DragonTACTICS   作:隣のトットロさん

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今回は少し長いです。


召喚の儀式

 

「やっと会えるーーー。今日、全ては今日から始まる。私とあなたの物語」

 

「またあの夢...か」

俺は制服に着替えると家を出た。俺が家を出ると後ろからチカの声が聞こえる。

 

「ま!待ってー!龍ちゃーん!!」

 

「おー今日も絶景だなー」

 

「はぁはぁ...もう!龍ちゃん!早いよ!」

 

「いや早くないだろ?それにチカも魔法使えば簡単に追い付けるだろ?」

 

「んー疲れるじゃん」

 

「はあ...まあいいか。ほら」

俺はそう言ってチカの頭に手を置き目を閉じる。そしてーーー目を開けると高校の校門にいた。

 

「りゅ!龍ちゃん!何したの!?」

 

「ん?テレポートだよ。昨日サイさんもやってただろ?」

 

「あー女子トイレの時の!」

 

「そうそう。それじゃあクラスわけの紙が貼り出されてるだろうし見に行こうぜ」

 

「うん♪」

 

数人の生徒は既に来ていて俺を見るなり「龍跡が顔に...じゃああれが噂の異常者?」など話しているが気にせずに自分のクラスを確認して教室に向かう。

喜ぶべきか否か、チカとは同じクラスだった。

 

「龍ちゃん!同じクラスだね♪良かった!」

 

「だな」

それだけ言って俺達は教室に入ると既に3人の生徒がいた。

1人目は髪を1つで結んでポニーテールにしている女の子。身長はかなり低く150ないくらいだろうか?顔も童顔で中学生にしか見えない。

2人目は何だが近寄るなオーラが凄い出ていた。なんと言うか全体的に暗い。

3人目は眼鏡をかけた、THE委員長みたいな男だった。なんか頭とか良さそう。

 

「皆さんこんにちわー!」

チカが教室に入ると挨拶をしだした、こいつのこういうところは素直に凄いと俺は思う。他人にいきなり声をかけられるとか俺には無い才能だ。

 

「こ、こここにちは...」

1人目のポニーテールの女の子が返事を返してきたが噛んでしまったらしく顔を赤くして俯いてしまった。うむ可愛い。

 

「・・・」

2人目の女の人はまるで何も無かったかのようにスルーしている。

 

「こんにちは」

3人目の男は眼鏡を少し上げながら返してきた。なんか見たまんまの奴だな。

 

俺とチカは窓際の最後列に隣どおしだった。

 

「龍ちゃん!良かったね!クラスも同じで席も隣だよ♪」

 

「ああ。そうだな」

俺とチカが話していると眼鏡をかけた男子生徒が話しかけてくる。

 

「頬に龍跡。君が噂の異常者ですか」

 

「ああ。そうだけど?」

 

「いえ失礼。どんな人なのかと思っていましたが。予想より普通だったもので」 

 

「どんなのを想像してたんだ?」

 

「なんと言うか、もっと悪な感じだと」

 

「あ!私も!私もそれ思ってました!」

ポニーテールを揺らしながら手を挙げて言ってくる。

 

「なわけないだろ。普通で悪かったな」

 

「いえ此方こそ変に先入観を持ってしまっていました。申し訳ない。私の名前は柳生誠です」

 

「そうかよろしくな。誠でいいか?」

 

「ええ構いません。」

 

「あーずるいー!私の名前は遠坂鈴!りんちゃんでもすずでもどっちでもいいよ!」

 

「遠坂さんもよろしくな」

 

「なんか他人行儀だし!!りんちゃんって呼んでよ!」

 

「はあ...それなら、りんと呼ぶよ」

 

「うん!」

りんが返事をすると今度は俺とアイリスの方に視線が集まる。

 

「俺の名前は龍ヶ峰龍人だよろしく」

 

「私の名前は西條アイリスです。お二人ともよろしくね♪」

 

「うん!よろしくね!」

 

「よろしくお願いします」

 

時間が経ってくると少しずつ人も入ってきて数人しかいなかったのに僅か15分ほどで30人ほどになっていた。

 

「おい、お前が異常者か?」

と窓の外を見ていた俺、誰かがにいきなり話しかけてきた。

 

「何か?」

 

「何で僕がお前みたいな異常者と同じクラスなんだよ」

いや知らないけど?それよりお前誰?

