もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら?   作:雪希絵

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どうも皆様

先週のスランプの件で皆様に暖かいお言葉を頂いて感涙していた雪希絵です

例え上手く書けなかろうと、いつも通りにやっていきます!

それでは、ごゆっくりどうぞ!


カーディナルおこ

「ちっ!リザードマンかっ……!」

 

安全地帯を出て約十分ほど経った時。

 

無数のリザードマンが回廊の道を塞いでいることに、先頭のキリトが気がつき、手早く武器を抜いた。

 

「なんだよこの数!頭おかしいだろ……!」

 

クラインも悪態をつきながら武器を構える。

 

数えるのも馬鹿らしくなる、おびただしい数のリザードマンだ。

 

「おかしい、明らかにおかしいよ!こんな数、今まで無かったのに……!」

「いや、今までも……正しくは七十層くらいから、特別強力な敵が現れやすかったり、異常な数のモンスターの群れが現れたことがあった。それの一種だろう」

 

キリトがそう推測する。

 

全員思い当たる節があるのか、首を振って肯定する。

 

「……仕方ないか」

 

ポキポキと拳を鳴らしながら、立香が前に出る。

 

アルトリア、マシュ、エミヤもそれに続く。

 

「道をひらくよ。先に行って」

「なぁ……!?り、リツカ!何無茶言ってんだ……!」

 

クラインが思わず身を乗り出してそう言う。

 

その肩を、キリトが掴んだ。

 

「キリト、お前……」

「……現状、リツカの言う手が一番だ。それに、四人は俺たちより桁外れに強い。ここは託そう」

「……リツカちゃん。アルトリアちゃん、マシュちゃん、エミヤさん。……無茶しないでね」

 

キリトに合わせ、アスナが不安そうな表情でそう言った。

 

クラインや風林火山のメンバーは納得のいっていない表情をするが、

 

「……絶対無事でいろよ。まだフレンド登録もしてねぇんだからな!」

 

そう言って、武器を構えながら前を見た。

 

「もちろん。任せて。……行くよ、みんな」

「「はい」」

「任せろ」

 

そして、エミヤは黒弓と螺旋型の剣を取り出した。

 

剣を番え、ギリギリと弦を引く。

 

「『偽・螺旋剣Ⅱ(カラドボルグ)』────!」

 

猛烈なスピードで放たれた偽・螺旋剣Ⅱが、リザードマンの集団中央部分に着弾する。

 

壊れた幻想(ブロークンファンタズム)』による大爆発が、リザードマンを包み込む。

 

爆ぜる閃光、轟く爆音。

 

「『風王鉄槌(ストライクエア)』────!!!」

 

そこへ、ダメ押しの風の塊が叩きつけられる。

 

壊れた幻想と風王鉄槌の二つが叩きつけられ、リザードマンの集団の数が一気に減る。

 

中央部分には、開けたように道が出来た。

 

「今だっ────!一気に駆け抜けて!」

「な、なんだぁ……!?この威力……」

「話はあとだ。行くぞ!」

 

マシュが先行して敵を残るリザードマンを薙ぎ払い、リツカが牽制の一打を打ち込んで敵を怯ませ、さらなる道をひらく。

 

キリトとアスナを先頭に、開けた道を駆け抜けていった。

 

「……行ったか」

「はい、そうですね」

 

頷き、背後のキリト達を一瞥しながら構える。

 

「さて、せいぜい時間稼ぎますか」

「時間を稼ぐのは構わんが、別に倒してしまって構わんのだろう?」

「アーチャー、あなたがそれを言ってはいけません。何故か猛烈にそんな感覚がします」

「お、お二人共、敵がきます!」

 

マシュが慌ててそう言う。

 

「問題ありません」

「問題ない」

 

魔力放出で駆け出すアルトリアの背後で、エミヤが矢を番える。

 

「しっ────!」

「ふっ────!」

 

アルトリアが斬りかかったリザードマンの頭部に、正確に矢が突き刺さる。

 

さらに、アルトリアの剣が赤く輝く。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

ぐるぐると三回転しながら、赤いライトエフェクトを帯びた斬撃がリザードマンを切り刻む。

 

HPが全損し、ポリゴンの破片として爆散する。

 

「マスター、これは……」

「うん。前々からキリトと話してた仮説が、証明されたみたいだね」

 

『ソードアート・オンライン』を管理するAI『カーディナル』。

 

立香とキリトが話していたのは、これに関する仮説。

 

『桁違いの戦闘力を持つサーヴァントである三人がいる影響で、モンスター達が強化されるのではないか』と。

 

その兆候は現れていた。

 

層が上がる事に、安全マージンの目安だった『層+10レベル』がズレて来ていたのだ。

 

それが今、より確かな形として現れている。

 

「……大丈夫かな、キリト達」

 

珍しく不安そうに立香がそう言う。

 

「たしかに、下手をするとボスも強化されている場合が……」

「……っ」

 

歯噛みする自分のマスターを見ながら、サーヴァント組は顔を見合わせる。

 

そして、

 

「先輩。心配なら、キリトさん達を追ってください」

「マスターの敏捷力なら、すぐに追いつけるだろう」

「マスターが加わるだけで、彼らには大きな戦力になるはずです。頼みましたよ」

「みんな……」

 

立香は躊躇うように口を開け閉めした後に、

 

「……分かった」

 

こくり、と頷いた。

 

「危なくなったらすぐに撤退してね。……これは命令だよ」

「はい」

「分かりました」

「無理はしないさ」

 

全員が肯定したのを確認し、立香は全力で駆け出した。

 

「早く……早く……!」

 

もはや一陣の風のようなスピードで、回廊を駆け抜ける。

 

途中のモンスターも牽制の一打で遠ざけ、その隙に逃走した。

 

やがて、辿り着いたボス部屋。

 

そこで立香が目にしたのは、

 

「グォオオオオオオオ────!」

 

青から真っ赤に染まりあがった、ボスの姿だった。




まった時間過ぎてる……申し訳ございません

それでは、また来週お会いしましょう!

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