DragonTACTICS   作:隣のトットロさん

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思い付いたら書いていこうと思います。つまり不定期です。


生徒会長

 

「トイレは無事に行けたのかしら?」

俺の方を見て笑う女の人に若干の苛立ちを覚えるがなんとか堪える。

 

「えーと..」

 

「ああ、私の名前は九条印サイよ。よろしくね後輩さん」

 

「よろしくお願いします。俺は龍ヶ峰龍人って言います。こっちは西城アイリス」

 

「よ、よろひくお願いしましゅ」

おい、お前噛みすぎだって...。

 

「龍人にアイリスさんねよろしく」

この人いきなり名前で呼ぶとかリア充度高いな~。あーリア充爆発しろ。

 

「それであのセレモニーが終わってしまったみたいなので...何があったのかとか聞きたくてですね」

 

「セレモニー?」

 

「・・・。貴女が言ったんですよね?」

 

「あーそうだったわね。セレモニー、ええあったわねそんなことも」

絶対なんもなかったな、なんだこの人...。

 

「はあ...何もなかったなら帰り「ねえ私と勝負してみない?」は?」

 

「勿論ドラゴンは召喚しないわ」

 

「・・・本気で言ってるんですか?」

 

「ええ。セレモニーぽいでしょ?」

いやこれではセレモニーではなく洗礼だろう。

 

「ええ!?龍ちゃん勝負するの!?」

 

「いやしな「絶対勝てないから辞めた方が良いって!」あ?」

 

「だってサイさんっていったらここの生徒会長さんだよ!!」

何?こいつが神龍を呼び出したっていう。

 

「あら、アイリスさんは知っていたのね。嬉しいわ」

 

「・・・やってやるよ勝負」

 

「へえ」

 

「ちょ!なんで!」

 

「いいかチカ、俺の嫌いな言葉はな。勉強、めんどくさい、それに絶対無理、だ。よく覚えとけ」

 

「ええ覚えたわ」

九条印さんに言ったんじゃないですけど!?

 

「龍ちゃん、そんなに早口で言ったら覚えられないよ!」

お前は覚えてないんかい!

 

「まあいいや...。それじゃあ、チカは少し離れててくれ」

 

「うん!分かった!」

チカはそういうとダッシュで入り口まで走っていった。うん絶景である。

 

「さてそれでは始めようか。準備はいいか?」

先程までの雰囲気とは異なり敵意が俺に飛んでくる。

 

「始める前にひとつ。ルール確認を」

 

「ルール確認?」

俺が指摘すると敵意は無くなり緊張もとける。

 

「はい。まず貴女が「九条印サイよ」・・・九条印さ「サイよ」」

めんどくせぇ...。

 

「さ、サイさんは龍を使用しない。これは大丈夫ですよね?」

 

「さきも言ったけれど。人相手に龍を使うなどありえないわ」

 

「それでは2つ目ですが、龍具の使用も無しでいいですよね?」

 

「ええ、使用したらその時点で私の敗けでいい」

 

「3つ目に「まだあるの?」・・・3つ目に勝者には何か利益があるんですか?」

 

「ん?私に勝てたという事だけでは不満?」

嬉しくねぇ...。

 

「不満です」

 

「そうか、不満かーなんか悲しくなってくるわー。まあいいわ、それなら私が龍人と付き合ってあげる」

 

「いや結構です」

 

「な!?龍人それは流石に泣いちゃうわよ!?いいの!?」

いやもう既に少し泣いてますし...。

 

「キャラブレてますよ...。もし俺が勝てたら1つお願いを聞いてください」

 

「願い?・・・私の叶えてあげられる範囲なら構わないけど」

 

「それで大丈夫です」

 

「なら私が勝ったら同じ条件を出しましょうか」

 

「分かりました」

 

「あーあとそうね。一応始める前に私は4属性の魔法が使えるわ。得意魔法は水」

 

「今から戦うのに余裕ですね...」

 

「なーに、後輩にせめてものハンデよ。不満?」

 

「いえ」

 

「それじゃあ」

 

「ええ。始めましょう」

 

 

 

 

 

 

九条印サイVS龍ヶ峰龍人

 

「先手は龍人にあげるわ。来なさい!」

 

「分かりました」

俺は片手を上げて呪文を詠唱する。

 

「サールガルネールスルアデルブラスト。我の前にあだなす敵を切りつけよ...鎌鼬!!」

俺は詠唱を終え風の4段階魔法を唱えた。鎌鼬は幾つもの刃になりサイさんに向かって飛んでいく。

 

