短編集   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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これも前々から暖めていた作品です。

①というのは続編をやるからです(予定)。

とりあえず今回は既存鯖で。

それではどうぞ。

一部の鯖に失礼な表現を使ってます。ご了承ください。

オリジナルキャラクターも出ます。悪しからず。


Fate/Apocrypha(黒の陣営 総入れ替え その①)

冬木の聖杯戦争。第三次でアイツベルンが何を召喚したかで結末が変わる。

 

「復讐者」を呼んだ場合、「zero」、「stay night」へと繋がる。

 

「裁定者」を呼んだ場合、Apocryphaへと繋がる。

 

……まあどれにもつながらず、帝都で聖杯戦争が起こる未来もあるが。

 

 

 話が逸れてしまった。「Apocrypha」の世界で、聖杯をまんまと奪ったダーニック。ただし、その結末は皆様知ってのとおり。悲劇的な最後を遂げる。何が悪かったのか?原因はいくつもある。英雄、魔術師、選んだ触媒、魔力供給方法etc。色々原因はある。

 

 

 その中で私が思うに召喚したサーヴァントが悪かったことに尽きる。「すまないさん」、「先生」はまだいい。この二人は英雄としての格は高い上に、心技体完璧だ。まあ二人とも弱点らしい弱点はあるが、それはどの英雄にもいえることだ。

 ただし残りの、口の軽い「ポンコツ」、低燃費くらいしかとりえのない「人造人間」、性格難あり「切り裂き魔」、キャスタークラスの株をPと共にどんどん下げている「ゴーレム屑」、そして、知名度以外取り柄のない「ドスケベ公」。

 

 

ならば彼らを入れ変えたらどうなるか……。

 

 

神様「なら、やってみる?」

 

■■「マジで!?いいの?」

 

神様「いいよ。で、誰を呼ぶの?」

 

■■「それはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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      ルーマニア トゥリファス

 

 深夜二時、一人の男が静まり返る街を眺めていた。

 男の名はダーニック。本名は長いため、ここでは省略(笑)。彼は決意に燃えていた。なにせ冬木で聖杯を奪ってから六十年も待ったのだから。

「そう、何もかもこの日の為だった」

 大変だった。本当に大変だった。大聖杯を馴染ませたり、英霊を召喚する聖遺物をかき集めたり。最初はこの国の大英雄であるヴラド三世を呼ぶつもりだった。だが……。

 人の気配に、ダーニックは振り返る。

「ダーニックさん、時間だよ♪」

 間延びした声が響いた。そこにいたのは二人の男女。一人は車椅子に乗った少女。もう一人はその車椅子を押すフードの少年。

「フィオレと黒斗か」

 ダーニックが微笑む少女の可憐な笑みにつられるように笑う。

「調子はどうだ?」

「悪くはありません。おじ様」

「右に同じ。……前かな?まあいいや♪」

 少女の名はフィオレ。本名は以下略。優秀な魔術師である。そして、その婚約者である魔術使い(根源行く気がないらしく、そう名乗っている)星海黒斗。

「カウレスは少し浮ついてた。ゴルドさんは緊張してるみたいだし、金銀コンビは変わらない。まあ無理もないか。もうすぐ始まるし♪」

「ああ」

「……」

 憂い顔で黙り込んでしまったフィオレ。その手を握る黒斗。よく見られる光景だ。

「本当に大変だったよね。召喚したと思ったら、いきなり殺されかかるとはね。まあ是非もないヨネ♪」

「是非もあるからな。アレは完全に貴様のせいだ」

 思わず突っ込むダーニック。それはそうだろう。召喚したサーヴァントにいきなり殺されかかったのである。ちなみに本人曰く百年近く生きてきて一番命の危機を感じたそうだ。

 そもそもの原因は、聖遺物の変更だ。

 ダーニックは本来呼ぶ予定のサーヴァントがいたのだが、黒斗が変更を申し出たのである。曰く「7騎で争うならいいけど、魔術協会に喧嘩売るんでしょ?なら超級のサーヴァント呼ばなきゃ。あんなドス……じゃなかった、串刺し公じゃ勝ち残れないよ。円卓とかINDOが来たら負けちゃうよ♪」とのことである。