 

「へえへえ。そりゃー悪~ござんしたねー」

 

「お前死にたいのか?」

そいつは俺を睨み付けて言ってくる。

 

「ちょ!龍ちゃんに何を!「良いから、アイリス大丈夫だから」でも...」

 

「はっその女もこいつの仲間か?こんなやつとつるんでるようならたかが知れてるな」

大抵の事なら我慢できる俺でもこの言葉は我慢できなかった。

 

「あ?お前こそ死にたいのか?」

 

「無礼な。自分の身分も分からないクズが!僕を誰だと心得る!」

 

「いや誰だよお前?」

 

「レイトハルモン家の長男にして貴族の者だ!たかが庶民が頭が高いぞ!」

 

「あー成る程。良いおいえがらに生まれてしまったがために自分の力も把握できなくなった哀れな貴族様でしたか。これはこれは大変失礼しました」

 

「貴様...絶対に許さんぞ?」

 

「へえ?許さないならどうするんですかね?坊っちゃん」

 

「決闘だ!!格の違いを教えてやる!」

 

「これからですかー?」

 

「当たり前だ!教師には僕の方から知らせておく。逃げるなよ?」

 

「へいへい。しょうがねえな。坊っちゃんは」

 

「くそがっその減らず口2度と聞けないようにしてやる!」

貴族の坊っちゃんは、そのまま教室を出ていった。

 

「りゅ、龍ちゃん...」

 

「心配すんな、あんな雑魚に負けるほど俺は弱くねえよ」

俺達が話していると誠が話に入ってきた。

 

「龍人、悪いことは言わない。謝るんだ」

 

「何でだよ?誠」

 

「レイトハルモン家と言えばここらじゃ有名な大貴族だ。その血筋なら実力も折り紙つきだ、1階の俺達が敵う相手じゃない」

 

「心配すんなよ誠、俺は勝つよ」

 

「面白いことになってるね!」とりんも話に入ってきた。

 

「私強い方が正義だと思ってるしあいつ嫌いだから龍人が勝ってくれるように応援してるよ♪」

 

「龍ちゃん....負けないでね?」

 

「おう」

 

ピンポンパンポーン。

 

1年生の龍ヶ峰龍人君、至急体育館に来てください。繰り返します。1年生の龍ヶ峰龍人君、至急体育館に来てください。

 

放送で呼び出されたので椅子から立ち上がると誠とりんとアイリスも立ち上がった。

 

「なんだお前ら?」

 

「何をいっている馬鹿め。俺がお前の骨を拾ってやる。感謝するんだな」

こいつまだ疑ってるのか...。

 

「龍ちゃんが心配だから...」

アイリス可愛いなー。もう抱き締めていいかな?

 

「面白そうだし?」

あーこいつただ見たいだけか。

 

「それじゃあ行きますか」

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★

場所は変わって体育館。

 

 

「やあ。よく逃げずに来たね」

うわーモブキャラがいかにもいいそうな台詞はいてるし...。

 

「負ける気がしないからな」

 

「・・・全く舐められたものだね....」

 

「んなことより...何で審判がサイさんなんですか?」

 

「あら?駄目かしら?」

 

「駄目じゃないですけど....」

 

「なら構わないわね?」 

 

「はあ...分かりました」

 

「おい異常者、お前会長と知り合いなのか?」

 

「・・・いや他人だ」

 

「ひっどーい!龍人とはあんなに激しくやりあった仲なのに!」

なんか演技で涙浮かべてますけど、その言い方やめてくれませんかね?状況知っているはずのアイリスが泣きそうだし、りんと誠に至っては俺に魔法打ち込んで来そうなんですけど?

 

「キャラブレてますよ?」

 

「そうね、まっ、そんな愉快な関係ではないわね」

その一言で殺伐とした雰囲気はなくなる。

 

「えーとお前の名前は...おいモブ君」

 

「誰がモブだ!誰が!僕は由緒正しいレイトハルモン家の長男でレイトハルモン・シュウだ!覚えとけ!」

 

「あっそう。なあモブ」

 

「だからモブじゃねー!!」

 

「五月蝿いなー。ルールはお前が決めて良いから早くしてくれ」

 

「余裕だな...」

 

「俺は早く終わらしたいんだよ。さっさとしろモブ」

 

「さっきから無礼な異常者め...。それならルールを説明する。基本呪術以外は使用おっけーで負けを認めた場合か戦闘不能になった方の負けこれでどうだ?」 

 

「問題ない」

 

「そして負けた方は3年間そいつの下僕になる。それが今回の敗者に送られるものだ!」

 

「えー。お前みたいな下僕いらねー」

 

