ハリー・ポッターと留学生   作:原作なくして更新停止中

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初めましてshou11です。
エタらせるつもりは無いですが更新頻度、文字数はばらつきが出ると思います。最低でも月1更新を目指していますが、どうなることやら(−_−;)

それでは本編スタートです!


プロローグ
プロローグ〜日本side〜


〜主人公side〜

 

「留学?」

 

「そう、留学。貴女に今年の9月からイギリスに留学しないかって話が来てるの。」

 

学校の修了式を終えて、これからの春休みを謳歌しようとしていたら、母から唐突にこんなことを言われた。解せぬ。

 

「嫌だよ!大体、英語も話せないのに何でそんな話が来てるのさ!ドッキリか、タチの悪い悪戯じゃないの?」

 

「本物よ?何でも、向こうが十年以上前の内紛で荒れてたせいで、交流が途絶えたままになっていたから、交流の再開という事で交換留学をしようって流れになったみたいなのよ。それに貴女が選ばれたの。英語に関しては向こうが解決策を用意してあるから、英語を使えなくても問題無いって話だから、安心しなさい。」

 

「それどんな学校なの?解決策って単なるスパルタ教育じゃないでしょうね。それに、そもそも何で私なの?私以上に向いてる人なんて山ほど居そうなのに。」

 

絶対私より英語を使える人が行く方が良いし、成績だってそうだ。恥ずかしくないようにもっと優秀な人を送るべきだと思う。

 

「あー、まだ学校の説明してなかったわね。向こうの学校は、ホグワーツ魔法学校。つまり普通の人は行けない学校よ」

 

「魔法なら家で勉強してるじゃない。何で専門の学校に行かないとならないの?もう式神だって使えるし、お祓いなんかも出来るんだから、修行を必死にやらなくても良い、普通に日本の学校に通って、神職に就けるように大学進学の為の勉強しながら、ゆっくり鍛えていくだけでも十分だっていう話はどうなったの?他の魔法使いにそういう専門的な機会を回す方が良いと思う」

 

「大学に関しては、大検を受ければ良いわ。成績だって魔法関連なら貴女が一番じゃない。むしろ貴女じゃなきゃダメよ。それに、貴女最近、非常時の対策にお札とかを用意しなくても、すぐに術を使えるように練習してたでしょ?イギリスで主流の西洋魔術はそれに向いてるから、そんな即席のちょっとした魔法なんかより、もっと汎用性のある物や威力の高い物を使えるわよ。それに、日本の魔法だけじゃあ対処出来ない事だってあるかもしれないって、言って色んな系統の魔法調べてたでしょう?良い機会だから行ってみたらどう?」

 

確かに魅力的な話ではある。でも向こうのご飯は不味いらしいし、何より趣味に没頭出来なくなってしまうのが辛い。

 

「貴女、どうせ小説読んだり、ゲーム出来なくなるのが嫌なだけでしょう?宅配便のような物があるらしいから、ア◯ゾンで注文すれば此方から送るわ。だからそこは気にしなくても良いの。」

 

「うっ...でもご飯が不味いみたいだから、ストレス溜まってまともな勉強なんか出来ないと思うよ。」

 

「向こうの学校の料理人は優秀だからそういう心配は無いから大丈夫よ」

 

逃げ道がどんどん塞がっていく......!仕方ないか。この理由だけは使いたく無かったけど、新巻を発売日に手に入れる為にはこれしか無い!

 

「向こうの人って皆背が高いでしょ?私は、こんな身長なんだから規格が合わないよ!」

 

「どれだけ行きたく無いのよ......。涙目になってまで言う事なの?その手の問題もちゃんと対策は出来るから、行けるわよ。もう断る為の理由は無いかしら?もちろん感情論と趣味関係は無しよ」

 

......万策尽きたか。諦めて行くしかないか。

 

「はぁ、分かったよ。行けば良いんでしょ?それで、9月までは何すれば良いの?」

 

「やっと行く気になったね。向こうで恥をかかないように、予習よ。最低でも一年分は詰め込むからそのつもりでね。英語も少しは理解出来るようになってもらわなきゃ。他にも、テーブルマナーなんかも勉強してもらうわ。今通ってる学校は転校という形で辞めるけど、実際には学校に通わず、家で徹底的にシゴいてあげるわ。覚悟しなさい?」

 

......予想以上の地獄になってる。半年で一体どれだけやる気なの?というか、そんなに予定詰まってたら殆ど遊べないんだけど。

 

 

 

......この時の私は、甘かった。そんな事を言うけれど、まだ少しくらいは余裕があると思っていた。本当に容赦無くシゴかれて地獄を見た。

 

 

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〜政府side〜

とある外交官の独白

 

正直、今のイギリスとの交換留学に不安が無いと言えば嘘になる。密偵からの情報では、最近のイギリスでは純血主義が横行している為、日本人というだけでイジメられる可能性もあるし、まともな指導を受けられないという事も考えられる。現校長のダンブルドアは、評判を聞く限りそのような事はしないと思われるが、生徒間では何が起こるか分からない。

 

向こうには、留学生だという事を周知させ、しっかりとした行動を心掛けるように注意させる事にしたし、此方からの留学生には、報告書を書かせるのを義務にし、問題が発生しても対処出来るようにはしたが、果たしてどうなる事やら。

