もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら?   作:雪希絵

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今回、主人公の推理をひたすら綴る回です。

読んでてつまんないとは思いますが、とりあえず読んであげてくださいお願いします。

それと、話が飛ぶのはご容赦ください。


察しのいい主人公

立香は考えていた。

 

正直言えば、ここが仮想ゲーム世界である可能性は考慮していたのだ。

 

まず一つ目、現れたステータス画面が昔やっていたゲームに似ていたこと。

 

人の形が描かれたそれは、どう見ても装備スロット。

 

その横にある画面は、恐らくアイテム欄やスキルなどのステータスが記述してあるのだろう。

 

二つ目、先程の戦闘中の男の一言。

 

単純に『筋力』というのはわかるが、なぜわざわざ『パラメータ』をつけるのか。

 

それは恐らく、レベルアップなどで手に入るスキルポイントを割り振るなどをして、自身の力をブースト出来るということだろう。

 

パラメータというからには、そうでないと説明はつかない。

 

そして三つ目、アルトリアの攻撃。

 

普段のアルトリアなら、人間の背骨を叩き折るような勢いで攻撃することはない。

 

元がどうたったかわからないが、少なくとも立香に出会ってからは、ただの人間に乱暴な真似はしない。

 

しかし、さっきの一撃は強過ぎた。

 

歴戦の剣士であるアルトリアが加減を間違えるなど、普通有り得ない。

 

劇的に世界法則ごと変わった以外には。

 

今までの固有結界などでは、常識外れなことはあっても、重力や加速度などの世界法則だけは変わらなかった。

 

つまり、ここに来た瞬間、アルトリアのステータスが現実世界よりも如実に現れ、アルトリアは加減を間違えたのだ。

 

(ここまでは、あくまでもゲームの世界である理由。

そして、仮想世界だと考えた理由は……)

 

それは簡単だ。

 

立香の視界右下に映る、現在も時を刻み続けている時計。

 

ステータス画面の段階でも違和感を覚えたものだが、これで合点がいった。

 

この世界は仮想世界であり、仮想世界を用いたゲームであるということが。

 

その予想は、アスナの言葉で裏付けられた。

 

「……っていうわけよ」

「な、なるほど……?」

「わかったような、わからないような……?」

 

あの後、アスナの追求を全力で回避し、どうにか森を抜けて街に辿り着いた。

 

案内という名目で着いてきたアスナとはフレンド登録(立香しか意味を理解していなかった)をし、別れた。

 

その近くにあった店に入り、一番目立たない席に座って、立香は自分の推理をアルトリアとマシュに話したのだが、残念ながら二人はほとんど理解出来ていないようだ。

 

「────さすがだね。もはや予測の領域を越してるよ……」

「ダヴィンチのような半分変態と意見が合うのはどうかと思うけど……ここは素直に同感だ」

 

しかし、モニターから聞いていたロマ二とダヴィンチには全てわかったようだ。

 

その予想が正しいことも。

 

「さて、立香ちゃんのおかげで、ここがどこかはわかったね。この前提があれば、調査もしやすいはずだよ」

「お、それは期待大だねー。何かわかったら、また連絡してねー」

「了解だ、立香ちゃん。じゃあ、また後で」

「はいはーい」

 

プツッと音がして、通信が切れる。

 

それを確認し、立香が二人に向き直ると……。

 

「うえっ!?」

 

マシュはショート状態、アルトリアは湯気が出そうな勢いで考え込んでいたのだった。

 

「ちょ、二人とも、何があったの!?」

 

NPCの店員以外誰もいない店内に、立香の叫び声が響いた。


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