もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
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いつの間にそんなことに……。
有難いことこの上ないですありがとうございます!<(_ _)>
一層努力していきます!
「……大丈夫?二人とも」
「「どうにか……」」
とりあえずマシュとアルトリアに水を無理矢理飲ませ、強引に落ち着かせた立香は、二人の返事を聞いて息をつく。
「たしかにちょっと難しい話だとは思うけど、だったらそんなに考えなければいいのに……。二人ともバカ真面目なんだから」
「すみません……マスター。どうしても、その、『仮想世界』というものがわからなかったのです」
「ああ、なんだ、そんなこと?だったら私にお任せ!」
そう言いながら、立香は特にズレてもいないのに眼鏡を指で持ち上げる。
「まあ、根本から説明してると凄い時間かかるから省くけど。仮想世界っていうのは、ようは何も無いところに本当にそれがあるように思い込ませるものだよ」
「? 幻術の一種ですか?先輩」
「んー?やっぱそっちに直結かー」
あはは、と苦笑いをしながら、立香は続ける。
「幻術ってわけではないんだけどね。例えば、脳に直接リンゴの情報を送り込むでしょ?そうした場合、実際にリンゴが目の前に現れるし、触って食べることもできるけど、胃の中は空っぽって感じ」
「つまり、魔術ではない手段で作り出した幻影ということですね?」
「ちょっと違うけど、もうそれでいいや。面倒だし」
諦めたようにため息をつき、立香は注文したチーズケーキを切り分けて頬張る。
と、アルトリアがその様子をじっと見つめていることに気づいた。
(ふーん……?あ、そうだっ!)
何やら思案してからニヤリと笑い、立香は切ったチーズケーキを、フォークに刺してアルトリアの前に差し出す。
そして一言。
「はいっ、あーん」
「────!な、な、なななな、なにを……!」
必殺の一撃と言わんばかりに放たれた一言に、アルトリアは面白いように動揺する。
(これは……、俗に言うというか前に玉藻殿が言っていた、『あーん』というやつか……!し、しかし、マスターと私の関係はあくまでも主従関係のようなもの!受け取るわけには……!だ、だが、マスターの思いを無下にするわけにも……!)
内心で葛藤を続けるアルトリアに対し、立香は追撃する。
「んー?いらないの?あーん!」
いたずらっ子のような笑みを浮かべ、フォークの先のチーズケーキをゆらゆらと揺らす。
ちなみに、マシュは一連のことが始まった時からフリーズしている。
横目でそれを確認した立香は、
(後でマシュにもあげよう……)
と思いつつチーズケーキを揺らす。
「ほらほら、あーん」
「うっ……で、では、失礼します……」
意を決したように言い、恐る恐るアルトリアはフォークに顔を近づける。
しかし、
「もー、まだるっこしいな。えいっ!」
「むぐっ!」
時間がかかると判断した立香は、半ば開いたアルトリアの口に、無理矢理チーズケーキをねじ込んだ。
「おいしい?」
「は……はい……」
味など分かるわけもないだろうが、顔を少々赤くしたアルトリアはそう答えるしかなかった。
つまんなくなりそうだったので、半ば無理矢理お楽しみ(ほぼ自己満足)を入れてみました。
もうちょっと百合百合したいので、頑張ります