「凄いわね、いきなり4段階魔法とは。エアリアル!」

サイさんは自分に風の3段階魔法を無詠唱で発動して浮かばせる。そして鎌鼬を避けたあとに無詠唱で。

 

「ファイヤーボルト!」

俺がこの学園にきてトラウマになりかけている呪文を無詠唱で放ってきた。

 

「2重能力者でしたか」

俺は飛んでくる火球に無詠唱のウォーターボールを放ち空中で爆散させる。

 

「やるわね」

地上に降りてきたサイさんが俺に言ってくる。

 

「サイさんこそ」

 

「はーい!ここで2重能力の説明をします!」

 

「アイリス?」

 

「アイリスさんは何を言ってるの?」

 

「さあ...」

 

「魔法というのは火の魔法。水の魔法。風の魔法。氷の魔法。雷の魔法。光の魔法。闇の魔法。時の魔法。地の魔法。造形の魔法。肉体強化の魔法。後は禁忌の魔法なのでetc...。と、このように多種多様に存在しますが!幾つの魔法を使えるかは産まれたときに既に決まってしまってます!努力とかでなんとかなる問題ではありません。ここ重要!」

 

「ねえ?まだ終わらないのかしら?」

 

「もう少し待ってあげてくださいよ...」

 

「そして!その扱える魔法をどの程度マスター出来るかは1割の努力と9割の才能によって決まると言われています!結局才能だよ!世知辛いな!」

 

「ねえ?アイリスさん本当に大丈夫かしら?病院に連れていったほうが...」

 

「たまにああなるので大丈夫ですよ...」

 

「そして!人の限界である5段階魔法まで2つマスターすると!2重能力として1度に2種類の魔法が使える事が出来るのです!今のところ世界で一番多く1度に魔法を使える人は4種類の魔法を使えると言われています!因みに私は一種類もマスターしていません!」

最後の一言で自滅したようで隅に座り込んでしまった。

 

「終わったの、かしら?」

 

「みたいですね」

俺に聞くとサイさんは詠唱を始めた。

 

「それじゃあ。ウルサルトモルジルウセスライトニング。クス、避けないと死んじゃうかもよ?私を守りし雷神よ、汝の力をもって目の前の敵を居抜きなさい!サンダーボルト!」

雷の魔法の5段階魔法を放とうとしていた。詠唱を終えるとサイさんは神々しく光だし俺の頭上には巨大な魔方陣が出現する。

 

「うわー...やばくね?」

流石にやばいので疲れるが肉体強化の魔法の5段階魔法を無詠唱で唱えて地の魔法の5段階魔法の呪文の詠唱を始める。

 

稲妻は詠唱を始めた俺に向かってくる。その速さは確かマッハ30万くらいだったか?肉体強化を施した俺でもかわせるのは数回程度だが数回もかわせれば詠唱が終わる。

 

「これを避けるのね...」

 

「アースグランドアビイリティノウズ。我の前に立ち絶対の守りと成せ!ゴーレム!」

俺は地の魔法の5段階魔法でオリジナルで作った召喚魔法でゴーレムを召喚した。

 

「うぉおおおおおお!!」

物凄い高鳴りと共にゴーレムは俺の前に立ちはだかる。

 

そしてサンダーボルトがゴーレムに直撃するが...。

 

「うぉおおおおおお!!」

ゴーレムは無傷でその場に立っている。

 

「ゴーレム召喚魔法なんて聞いたことがないわね...オリジナルかしら?」

 

「ああ。たまたま見つけてな」

 

「そう...地の魔法に雷の魔法で挑んでも無駄ね」

だが俺の頭上には未だに巨大な魔方陣が存在している。

 

「塵となりなさい。ウォータークラッシュ」

パチンと指を鳴らすと俺とゴーレムに何もないところから水が表れて弾ける。

 

ウォータークラッシュは水の3段階魔法で威力はないが0距離で相手に濡らせることが出来る。

 

くそっ!こんな使い方があったなんて!俺なんて最初使ったとき透ける変態能力としか思わなかったのに!!

 

「仕方ない、か」

俺は時の魔法の5段階魔法を詠唱する。肉体強化の魔法を使った状態で。

 

「バイクルサースアビスノルン。我に圧倒的な速さを!瞬間移動(超高速移動魔法)」

これは肉体強化をしないと速すぎて体が壊れてしまう荒業で時の魔法と肉体強化の魔法の混合魔法だ。段階魔法で表すと6になってしまうのだがバレてないし応用だと誤魔化せるから便利!

