにやらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私はホグワーツの組分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組分け帽子をお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気ある者が住う寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古き賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん!恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!

 

 

歌が終わると拍手喝采だった。そんなに凄い歌とは思えないけど、寮の説明はとても分かりやすいと思った。

 

でも、レイブンクローとハッフルパフは御免だ。勉強厨と苦労人の集団にしか聞こえない。グリフィンドールは、なんだか抽象的な説明が多いけれど、真面目な騎士っぽい感じかな?スリザリンは一番素晴らしい寮に聞こえる。親友を作れて、何をしてでも目的を達成しようとする人達という寮だもの。敵対したら厄介だけど、仲間ならとても頼りになりそう。

 

帽子を被って分けるとなると、ある程度の性格を考慮しつつ人数を大体均等に分けられるようにしてある筈。でも、一年生全員の性格をあらかじめ知っておかないと、前半で偏ると後の寮はあまり気の合わない人ばかりになりかねないから、多分実際は広範囲の人間の読心術か、教師が決めた通りに振り分けてるだけだと思う。

 

何にせよ、大勢の前で組分けをするのだけは勘弁して欲しかった。大勢の前に居るなんて恥ずかしいもの。

 

なんて考えていると、組分けが始まった。何人か呼ばれている名前を聞く限りだと、何故か組分けの時だけは日本と同じように苗字、名前の順みたい。イギリスなのに……。

 

汽車の中で会ったハーマイオニーはグリフィンドールになったみたい。マルフォイは「マルフォイ「スリザリン!」」ってなってて、皆びっくりしてた。家名を呼ばれた時点で決定するってなんなの?帽子に触れてすらいないんだけど……。

 

そんな調子で待つこと数分、

 

「オオトリ・ミユキ!」

 

遂に来た。ゆっくりと歩いて進むと、後ろでロンが「えぇ!?マジで!?」などと言っている。今度機会があったら折檻しよう。周りからも、「子供?」「小さくないか?」「カワイー」などと聞こえてきて、非常に不愉快だが、顔に出さないよう気をつけて椅子に座り、帽子を被る。

 

「これは……勇気とは少し違う気もするが、グリフィンドール。いや、スリザリンとしても良いやもしれぬ。ハッフルパフは……向いてないわけでもないが、他の方が合うか。レイブンクローは……なんか違う。どれに入れたものか……。む?あの国の出身なのか。では、今のスリザリンでは居場所が無いかもしれぬ。……よし、グリフィンドール!」

 

……喜ぶべきなのか?スリザリンでは無かったけれど、危険な方の2つでも無かった。次善の寮に入れたので良しとしようかな。でも、今のスリザリンだと居場所が無いってどういう事だろう?今考えても仕方ないから、今度誰かに聞いてみよう。それにしても、全体的になんか違う気もするって、微妙過ぎない?まぁ、もう終わったから別に良いけど。

 

私の数人後に、ハリーが呼ばれた。周りの反応を見る限りではかなりの有名人らしい。凄い人の子供とかなのかな?

 

随分と時間が掛かったけれど、ハリーもグリフィンドールになった。その途端、物凄い騒ぎになったので慌てて耳を塞ぐ。こんなに煩い中で良く平気な顔をしてられると思う。

 

その後、ロンまでもがグリフィンドールになってしまった。兄弟が皆グリフィンドールだったと聞いて、あまり望みは無いと思っていたがやはり一緒の寮になるのは嫌だ。しかも、組分けの時に、「ウィーズリー「グリフィンドール!」」ってなってて、完全にマルフォイと同じ流れだった。本人はグリフィンドールになったのは嬉しいけど、マルフォイと同じ流れだったのが微妙といった顔をしてた。ザマァ!

 

最後の1人も終わると校長の挨拶が始まった。きっと凄く長いのだろうと思っていたが、

 

「おめでとう!ホグワーツの新入生、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」

 

…………巫山戯てるのだろうか?それとも狂っているのだろうか?校長室より先に精神病院に行く方が良いんじゃない?しかも四言言ってるし。話が短くて済むのはありがたいけれど、こんな挨拶だとそれはそれでとても不安になる。

 

校長の頭の心配をしていると、テーブルに置いてあった空っぽの金皿に料理が出現していた。これは話に聞いてたけど、実際に見るとやっぱりびっくりする。

 

高級レストランとかは別らしいけど、イギリス料理は火を通しすぎていて、味付けもあんまり良くなくて不味いらしい(適当にネットで評判を調べた)。お母さん曰く、料理人の腕は良いらしいけど、ここのはどうなんだろう?色んな物を少しずつ取って試してみる。

 

肉類はまあまあ。全部ウェルダンだけど、黒焦げでは無い。もうちょっとレアっぽい方が良いし、あまり良いものは使ってないみたい。揚げ物。油が尋常じゃない。ちょっと気持ち悪くなる。野菜。何も付いてないか、変なドレッシングしか無い。これもあまり良いものは使ってないみたい。魚。蒸し過ぎてちょっとパサつく。ちょっと火の通りが甘い部分で普通くらいだから、そこを狙う。パン。これはまとも。それでも、日本の方が良い。デザート。大半は砂糖だらけでなんか白い。スコーン的な物が比較的マシ。それでも油が多い。やっぱり気持ち悪くなる。

 

結論。日本が恋しい。米が無い。味も微妙なものが多い。しかも濃い。イギリスに居る間は食事量が減りそう。油とかが濃いから体重は変わらないかな?最初の報告書で至急を付けた上で、なんとかならないか相談してみよう。

 

食事中は皆それぞれ近くの人と話をしていた。私は……背が低いせいで、テーブルの高さが合わず、四苦八苦していたからそれどころじゃない。

 

なんとも言えない食事を終えると、校長が今学期について幾つか説明を始めた。

 

構内にある森に入るな、授業の合間に魔法を使うな、クィディッチの予選がどうこう、今年いっぱいは痛い死に方をしたくなければ右側の廊下に入るな。最後のおかしく無い?というか右側ってどこから見てなんだろう?