「分かって無いみたいだがな!これは勝負でもなんでもない!ただ俺がお前をボコすってだけのゲームなんだよ!!」

 

「あっそ。サイさんお願いしますー」

 

「わかったわ。両者そのルールでいいのなら。レイトハルモン・シュウ対龍ヶ峰龍人の試合を始めます。試合...開始!」

(龍人に勝てるわけないのに...哀れね。レイトハルモン家の長男は)

 

 

 

 

レイトハルモン・シュウVS龍ヶ峰龍人

 

 

「見せてやる!俺の実力を!!ファイヤーボール!!」

 

「はあ...またこの技か。フリーズ」

 

フリーズは、氷魔法と時の魔法の5段階混合魔法だ。

相手の時を凍らせる技。相手は動けなくなるがその状態で停止させるので見えるし周りの声も聞こえるのだ。ただ動くことも喋ることもできない。

俺は無詠唱でこの呪文を唱えたのだが。本来こんな高い段階魔法を無詠唱で発動すれば少し実力があれば脱出出来るのだがそれもできない限り実力が無いことが伺える。

 

「エルバトルグルバサラサルミコラ!我に力を与えよ願いの剣ーーー。その名は断罪ブレイズソード!」

自分と同じ背丈の大剣を造形の魔法により投影する。

俺はモブの前まで来ると動けなくなったモブの首に大剣を当てて少しずつ切っていく。首からは血が流れ始めモブは恐怖のために涙を流しながら失禁している。

 

「さて。このくらいでいいだろう」

 

「そうね。少しやり過ぎかなと思ったけど。勝者ーーー龍人!」

 

「龍人...君は私が思っていた以上に強いようだ」

 

「龍ちゃーん!凄いよ!なに今の!?」

 

「龍人!私あなたのこと好きになっちゃうかも!私は強い人が正義で強い人が好きなの!」

 

「お前ら落ち着け....一辺に言われても分からん。それにあいつが弱かっただけだ、拍子抜けもいいとこ」

そんななかモブは失神していた。

 

「よし。教室に戻ろう」

 

「ちょっと待ちなさい」

俺達が教室に戻ろうとするとサイさんに呼び止められた。

 

「何ですか?」

 

「何ですか?じゃないです!これ!どうするんですか!?」

 

「サイさん、またキャラがブレてますよー」

 

「はっ!いや本当に困るんです...」

 

「テレポートで保健室に送れば良いじゃないですか」

 

「いやあの...」

 

「どうしました?」

 

「・・・触りたくないんです」

あーそりゃそうだ。涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃ、おまけに失禁とか。

 

「ファイト!」

 

「まだあなたに龍がいないのが幸いでした....」

 

「は?」

 

「手伝ってくれないならバハムートを呼び出してあなたに攻撃させます」

 

「な、何をおっしゃっているんでひょうか?」

 

「私と契約し「あーーー!分かりましたよ!」ふう。助かります♪」

 

 

「はあ...じゃあそう言うことで皆も....誰もいない」

 

「それでは、龍人手伝ってくださいね」

 

「それでどう手伝えば...」

 

「風の魔法のエアを御互いに発動させて反発の力を利用して浮かべようと思います」

 

「成る程。確かにそれなら運べそうですね」

 

「ええ。ですが問題がありますわ」

 

「問題?」  

 

「距離がですね...保健室は25階なので」

 

「・・・入学したときから思ったんですけどここ何階まであるんですか?」

 

「確かー45階まであって地下に大きな闘技場みたいなのもあります、それに外にも大きな闘技場がありますね」

 

「どれだけ戦い好きなんだよ...」

 

「そこはしょうがないわ」

 

「はあ...それじゃあ、こういうのはどうですか?」

 

「ん?」

 

俺の作戦に乗ってくれたサイさんと一緒に魔法を使いテレポートで保健室まで連れていった。

 

俺が教室に戻ると既に誠とりんとアイリスは席についていた。

 

「お前ら...よくも逃げてくれたな?」

 

「いや!龍ちゃん!落ち着いて!あれは誠君が!」

 

「は?いや、え!?アイリス君なにを?」

 

「そ、そうなんだよ!龍っち!そこの眼鏡が私達を無理矢理!」

 

「りん君も何を言って!それに私は眼鏡では....おいちょっと落ち着こう...話せばわか「問答無用」ぎゃあああああ!」

 

俺の拳が火を吹いた。

 

「それにしても龍っち意外と戻ってくるの早かったね」

 

「うんうん!龍ちゃんどうやって運んだの?」

 

「あーあれは触りたくなかったから綺麗にした」

 

