短編集   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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遅れました。

まあ楽しめれば幸いです。


Fate/Apocrypha(黒の陣営 総入れ替え その⑤)

最終決戦

 

どんなものにもあるであろうし、御馴染みだ。……多分。

 

聖杯戦争でも無論ある。あるに決まっている。

 

例えば

 

第五次冬木聖杯戦争での、最後の死闘

 

第四次冬木聖杯戦争での、セイバーvsバーサーカー、アーチャーvsライダー、魔術師殺しvs麻婆神父

 

表の月の聖杯戦争の、赤き薔薇の皇帝、もしくは正義の味方、あるいは傾国の呪術者vs悟りに到った救世主

 

裏の月の聖杯戦争の、表の三人+αの誰かvs神になろうとした者

 

そして……

 

()()()()()()での、この世すべての善を成そうとする裁定者vsとある英霊の力を持ったホムンクルス

 

ただし、この外典から外れたこの物語にはあのホムンクルスはいない。

 

それどころか

 

「竜殺し」も「大賢者」も「串刺し公」も「十二勇士の一人」も「原初の人(アダム)を作ろうとした者」も「人造人間」も「霧の殺人鬼」も存在しない

 

さてこの物語はどうなるのであろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

$$$$$$

 

 

      トゥリファス上空

 

 

 

 そこには何もない筈だ。

 

 だがそこには庭園が浮いていた。

 

 これが赤のアサシン、セミラミスの宝具だ。

 

 生前持ってはいないが、後世の逸話で手に入れた宝具だ。

 

 ちなみにこういう系統の宝具持ちは結構いるので、実際に相対する時は注意して欲しい(笑)

 

 

 

 この中には赤の陣営のサーヴァントが勢ぞろいしていた。

 

 赤のアーチャー、麗しの狩人、アタランテ

 

 赤のランサー、施しの聖者、カルナ

 

 赤のライダー、俊足の大英雄、アキレウス

 

 赤のアサシン、毒殺女帝、セミラミス

 

 赤のキャスター、悲劇を望む劇作家、シェイクスピア

 

 

 ちなみに

 

 赤のセイバー、反逆の騎士、モードレット

 

 赤のバーサーカー、笑う反逆者、スパルタクス

 

 はいない

 

 前者は別行動、後者は脱落した

 

 

 

 だが……この五人以外にもサーヴァントがいる。

 

 それは……

 

 第三次冬木聖杯戦争でアイツベルンが召喚したルーラー、奇跡を起こした少年、天草四郎。今の名はシロウ・コトミネ

 

 その正体を知っているのは赤ではアサシンとキャスターだけだ。

 

 ……まあ、他のメンツも怪しいぐらいは思っているが……

 

 そんな彼らは黒の陣営に、「拠点」ごと向かっていた。

 

 

 

 そして……

 

 

 

「それでは皆さん。戦闘準備を。向こうが一体何をしてくるかはわかりませんが…」

「結局あちらはランサー以外出てこなかったな」

「出てることには出ているぞ。バーサーカーが相対している。対城以上の火力の宝具を持っているぐらいしかわからなかったが…」

「だが、何もできずに一撃で倒されたであろう」

「ええ、てっきり一騎くらいは巻き込めるかと思ったのですが……」

 

 赤の陣営は戦闘準備の最中だった。

 

 まあ、まだただのマスターだと思われているシロウが戦場に出ると言うことで、少しゴタゴタがあったが今は落ち着いている。

 

 結局赤は黒の陣営のサーヴァントの真名をランサーのクーフーリン以外知ることができなかった。

 

 だが、こちらにはかなりの格の英雄が揃っている。

 

 それに、ほぼ反則である空中庭園がある。

 

 だが……

 

 

 

「(おかしい、この感じは……)」

 

 表面上は穏やかにしているシロウ神父であるが、胸騒ぎが収まらなかった。

 

 というより、自分の宝具である、「腕」が囁いている。

 

 このままではおまえは負けると。

 

「今頃向こうは慌てふためいているでしょうなあ」

 

 キャスターの言葉にシロウは我に返る。少し忘我していた。自分はこのまま進むしかない。

 

「……」

 

