もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
喪中につき新年の挨拶は控えさせて頂きますが、本年もどうぞよろしくお願い致します、雪希絵です
FGOの闇鍋星五確定ガチャの結果はどうでしたか?
ちなみに私は殺生院キアラでした
キャラクター的には結構嫌いじゃないです
さてさて、どうにかこうにか更新日は守れました
ちょっと短めですが、今回もどうぞ
「……マスター」
「……ごめん。都合がいいのは分かってる。でも、今は話しかけないで」
「……はい」
四人が使用していた拠点、そのリビング。
時間はお昼時。
普段なら台所にいる人物は、もう影も形もない。
いつも笑い声や呆れ声や、話し声の絶えなかった部屋は、静けさに満ちていた。
ソファに腰を下ろすアルトリアの膝に、立香は頭を乗せて寝そべっていた。
ニコニコしながら、膝枕する人物の顔を見つめている立香だが、今は顔を合わせようともしない。
長い沈黙。
時折、アルトリアの右手が躊躇いがちに動く。
ピクリ、と動かして、戻して。
また動かしかけて、戻して。
何度それを繰り返した頃か。
恐る恐る、といった様子で。
アルトリアの手が立香の頭に置かれた。
一瞬、微かに立香の体が身じろぐ。
けれど、抵抗はしなかった。
二度、三度、遠慮がちに撫でる。
「……マスター。申し訳ありませんでした。私の、我々の不手際で……」
「やめて」
アルトリアの言を途中で遮り、立香は鋭くそう言う。
「予想なんか出来ない事態だった。私でも、経験豊富な攻略組でも、きっとキリトやアスナでもそう。誰も悪くなんかない」
「はい」
「だから、自分が悪かったなんて言わないで。私もそう思ってるから」
「……そうは、見えませんよ」
(自分を責めていない人は、そんな顔はしないんですよ。マスター……)
喉元まで出かけた言葉は、直前で飲み込まれた。
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「……というわけでして。エミヤさんは、私たちを庇って……」
一方、マシュは二十二層のログハウスを訪ねていた。
あの日、扉が完全に閉まった後、立香達はあらゆる手段を試みた。
しかし『
破壊不能オブジェクトであるため、破壊するなど以ての外。
それでも、宝具以外の物理的手段。
何らかの条件クリアによる扉の解放。
あらゆる手段を講じた。
だが、その努力も虚しく。
再び開いたボス部屋の中には、誰一人いなかった。
「なるほどな。それで、俺達のところに?」
「はい。新婚のお二人のところに来るのは、失礼だとも思ったのですが……」
「ううん、大丈夫だよ。そもそも、ここにいるのがバレちゃったせいで、もう召集令かかってるから」
「短い新婚生活だったなぁ……ははっ……」
おどけたようにそう言うキリトに、マシュは少しだけ微笑むが、すぐに表情を曇らせる。
「私も、しばらく傍にいたのですけど……先輩は、ずっとずっと自分のせいだって……思ってるみたいで……」
ポタポタ、とテーブルに涙が落ちる。
SAOの感情表現は大袈裟だが、嘘はつかない。
エミヤを救えなかったこと、それに心を痛める立香に対して何も出来ないこと、様々な後悔や悲しみ、悔しさかが綯い交ぜになり、涙になって頬を伝う。
「マシュちゃん……」
そんなマシュの背中に、アスナはそっと手を添える。
そして、決意したような目でキリトを見つめた。
「……うん。俺も同じこと考えてるはずだ」
「……じゃあ、行こう。それで、早くここに戻ってこよう。きっと、立香ちゃんはそれを喜んでくれるから」
「ああ、だと思う。あいつ、結婚報告した時嬉しそうだったもんな」
「ふふっ、そうだね」
そして、二人は勢いよく立ち上がる。
弾かれたように、マシュは顔を上げた。
「行こう、マシュちゃん」
「立香に発破かけにな」
微笑む二人を見て、マシュの瞳が徐々に光を取り戻す。
「私達は、何度も立香ちゃんに勇気付けて貰ったから。今度は、私達の番だよ」
「……はい!」
決意を新たに、三人は手早く身支度を整えて、ログハウスを後にしていった。
うーん、私にしては珍しく結構シリアスに書いてる気がします
なんちゃってシリアスな感じもしますけど
さてさて、新年一発目の更新ですが、いかがでしたでしょうか?
今年は去年のような惨劇にならないよう、しっかり更新していきたいです
それでは、また来週お会いしましょう