「綺麗に?」

 

「ああ。俺とサイさんでな」

 

「それは、つまり何をしたのだ?」

 

「おお、誠復活したか」

 

「いやまだかなり痛いがな...」

 

「まあ何だ。水魔法の3段階魔法でウォータークラッシュってあるだろ?」

 

「あーあの威力はないけど濡れるやつ?女子にやったら目の保養になるよね~」

 

「そうだが女子のお前が言うな...」

 

「龍ちゃん、そんなに女の子のブラ見たいの?」

 

「うん」

いや見たいでしょ?男なら。

 

「そ、そうなんだ...。うんもう少し待っててね?」

 

「ん?どういう意味だ?」

 

「それよりも龍人。そのあまり役に立たない魔法で何をしたのだ?」

 

「あー取り合えずサイさんにウォータークラッシュを発動してもらって俺はなるべく威力を無くした、ファイヤーボールを当てまくったんだ。そして乾かした」

 

「「「む、惨い...」」」

 

「いやースッキリしたよほんとに。綺麗になったしな少し制服が焦げてたけどまあいいだろ、それより俺がいない間なにやってたんだ?」

 

「あ、そうそう!召喚の儀式の説明してたよ!」

え?めっちゃ大事なとこやん!くそ!あのモブ許すマジ!

 

「マジで?」

 

「うん、しかもこれから移動だよ?」

 

「どこに?」

 

「んとね屋上♪」

 

「違うわよ!アイリス!地下よ!地下!」

 

「あ、あれ?そうだっけ?」

 

「そうよ!」

 

「それじゃあ移動しますかね...」

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★

ここは地下の闘技場。

 

 

「うわー広いな....」

 

「だねー!龍ちゃん!」

 

「まあ龍を召喚するんだしこのくらいが必要なんじゃない?」

 

「うむ。その通りだ、それにここでは地龍までしか戦わせてはいけないようだしな」

まっ、危ないからな。

 

俺達が話していると担当の先生が話始めた。

 

「それでは今から召喚の儀式を行ってもらう。生涯で一番大切な儀式だ心してかかるように」

 

「「「「はい」」」」

 

クラスの連中や他のクラスの連中が一斉に返事をする。

 

「なんていうか...帰りたくなってきた」

 

「龍ちゃん、早いよ!」

いやだってこれで将来決まっちゃうんだよ?運命の選択だよ?駄目だ胃が痛くなってきた。

 

「龍っち、帰りたいって。もしかして知らないの?」

 

「え?」

 

「ここに入学した生徒は龍を召喚したあとは皆寮生活になるんだよ?」

 

「え?・・・・えぇええええ!!」

 

「そのようすじゃ知らなかったんだ...」

 

「え?それじゃ俺もうマイホームに戻れないの!?それじゃあ俺の男の子として大事な品々は!?」 

 

「知らないわよ!というか男の子として大事な品々とか言わないでよ!」

 

「ねえ龍ちゃん、男の子として大事な品々って?」

 

「アイリスは知らなくていいんだよー」

 

「アイリスだけ...仲間はずれ?」

 

「うぐっ....心が痛い」

 

「自業自得よ、ばーか」

 

「うっ、りんに馬鹿って言われると何故か傷付く...」

 

「ちょ!どういう意味よ!」

 

「ふっ、皆落ち着きたまえ」

 

「・・・あ、ああ悪い。いたのか誠」

 

「なっ!」

 

「いやーごめんごめん空気薄くて」

 

「はあ....いいさどうせ私なんて」

 

「落ち込むなよ、誠。冗談だから...ほら誠呼ばれてるぞ、行ってこいよ」

 

「あ、ああ。行ってくるよ...」

 

「おーい、誠元気だせよー」 

 

「ああ」

 

「なんか悪いことしたか?」

 

「んーでも誠だし?」

 

「龍ちゃん、アイリスお腹空いちゃった」

こいつはこいつで自由だな...。

 

「さあえーと。柳誠君かな?」

 

「・・・柳生誠です」

 

「お、おうそうか。すまない、誠君それじゃあ儀式を始めてくれ」

勿論俺達は大爆笑である。

 

「ふぅ...。私と共に歩む選ばれし者よ。私の力の道しるべになりし者よ来たれ!召喚の儀(サモン)」

誠を囲むように霧が出て眩い光が溢れだす。霧が晴れるとそこには....。

 

「グギャガアアアアア!!」

大声で叫ぶ地龍がいた。だがどこか普通の地龍とは違っていた。

 

「こ、これは!」

先生が感嘆の声をあげる。

 