 だが今の時代、亜種聖杯戦争が相次いでおり、聖遺物は手に入らないか、べらぼうに高い。ところが……

「まっかせてー♪」

 と言ってきたので、任せてみたのである。……まあダーニックはあまり期待しなかったのだが。ところが…

「手に入れたよ♪」

「マジで!?」

思わずキャラを崩壊させたダーニック。それはそうだろう。彼の手に入れた聖遺物はどれも凄まじいものだったのである。「好きなの選んでね」と渡された物は……

 

兜の破片

 

火縄銃の玉

 

折れている槍

 

美しい首飾り

 

石畳の破片

 

切れた電線

 

牛の仮面

 

「で、これで何が呼べるんだ?」

「ゴメンゴメン、言い忘れてた。あのね……」

 召喚される英雄を聞き、悩んだダーニック。黒斗はと言えば「オススメは兜の破片か折れた槍だね。この人達なら心技体揃っているし。オススメできないのは首飾り。下手するとドエライことになるよ♪」と言ったのである。そして、ダーニックが選んだのは……

「えっ、……首飾りにしちゃうの?」

「ああ。おまえの説明聞く限りはおそらく一番強力だろう」

「うん。強力だよ。この人はある聖杯戦争だと数騎でどうにか渡り合って、マスターコロコロして、キャスターのお手製道具使って、宝具開帳して、やっと消滅したから♪」

「じゃあコレだ。オススメの二つも捨てがたいがな」

「……どうなっても知らないよ」

 そして、先んじて召喚したのである。そして、現れたのは……

「我が名はオジマンディアス。王の中の王。全能の神よ、わが業を見よーーーそして、絶望せよ!」

 来てしまったファラオ様。天と地を統べる神王様。彼を呼ぶ触媒は皆様ご存知の通り、彼の愛妻の首飾り(確実に呼べる。本人の遺品だと応じてくれない場合が多い)。しかもそれで呼んだ場合、死が待っている(一応執行猶予はくれるが)。

 当然のごとく殺されかかったバカ二人。焼き払われそうになった哀れな街。どうにかこうにか宥めて、平謝りして、色々して、どうにかこうにかなんとか従ってくれるようになったのである。