 キャスターに振られたアーチャーだったが、黙り込んでいる。

 

「姐さん?」

「……あまり慌ててないな。予想されておったのではないか?」

 

 ライダーに声をかけられたアーチャーが答える。

 

「可能性はありますが……」

「何、予想されておっても、構わん。我の宝具は多少の攻撃で砕けるものではない。それに……」

 

 アサシンは平然としたものだ。そのまま手を掲げ、竜牙兵を数千体地面に出現させる。

 

「脆そうだな。あの鉄屑に勝てるのか?」

「数体まとめてかかれば平気じゃろ」

「……」

 

 会話している赤のサーヴァント達に対し、シロウは考えていた。胸騒ぎが消えない。なんだこの感じは……。まるで「かつて大敗北したあの戦い」の前のような……。

 

 

 

 

 

「どうやら向こうも雑兵を用意していたようだな。しかもかなりの物を」

 

 ランサーの言葉に全員が外を見る。するとそこには……

 

 

 

 

 

 

 両腕にマシンガンをつけたロボット、機械化歩兵がいる。これはまだわかる。小競り合いで何度か出てきている。大型中型小型がかなりいるが、サーヴァント達の敵とはいえない。

 

 

 

 

 だがそれだけではなかった。

 

 

 

 獣がいた。大きさは大型トラックを遥かに越える巨体。

 

 頭部は人、身体は獅子。

 

 ロボット程の数はいない。だが何体もいる。

 

 三種おり、身体が岩で出来た者、色が茶色で顔が男性の物、黒主体で女性の顔になっている物がいる。

 

 まぎれもない幻想種だ。しかも神獣。その正体は……

 

 

 

 

「「「スフィンクス!!!」」」

「おやおや、黒も中々のサーヴァントを召喚したようですな」

 

 

 

 

 スフィンクス

 

 エジプト神話の王家の守護獣。

 

 そこから、導き出されることは……

 

 

 

「黒の陣営にファラオがいますね。誰かはわかりませんが……」

「おいおい、今まで出し惜しみしてたのかよ……」

「サーヴァント一体分位の戦闘力はあるようだな」

「!?お主ら、アレを見よ!」

 

 アーチャーの声に全員が指差す方を見る。そこは先程までミレニア城塞があったはずの場所

 

 だがそこには……

 

 城塞がなかった

 

 いや、その言い方は正しくない。

 

 別の物に変わっていた。

 

 

 

 

 

 まるで星空が地面に降りてきたかのようだった。

 

 光り輝く神殿が複層的に折り重なって偉容を為している。

 

 全長2kmはあるだろう。

 

 それは禁術である固有結界にして、超大型複合神殿体。

 

 光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)

 

 ランク規格外。対城宝具にして、対粛清防御すら兼ね備えている

 

 黒のライダー、最強にして、最後の切り札。

 

 黒の()()マスターが空中庭園の攻略のために用意した()枚の手札の内の1枚である。

 

 

 

 

「「「……」」」

 

 正に絶句。全員絶句。

 

 

 

 シロウは考えていた。

 

 向こうに情報が漏れている。

 

 こちらの宝具に完全に対抗している。

 

 なぜ?なぜ?なぜ?

 

 どこで漏れた?

 

 確かに自分はアサシンの聖遺物探しに何度もイラクへ何度も赴いた。

 

 肌が黒くなってしまったほど赴いた。

 

 自分は何を間違えた?

 

 

 

「シロウ」

 

 自分に心配そうに呼びかけるサーヴァントの声と握られた手の温もりで我に返る。

 

「何を負けたような顔をしておる」

「……」

「まだ負けておらん。少し落ち着け」

「そうですね。ありがとう、アサシン」 

「その通りだ、女帝よ。この程度の戦力差覆せないで何が英雄か」

「まさかランサーだけでなく、あの獣共も俺を傷つけられるとはな」

「ご機嫌だな。ライダー」

「さあ、シロウ神父、王国が待っていますぞ。馬を引いて差し上げましょう」

 

 赤のサーヴァントの言葉に奮い立つ。さあ、叶えるのだ。自分の願いを。

 