「地龍の稀少種!!」

 

「これが...」

 

ぼーっと立っている誠に向かって先生が名前を付けてあげなさいと言う。

誠は少しずつ地龍に近付いて地龍の頭を触りながらーーー。

 

 

「お前の名前はガイヤだ」と名前を付けた。

 

「グギャガアアアアア!!」

ガイヤは気に入ったのか叫び声をあげた。

 

誠はガイヤを戻して俺達の方に戻ってくる。

 

「さーて!ここでアイリスの説明ターイムの時間だよ!」

 

「またかアイリス」 

 

「もう!今回は龍ちゃん知らないから説明してあげるの感謝しなさい!」 

 

「お、おう」

 

「今みたいに誠君が地龍を戻したよね?」

 

「ん?戻したってなんだ?」

 

「えとね。人と契約した龍にはパスが通ってるのそこのパスを通って契約者が呼びたければ何時でも呼び出せるって訳なの。それでそのパスを通って此方から戻すことをそのまんまだけど戻すって言うの」

 

「成る程な。そんな説明があったのか」

 

「うんうん、これは本に書いてあったの」

 

「意外と勉強してるよな...」

 

「ふっふーん!まあね!それと召喚の儀って言うのは名前を付けて初めて終わるの。名前を付けないと御互いにパスが繋がらないから。まあ信頼の証って感じなのかな?」

 

「成る程な。サンキュな、アイリス」

 

「えへへ。どういたしまして!」

 

アイリスが説明してくれると今度はりんが呼ばれた。

 

「遠坂鈴さん、始めてくれ」

 

「はーい。私の僕になりし天から与えられし偉大なる者よ。私が強くあるために必要な者よ!私の召喚に答えなさい!召喚の儀(サモン)」

 

「キシャアァアアアアアア!」

神々しい輝きと共に現れたのは巨大な翼竜だった。

 

「翼竜とは...これは大物ですな」

先生が誉めている中りんは全く関係ないと言う感じで翼竜に近付いていく。

 

「初めまして♪あなたの名前はディモルよ。よろしくね」

 

 

「キシャアァアアアアアア!」と分かったというかのように叫び声をあげる。先程の地龍の倍の大きさはあるであろう姿で叫び声をあげただけで地面が揺れる。

 

りんはディモルを戻しながら戻ってくる。

 

「凄いな、りん。まさか翼竜を召喚するなんてな」

 

「私もビックリだよ!」

 

「でも誠の稀少種も驚いたけどな」

 

「うむ。まさか稀少種が出てくれるとは嬉しい誤算だった」

眼鏡を少しあげながら言う誠は少しうざかった。

 

「それじゃあ残りは龍っちとアイリスだね」

 

「ああ」

 

「うん!」

 

「次に西條アイリス前に」

 

「あ、はい!」

 

「それでは始めなさい」

 

「はい!すぅーはぁ....。私と共に生き共に笑える私の大事な友達になりし者よ。私に勇気を与えてくれる者よ!私の召喚に答えて!召喚の儀(サモン)」

眩い光に包まれて見えた時には皆驚いた。

 

「よ、幼龍...」

それは、まだ幼龍の小さい龍だった。

 

「・・・」

アイリスは幼龍を見ながら停止している。

何を言ってやればいいのか考えていると突如アイリスが顔をあげた。

 

「か、か、可愛い!!」

そう言って幼龍を抱き締めるアイリス。

 

「キュイ...」

苦しそうだが嫌でもなさそうな幼龍を暖かい目で見る俺と誠とりん。

 

「あなたの名前はーうーん。ドラちゃんね!」

恐らくドラゴンだからドラちゃんなのだろう。

 

アイリスはドラちゃんを戻さずに抱き抱えたまま戻ってくる。

 

「ねえ!皆見てみて!すごーく可愛いよ!!」  

「あ、ああ。そうだな良かったな。アイリス」

 

「うん!」

幼龍の成長に期待して今は気にしないことにしようと俺は誓った。

 

「次は俺だな」

 

「最後に龍ヶ峰龍人君、前に」

 

「はい」

 

俺が前に出ると、やはり異常者やらで少し騒がしくなったが風の3段階魔法で音を遮断して集中する。

 

「我に導かれし大いなる魂の器となりし者よ。我と共に歩む愚かな者よ。我の召喚に答えよ!召喚の儀(サモン)」

眩い光が満ち溢れ空気が震える。

 

そして光が晴れるとそこにはーーーーー。

 

 

全裸の女の子が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 


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