「俺言ったじゃん、ドエライことになるって♪」

「それだけではわからん」

「まあ説明不足だったのは認めるけど♪」

「どっちもどっちだと思いますよ。おじ様は強力な英雄に目を奪われすぎましたし、黒斗さんは説明不足すぎです」

「だってねえ、聖杯戦争だよ。俺の知り合いの人も言ってたよ、聖杯戦争は真面目すぎないほうがいいって」

「どんな知り合いですか?」

「うーん、言葉にできない?」

「疑問系で言われても困るのですが……」

「今はどんな姿()してるんだか♪」

 そんなこんなで召喚儀式の間についた3人。そこにはすでにマスター達が揃っていた。雑事をこなすホムンクルスもいる。

「じゃあ、皆、聖遺物置いて召喚の時間だよー♪」

「なぜおまえが仕切る?」

「その場のノリ?」

「ぶっ殺すぞ」

「キャー♪」

「……二人とも、やめてください」

 フィオレがどうにか二人の争い(?)を止め、召喚の準備を始まった。

 一人目、やや肥満体の男性、ゴルド。本名は以下略。兜の破片を持っている。

 二人目、車椅子の少女、フィオレ。折れた槍を持っている。

 三人目、四人目、金髪碧眼の少女と銀髪紫眼の少女、リーナとシェラ。以下略。リーナが小物入れ、シェラが切れた電線を持っている。ちなみにこの二人は双子である。

 五人目、そばかすの少年、カウレス。略。手には牛の仮面を持っている。ちなみにフィオレの弟である。

「んんん?」

「どうしました、黒斗さん?」

 いきなり唸りだした黒斗にフィオレが声を掛ける。

「いやねえ、彼が帰ってきたみたい♪」

「彼?」

「フィオレには紹介したじゃん。あの人だよ♪」

「呵々、さすがだな、黒斗。儂の気配に気づくとは」

 いきなり聞こえた知らぬ声に、周囲がざわめき始めるが、黒斗が手を叩き静かにする。

「いやいや、気づいたわけじゃないよ?感だよん♪」

「それでもスゴイと思うぞ」

「いやあ、それほどでもー♪」

 姿の見えぬ相手と楽しそうに話す黒斗。

「しかし、偵察ばかりとはな。退屈でしょうがない」

「大丈夫、もうすぐたくさんたくさんブチ殺せるから♪」

「おうさ。しかし木偶ばかりくびり殺すのでは飽きるぞ」

「大丈夫大丈夫、強敵もいるって♪」

「期待しているぞ」

 会話を続ける黒斗。

「黒斗」

「黒斗さん」

 いつまでも続く会話を止めたフィオレとダーニック。

「黒斗、そろそろ紹介してもいいだろう」

「ん、わかった。アサシン出てきて♪」

 黒斗が誰もいない空間に呼びかけた。

 そこに現れたのは中華の武術家然とした男。

「彼は俺が二番目に召喚した黒のサーヴァント、アサシン。偵察やってもらっていたんだ。真名は李書文。二の打ち要らず、神槍って言った方が有名かな?」

「よろしく頼むぞ」

 呆然としていた彼らだったが、どうにか再起動を果たした。

「馬鹿な、気配を何も感じなかったぞ」

 唖然としていたゴルドが呟くと。

「アサシンだもん、当然じゃん。それに、気配を消すくらいなら、王様も可能だよん♪」

「その通りだ」

 また別の声が響く。するとそこには……

「おかえりー、王様♪」

 黒斗が声を掛けた先には玉座があった。空だったはずなのだが、そこには男がいた。太陽色の眼と褐色の肌を持つ男性だった。

 彼を認識したとたん空間の雰囲気が変わる。ただそこにいるだけで圧倒されてしまうのである。ところが……

「やっぱし、皇帝特権セコいよねー」

 まったく態度の変わらぬバカもいるが。

「召喚見に来たの?」

「ああ、余の配下となる物達だ。一見の価値がある」

「配下になるか微妙なのもいるよ?」

「そのときはそのときだ。ダーニック、始めよ」

 いきなり振られたダーニック。一応予想してたらしく取り乱した様子もない。

「それでは、始めよう」

 

 

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「召喚は長いので飛ばします。キングクリムゾン♪」

「何を言っているのですか?黒斗さん……」

 フィオレがツッコミを入れる。いつもの光景である。

 そんなこんなで英雄が召喚され、7騎揃ったのである。

「おい、黒斗」

「黒斗さん……」

「どーしたの?お二人さん。ちゃんとその通りのサーヴァントだよ?」

 黒斗が言ったのである。

「おかしいのいる?」

 おかしな顔してる二人(よく見るとマスター全員何かおかしな顔だ)にサーヴァント達を紹介する。

「まず、セイバー。アーサー・ペンドラゴン。暴君としての一面でーす♪」

「もっきゅもっきゅ、もっきゅもっきゅ」

 なぜか用意してあったジャンクフードを頬張る、黒ゴスの少女。

「アーチャー。第六天魔王、織田信長♪」

「わしじゃ!わしじゃ!」

 なぜかドイツの軍服を纏った少女。

「ランサー。光の御子、クー・フーリン♪」

「よろしくな、マスター」

 真紅の槍を持つ青タイツ男。凄い失礼です。

「バーサーカー。迷宮に閉じ込められた物、アステリオス。もうひとつの名では呼ばないこと♪」

「よろ…しく、マス…ター」 

 角の生えた大男。

「そして、世紀の発明家。世界的にも有名。エジソンだーーー♪」

「よろしく頼むよ」

 獅子の頭にアメコミのヒーローにしか見えない衣装の生物。

 紹介し終え、一息つく黒斗。

「おかしいのいる?いないでしょ♪」

「「「いるだろ、半分近くがおかしいわ!特にキャスター。なんでエジソンがライオンの頭つけてるんだ!?」」」」

「そういうもんだよ、英雄って」

「「「どういうもんだよ!!!」」」

「さて、召喚終わったし、各自相互理解深めてね。自害せよ(笑)になったら目も当てられないから♪」

「おい、なんで俺見て言ったんだ、おまえ?」

「じゃあ、おやすみ」

「「「待て!」」」

「ちゃっかり、姉さん連れてくな!姉さんも顔赤らめるな!誰かあのバカ止めろー!」

「もっきゅもっきゅ。おかわり」

「「「いつまで食ってんだ!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで始まる戦争。さあ、黒の未来はどっちだ(笑)

 




色々突っ込みあるかもですが、気にしないでください。

多分ライオンに突っ込むかもですが気にしないでください。

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