ハリー・ポッターと留学生   作:原作なくして更新停止中

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ハリーについては、ダイアゴン横丁での買い物までは原作通りなので省略します。

※前話に、ホグワーツ視察員の話を追加しました。


プロローグ〜イギリスside〜

ダンブルドアの安堵

 

なんとか視察を乗り切れた。念のため、ピーブズの見張りに男爵を始めとした、ゴースト達の大半を注ぎ込んだ甲斐があったのう。普段なら男爵だけでも十分じゃが、他国からの客など久しぶりで、暴走するかもしれんのでな。

 

それにしても、彼が屋敷しもべ妖精達を説得できたのには驚いた。あの者達に「洋服」にする以外でまともな服を着せられたのは、彼が初めてかもしれんのう。

 

何にせよ、これで留学生を受け入れられる事が分かった。まったく、魔法省の連中には呆れるわい。いくらなんでも、他国と関係のある仕事を、気に食わんというだけで遅らせるなどとは正気とは思えん。ヴォルデモートによって、交流が途切れる前の事を覚えている者が大分少なくなったとはいえ、侮り過ぎだというのに。

 

彼の国のクィディッチチームは、ワールドカップで優勝経験もあった。負けると箒を燃やすのは少々無駄だとは思う。だが、クィディッチだけが能とは思えん。それだけの成績を出すからには、魔法もなかなかの物があるのじゃろう。そうでなければ、クィディッチなどせずに、魔法の訓練をしているじゃろう。

 

戦いになっても負ける事は無いじゃろうが、苦戦くらいはするかもしれん。敢えて関係を悪化させる必要など無いというのに。良好な関係を築ければ、もしもヴォルデモートが復活した時、援軍に来てもらう事も可能じゃろう。

 

何にせよ、無事留学は出来るのじゃから、あまり気にし過ぎるのも良くないかのう。

 

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とある魔法省の役人の苛立ち

 

気に食わん。何故あのような国と交換留学などせねばならんのだ。どうせ大した魔法も無いだろう国に、此方から送り込む必要など無い。なのに、表面上は取り繕わなければならんということで、馬鹿とはいえ誇り高き純血の一族の子息を送らなければならなくてなった。

 

向こうが色々と譲歩するのならば、受け入れてやらん事も無いというのに。どうせ何の成果も得られずに帰って、諦めてイギリスの魔法技術を得ようなどという愚かな事を考えなくなるだろうからな。それなのに何故あの老いぼれは交換留学などという愚行に走ったのだろう。大方、マグル擁護などという愚かな考えと似たような理由だろうが、その為に此方を巻き込まんで欲しいな。

 

失敗するように、書類の処理を大幅に遅らせたのにどうにか成功させよってからに。彼奴はいつも余計なところで活動的だ。

 

......まぁ良い。日本人など、どうせ授業についてこれなくて帰る羽目になるだろう。

 

此方の留学生には、しっかりと学んでこさせよう。帰ってきたら向こうの無能さ加減を広めて貰わないとな。そうすれば、もう二度と交流の再開などしようと思うまい。

 

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とある純血一家の家長の思惑

 

うちの子を、魔法省たっての頼みで日本などという、辺鄙な国へ送り込む事になった。帰国後は、魔法省のエリートとして採用させる事を約束させた。これで我が子は、他と違って大した苦労もなくエリート街道まっしぐらだ。

 

息子は、この話を最初のうちは嫌がったが、エリートという言葉を聞いて飛びついた。やはり私の子なだけある。

 

マルフォイ家ほどの家柄は無いが、我が家とて純血の一族だ。みっともない職などに就かせるわけにはいかんからな。でなければあのウィーズリー家のようになってしまう。

 

便宜を図ってもらう役人が、向こうの魔法をしっかりと学んで来いと言っていた。どうせ大した内容では無いだろうから、努力せずとも12ふくろう以上の成績を修めて帰ってこれるだろうとも。

 

彼は日本との交流を何が何でもしたく無いようだ。その為に、我が息子に日本の魔法が如何に遅れているのかを広めさせたいようだ。

 

そんな事をせずとも、リータ・スキータ辺りに記事を書かせて、日刊予言者新聞に報道させれば日本などと交流せずに済むが、念には念を入れて可能性を潰すようだ。奴のしなくても良い努力のおかげで、我が子が確実にエリートになれるというのだから、奴の心配性には感謝せねばならんな。




次話更新はお休みで、プロローグ前に設定集を投稿します。
思いついたけど、どうでも良い設定だったり本編で出す予定の無い設定もけっこう含まれると思います。文字数が増えたら人関連とその他色々で分けて投稿するかも。

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