 

水びだしになった俺とゴーレムに落雷が襲うが俺は移動しゴーレムだけが砕け散った。

 

「瞬間移動ですか...確か6混合段階魔法だった気がしましたが」

あれ?嘘?バレてるやん....。

 

「いや、そのあれですよ偶然出来ちゃった、みたいな!」

やけくそである。

 

「人間を超越していたとは...ほんとに人間ですか?」

 

「いや酷くない?」

れっきとした人間のはず!

 

「はいはーい!ここで混合魔法とは何か説明しまーす!」

 

「・・・またですか」

 

「聞いてあげてください...」

 

「まず!混合魔法を打つには!2種類以上の魔法をマスターして2重能力者でなければいけません!そして魔法の相性を考えながら使用する魔力量を寸分たがわず調整して一気に使う必要があります!因みに混合魔法で魔力量の調整を間違えると逆に自分にダメージとして返ってくるのでとても危険でもあります!でも成功すればとても大きな力なので龍世界の今でもこの力を手にいれようと努力する人が大勢いるのです!・・・て!何で龍ちゃんが使えるの!?」

 

「あーたまたまだ」

 

「そんな簡単に...」

 

「あ、そうなの?うん分かった!流石龍ちゃんだね!」

 

「・・・」

 

「言いたいことは分かるがそっとしといてやってくれ」

 

「はあ...ここまでにしておきましょう。やる気も削がれてしまったわ」

 

「あはは、そうですね。お願いの件はどうしますか?」

 

「龍人は私に何をお願いしたかったの?」

 

「神龍を見せてもらいたいなと」

 

「なんだそんなこと。構わないわよ」

 

「え?」

 

「私と契約しドラゴンよ。私の呼び掛けに答え姿を表せ。ーーーーバハムート!」

初めて見た神龍は、とても巨大で言葉も出なかった。

 

「グオォオオオオオオ!!」

 

「どうしたの?」

 

「凄いですね...」

 

「ええ。このこがいなければ私も生徒会長なんてやれていないわ」

 

「な、ななななな!でかーーー!!」

うん。チカ分かってるけど少し五月蝿いよ?

 

「あれは無視でお願いします」

 

「龍人がそれでいいならそうしましょう」

 

『契約せし者よ。我になにようか?』

おお!ほんとに聞こえる!すげぇ....。

 

「ごめんなさい、バハムート。私の後輩がお前を見たいって言うから召喚したの」

 

『ん?・・・そうか。目覚めるのか』

ん?目覚め?

 

「えと?」

 

『まだ幼き少年よ。貴様の人生だ何が起きても貴様が決めるがいい』

 

「は、はあ....そうですか..いまいち状況が」

 

「ごめんなさい。私もよくわからないわ。どういう意味?バハムート」

 

『時が来れば分かる。それだけだ』

 

「時?」

 

『契約せし者よ。用がなければ帰るぞ?』

 

「ええ。急に悪かったわね。バハムート」

 

『構わない。面白い奴も見えたしな』

 

「ん?」

 

そのあとバハムートは光の粒子に包まれて消えていった。

 

「サイさん、ありがとうございました」

俺は素直に頭を下げてお礼を言う。

 

「いやなに、バハムートも喜んでいたのだし、いいわ。ところで私のお願いだけど、龍人に聞きたいことがあるわ」

 

「何でしょうか?」

 

「龍人は幾つの魔法を使えるの?」

 

「・・・全部です」

 

「は!?いや、え!?」

 

「それじゃあ。今日はこれで帰ります」

 

「ちょ!ちょっと待ちなさい!マスターしているのは幾つあるの!?」

 

「1つだけって言いましたよね?」

 

「うぐ...それもそうね」

 

未だに天を見ながら固まっているチカを揺すり引きずるようにして帰ろうとするとサイさんに呼び止められた。

 

「明日の授業は召喚の儀式よ。それを伝えるために生徒には集まってもらっていたの」

 

「そうですか...」

明日全てが決まると思うと急に心臓の脈打つ音が早くなっていく。

 

「サイさん!ありがとうございました!」

チカがお礼を言う。

 

「いえいえ、こちらこそ楽しかったです」

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★

 

帰った後俺は召喚の儀式のことより気になっている事があった。

あの時バハムートが言った言葉。

 

『目覚めるのか』

 

『時が来れば分かる』

 

この言葉....俺の夢に出てきたあいつのようなーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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