もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら?   作:雪希絵

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どうも皆様

最近この作品の男主Ver.出したら見てくれる人いるかなとか、ふと思いついた雪希絵です

さて、とうとう二人がぶつかります

SAO最強の剣士はどちらなのかが決定します

では、ごゆっくりどうぞ!


アルトリアVSキリト

興奮冷めやらぬボス攻略メンバーたち。

 

『閃光』の二つ名を持ち、その剣速と美貌からSAOでもトップクラスの超有名プレイヤーであるアスナ。

 

その彼女にいきなり現れた一人の美少女プレイヤーが勝利した。

 

これで湧かないわけがない。

 

しかも、この後は攻略組の中では有名プレイヤーである、キリトが戦うのだ。

 

周囲の期待も一気に高まる。

 

「お疲れ様、マシュちゃん。ある程度予想はしてたけど、想像以上だったよ。すごく強かった」

「お疲れ様でした、アスナさん。アスナさんも強かったです。目で追うのに、本当に必死でした」

 

そんな中、デュエルを終えた二人は互いの健闘を讃える。

 

にこやかに微笑み合い、二人が立香たちの元に戻ってくる。

 

「さて、次はキリトくんとアルトリアちゃんの番だよ」

「頑張ってくださいね。お二人とも」

「私のアルトリアなら大丈夫だよね?」

 

激励する二人とアルトリアに絶対の信頼を置く立香。

 

「お任せ下さい、マスター。必ず勝利します」

「そう簡単に勝たせないさ」

 

そうして、アルトリアとキリトは輪の中央で相対する。

 

キリトがデュエルの申請をし、先程のマシュ同様に承認。

 

六十秒のカウントダウンが始まった。

 

キリトはシンプルなデザインの片手剣を構え、アルトリアは不可視の剣を構える。

 

アルトリアの剣を見た途端、攻略組全員がざわざわも騒ぐ。

 

その場にいる全員が、不思議な感覚に陥った。

 

そこに剣はあるはずなのに、どんなに目を凝らしてもそれを視認できない。

 

アルトリアの剣に宿る宝具『風王結界(インビジブル・エア)』の効果だ。

 

「……厄介な武器だな。見えないってのは」

 

しかし、キリトはすでに対処法がわかっている。

 

あれは所詮剣だ。

 

銃や弓のように急に遠距離攻撃をしてくるわけではないのだから、必ず近づいて斬撃を放たなければならない。

 

ならば、近づいてくる剣に視覚以外を集中させればいい。

 

剣を操る手元を見ればいい。

 

あとは、それに自分がどこまで反応できるか。

 

これからそれをひたすら繰り返すことに対する心労と、まだ見ぬ戦いにほんの少し楽しみな思いを抱いていた。

 

一方、アルトリアは落ち着いたものだ。

 

ただただ、マスターの期待に応える。

 

自分とマシュを馬鹿にした者達に、力を知らしめる。

 

(その目でとくと見るがいい。これが、騎士の戦いだ……!)

 

そして、カウントダウンが終わる。

 

『DUEL!』の文字が閃き、二人の戦いが始まった。

 

「おおっ!」

「はぁっ!」

 

二人の選択は、どちらも突進系ソードスキル。

 

両手剣ソードスキル『アバランシュ』。

 

片手剣ソードスキル『ヴォーパルストライク』。

 

オレンジ色のライトエフェクトと、真紅のライトエフェクトが正面衝突。

 

マシュとアスナの最後の一合にも並ぶ大音響が辺りに轟く。

 

一瞬の拮抗。

 

「ぐっ……!」

 

しかし、すぐにキリトが体勢を崩す。

 

それもそのはず、アルトリアの剣戟には魔力放出が乗っているのだ。

 

普通のソードスキルとは、威力の桁が違う。

 

そして、その隙を逃すアルトリアでもない。

 

返す刃で左下から右上への斬り払い。

 

それをキリトはどうにか地についていた足を踏み込んで、強引にバックステップして回避。

 

間合いがわからない以上、大げさに回避する必要があったのだ。

 

そのまま体勢を低くし、剣を構え直す。

 

駆け出し、ソードスキルのモーションに入る。

 

水色に輝く片手剣。

 

片手剣ソードスキル『ソニックリープ』。

 

補正によって高い威力と速度を得た斬撃がアルトリアに襲いかかる。

 

相手はソードスキルを発動している。

 

それを、

 

「ふっ……!」

 

何も使わず、正面から受けきる。

 

「!?」

 

目を疑うキリト。

 

たしかに『ソニックリープ』は基本ソードスキルだが、まともに受けきれるような甘いものではない。

 

だが、アルトリアはそんな無茶を平気でやってしまった。

 

いや、それどころか、

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

さらに押し込もうとしている。

 

その細い身体からは到底想像できない筋力。

 

(筋力パラメータ上げすぎだろ……!)

