もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
実は徹夜明けの雪希絵です
死にそうな状態で今このお話を書いてます
書いたら寝ます、すぐにでも
それでは、ごゆっくりどうぞ!
「PK……?このゲームでそれをやるの?」
PKという単語に、立香が信じられないという顔をする。
PK、プレイヤーキル。
モンスターではなく、プレイヤーを襲撃して金品を奪う行為。
ソードアートオンラインでのそれは、金品どころか命まで奪う、極悪非道の行為だ。
「許さない……あなた達さえいなければ……!」
アスナが歯を食いしばり、怒りを隠そうともせずに剣を構える。
キリトとアルトリアも無言で剣を構える。
「ま、待ってください!ひ、人と……戦うんですか?」
一方、マシュは動揺している。
まさか、死に直結するこのゲームで、デュエル以外でプレイヤー同士の戦いが起こるとは思わなかったのだろう。
「マシュ、この世界は綺麗事だけじゃ生き残れない。こうして、平気で人を傷つける奴はいるし、殺しまでする奴も多くいる」
「そんな……!」
「無理をすることはありません、マシュ。私たちだけで倒します」
絶句するマシュに、アルトリアはそう言う。
「──────っ」
一瞬の躊躇い。
その間に、キリトとアスナとアルトリアは、ラフィン・コフィンの六人に斬りかかった。
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
轟音が鳴り響き、アルトリアが一瞬で距離を詰める。
愛用の『アバランシュ』に魔力放出を乗せ、神速で振り下ろす。
しかし、ラフコフはそんなものに物怖じするほど、可愛らしい連中ではない。
薄気味悪い笑みを浮かべたまま、手に持った剣で強引にその一撃を受ける。
もちろん勢いを殺しきれず、六人の中の一人、片手剣使いのHPが減少する。
だが、HPの減少など気にもくれず、片手剣使いはアルトリアに剣を振り下ろす。
「甘いっ!」
たしかに怯まないのは想定外だが、アルトリアは冷静だ。
片手剣を正面から受け、右側から割り込んで来た短剣使いを視界の端に捉え、反時計回りに回転して二人まとめて弾き飛ばす。
一旦距離が離れたのを見計らい、周囲を流し見る。
すぐ近くではキリトが、少し後方ではアスナが戦っている。
マシュは未だ迷っているのか、立香の側を離れていない。
(それでいい、マシュ。マスターを頼みます)
視線を戻し、再びラフコフのメンバーと剣を交わす。
訓練をしているという見た目ではないが、ラフコフのメンバーは全員連携がいい。
歴戦の英雄であるアルトリアならまだしも、キリトとアスナは二対一に苦戦を強いられていた。
(この者達……お互いの動きが分かっているかのような……。いや違う。お互いの
訓練によるものとは違う、何か異質な連携。
しかし、アルトリアにそんなものは通用しない。
どんな連携を組もうが、どれだけ技を用いようが、それを正面から捩じ伏せる実力がある。
鍔迫り合いになった片手剣使いを魔力放出で吹き飛ばし、短剣使いが近くにいるうちに、剣を水平に構える。
突き出すように放ちながら、詠唱。
「『
空を斬り、大地を抉るように直進する風の塊が、ラフコフ二人を巻き込んで炸裂する。
HPバーが大きく減少し、レッドゾーンに突入する。
だが、アルトリアは見逃さなかった。
吹き飛ばされる二人の口の端が、笑うように歪んでいることに。
それに違和感を感じるのと、背後に新たな気配が現れたのは、ほとんど同時だった。
「─────!」
咄嗟の判断で地面を蹴り、距離を空ける。
アルトリアの体を掠めるように剣が通過し、ほんの僅かにHPバーが減少する。
「新手か……!」
アルトリアは剣を構え直し、新たに降りてきた敵を見据え……糸が切れたように崩れ落ちた。
「なっ───」
体が唐突に動かなくなり、痺れのような感覚が全身に広がっていく。
「麻痺……だと……?」
どうにか動く首で辺りを見回すと、新たに現れたラフコフの片手剣使いの剣には、緑色の液体が付いている。
(そうか……!先程の攻撃がかすった時に……!)