「先陣は、アーチャー、ライダーよろしくお願いします。」

「分かった」

「おう」

 

 

 

 

 決戦まであとわずか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

$$$$$$

 

      神殿内部

 

「これでよいのか?」

「ありがとうね♪王様♪」

 

 城塞改め、神殿内部。その中の玉座がある間。

 

 そこには黒の陣営が勢ぞろいしていた。

 

 黒斗がライダーに頼み、神殿を展開し、スフィンクスを出してもらったのである。

 

「撃ち落とさないでいいのか?」

「まだ♪」

「なぜだ?」

「まだ何が出るか分からないからだよ。ダーニックさん。慎重に行かなきゃ♪」

 

 

 

 黒のマスターとサーヴァント達は向こうの空中庭園にあまり驚いてなかった。

 

 というより、事前に聞かされていたからだ。

 

 曰く

 

「確かに結構ヤバイけどね、でも対抗する手段はあるよ♪」

 

 とのこと。その手段は……

 

一つ目ーーー目には目を、歯には歯を。神殿には神殿を。

 

二つ目ーーーキャスターの宝具開帳

 

 だそうである。

 

 一つ目は分かる。ライダーはファラオであるなら、神殿を持っていてもおかしくない。だが二つ目がわからない。あのライオンどんな宝具持っているのだ?全員の頭に疑問符が浮かんでいたが……

 

「黒斗君」

「……」

「キミはまさか私のあの宝具目当てで呼んだのかね?」

「うん。キャスターってさ裏切るクラスだから、正統派じゃないキャスター呼ぼうと思ってた。「蒸気王」とアナタで迷って、あの宝具でアナタに決めた。不愉快に思ったらごめんなさい」

 

 頭を下げる黒斗。めずらしく「♪」も使ってない。

 

「構わないとも」

「おい、どういうことだ、キャスターはいったいどんな宝具持っているのだ?」

「言っていい?」

「マスター?」

「構いません……が、皆さんの宝具も教えてください」

 

 そして、情報交換。そして、全員がキャスターの宝具とその効果に全員唖然としたのである。あの各所からツッコミが沸くであろうあの幻想支配の宝具に。

 

「凄まじいな。さすが屈指の発明家」

「いや、それほどでもないな」

「星の開拓者は持ってないけどね♪ニコラ・テスラは持っているのに♪」

「GAohoooooooooooooo!?GAFU……GAFUUUU……ッ!」

「「「キャスター!?」」」

「傷は深いぞ、ぐったりしろ♪」

「「「何をしている、この大馬鹿野郎!」」」

 

 

 そんな一幕があったのである。

 

 

 

「さて皆決戦だ。出し惜しみはなしで行くよ。あ、そうだアサシンも戦っていいよ♪」

「やっとか。待ちくたびれたぞ。黒斗」

「アーチャーはカルナ、ランサーはアキレウスをコロコロしてね?」

「うむ」

「まかせな」

「私はどうすればいい?モードレットを踏み潰せばいいのか?」

「できれば、アーチャーを頼みたい。アサシンはモードレットを宜しく。もう一度いうけど、あのスキルは使わないでね♪」

「黒斗よ、余はどうするのだ?」

「僕…は…?」

「ライダーは神殿内部で見守って?侵入者は排除で。バーサーカーは聖杯防衛。どこぞの()()さんが来るかもしれないし♪」

 

 全サーヴァントに指示を出すと、

 

「マスター達は令呪使うタイミングに注意してね♪」

「なぜ私を見る?」

「さあ?」

「黒斗さん。あなたは……」

「俺も出る。止めないでね」

「……」

「大丈夫だよ、姉さん。あの馬鹿だ。死ぬと思うか?」

「それもそうね」

「ねえ、ここに俺いるからね。忘れないでね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、この結末は如何に




これにて、完結

続きは皆さんの心の中に(笑)

えっ中途半端じゃないかじゃないかって?

しょうがないじゃないですか、練習ですし

ちなみに正式連載するならに黒の陣営の鯖何騎か原作に準じて、更に変更しようと思っています。それならちゃんと完結できるかな?

掴めないキャラがいますし。神王様とか上手く動かせなかった(泣)

でも、いつになるかな?

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