もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
うわーん、課題なんか嫌いだー!
お待たせ致しました、あと数分で更新日終了の状態ですけど投稿します!
「ごめんね、マシュちゃん。急にこんなことになって」
円形に広がったボス攻略参加者の輪の中。
デュエルのために相対したマシュに、アスナはそう言った。
「でも、マシュちゃんもアルトリアちゃんも強いでしょ?そうなると、負けた人から変な恨みを買うんじゃないかって心配で……」
「……そういうことでしたか。ありがとうございます」
お礼を言い、ペコリと頭を下げるマシュ。
そんなマシュに両手を振りながら、
「いいよいいよ、気にしないで。それに、キリトくんの場合は、単純に強い人と戦ってみたいってだけだと思うし……」
「好奇心というわけですか」
「ふふっ、そうだね」
微笑みながら言葉を交わす二人。
そしてアスナはステータス画面を操作し、デュエルの申請を送る。
【アスナ から1VS1のデュエルを申し込まれました。受諾しますか?】
そのメッセージの下にあるYESを押し、マシュはデュエルの申請を許可。
その後、言われた通りに《初撃決着モード》を選択する。
すぐに六十秒のカウントダウンが始まり、これがゼロになった時に二人のデュエルが始まる。
ついでに装備スロットを操作し、自分の愛用する巨大な盾を装備する。
瞬間、どよめきが広がる。
「なんだあの盾……!」
「いくらなんでもデカすぎる……」
「団長以上だぞ!」
「まさか、新たなユニークスキル……?」
会話の内容を拾い、立香は隣に立つキリトに話しかける。
「ねぇ、やっぱり盾『だけ』の装備って珍しい?」
「そうだな。名前にソードが付くくらいだし、やっぱり剣が主流だし、盾だけの装備は珍しいだろう。でも、みんなが驚いてるのは、盾の大きさの方じゃないか?」
「まあ、相当大きいもんね……」
マシュの大盾は、見ればわかる通り身の丈ほどもある。
鉄壁の防御力を誇る、大きな要因だ。
マシュは盾を右手に持ち、アスナを見据える。
(落ち着いて……落ち着いて……)
ここはまだ、戦場じゃない。
これから戦場に出ると思うと、やはり多少の恐れはあるけれど、今は考えない。
今やるべきことは、自らのマスターが作り、キリトとアスナが整えてくれたこの場で、自らの役割を果たすこと。
そう思い直し、盾を握る手に力を込める。
カウントダウン、残り三……二……一。
ゼロ。
直後、閃くデュエルの文字。
瞬間、アスナは駆け出した。
細剣を輝かせながら、徐々にその速度は上がっていく。
一方、マシュは動かない。
意思のこもった強い眼差しで、ひたすらアスナを見つめる。
アスナが選択したのは、細剣基本技『リニアー』。
しかし、アスナの圧倒的敏捷度パラメータの補正で、その速度はもはや目に見えるレベルではなかった。
空いている脇腹辺りを狙い、凄まじい速度の突きが放たれる。
だが、
ギィィィ……!
甲高い音を上げて、細剣は盾と衝突。
速度補正に加え、高性能な武器の補正を加えた一撃を、マシュは正面から受けきった。
その脚は、微動だにすらしない。
「!」
驚くアスナだが、切り返しは速い。
(やっぱり、盾が大きい分防御力はすごい。一撃の重さで削ろうとしたら、先にこっちが息切れしちゃう……!)
そう考え、素早く剣を引いて、わずかにバックステップ。
四連撃ソードスキル『スターライトロンド』。
水色のライトエフェクトが尾を引く、二連続の切り払い。
その両方を盾を素早くスライドさせることでガード。
続く時計周りの回転斬りを、右側に盾を配置して両手で支え、防ぐ。
アスナは弾かれた反動をも利用し、右手を強く引いて、勢いよく突き攻撃。
マシュは軽く跳躍することで威力を流しながら、盾で攻撃を受けきる。
(重い……!)
(堅い……!)
お互い反動から回復し、今度は同時に突撃。
細剣ソードスキル『シューティングスター』。
大盾ソードスキル『バスターアサルト』。
二つの突進ソードスキルが正面衝突し、大音響が鳴る。
火花が双方の真剣な顔が照らし、すぐに消え去る。
盾で受けた分、マシュの方が反動が少なかったのだろう。
体勢を整え、マシュは畳み掛ける。
両手で右側に盾を構え、勢いよく振る。
纏う緑色のライトエフェクト。
大盾ソードスキル『サイクロン』。
ハンマー投げのような勢いで回転し、猛烈な攻撃がアスナに牙を剥く。
「っ……!」
背を逸らし、どうにか回避するが、広範囲攻撃に回避しきれず、身体を掠める。
HPが減少し、アスナが歯噛みする。
しかし、ここで諦めるはずがない。
大振りの攻撃を行ったため、マシュには隙がある。
「はぁっ!」
気合いと共に、剣を一閃。
隙に気がつき、マシュも回避するが、やはり回避しきれずヒット。
お互い、腹と胸から赤いポリゴンを放出する。
「やぁぁぁ!」
だが、マシュは怯まない。
足を強く踏み込み、全体重をかけてアスナに突進。
細剣を間に入れてガードするが、細身の剣ではどうやっても防御力が足りない。
HPバーが再び減少する。
ここでアスナは腕を捻りながら強烈な突き攻撃。
もちろんマシュはガードする。
しかし、アスナの狙いはそこではない。
反動を利用して、飛び下がることだ。
二人の距離は、マシュがガード時に飛び下がったこともあって空いている。
アスナは細剣を構え、勢いよく助走をつける。
青く輝くエフェクトが置いてけぼりになるほどの速度で、ソードスキルが発動する。
「はあぁぁぁぁぁ!!」
細剣ソードスキル『フラッシングペネトレイター』。
細剣最上位の突進技だ。
それに対し、マシュは努めて冷静さを保つ。
(大丈夫……!受けきれる!!)
直後、赤く輝くマシュの大盾。
アスナは一瞬目を見開くが、それでも勢いを緩めない。
「ふっ……!」
解き放たれるアスナの閃光のごとき突き。
相対するマシュが選択したのは、大盾
『ペインブレイカー』。
ほんのコンマ数秒だけの当たり判定の代わりに、完璧に攻撃を反射する、大盾最上位スキル。
青いエフェクトと赤いエフェクトが激突。
今までで最も大きな音と閃光を上げ、二人の姿が掻き消える。
数秒後、晴れた全員の視界には、イエローゾーンに到達したアスナのHPバーが映った。
遅れて『WINNER Mash!』の表記。
「「「「う……うおおおおおお!!!」」」」
さらに遅れて、広場は歓声に包まれた。
以上です!
自分でも書いてて楽しくて、つい色々調べて時間かけてしまいましたが、お楽しみ頂けましたでしょうか?
もちろんお分かりだとは思いますが、細剣ソードスキルの一部、大盾ソードスキル全てはオリジナルです
名前がダサいとは思いますが、勘弁してください……
こういうの考えるの、実は苦手だったりするんです……
日本語名の方が得意だったりするんです……
次回は『キリトVSアルトリア』です!
では、また来週!