 

「それと、今年度は日本から留学生が来ておる。先程グリフィンドールに入ったミユキ殿じゃ。誤解の無いように付け加えると、彼女も11歳じゃ。留学生だからと言って特例で幼いのに入った訳では無いのでの。小さいのは日本の特徴でもあるが、彼女ほど小さいのは珍しいので、個人差じゃ。それと、数十年は交流が途絶えておったので、お互いに分からない事も多いと思う。分からない事があるようなら教えてやって欲しい。また、彼女からも日本の事を聞くと良い。良い刺激になるじゃろう」

 

待って。聞いてない。何で急にそんなこと言うの。教えるなんて無理。というか小さいって余計な事言うな。周りはざわついているけれど、私は気にしていられなかった。事前の連絡も無しにいきなりこんな展開にした理由を小一時間ほど問い詰めたい。あまり人が来ないと良いな。日本はあまり良く見られていないとは聞いているから、それに縋るしかないかも。

 

そんな説明を終えると、校歌を歌うらしい。メロディは自由って何?適当過ぎないかなぁ?なんだか先生達の顔が引きつってるし、何人か耳栓を取り出した。あんな風で良いのか?とは思うけど、始まるみたいだし、適当に棒読みするか近くの人に合わせればいいか。

 

そんな風に思っていたが、杖で書かれたのはふざけた歌詞だったのでさっさと棒読みで読んで終わらせる。傍迷惑な双子?がゆっくり歌っててなかなか終わらなかった。まぁなんにせよ後は寮に行くだけだ。あまり遠くないと良いけど。

 

監督生に着いて行って、絵が動いたり無駄に隠し扉を通ったりする通路を通り、これまた無駄に動く上に時々罠が仕掛けてある階段を登る。これけっこう危ないよね?

 

そんな道を歩いていると、杖が空中に浮かんでいた。これも訳の分からないギミックなのかと思ったけど、ポルターガイストのピーブズというのがやっているらしい。どうも相当厄介らしく、嫌われているらしい。あんまり迷惑なら祓おうかな。

 

そんな感じでそこそこ歩くと、寮に着いた。扉の絵が開いた先は、少し高い所にある穴みたいになっているせいで私は手が届かないから、監督生とやらに持ち上げて貰った。……凄く不服だ。私だけが届かない高さにするなんて酷い。他の一年生も届かないならまだしも、私だけなんて。私なんか悪いことしたのかな?1人じゃ出入り出来ないなんて不便過ぎる。

 

……玄関は酷いけど、中身は中々に良い感じの部屋だ。畳が無いにしても、これならそこまでストレスにはならなそう。

 

一通り見てまわった後、女子寮に入って同室の子達と挨拶をする。汽車で会ったハーマイオニーという子も一緒の部屋になった。その後、荷物の整理をしてシャワーを浴びて、翌日からの生活を考えながら眠った。




作者は金的の苦痛を知る事は出来ないですが、相当ヤバいらしいですね。

深雪は趣味以外は基本的に勉強しないタイプなので、レイブンクローは無し。ハッフルパフも、時折我慢という言葉がどこかにすっ飛ぶので無し。ちなみに組分けの宴の最中は終始無表情。料理のあまりの不味さに閉口してた。

変更点
マルフォイ君を罵倒する深雪さん。原因は悪化した純血主義。仕事?しなくても魔法省がお金をくれるので豪遊して暮らせます。資金源?その他の魔法族から巻き上げた税金です。なら何で働くの?趣味としてその他の魔法族を虐めるのと、自分達の好きな法案やら環境やらを作る為ですが何か?作中であんなに豪華な屋敷に住める理由が、このくらいしか思いつかなかった作者の無能っぷりで生まれたワンシーン
マルフォイは三校魔法対抗試合の時のように、留学生が来るのを親から聞いてます。その上で、なんだか小さくて顔が平たい奴が居たら極東のゴミと思うのは当然。そんな奴がイギリスの事をまともに知ってる筈が無いという事も(偏見のおかげで)気付いているので、非常に大きなショックを受けました
イギリスは紳士の国?この作風でそんな事はさせるとでも?よってマルフォイには変態紳士の称号を贈呈。なお、ダンブルドアは腹黒紳士な模様
留学生ってマルフォイが言ってるのに、話に置いてかれて聞き逃したせいで未だに信じてないロン君。ハリーは信じきれてない。聞き取れてても信じなかったけど。君たちは鈍すぎる
イギリス料理の扱いが酷い?しかも料理担当の腕は良いって言ってなかったか?中世レベルの文化で料理だけまともなんて認めない。というか、衛生面が不安?なら火を通しまくれば良いじゃない。って考え方をしていた国だから、しもべ妖精もこんな感じじゃね?という理由でメシマズ。料理の腕は、(そんな文化と考えると、まだマシって言える程度に)良いというもの
ハリーが買い占めたら深雪の分が無くなっちゃうので、ハリーの買い物は原作通り。出来れば映画版の方にして深雪にディスらせたかった……
ロンもマルフォイと同じ流れ。家族皆同じ寮で、元々決まってたなら早く言われるのも不思議じゃないよね?

深雪さん、大丈夫!下に見ている国の事を聞こうとするのは、ハーマイオニーみたいな勉強大好きな人か、英国魔法界ではマグル好き以上に珍しい日本好きくらいだよ!

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