もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
ありがとうございます!
記念とお礼に何かできればいいのですが、生憎絵は書けないしかといってそれ以外に何も思いつかないし……
能がなくてすみません……
ですから、こうして感謝の気持ちを重ねて表すことしかできません
本当にありがとうございます!
「ア〜ル〜ト〜リ〜ア〜!」
「ひっ……!!」
歴戦の騎士アーサー王の背後をいとも簡単にとり、その形のよい胸を鷲掴む。
「ひゃぅ……!」
その瞬間にあがる声に、立香は加虐心をそそられ、一層執拗な手つきになっていく。
マシュのように大きく柔らかいものではなく、弾力に富んだ質感が、立香の指を押し返して来る。
「うーん……さすがの触り心地」
「そん、なっ……れい……せいにぃ!か、解説しないっ、で……くださ……いぃぃぃ!」
アルトリアは必死で逃れようとするが、立香の身体はピッタリと張り付いて脚を絡め、そう簡単に逃がそうとはしない。
「あっ……あんっ!ひっ……ふぁん!……はっ、はっ、ふぅぅぅん!」
「……毎日の習慣にしようかな、これ」
「い、いや……ですぅ……!」
もちろん、立香も本気ではない。
この二人相手にこんなことを続けたら、まず間違いなく理性がもたない。
「うーん……残念だけど今日はもう終わり!」
「や、やっとですか……!」
「お疲れ様です、アルトリアさん……」
ぐったりとタイルに座り込むアルトリアに、マシュは戦友を見るような目で話しかける。
「あはは、ごめんごめん、ちょっとやり過ぎた。ふぅ……なんかのぼせそう……先上がるねー」
「あ、はい」
軽く手を振りながらそう言い、さっさと浴室から出ていく。
タオルをオブジェクト化し、、身体を拭きながら立香は火照る身体を必死に抑えようとしていた。
(ふぅ……なんかいつもと反応が違ったなぁ……。身体が敏感になっているのかな?それとも顔に出やすくなっているとか……?どっちにしろ心臓に悪いよ……)
湯上がりだけが理由ではない熱をどうにか抑え、アトラス院制服を再び装備して部屋に戻った。
しばらくして、アルトリアとマシュも部屋に戻って来た。
…………全裸にタオルで。
「……何?なんのサービス?」
先程の思考を悟られないよう、立香は努めて冷静に言う。
「あ、あの……」
「服を着る方法がわからなくて……」
そう言い、モジモジと腿を擦り合わせる。
「ああ、なるほど、そういうこと」
納得したように頷いた後、立香はベッドから立ち上がり、二人が開いたメニュー画面を、いとも簡単に可視モードに切り替える。
「えっと、まずここの『item』ってところを押して、それからこっちの装備スロットに移して、完了だよ」
説明を聞いた二人は、たどたどしく画面を操作し始めた。
しかし、そこは飲み込みの早い二人。
すぐに二人の身体は衣服に包まれる。
「で、できました!」
「うん、よくできました!じゃあ、明日のことを話しておきたいんだけど、いい?」
「もちろんです、先輩」
「OK。じゃあ、こっちこっち」
立香は言いながら二人をベッドに誘導し、三人で丸くなって座る。
「というわけで、明日の予定だけど、とりあえず情報屋に会ってみようと思うんだ」
「いるんですか?ゲームの中に」
「まあ、その辺は明日調べる!」
「つまり無計画なんですね……」
「相変わらずの猪突猛進っぷりです……」
盛大なため息をつくが、それでも二人の顔を笑っていた。
なんだかんだ、アルトリアもマシュも自分のマスターならどうにかできると信じているのだ。
「わかりました。マスターにお任せします」
「先輩のことですから、会う方法も会ってからどうするかも決めているんですよね?」
「あら、やっぱり分かってる?さすがは私の相棒達」
「付き合いが長ければ、自然に分かるようになるものです」
「ですね」
くすくすと笑い合う二人をキョロキョロと見比べ、立香はなんとなく疎外感を感じてむくれる。
「なによ、私だけ蚊帳の外じゃん。いいもん、もう寝るもん」
そう言い、シーツにくるまる。
どうやら拗ねたようだ。
「拗ねないでください。ほら、添い寝してあげますから」