ようやく気がつくが、もう既に遅い。
キリトもアスナも、既に麻痺で動けなくなっていた。
「やれやれ……ようやく全員止まったか」
ラフコフパーティーの一人、両手剣使いの男が呟いた。
その視線は、残るマシュと立香に向けられている。
「────マスターにだけは、手出しさせません……!」
そんな追い詰められた状況に、マシュの心はついに決まった。
大盾を握りしめ、立香の前に堂々と立つ。
しかし、マシュには致命的な弱点があった。
ラフコフパーティーの一人がニヤリ、と笑ったかと思うと、光る何かが飛んできた。
立香に向かって。
「マスター!」
盾と共に、自分を立香と飛来物の間に割り込ませる。
それは、緑色の液体が付いたナイフだった。
間髪入れず、二本目三本目が飛んでくる。
マシュはそれら全てを盾で防ぐ。
敵は、必ず立香を狙って攻撃してくる。
そうなると、マシュは防がざるを得なくなる。
それこそがマシュの最大の弱点、マスターである立香を守らなくてならないという、責任感が多すぎるのだ。
防御に掛り切りになってしまったマシュは、近づいて来た他の気配に気がつかなかった。
「しまっ……!」
麻痺毒付のナイフが掠り、マシュの体の動きが止まっていく。
「うっ……っ……マスター……逃げて……!」
倒れ、マシュは悔しそうに唇を噛み締める。
残ったのは、もう立香だけ。
「待ってたぜ……あんたしか残らない状況をな」
舌なめずりをしながら、ラフコフの男がそういう。
それに合わせて、あちこちで気味の悪い笑い声がする。
立香は顔を伏せ、その場から動くことすらしない。
「リツカちゃん……!転移結晶で、今すぐ逃げて!」
「リツカ……!」
「マスター……!」
「先輩……!」
しかし、ラフコフパーティーはじりじりと距離を詰めながら、喋り続ける。
「事前調査で、あんたが戦わないのは分かっていた。そこの金髪の剣士と大盾使いがご執心なのもな」
もはや目と鼻の先に迫り、剣を振り上げる。
「そこで面白そうなことを考えた。他全員を動けなくして、あんたから殺したら、どうなるのかってな─────!」
そして、躊躇なくそれを振り下ろした。
「やめろ─────!」
「リツカちゃん──────!」
「マスターーーーー!!!」
上がる悲鳴。
愉悦に歪む男の顔。
その顔に、
メリィィィッ──────!
と音を鳴らしながら、拳がめり込んだ。
「──────え」
何が起きたかわからない。
男はそのままとんでもない勢いで転がっていき、壁に激突した。
「おー、良かった良かった。ちょっと久しぶりだけど鈍ってないねー。李書文に習った八極拳」
そんな気の抜けた声と共に、立香は拳をプラプラと揺らす。
そうして、その顔から笑みを消す。
「……私ってさぁ、普段あんまり怒らないのよ。カルデアって問題児だらけだし、いちいち怒ってたらキリないし」
ラフコフの面々を睨みつけ、続ける。
「けどさぁ……マシュとかアルトリアとか、私の大事な人達に手を出されると、どうも腹が立つんだよね」
ポキポキと拳を鳴らし、立香は構える。
「だからさ……死んじゃったら、ごめんね?」
如何でしたでしょうか
こうなったら理由はもちろん、FGOのストーリー上で主人公が人間を辞めているからです
丸太を素手で投げたり、幼女三人抱えて走ったり、常人なら死ぬレベルの毒霧が効かなかったり、宝具受けても割と平気だったり……
あれ、一般人って何でしたっけ?
それはさておき、突然ですが、皆様にお知らせとお願いがあります
実は、この『もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら?』に新しくサーヴァントを登場させたいと考えています
というわけで、新しく登場させるサーヴァントの投票を行いたいと思います
投票がなかったらなかったで自分の候補の中から選ぶので、どうか気楽に考えてください
ただ、申し訳ありませんが、いくつか制約を設けたいと思います
①ある程度SAOでも通じるセイバー、ランサー、アーチャー、アサシン、ルーラー、アヴェンジャーのサーヴァントに限ります
②作者が勉強不足のため、投票するサーヴァントはFate/staynight、Zero、GrandOrderに登場するサーヴァントでお願いします
③イベント限定サーヴァントでも構いませんが、作者はライト版ではない『ほぼ週間サンタオルタさん』の辺りから始めたので、それ以降でお願いします
以上です
この話の2~3話ほど後に登場するので、その間が投票期間になります
活動報告を同様の内容で作るので、そちらで投票をお願いします
色々と範囲を狭くして申し訳ありませんが、あなたの一票をお待ちしております