 

せめて学校内はまともである事を祈るばかりだ。

 

 

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日本からのホグワーツ視察員

 

............ナニコレ。

 

ホグワーツを見た際の私の感想だ。実際にはもっと長くなるが、端的に表すならこうなるだろう。何をしたかったのかも、どうしてこうなったのかも分からない謎設備が多すぎる。

 

その最たる物は、やはり動く階段だろう。繋がる先がその時々で異なるだけでは無く、人が乗っていてもお構い無しに動き出す。その上、何処に繋がるのか時間毎に決まっている訳でも無い。毎年始め頃は、新入生が遅刻する事が当たり前だというのはこれが原因だろう。

 

他にも、謎かけや特定の行動が必要な扉や隠し扉、地味な罠などがある。どうにか理由を考え、攻城戦においての城内での戦闘を仮定してみた。しかし、攻城戦を意識しているにしては疑問が残る。防衛側も把握出来ないタイミングで動く罠など使い物にならないし、上手く嵌っても精々時間稼ぎか姿勢を崩す程度にしか役に立たないようなトラップばかりだ。確かにどちらも実戦では重要だが、このような場所まで攻め込まれている時点で、もはや焼け石に水といった所だろう。

 

厨房でも、食器や調理器具などは綺麗だが、それを調理する生き物があまり綺麗では無い。衛生観念があるのかすら怪しい薄汚れた枕カバーや、テーブルクロスを身に着けているだけなのだ。何故こんな格好なのか校長に尋ねた所、

 

「彼等に雇い主が洋服を渡す事は解雇を意味するので、渡す訳にはいかぬのじゃ」

 

などと返してきた。そんな訳の分からない制度がまかり通るのも不思議だが、始めにそんな事を考えた者は狂っているとしか思えない。

 

この小人のような生き物達は、屋敷しもべ妖精という名前らしい。仕事をする事が生き甲斐などという、ブラック企業が聞いたら大喜びしそうな性質があるらしい。彼等は、遠目で見ると物語に出てくる、肉体労働系の奴隷のような服装をしている。お茶会の様子を描いた絵画などに登場する奴隷は、主人の世話を担当する者だからか、不快感を与えない為なのかは分からないが、しっかりした服を着ていた。それに対し彼等は、そんな事は考えた事もなかったらしい。決して姿を見せないようにしているそうなので、特に必要無いのかもしれない。しかし、何かしらの用件で主人に会う必要もあるはずなのに、それを考えないとは勤勉なのか怠惰なのかよく分からない生き物だ。

 

何にせよ、我が国の留学生が来るというのに、こんな状態で厨房に立たせる訳にもいかないので、一通りの視察が終わった後で、その事を校長に改善を打診したところ、彼等を説得出来るのなら構わないと言われたので、小一時間ほどかけて説明し、厨房に居る時だけでも身体を清潔にし、もっとマシな、調理場に立つのに相応しい服を着させる事を約束させた。もっとも、ホグワーツの関係者が用意するわけにはいかないので、用意するのは此方側だが。......不自然にならない程度に高額の服を揃えて、後で領収書を送り付けてやる。

 

説得に成功したのは解雇の意味は無いという事と、彼等の主人である校長や生徒達に害があるという事を強調し、厨房に立つ間だけで良いという条件を付けたのが勝因だと思う。

 

......何やら大量の霊の気配がするのに、全く姿を見かけなかったのも気になる。視察の間だけ意図的に何処かに隠れて居るのか、それともただ取り憑いている霊がそういう性質なだけなのかが分からないのだ。再び校長に質問すると、ホグワーツの卒業生などが居るとの事だ。害を及ぼすタイプの霊が居ない事を祈ろう。

 

魔法薬や薬草学の備品はなかなか充実しているが、かなり危険な物も含まれている様で、生徒には使わせない物もあるらしい。見本などに使う訳でも無いらしいが、何故あるのだろう?

 

女子寮には、男子が入れないようになっているそうだ。実際に生徒達が使っているので見に行く事が出来なかったが、これはなかなか良い点だと思う。何故か男子寮には女子が入れるようだが、これはまぁ関係無いだろう。どのような魔法がかかっているのかまでは、セキュリティの関係上教えられないそうだが、かなり厳重な物であり、入るのはほぼ不可能との事なので安心出来る。

 

少々というか、大分気になる点もあったが、致命的な問題点は無さそうだ。唯一の問題点である厨房も改善したので、これなら一応留学は可能だろう。

 

英国側の不手際で、視察が大分遅れて留学が決定した後になったが、設備が悪いせいで取り消しにならなくて良かった。彼女には後に設備などで問題が発生した場合、報告書に記載するように頼まなくてはな。内容次第では、学校には何かしらの便宜を図らせる事になるだろう。外交ではそういう事も後々使える条件になる。

 

......これまでの視察の結果、何かしらの問題が発生しそうだと思うのは私だけだろうか?




たったの2000文字を書くにも数日はかかっている無能な作者です。
受験勉強にも拍車がかかるのでどんどん執筆速度は落ちると思いますが、お付き合いの程宜しくお願いしますm(_ _)m

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