苦笑いしながらマシュがそう言うと、立香は頭だけひょっこり出して、
「………本当に?」
と言う。
「はい、もちろんです」
「というか、それ以外に全員寝る手段がありません」
「言われてみれば確かに……。じゃあ、二人は私の両サイドね」
それだけ言って、立香は再び丸くなる。
そんな立香を、二人は微笑ましく思った。
実は立香は寂しがり屋で、自分は仲間外れにするくせに、仲間外れにされると拗ねるのだ。
(難儀な性格のマスターですね)
(本当ですね。そういうところも魅力的ですけれど)
小声で二人は会話し、同時に立香の両側に倒れ込む。
そして、誰からともなく眠りにつくのだった。
「この街最強の情報屋?そりゃあ『鼠のアルゴ』だろ」
翌朝、三人は朝食をとった後に聞き込みを開始した。
何人かに聞き込みをしたが、この男性プレイヤーも含め、全員が鼠のアルゴだと答えている。
「そんなに有名な人なんですか?鼠のアルゴさんは」
「ああ、まあな。あいつの情報量は桁違いだから。
それで?情報屋がどうかしたのか?」
「いやー、できれば紹介してもらえないかなーって」
実は今まで聞いてきた全員にも同様のお願いをしたのだが、全員が鼠のアルゴをフレンド登録をしてないせいで、連絡はできなかったのだ。
「なんだ、そんなことか。ちょっと待ってな」
「あ、連絡してくれるの?ありがとう!」
「なに、気にすんな」
男性プレイヤーはそう言うと、心なしか嬉しそうなステータス画面を操作し始める。
(いい人そうで良かったですね、先輩)
(いや、たぶん、女の子に頼られて嬉しいんだと思うよ)
(……先輩は男性の気持ちがよくわかるんですね)
(なんだかたまに、自分が男なんじゃないかって気がするんだよね……なんでだろう?)
「おい、メッセージが返ってきたぞ」
小声でマシュと立香が話している間に、件の鼠のアルゴから返信がきた。
「今から十分後に、街の広場に集合だそうだ」
「OK、わかった。わざわざありがとね」
「困った時はお互い様だ」
「そういう考えの人がもっと増えるといいんだけどねー」
「はは、違いねえ」
お互いに笑い合った後、立香は手を振りながら宿屋を出る。
マシュとアルトリアは軽く礼をして、その後に続いていった。
男性プレイヤーは美少女相手にいいことを出来たと、幸福感に浸っていたが、
「あ……フレンド登録頼むの忘れてた」
当初考えていた肝心な目的を忘れていたことを、今更ながらに思い出した。
「この辺でいいかな?」
「そうですね。全体も見渡せますし」
「わらひもひゃんへいれふ」
「アルトリア、口の中のものを飲み込んでから喋りなさい」
「も、申し訳ありません」
広場にやって来た三人は、その中央にあるベンチに腰掛け、待つことにした。
ちょっと後ろを向けば、後ろ側も見渡せるため、待ち場所にはちょうどいい。
立香はステータス画面を見ながら、マシュは広場をキョロキョロと見渡しながら、アルトリアは途中で買ったホットドッグを食べながら待つこと十分。
「先輩、彼女じゃないですか?」
事前に聞いていた特徴と一致する女性プレイヤーが、こちらに近づいて来た。
「随分早いナ。全員真面目カ?」
独特な口調で話す女性プレイヤーの顔を、立香は見てみる。
その顔には、まるで猫か鼠の髭のようなフェイスペイントがされていた。
(なるほど……たしかに鼠のアルゴだ)
心の中で納得し、立香はアルトリアから貰ったホットドッグを飲み込んでから口を開く。
「二人は真面目だけど、私はそうでもないよ。それより、あなたが鼠のアルゴ?」
「その通りダ」
ニヤリと笑い、アルゴはそう言う。
「そっか。じゃあ、早速情報を売ってくれない?」
「もちろんダ。まずなんの情報が欲しいのか言ってくレ。その価値で値段を決めル」
「わかった」
そこで一拍おき、マシュも、アルトリアも、アルゴも予想できなかったことを告げる。
「このゲーム内で最も好奇心の強い、ソロトッププレイヤーを教えて」
今までが短い気がして来たので、長くしてみました
それと、新作出そうと思います
そちらは聖杯戦争をやろうと思うので、よろしかったらご覧になってください
ちなみに百合ではありません