 

右手に力を込めながらそんなことを考える。

 

その直後、ジェット噴射のような音ともに、キリトが弾き飛ばされた。

 

魔力放出は何も斬撃と同時でなければいけないわけではないのだ。

 

想像よりも厄介なスキルであることに気づき、倒れかけながらキリトが歯噛みする。

 

アルトリアはさらに追撃。

 

鋭い踏み込みで距離を詰める。

 

明らかに素人ではない動き。

 

剣道の経験があるキリトだからこそわかる、武道に卓越したものだからこその他無駄のない動き。

 

(間違いない。 ただの一般人じゃ、決してない……!)

 

ならば、さらに覚悟を決めるしかない。

 

ソードスキルのことは一旦忘れる。

 

目の前に迫って来たアルトリアの斬り上げに対し、剣を滑り込ませる。

 

相手は両手剣だが、キリトの剣は重量が高い。

 

充分に、攻撃を防ぐに足りた。

 

弾かれる互いの剣。

 

跳ね上げられた剣をキリトは右手の力をフルに使って無理やり振り下ろす。

 

対するアルトリアはそれに乗る。

 

下方に弾かれた剣を魔力放出で持って強引に加速。

 

腕の力ではなくその加速だけで斬撃を放つ。

 

衝突、そして轟音。

 

もちろん、そんなものでは終わらない。

 

アルトリアが攻撃すれば、キリトが反射神経だけでそれを捌き。

 

キリトが攻撃すれば、アルトリアはそれを正面から受け止める。

 

一体後その場にいる何人がこの激闘の全てを理解しているのか。

 

一進一退の攻防に、二人の速度は徐々に上がる。

 

(まさか、これ程の剣士が現代にいるとは……!)

 

(一撃一撃が重すぎる……!まさか、SAOにここまで強いやつがまだ眠ってたなんてな……!)

 

互いに心中で褒め合いつつ、真剣極まりない表情で剣をぶつけ合う。

 

しかし、やはり地力と威力の違いか。

 

キリトのHPは、徐々に減少していた。

 

それを視界の端に捉えたキリトは、内心焦っていた。

 

アルトリアの方はほとんどダメージを受けていない。

 

このまま時間切れなら、確実に負ける。

 

(一か八か、これに賭ける!)

 

アルトリアの突き攻撃を、ようやく理解できた間合いギリギリで回避。

 

そして、攻撃に転じる。

 

もう一度真紅に輝く、片手剣。

 

アルトリアも気づくが、すでに遅い。

 

間合いの把握が思ったよりもずっと早かったのだ。

 

空を切る音と、急加速するキリトの視界。

 

狙うは、クリティカルヒットの胸中央。

 

吸い込まれるようにそこに剣が飲み込まれ……。

 

ギィィィン!!

 

直前で、軌道が逸れた。

 

「なっ……!?」

 

アルトリアが、常識外れの速度で、自らの剣を身体と片手剣の間に挟み込んでいたのだ。

 

ここでキリトはわかった。

 

アルトリアは、未だ本気ではなかったのだ。

 

「さすがです、キリト。その強さに敬意を表し、私の全力で決めさせてもらいます」

 

キリトにしか聞こえない声でそう言う。

 

直後、アルトリアの姿が掻き消える。

 

気づいた時には、キリトは宙を舞っていた。

 

数メートル吹き飛び、地面を転がる。

 

キリトですら反応できない速度でアルトリアが斬撃を放ったことに気がつくのに、キリトは少々時間を要した。




以上です!

うわぁ、書いてたらギリギリ!

よろしかったら、感想などお聞かせください!

では、また来週!

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