もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
2話しか投稿してないのに!?
あ、ありがとうございます!!<(_ _)>
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ただ、作者のメンタルは豆腐とはいかないまでも、たぶん餅くらいなので優し目にお願いします
それと、更新遅れてすみませんでした
m(_ _)m
「身体が残ったままって……どういうことですか?」
「そのままの意味だよ。レイシフトの光が消えた後、確認に向かったら、3人が倒れてたんだ」
「……うそでしょ……」
立香は頭が痛くなった。
ただでさえ不確定材料が多いのに、通常のレイシフトでは有り得ないことまで発生しているのだ。
楽観主義な立香でも、少々気が重くなる。
「今、ダヴィンチが君たちの身体を分析しているところだ。にしても、驚いたよ。3人の身体を調べたら、ほとんど死体と同じ状態だったからね」
「……えっ!?だ、大丈夫なんですか!?ドクター!」
「そうです!サーヴァントである私とマシュはともかく、マスターは無事なのですか!?」
「いや、私二人の前でピンピンしてるんだけど……」
しかし、立香の言葉も意に介さず、2人は慌てふためく。
そんな2人をなだめようとロマ二が口を開いた瞬間────。
「その心配はいらないよ。調査が終わったあと、すぐにコールドスリープさせておいたからね」
割って入るように美人の顔が映し出された。
「あ、ダヴィンチちゃん」
「やっほー、さっきぶりだね。立香ちゃん」
軽い調子で挨拶をした彼女(?)『レオナルド・ダヴィンチ』は、そのままの表情を崩さず、報告を始めた。
「とりあえず、3人の身体をあらかた調べた。まず共通して言えるのは、3人の身体は生命活動が停止してはいないが、仮死状態とも言えるほどに衰退していたね」
「うん、それは僕も確認したよ。最初は完全に死んでいるかと思ったほどだ」
3人の表情が険しくなる。
今こうして立ってはいるが、どうやら本体は大変なことになっているらしい。
「しかし、そうなるからには理由があるんですよね?まさかレイシフト中に攻撃されたとか……ですか?」
マシュが疑問を口にする。
ダヴィンチは首を横に振った。
「いや、理由はもう分かっているよ。どうやら3人とも、魂がごっそり抜けてるみたいだ」
「それって死んでない?」
「普通は死ぬね」
「デスヨネー」
「まあ、私は天才だからね。君たちの魂が戻ってきたら、ちゃんと元の身体に戻すことを約束しよう」
ふふんと得意気に胸を張ってそう言うダヴィンチに、3人は安堵の息をついた。
「まあ、戻れるみたいならそれでいいとして……。ここどこ?」
言いながら立香は周りを見回す。
そこにあるのは、見渡す限りの木。
もはやそれ以外に何があるのかというレベルだ。
「たしかに、こう緑ばかりだと、状況判断ができませんね」
「ヒーリング効果だけはありそうだけど」
「呑気なことを言わないでください……」
「あはは、相変わらず3人は面白いな。ただ、申しわけないけど、こちらにも情報はほとんどない状態だ。立香ちゃん、なんでもいい、手がかりはないか?」
ロマ二に言われ、立香は考える。
(違和感は最初からあった。さっきの戦闘、男の言った一言。どれもなんか妙なんだよね……)
とはいえ、あまり手掛かりない。
どうしたものかと考えながら、宙で手を動かしていると、不意に変な感覚が指先から走った。
ちょうど、指を上から下にドラッグするような動きの時だ。
その瞬間、
「うわっ!」
目の前に、まるでスクリーンのようなものが出現した。
そこには人の形が記載されているだけでなく、『items』や『skills』といった記述がある。
普通、魔術師にはわからないようなもの。
しかし、魔術師ではなく、元はほとんど一般人だった立香には見覚えがあった。
「これ……ひょっとしてステータス画面……?」
「? どうしたんです?マスター?」
独り言のように呟く立香に気づき、アルトリアが声をかける。
そんなアルトリアの方を向き、立香はニコッと笑い、
「わかったよ、ここがどこか」
と言った。